「このような形で実現するとは…」母校で初指揮、選手権制覇の青森山田・正木昌宣監督は優勝決定後に予定外の涙「勝手に涙が出るんだな」
2024.01.08 21:35 Mon
8日、第102回全国高校サッカー選手権大会の決勝が行われ、青森山田(青森)が近江(滋賀)と対戦。3-1で勝利し、2大会ぶり4度目の優勝を果たした。
青森山田が1点リードで迎えた後半だったが、近江は早々に得意のコンビネーションで崩しにかかると47分、浅井晴孔がドリブルで持ち上がり右の金山耀太にパス。その折り返しを山本諒がファーで詰めて同点に追いついた。
近江は1点を奪うと勢いづいて青森山田ゴールに迫っていくが、なかなかその牙城を崩せず。すると60分、一瞬の隙をついて抜け出した米谷壮史がGKまでかわしてネットを揺らして青森山田が勝ち越しに成功。70分にもカウンターから、最後は杉本英誉のシュートがオウンゴールを生み出し、リードを広げると、3-1で青森山田が勝利した。
試合後の記者会見に臨んだ正木監督はまずは選手に感謝した。
「本当に選手たちがこの大舞台でも緊張することなく、今まで1年間積み上げてきたハードワークすること、良い守備から良い攻撃というのを90分間徹底してくれたことが全てだと思うぐらい、最後までやってくれました」
「まだ優勝したという感覚もないですが、本当に頑張ってくれた選手たちに感謝したいという気持ちだけです」
正木監督は青森山田出身で、黒田監督の下で指導者に。母校を率いての全国制覇への思いを語った。
「母校で指導者をやって、選手権で優勝したいという思いで指導者になりました。去年ビックリした形で監督も引き継ぎまして、この1年試行錯誤しながらやってきましたが、本当に報われたなという気持ちで、ただただ感謝しかないです」
今回の優勝については「優勝するつもりで指導者になりましたが、このような形で実現するとは思わなかったです」と語り、「一番は黒田監督が作ってきてくれたベースがあるので、そこにただ乗らせて頂いているだけです。1回優勝したことで欲がもっと出てきそうなので、来年から頑張りたいという気持ちでいっぱいです」と、さらなる高みを目指し続けることを誓った。
試合は後半早々に追いつかれ、近江に勢いづかせる可能性もあったなか、しっかりと耐えて相手の逆をついて得点を重ねた。
近江については「本当に力のあるチームで得点力はかなり警戒していましたし、後半は選手交代やポジション変更で攻勢に来ることは十分想像していました」とコメント。「1点取られましたが、選手たちの顔を見ても全く動揺することなくプレーしていましたし、逆にしまったという顔つきでしたので、やり続けていれば必ず点が取れるとミーティングでも話していましたので、選手の状況を見て、何かを変えることはなく、今までやってきたことをもう1回整理してやろうということだけです」と語り、慌てることなく、やってきたことを出そうと考えていたとした。
選手たちを信じ、青森山田のサッカーを信じていた正木監督。黒田監督という偉大な指揮官の後を継いだが、プレッシャーはあまりなかったという。
「本当にとんでもない記録や結果というものを出してきた前監督から引き継いでの監督スタートでしたので、このような体験をしたことがある人は全国でもいないというのが正直で、誰に相談するということもなく、自分なりに監督と19年やってきていたので、監督がいた時も色々なプレッシャーをかけられていたので、それに比べれば、ちょっと伸び伸びできた部分もありました笑」
「みなさんが思っていたプレッシャーは正直感じることなく、スムーズに渡してくれた黒田前監督に感謝しかないですし、そのプレッシャーを跳ね除けてくれた選手たちが1年間逞しくやってくれていたので、プレッシャーはあまり感じずここまでこれました」
それでも優勝が決定した時には、うっすら涙も。「泣かない予定で、2年前の黒田監督の涙を見て『泣いてる』って思っていたんですが、監督で優勝すると勝手に涙が出るんだなというところと、最後笛が鳴るまで本当に選手たちが走って戦ってくれた姿を見ると、もうこれで見れないんだと。そう思うと、優勝したことよりもそっちの方に感動して涙が出ました」と、今年の3年生との活動が終わることが主な涙の理由だったという。
その3年生を始め、チームの選手たちについては「今年の選手たち、3年生全体に言えることは、コミュニケーション能力が非常に高いということと、向上心が高い選手たちがそろったなという印象があります」とコメント。「向上心とコミュニケーションというのは、チームがどうすれば結果を出せるかとか、個人としてもどうすれば良くなるかということをみんなが会話しながら、練習の中でも私が喋る必要がないぐらいコーチングが飛びましたので、それは2022年の11月の行われた新人戦の1週間前から練習しましたが、その時から既にその状況があったので、そこをしっかり活かせれば来年(2023年)戦えると思っていました。そこがこのチームの一番の強みだと思います」とコメント。選手たちがしっかりとやってくれたと語った。
