【プレミアリーグ シーズンプレビュー】史上初の4連覇目指すシティにライバルの包囲網
2023.08.11 12:45 Fri
2023-24シーズンのプレミアリーグが8月11日(金)に開幕を迎える。昨シーズンはアーセナルとの熾烈なタイトルレースを制したマンチェスター・シティが3連覇の偉業を達成。今シーズンは史上初の4連覇を目指すシティを、アーセナルやマンチェスター・ユナイテッド、昨季苦杯を舐めたリバプールらライバルが全力で阻止にいく構図のタイトル争いとなるはずだ。
◆史上初の4連覇へ目立った死角なし~マンチェスター・シティ~

昨季、悲願のビッグイヤー獲得を含め宿敵マンチェスター・ユナイテッド以来のシーズントレブルを達成した3連覇王者が優勝候補の筆頭だ。
昨季はシーズンを通してアーセナルに首位の座を譲りながらも、優勝争いにおいて重要な終盤戦において傑出した勝負強さと安定感を見せつけ、クラブ史上初の3連覇を成し遂げたペップ・シティ。今シーズンはプレミアリーグ史上初の4連覇に向け、ライバルたちの包囲網突破を狙う。
今夏の移籍市場ではキャプテンのMFギュンドアンに加え、FWマフレズと近年の黄金期の立役者2選手が退団したものの、流出濃厚と思われたDFウォーカーとMFベルナルド・シウバの慰留に成功。一方、ギュンドアンの後釜にMFコバチッチ、ディフェンスラインに次代の世界最高DFの呼び声高いDFグヴァルディオルを補強。今後はマフレズの後釜となる右ウイング、MFパケタがトップターゲットとされる中盤の補強に動く可能性はあるものの、ディフェンスラインを中心にすでに世界屈指のスカッドを誇る。
CL決勝まで戦ったことによる休暇の短さやタフなアジアツアーの影響もあり、開幕直前のコミュニティ・シールドでアーセナルに敗れるなど、ここまでの仕上がりは今一つだが、例年スロースタートの傾向もあり、大きな問題はないはずだ。
◆最有力対抗馬も久々参戦CLの影響懸念~アーセナル~

その絶対王者に格の違いを見せつけられたものの、近年で最もポジティブなシーズンを過ごしたアーセナルは、今季は正真正銘のタイトルコンテンダーとして20シーズンぶりのリーグタイトルに再挑戦する。
青年指揮官アルテタと共に辛抱強く若手の育成、スカッド刷新を図った結果、昨季は最大の目標だったトップ4フィニッシュを大きく上回る2位フィニッシュという望外の結果を手にしたアーセナル。しかし、開幕からリーグタイトル獲得を至上命令としていた王者に比べ、シーズン中に目標を上方修正した感もあり、若手中心のスカッドは重要な終盤戦に脆さを露呈した。
今季はその反省を生かして開幕前からリーグタイトルを目標に掲げ、今夏の移籍市場ではシティとの争奪戦を制してMFライスを、チェルシーとアヤックスからMFハヴァーツ、DFティンバーという実力者をピンポイントで補強。さらに、守護神ラムズデールのライバルとしてGKラヤの獲得も決定的だ。MFジャカを除き主力に流出もなく、クラブとしてタイトル獲得への本気度を示している。
プレシーズン、前述のコミュニティ・シールドを含め、チームは昨季同様のロケットスタートを再現すべく早めの仕上がりを見せているが、9月中旬からのチャンピオンズリーグ(CL)開幕による過密日程を前にやや仕上げが早すぎる印象もあり、シーズンを通してのペース配分という部分はやや懸念材料。その反動か否かは不明だが、エースFWガブリエウ・ジェズスがすでに負傷離脱しており、アルテタ監督としてはDFサリバやDF冨安健洋が相次いで離脱した昨季終盤の二の舞は避けたいところだ。
◆テン・ハグ体制2年目で成熟進む。覇権奪還は若手アタッカー陣次第~マンチェスター・ユナイテッド~

シティとアーセナルの2強に水をあけられたものの、テン・ハグ体制1年目で3位フィニッシュに加え、久々のタイトルとなるEFLカップ制覇と上々のシーズンを過ごしたユナイテッド。テン・ハグ体制2年目で成熟進む中、今季はその差を埋めながら覇権奪還を目指す。
