【CLグループF総括】死の組1抜けは常連ドルトムント、最終節までもつれ込んだ2枠目争いはPSGが制す
2023.12.15 13:01 Fri
ドルトムントとPSGが決勝T進出
強豪揃いとなったグループFは前評判通りの大混戦に。ドルトムントが最終節を前に突破を決めると、残る1枠にはパリ・サンジェルマン(PSG)が滑り込んだ。
■順位表■
[勝ち点/勝/引/負/得失点]
1.ドルトムント[11/3/2/1/3]
2.PSG[8/2/2/2/1]
3.ミラン[8/2/2/2/-3]
4.ニューカッスル[5/1/2/3/-1]
◆3連勝もありグループステージ突破一番乗り〜ドルトムント〜

“死の組“首位通過で、昨シーズンに続く決勝トーナメント進出。8年連続CL出場の実績が伊達ではないことを証明した。
MFベリンガムやDFゲレイロといった主力が退団し、FWフュルクルクやMFエンメチャ、MFザビッツァー、DFベンセバイニらを迎えたドルトムント。リーグ戦も含め序盤から好調とはいかなかったが、スタメン定着後のフュルクルクや、MFブラント、MFロイスなどの既存戦力が攻撃を牽引し、FWアデイェミ、FWバイノー=ギテンスといった若手の活躍も要所で光った。
アウェイのPSG戦、ホームのミラン戦と2戦連続未勝利スタートとなったものの、第3節ニューカッスル戦はエンメチャの1点を守りきりアウェイで初勝利。続くニューカッスルとのリターンマッチでも勝利をあげると、3得点を奪った第5節ミラン戦で3連勝とし、グループ突破が確定。最終節のPSG戦を引き分けたことにより、首位通過となった。
◆決勝トーナメントでの爆発に期待〜PSG〜

ルイス・エンリケ体制1年目は、薄氷のグループ2位通過となった。
エンリケ監督の招へいにとどまらず、FWメッシやFWネイマールら重鎮の退団、FWデンベレやDFシュクリニアル、DFリュカ・エルナンデスらの加入など、大きく変貌を遂げたPSG。去就問題に揺れながら結局残留したエースFWムバッペへの依存度が高くなった中、首位を走るリーグ戦とは裏腹に苦戦を強いられた。
調子が上がりきっていないドルトムントとの初戦はムバッペとDFハキミのゴールで快勝したが、第2節はホームの熱狂的な後押しを受けるニューカッスルに4失点大敗。続くホームのミラン戦では勝利し首位に浮上したが、第4節のリターンマッチでは逆転負けを喫した。
2位に後退して迎えた第5節のニューカッスル戦は、1点ビハインドのまま終盤に突入する苦しい展開に。それでも後半アディショナルタイムに物議を醸したハンド判定からPKを獲得し、土壇場でドローに持ち込んだ。勝利すれば自力での決勝トーナメント進出が決まる最終節のドルトムント戦は、他会場の動向も考慮しながら1-1のドローで終え、2位を死守した。
2シーズン連続のベスト16止まりを払拭すべく解決したいのは、押し込むわりにゴールが奪えない得点力不足。ムバッペだけでなくFWコロ・ムアニやMFイ・ガンインにも得点が生まれたホームのミラン戦のような試合運びが望まれる。
◆16強にあと一歩及ばず〜ミラン〜

昨シーズンのベスト4入りから一転、今シーズンはグループ3位でのヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメントプレーオフ行きとなった。
主力MFトナーリを放出した資金を活用し、FWプリシックやMFロフタス=チーク、MFラインデルスら大型補強を敢行したミラン。最終ラインにケガ人が続出した一方、前線はFWジルーやFWレオン、プリシックといったレギュラー陣が奮闘し、FWチュクウェゼやFWヨビッチといった新戦力アタッカーたちも徐々に存在感を発揮した。
リーグ戦ではミラノ・ダービーの大敗というショッキングな出来事があった中、CLはホームのニューカッスル戦、アウェイのドルトムント戦をどちらもゴールレスドローで終え、2戦未勝利発進に。続く第3節PSG戦は0-3で完敗と窮地に追い込まれたが、ホームで迎えた第4節PSG戦はレオンとジルーのゴールで逆転し、突破に望みを繋いだ。
それでも次のドルトムント戦を1-3で落としてしまい再びブレーキ。わずかな可能性を残して最終節のニューカッスル戦に挑むとプリシック&チュクウェゼ弾で見事に逆転勝利を収めたが、他会場のPSGが2位を死守したため、決勝トーナメント進出はならなかった。
采配がズバリ的中した最終節を筆頭に、離脱者が多い状況でもうまくやりくりした印象のピオリ監督だが、2勝はどちらも逆転勝ちと隙が多かった感も否めない。
◆アクシデント多数も久々のCLで健闘〜ニューカッスル〜