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今シーズンのU-18プレミアリーグファイナルで優勝を収め、2冠を目指した青森山田。近江は初の決勝進出となり、2005年の野洲高校以来、滋賀県勢としての優勝を目指した。試合は青森山田の前プレスに対し、近江も細かく繋いで進軍していく中、33分に福島健太がネットを揺らし、青森山田が先制する。近江は1点を奪うと勢いづいて青森山田ゴールに迫っていくが、なかなかその牙城を崩せず。すると60分、一瞬の隙をついて抜け出した米谷壮史がGKまでかわしてネットを揺らして青森山田が勝ち越しに成功。70分にもカウンターから、最後は杉本英誉のシュートがオウンゴールを生み出し、リードを広げると、3-1で青森山田が勝利した。
4度目の優勝を収めた青森山田。昨シーズン限りで青森山田を強豪校に育てた黒田剛監督が退任し、FC町田ゼルビアの監督に就任。その後、明治安田生命J2リーグで優勝を果たしていた中、コーチとして従事してきた正木昌宣監督が就任して、タイトルを獲得した。
試合後の記者会見に臨んだ正木監督はまずは選手に感謝した。
「本当に選手たちがこの大舞台でも緊張することなく、今まで1年間積み上げてきたハードワークすること、良い守備から良い攻撃というのを90分間徹底してくれたことが全てだと思うぐらい、最後までやってくれました」
「まだ優勝したという感覚もないですが、本当に頑張ってくれた選手たちに感謝したいという気持ちだけです」
正木監督は青森山田出身で、黒田監督の下で指導者に。母校を率いての全国制覇への思いを語った。
「母校で指導者をやって、選手権で優勝したいという思いで指導者になりました。去年ビックリした形で監督も引き継ぎまして、この1年試行錯誤しながらやってきましたが、本当に報われたなという気持ちで、ただただ感謝しかないです」
今回の優勝については「優勝するつもりで指導者になりましたが、このような形で実現するとは思わなかったです」と語り、「一番は黒田監督が作ってきてくれたベースがあるので、そこにただ乗らせて頂いているだけです。1回優勝したことで欲がもっと出てきそうなので、来年から頑張りたいという気持ちでいっぱいです」と、さらなる高みを目指し続けることを誓った。
試合は後半早々に追いつかれ、近江に勢いづかせる可能性もあったなか、しっかりと耐えて相手の逆をついて得点を重ねた。
近江については「本当に力のあるチームで得点力はかなり警戒していましたし、後半は選手交代やポジション変更で攻勢に来ることは十分想像していました」とコメント。「1点取られましたが、選手たちの顔を見ても全く動揺することなくプレーしていましたし、逆にしまったという顔つきでしたので、やり続けていれば必ず点が取れるとミーティングでも話していましたので、選手の状況を見て、何かを変えることはなく、今までやってきたことをもう1回整理してやろうということだけです」と語り、慌てることなく、やってきたことを出そうと考えていたとした。
選手たちを信じ、青森山田のサッカーを信じていた正木監督。黒田監督という偉大な指揮官の後を継いだが、プレッシャーはあまりなかったという。
「本当にとんでもない記録や結果というものを出してきた前監督から引き継いでの監督スタートでしたので、このような体験をしたことがある人は全国でもいないというのが正直で、誰に相談するということもなく、自分なりに監督と19年やってきていたので、監督がいた時も色々なプレッシャーをかけられていたので、それに比べれば、ちょっと伸び伸びできた部分もありました笑」
「みなさんが思っていたプレッシャーは正直感じることなく、スムーズに渡してくれた黒田前監督に感謝しかないですし、そのプレッシャーを跳ね除けてくれた選手たちが1年間逞しくやってくれていたので、プレッシャーはあまり感じずここまでこれました」
それでも優勝が決定した時には、うっすら涙も。「泣かない予定で、2年前の黒田監督の涙を見て『泣いてる』って思っていたんですが、監督で優勝すると勝手に涙が出るんだなというところと、最後笛が鳴るまで本当に選手たちが走って戦ってくれた姿を見ると、もうこれで見れないんだと。そう思うと、優勝したことよりもそっちの方に感動して涙が出ました」と、今年の3年生との活動が終わることが主な涙の理由だったという。
その3年生を始め、チームの選手たちについては「今年の選手たち、3年生全体に言えることは、コミュニケーション能力が非常に高いということと、向上心が高い選手たちがそろったなという印象があります」とコメント。「向上心とコミュニケーションというのは、チームがどうすれば結果を出せるかとか、個人としてもどうすれば良くなるかということをみんなが会話しながら、練習の中でも私が喋る必要がないぐらいコーチングが飛びましたので、それは2022年の11月の行われた新人戦の1週間前から練習しましたが、その時から既にその状況があったので、そこをしっかり活かせれば来年(2023年)戦えると思っていました。そこがこのチームの一番の強みだと思います」とコメント。選手たちがしっかりとやってくれたと語った。
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