グレイザーファミリーの不誠実な対応によってクラブ売却は未だ実現せず、今夏の移籍市場ではライバルに後れを取る形となった。それでも、前守護神デ・ヘアの後釜に指揮官のアヤックス時代の教え子であるGKオナナを獲得し、中盤にチェルシーの生え抜きMFマウント、前線に“NEXTハーランド”の呼び声高いFWホイルンドを補強。あとは退団濃厚のMFフレッジ、DFマグワイアの後釜に、噂されるMFアムラバトやDFパヴァールかDFトディボを獲得できれば、補強はほぼ完了となる見込みだ。
昨季はカウンター主体も足元の技術に長けたオナナの加入でビルドアップの質は大きく向上し、指揮官が志向する本来のスタイルをようやく体現できるはずだ。これにより、対戦相手に応じてより柔軟な戦い方ができる点は大きなプラスだ。ただ、昨季58得点に終わった得点力の改善に関してはプレミア初挑戦のホイルンド次第という部分もあり、エースFWラッシュフォードのシーズンを通しての安定したパフォーマンスに、FWガルナチョやFWアントニー、FWサンチョら若手アタッカー陣の決定力向上が必須だ。
◆捲土重来期す名門~リバプール、トッテナム、チェルシー~

昨季はトップ4フィニッシュを逃し、ビッグ6の敗者となった名門3クラブは今夏の大幅なスカッド刷新を経て捲土重来を期す。
昨季、多くの負傷者に悩まされて5位フィニッシュとなったリバプールはクロップ体制を継続。ただ、今夏の移籍市場ではFWフィルミノ、MFミルナーが契約満了で、キャプテンのMFヘンダーソンとMFファビーニョがサウジアラビアからの巨額オファーを受け入れて電撃退団。近年の黄金期を支えた多くのベテランがチームを離れることになった。補強に関してはMFマク・アリスター、MFソボスライという人気株を早い段階で獲得したものの、以降の獲得交渉は難航。ただ、開幕直前にチェルシーと競合したMFカイセドに巨額オファーを掲示し、3人目の補強に迫っている模様。この移籍が決まれば、中盤の刷新は成功と考えていいはずだ。
前線ではエースFWサラーに加え、負傷明けのFWルイス・ディアスとFWジョタ、加入2年目で真価発揮が期待できるFWヌニェス、FWガクポと多士済々な面々が揃っており、現状ではハイリスク・ハイリターンのDFアレクサンダー=アーノルドの“偽SB”起用をうまくマネジメントできれば、十分に優勝争いに絡む力はある。
コンテ体制2年目をヨーロッパ圏外の8位で終えたトッテナムは、前セルティック指揮官のポステコグルー監督を新指揮官に招へい。新守護神ヴィカーリオ、MFマディソン、DFファン・デ・フェンら6人の新戦力を迎え、ローンバックのMFロ・チェルソ、DFウドジェらもプレシーズンに好パフォーマンスを披露し、カウンター一辺倒だった昨季から指揮官が志向するポゼッションスタイルへの移行は比較的スムーズに進む。しかし、開幕直前に絶対的エースFWケインのバイエルン移籍が決定的となり、状況は一変。今夏の早い段階で流出を覚悟していたものの、このタイミングでのエース流出が与える影響は計り知れない。
1億ユーロ超えと言われる売却益の使い道は現時点で不明だが、世界屈指の万能型ストライカーの穴を埋めるのは容易ではなく、昨季リーグ戦1ゴールに終わったFWリシャルリソンやもう一人のエースFWソン・フンミンの既存戦力の奮起に加え、FWデイビッドやFWオルバン、FWワイら若手がリストアップされる新ストライカー補強が今季の成功のカギを握る。
トッド・ベーリー氏率いる新オーナーの下で臨んだ昨季は無軌道な補強や指揮官交代の影響で12位フィニッシュという屈辱を味わったチェルシー。巻き返しを狙う今季はポチェッティーノ監督を新指揮官に据え、移籍市場においては良くも悪くも最も活発な動きを見せている。
膨れ上がったスカッド、FFPの問題を抱えるクラブはマウントやMFロフタス=チークといった生え抜きに加え、MFカンテやコバチッチ、ハヴァーツ、DFアスピリクエタら近年の主力や功労者を相次いで放出。代わって若手偏重の補強方針の下、MFエンクンクやFWジャクソン、MFウゴチュク、GKロベルト・サンチェス、DFディザジといった新戦力を補強。大胆なスカッド刷新に踏み切った。また、今後も新ストライカー、手薄な中盤の補強を継続する見込みだ。若手育成に長けたアルゼンチン人指揮官だが、様変わりしたスカッド掌握にはそれ相応の時間を要する可能性が高く、シーズン序盤で躓くようなことがあれば、経験不足のチームの軌道修正は困難を極めることになる。