昨シーズンはプレミアリーグで4位入りと躍進が続くが、21年ぶりのCLでいきなり決勝トーナメント進出とはならなかった。
CLとの二足の草鞋に向けトナーリやMFバーンズ、DFリヴラメントらを獲得し、選手層を厚くしたニューカッスル。しかし、バーンズが早々に負傷離脱すると、他にもDFボトマンやMFアンダーソンなどケガ人が続出した上、賭博違反発覚のトナーリは10カ月の出場停止に。予期せぬ事態が続く中、FWゴードンやFWイサク、FWアルミロンらが前線で気を吐き、17歳の生え抜きMFマイリーという若手も頭角を現した。
リーグ戦では序盤からまさかの3連敗も喫したが、CL初戦のミラン戦をゴールレスドローに持ち込むと、第2節PSG戦はホームサポーターの熱狂的な後押しもあり4-1で大勝。上々の滑り出しとなったが、第3節、第4節のドルトムント2連戦はホーム&アウェイどちらも敗れ、最下位に転落した。
立て直しが求められた第5節PSG戦は、負傷から復帰したイサクのゴールで先制しながら、前述の疑惑のハンドで後半アディショナルタイムにPKを与えてしまい、ドロー決着に。守護神のGKポープも離脱となって迎えた運命の最終節は、ホームでミランに逆転負けを喫し、グループF最下位でCLの戦いを終えた。
久々の夢の舞台で儚く散ったものの、ヨーロッパの強豪相手にも十分渡り合えることは証明。ここからはプレミアリーグを始めとした国内戦に専念し、2年連続のCL出場権獲得を目指す。
■順位表■
[勝ち点/勝/引/負/得失点]
1.ドルトムント[11/3/2/1/3]
2.PSG[8/2/2/2/1]
3.ミラン[8/2/2/2/-3]
4.ニューカッスル[5/1/2/3/-1]
◆3連勝もありグループステージ突破一番乗り〜ドルトムント〜

Getty Images
“死の組“首位通過で、昨シーズンに続く決勝トーナメント進出。8年連続CL出場の実績が伊達ではないことを証明した。
アウェイのPSG戦、ホームのミラン戦と2戦連続未勝利スタートとなったものの、第3節ニューカッスル戦はエンメチャの1点を守りきりアウェイで初勝利。続くニューカッスルとのリターンマッチでも勝利をあげると、3得点を奪った第5節ミラン戦で3連勝とし、グループ突破が確定。最終節のPSG戦を引き分けたことにより、首位通過となった。
CLでは尻上がりに調子を上げたものの、ブンデスリーガでは現在5位と波が激しく、安定感を求めたいところ。ノックアウトステージの利点を活かす方向で、昨シーズンの成績を上回る8強入りが期待される。
◆決勝トーナメントでの爆発に期待〜PSG〜