◆欧州との二足の草鞋履き更なる躍進狙う~ニューカッスル、ブライトン、アストン・ビラ~

昨季はビッグ6に比肩するパフォーマンスを見せ、それぞれヨーロッパコンペティション行きを決めたニューカッスル、ブライトン、アストン・ビラの3クラブはその欧州の大会と並行しつつ、リーグ戦での成功を目指す。
サウジアラビア政府系ファンドの買収以降、エディ・ハウ監督の卓越した手腕と的確な補強によって躍進を見せるニューカッスルは悲願のCL出場権を獲得。さらなる躍進を目指す新シーズンに向けてはミランの主力MFトナーリ、国内の有望な若手であるMFバーンズ、DFリヴラメントを補強。手薄なポジションにしっかりとテコ入れを図った。
この補強によって各ポジションに主力クラスを2人ずつ揃えることになったが、CLとの二足の草鞋を履くタフなシーズンにおいて、昨季機能していたリーグ屈指のハイインテンシティのスタイルをシーズン通して維持できるかはやや疑問が残る。そのため、ハウ監督が本来志向するポゼッションスタイルでのゲームコントロールなどマイナーチェンジは不可欠か。
ビッグ6らに資金力では遠く及ばないものの、有能なフロントの下で適切な指揮官、選手の発掘によってクラブ史上初のヨーロッパリーグ(EL)出場権獲得にこぎ着けたブライトン。智将デ・ゼルビが率いる昨季の6位チームは、今夏もマク・アリスター、サンチェスに加え、カイセドという主力を引き抜かれる形となったが、ミルナーやDFイゴール、MFダフード、FWジョアン・ペドロら実力者を補強。さらに、移籍市場閉幕までにアヤックスのMFクドゥスの獲得にも動く模様だ。
前述の主力流出に加え、特異なポゼッションスタイルに対する対戦相手の分析も進んでおり、今季は真価が試されるシーズンとなる。そういった中、新戦力と共にチーム浮沈のカギを握るのが、MF三笘薫だ。ここ最近ではシティからの関心も報じられるが、現時点では残留が既定路線となっており、今やリーグ屈指のアタッカーとして認知されるシーガルズの左の翼は対戦相手の徹底マークが予想される中、攻撃を牽引する仕事が求められる。
2019-20シーズンのプレミアリーグ復帰以降、積極的に資金を投下して着実にチーム力を上げているアストン・ビラ。昨季はシーズン途中のウナイ・エメリ監督招へいが大きなターニングポイントとなり、後半戦で快進撃を見せると、最終的にカンファレンスリーグ(ECL)出場権を獲得。今夏、セビージャの辣腕スポーツディレクターのモンチ氏を招へいしたクラブは、DFパウ・トーレス、MFティーレマンス、FWムサ・ディアビと国内外のビッグクラブが獲得を狙ったタレントを獲得。さらに、MFブエンディアの長期離脱の影響もあり、ガラタサライのMFザニオーロの獲得にも動く。相手の長所を消すことに長けた指揮官の分析力と、カウンターを主体としたハイインテンシティのスタイルで今季もビッグ6を脅かすことが期待される。
◆予想困難な残留争い~その他クラブ~

上位争いは前述のクラブに限られる可能性が高いが、ヨーロッパで最も資金力と競争力を持つプレミアリーグにおいてはそれ以外のクラブも侮れない実力者が多く、中位争いや残留争いも予想が困難だ。
現状ではプレミアリーグ初昇格のルートン・タウンやシェフィールド・ユナイテッドの昇格組2クラブに、FFPの問題で多くの主力が流出した上、ロペテギ監督の電撃退任に伴い、前ボーンマスのオニール監督を急遽招へいしたウォルバ―ハンプトン辺りが難しい戦いを強いられそうだ。また、エースFWザハの退団に加え、MFオリーズにもビッグクラブ移籍の噂がある、老将ホジソン率いるクリスタル・パレス辺りも苦戦が見込まれる。
一方、コンパニ監督の下で昨季チャンピオンシップ(イングランド2部)を制したバーンリーや、マルコ・シウバ監督がサウジアラビア行きを拒否して残留したフルアム、前ラージョ指揮官のイラオラ監督を招へいし、逸材MFアレックス・スコットやDFアーロンズ、DFケルケズといった興味深いタレントを補強したボーンマスといったクラブの躍進が期待される。
◆史上初の4連覇へ目立った死角なし~マンチェスター・シティ~

Getty Images
昨季、悲願のビッグイヤー獲得を含め宿敵マンチェスター・ユナイテッド以来のシーズントレブルを達成した3連覇王者が優勝候補の筆頭だ。
昨季はシーズンを通してアーセナルに首位の座を譲りながらも、優勝争いにおいて重要な終盤戦において傑出した勝負強さと安定感を見せつけ、クラブ史上初の3連覇を成し遂げたペップ・シティ。今シーズンはプレミアリーグ史上初の4連覇に向け、ライバルたちの包囲網突破を狙う。
CL決勝まで戦ったことによる休暇の短さやタフなアジアツアーの影響もあり、開幕直前のコミュニティ・シールドでアーセナルに敗れるなど、ここまでの仕上がりは今一つだが、例年スロースタートの傾向もあり、大きな問題はないはずだ。
昨季は[3-2-4-1]の可変式の布陣やDFストーンズの“偽CB”と新たな引き出しを見せたグアルディオラ監督は、現状のスカッドに合わせて[4-3-1-2]気味のオプションを試すなど今季も新たなスタイルの追求に余念なく、加入2年目でさらなる爆発が期待される怪物FWハーランドの存在を含め、今季も熾烈タイトルレースの大本命だ。
◆最有力対抗馬も久々参戦CLの影響懸念~アーセナル~

Getty Images
その絶対王者に格の違いを見せつけられたものの、近年で最もポジティブなシーズンを過ごしたアーセナルは、今季は正真正銘のタイトルコンテンダーとして20シーズンぶりのリーグタイトルに再挑戦する。
青年指揮官アルテタと共に辛抱強く若手の育成、スカッド刷新を図った結果、昨季は最大の目標だったトップ4フィニッシュを大きく上回る2位フィニッシュという望外の結果を手にしたアーセナル。しかし、開幕からリーグタイトル獲得を至上命令としていた王者に比べ、シーズン中に目標を上方修正した感もあり、若手中心のスカッドは重要な終盤戦に脆さを露呈した。
今季はその反省を生かして開幕前からリーグタイトルを目標に掲げ、今夏の移籍市場ではシティとの争奪戦を制してMFライスを、チェルシーとアヤックスからMFハヴァーツ、DFティンバーという実力者をピンポイントで補強。さらに、守護神ラムズデールのライバルとしてGKラヤの獲得も決定的だ。MFジャカを除き主力に流出もなく、クラブとしてタイトル獲得への本気度を示している。
プレシーズン、前述のコミュニティ・シールドを含め、チームは昨季同様のロケットスタートを再現すべく早めの仕上がりを見せているが、9月中旬からのチャンピオンズリーグ(CL)開幕による過密日程を前にやや仕上げが早すぎる印象もあり、シーズンを通してのペース配分という部分はやや懸念材料。その反動か否かは不明だが、エースFWガブリエウ・ジェズスがすでに負傷離脱しており、アルテタ監督としてはDFサリバやDF冨安健洋が相次いで離脱した昨季終盤の二の舞は避けたいところだ。
◆テン・ハグ体制2年目で成熟進む。覇権奪還は若手アタッカー陣次第~マンチェスター・ユナイテッド~

Getty Images
シティとアーセナルの2強に水をあけられたものの、テン・ハグ体制1年目で3位フィニッシュに加え、久々のタイトルとなるEFLカップ制覇と上々のシーズンを過ごしたユナイテッド。テン・ハグ体制2年目で成熟進む中、今季はその差を埋めながら覇権奪還を目指す。
グレイザーファミリーの不誠実な対応によってクラブ売却は未だ実現せず、今夏の移籍市場ではライバルに後れを取る形となった。それでも、前守護神デ・ヘアの後釜に指揮官のアヤックス時代の教え子であるGKオナナを獲得し、中盤にチェルシーの生え抜きMFマウント、前線に“NEXTハーランド”の呼び声高いFWホイルンドを補強。あとは退団濃厚のMFフレッジ、DFマグワイアの後釜に、噂されるMFアムラバトやDFパヴァールかDFトディボを獲得できれば、補強はほぼ完了となる見込みだ。
昨季はカウンター主体も足元の技術に長けたオナナの加入でビルドアップの質は大きく向上し、指揮官が志向する本来のスタイルをようやく体現できるはずだ。これにより、対戦相手に応じてより柔軟な戦い方ができる点は大きなプラスだ。ただ、昨季58得点に終わった得点力の改善に関してはプレミア初挑戦のホイルンド次第という部分もあり、エースFWラッシュフォードのシーズンを通しての安定したパフォーマンスに、FWガルナチョやFWアントニー、FWサンチョら若手アタッカー陣の決定力向上が必須だ。