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ルイス・エンリケ体制1年目は、薄氷のグループ2位通過となった。
エンリケ監督の招へいにとどまらず、FWメッシやFWネイマールら重鎮の退団、FWデンベレやDFシュクリニアル、DFリュカ・エルナンデスらの加入など、大きく変貌を遂げたPSG。去就問題に揺れながら結局残留したエースFWムバッペへの依存度が高くなった中、首位を走るリーグ戦とは裏腹に苦戦を強いられた。
調子が上がりきっていないドルトムントとの初戦はムバッペとDFハキミのゴールで快勝したが、第2節はホームの熱狂的な後押しを受けるニューカッスルに4失点大敗。続くホームのミラン戦では勝利し首位に浮上したが、第4節のリターンマッチでは逆転負けを喫した。
2位に後退して迎えた第5節のニューカッスル戦は、1点ビハインドのまま終盤に突入する苦しい展開に。それでも後半アディショナルタイムに物議を醸したハンド判定からPKを獲得し、土壇場でドローに持ち込んだ。勝利すれば自力での決勝トーナメント進出が決まる最終節のドルトムント戦は、他会場の動向も考慮しながら1-1のドローで終え、2位を死守した。
2シーズン連続のベスト16止まりを払拭すべく解決したいのは、押し込むわりにゴールが奪えない得点力不足。ムバッペだけでなくFWコロ・ムアニやMFイ・ガンインにも得点が生まれたホームのミラン戦のような試合運びが望まれる。
◆16強にあと一歩及ばず〜ミラン〜

Getty Images
昨シーズンのベスト4入りから一転、今シーズンはグループ3位でのヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメントプレーオフ行きとなった。
主力MFトナーリを放出した資金を活用し、FWプリシックやMFロフタス=チーク、MFラインデルスら大型補強を敢行したミラン。最終ラインにケガ人が続出した一方、前線はFWジルーやFWレオン、プリシックといったレギュラー陣が奮闘し、FWチュクウェゼやFWヨビッチといった新戦力アタッカーたちも徐々に存在感を発揮した。
リーグ戦ではミラノ・ダービーの大敗というショッキングな出来事があった中、CLはホームのニューカッスル戦、アウェイのドルトムント戦をどちらもゴールレスドローで終え、2戦未勝利発進に。続く第3節PSG戦は0-3で完敗と窮地に追い込まれたが、ホームで迎えた第4節PSG戦はレオンとジルーのゴールで逆転し、突破に望みを繋いだ。
それでも次のドルトムント戦を1-3で落としてしまい再びブレーキ。わずかな可能性を残して最終節のニューカッスル戦に挑むとプリシック&チュクウェゼ弾で見事に逆転勝利を収めたが、他会場のPSGが2位を死守したため、決勝トーナメント進出はならなかった。
采配がズバリ的中した最終節を筆頭に、離脱者が多い状況でもうまくやりくりした印象のピオリ監督だが、2勝はどちらも逆転勝ちと隙が多かった感も否めない。
◆アクシデント多数も久々のCLで健闘〜ニューカッスル〜

Getty Images
昨シーズンはプレミアリーグで4位入りと躍進が続くが、21年ぶりのCLでいきなり決勝トーナメント進出とはならなかった。
CLとの二足の草鞋に向けトナーリやMFバーンズ、DFリヴラメントらを獲得し、選手層を厚くしたニューカッスル。しかし、バーンズが早々に負傷離脱すると、他にもDFボトマンやMFアンダーソンなどケガ人が続出した上、賭博違反発覚のトナーリは10カ月の出場停止に。予期せぬ事態が続く中、FWゴードンやFWイサク、FWアルミロンらが前線で気を吐き、17歳の生え抜きMFマイリーという若手も頭角を現した。
リーグ戦では序盤からまさかの3連敗も喫したが、CL初戦のミラン戦をゴールレスドローに持ち込むと、第2節PSG戦はホームサポーターの熱狂的な後押しもあり4-1で大勝。上々の滑り出しとなったが、第3節、第4節のドルトムント2連戦はホーム&アウェイどちらも敗れ、最下位に転落した。
立て直しが求められた第5節PSG戦は、負傷から復帰したイサクのゴールで先制しながら、前述の疑惑のハンドで後半アディショナルタイムにPKを与えてしまい、ドロー決着に。守護神のGKポープも離脱となって迎えた運命の最終節は、ホームでミランに逆転負けを喫し、グループF最下位でCLの戦いを終えた。
久々の夢の舞台で儚く散ったものの、ヨーロッパの強豪相手にも十分渡り合えることは証明。ここからはプレミアリーグを始めとした国内戦に専念し、2年連続のCL出場権獲得を目指す。
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