◆捲土重来期す名門~リバプール、トッテナム、チェルシー~

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昨季はトップ4フィニッシュを逃し、ビッグ6の敗者となった名門3クラブは今夏の大幅なスカッド刷新を経て捲土重来を期す。
昨季、多くの負傷者に悩まされて5位フィニッシュとなったリバプールはクロップ体制を継続。ただ、今夏の移籍市場ではFWフィルミノ、MFミルナーが契約満了で、キャプテンのMFヘンダーソンとMFファビーニョがサウジアラビアからの巨額オファーを受け入れて電撃退団。近年の黄金期を支えた多くのベテランがチームを離れることになった。補強に関してはMFマク・アリスター、MFソボスライという人気株を早い段階で獲得したものの、以降の獲得交渉は難航。ただ、開幕直前にチェルシーと競合したMFカイセドに巨額オファーを掲示し、3人目の補強に迫っている模様。この移籍が決まれば、中盤の刷新は成功と考えていいはずだ。
前線ではエースFWサラーに加え、負傷明けのFWルイス・ディアスとFWジョタ、加入2年目で真価発揮が期待できるFWヌニェス、FWガクポと多士済々な面々が揃っており、現状ではハイリスク・ハイリターンのDFアレクサンダー=アーノルドの“偽SB”起用をうまくマネジメントできれば、十分に優勝争いに絡む力はある。
コンテ体制2年目をヨーロッパ圏外の8位で終えたトッテナムは、前セルティック指揮官のポステコグルー監督を新指揮官に招へい。新守護神ヴィカーリオ、MFマディソン、DFファン・デ・フェンら6人の新戦力を迎え、ローンバックのMFロ・チェルソ、DFウドジェらもプレシーズンに好パフォーマンスを披露し、カウンター一辺倒だった昨季から指揮官が志向するポゼッションスタイルへの移行は比較的スムーズに進む。しかし、開幕直前に絶対的エースFWケインのバイエルン移籍が決定的となり、状況は一変。今夏の早い段階で流出を覚悟していたものの、このタイミングでのエース流出が与える影響は計り知れない。
1億ユーロ超えと言われる売却益の使い道は現時点で不明だが、世界屈指の万能型ストライカーの穴を埋めるのは容易ではなく、昨季リーグ戦1ゴールに終わったFWリシャルリソンやもう一人のエースFWソン・フンミンの既存戦力の奮起に加え、FWデイビッドやFWオルバン、FWワイら若手がリストアップされる新ストライカー補強が今季の成功のカギを握る。
トッド・ベーリー氏率いる新オーナーの下で臨んだ昨季は無軌道な補強や指揮官交代の影響で12位フィニッシュという屈辱を味わったチェルシー。巻き返しを狙う今季はポチェッティーノ監督を新指揮官に据え、移籍市場においては良くも悪くも最も活発な動きを見せている。
膨れ上がったスカッド、FFPの問題を抱えるクラブはマウントやMFロフタス=チークといった生え抜きに加え、MFカンテやコバチッチ、ハヴァーツ、DFアスピリクエタら近年の主力や功労者を相次いで放出。代わって若手偏重の補強方針の下、MFエンクンクやFWジャクソン、MFウゴチュク、GKロベルト・サンチェス、DFディザジといった新戦力を補強。大胆なスカッド刷新に踏み切った。また、今後も新ストライカー、手薄な中盤の補強を継続する見込みだ。若手育成に長けたアルゼンチン人指揮官だが、様変わりしたスカッド掌握にはそれ相応の時間を要する可能性が高く、シーズン序盤で躓くようなことがあれば、経験不足のチームの軌道修正は困難を極めることになる。
◆欧州との二足の草鞋履き更なる躍進狙う~ニューカッスル、ブライトン、アストン・ビラ~

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昨季はビッグ6に比肩するパフォーマンスを見せ、それぞれヨーロッパコンペティション行きを決めたニューカッスル、ブライトン、アストン・ビラの3クラブはその欧州の大会と並行しつつ、リーグ戦での成功を目指す。
サウジアラビア政府系ファンドの買収以降、エディ・ハウ監督の卓越した手腕と的確な補強によって躍進を見せるニューカッスルは悲願のCL出場権を獲得。さらなる躍進を目指す新シーズンに向けてはミランの主力MFトナーリ、国内の有望な若手であるMFバーンズ、DFリヴラメントを補強。手薄なポジションにしっかりとテコ入れを図った。
この補強によって各ポジションに主力クラスを2人ずつ揃えることになったが、CLとの二足の草鞋を履くタフなシーズンにおいて、昨季機能していたリーグ屈指のハイインテンシティのスタイルをシーズン通して維持できるかはやや疑問が残る。そのため、ハウ監督が本来志向するポゼッションスタイルでのゲームコントロールなどマイナーチェンジは不可欠か。
ビッグ6らに資金力では遠く及ばないものの、有能なフロントの下で適切な指揮官、選手の発掘によってクラブ史上初のヨーロッパリーグ(EL)出場権獲得にこぎ着けたブライトン。智将デ・ゼルビが率いる昨季の6位チームは、今夏もマク・アリスター、サンチェスに加え、カイセドという主力を引き抜かれる形となったが、ミルナーやDFイゴール、MFダフード、FWジョアン・ペドロら実力者を補強。さらに、移籍市場閉幕までにアヤックスのMFクドゥスの獲得にも動く模様だ。
前述の主力流出に加え、特異なポゼッションスタイルに対する対戦相手の分析も進んでおり、今季は真価が試されるシーズンとなる。そういった中、新戦力と共にチーム浮沈のカギを握るのが、MF三笘薫だ。ここ最近ではシティからの関心も報じられるが、現時点では残留が既定路線となっており、今やリーグ屈指のアタッカーとして認知されるシーガルズの左の翼は対戦相手の徹底マークが予想される中、攻撃を牽引する仕事が求められる。
2019-20シーズンのプレミアリーグ復帰以降、積極的に資金を投下して着実にチーム力を上げているアストン・ビラ。昨季はシーズン途中のウナイ・エメリ監督招へいが大きなターニングポイントとなり、後半戦で快進撃を見せると、最終的にカンファレンスリーグ(ECL)出場権を獲得。今夏、セビージャの辣腕スポーツディレクターのモンチ氏を招へいしたクラブは、DFパウ・トーレス、MFティーレマンス、FWムサ・ディアビと国内外のビッグクラブが獲得を狙ったタレントを獲得。さらに、MFブエンディアの長期離脱の影響もあり、ガラタサライのMFザニオーロの獲得にも動く。相手の長所を消すことに長けた指揮官の分析力と、カウンターを主体としたハイインテンシティのスタイルで今季もビッグ6を脅かすことが期待される。
◆予想困難な残留争い~その他クラブ~

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上位争いは前述のクラブに限られる可能性が高いが、ヨーロッパで最も資金力と競争力を持つプレミアリーグにおいてはそれ以外のクラブも侮れない実力者が多く、中位争いや残留争いも予想が困難だ。
現状ではプレミアリーグ初昇格のルートン・タウンやシェフィールド・ユナイテッドの昇格組2クラブに、FFPの問題で多くの主力が流出した上、ロペテギ監督の電撃退任に伴い、前ボーンマスのオニール監督を急遽招へいしたウォルバ―ハンプトン辺りが難しい戦いを強いられそうだ。また、エースFWザハの退団に加え、MFオリーズにもビッグクラブ移籍の噂がある、老将ホジソン率いるクリスタル・パレス辺りも苦戦が見込まれる。
一方、コンパニ監督の下で昨季チャンピオンシップ(イングランド2部)を制したバーンリーや、マルコ・シウバ監督がサウジアラビア行きを拒否して残留したフルアム、前ラージョ指揮官のイラオラ監督を招へいし、逸材MFアレックス・スコットやDFアーロンズ、DFケルケズといった興味深いタレントを補強したボーンマスといったクラブの躍進が期待される。
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マンチェスター・シティを今シーズン限りで退団するベルギー代表MFケビン・デ・ブライネ(33)の去就が騒がしい中、イタリアに行く可能性が高まっているようだ。 10シーズン過ごしたシティを今季限りで退団することが決まっているデ・ブライネ。新天地にはアメリカのメジャーリーグ・サッカー(MLS)のクラブやサウジアラビアなどの浮上している。 また、同じプレミアリーグを戦うアストン・ビラやリバプールなどが関心を持っているという報道もある中、にわかに高まっているのがセリエAのナポリへの移籍だ。 ナポリが獲得に本腰を入れ、オファーを準備していると報じられる中、イタリア『コリエレ・デッロ・スポルト』は1年間の延長オプション付きの2年契約をオファーすると伝えている。 そんな中、イタリアのジャーナリストであるアルフレッド・ペドゥーラ氏が新たな情報を伝え、デ・ブライネの妻であるミッチェル・ラクロワさんがナポリの街を訪れたと報道。いくつかの物件を訪問していたとされ、家族で移住を考えている可能性が浮上している。 デ・ブライネはまだトップレベルでのプレーが可能と考えており、ヨーロッパ内での移籍を検討しているとみられ、シティと対戦する可能性があるプレミアリーグのクラブは避ける可能性が高く、ベルギー代表の同僚でもあるFWロメル・ルカクが所属し、過去にもドリエス・メルテンスが活躍していたことからも、情報は色々入っていそうだ。 <span class="paragraph-title">【写真】ナポリを訪問していたと伝えられるデ・ブライネの妻</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-captioned data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/p/C7Mi7XFNY_X/?utm_source=ig_embed&utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; border:0; border-radius:3px; box-shadow:0 0 1px 0 rgba(0,0,0,0.5),0 1px 10px 0 rgba(0,0,0,0.15); 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width:50px;"><svg width="50px" height="50px" viewBox="0 0 60 60" version="1.1" xmlns="https://www.w3.org/2000/svg" xmlns:xlink="https://www.w3.org/1999/xlink"><g stroke="none" stroke-width="1" fill="none" fill-rule="evenodd"><g transform="translate(-511.000000, -20.000000)" fill="#000000"><g><path d="M556.869,30.41 C554.814,30.41 553.148,32.076 553.148,34.131 C553.148,36.186 554.814,37.852 556.869,37.852 C558.924,37.852 560.59,36.186 560.59,34.131 C560.59,32.076 558.924,30.41 556.869,30.41 M541,60.657 C535.114,60.657 530.342,55.887 530.342,50 C530.342,44.114 535.114,39.342 541,39.342 C546.887,39.342 551.658,44.114 551.658,50 C551.658,55.887 546.887,60.657 541,60.657 M541,33.886 C532.1,33.886 524.886,41.1 524.886,50 C524.886,58.899 532.1,66.113 541,66.113 C549.9,66.113 557.115,58.899 557.115,50 C557.115,41.1 549.9,33.886 541,33.886 M565.378,62.101 C565.244,65.022 564.756,66.606 564.346,67.663 C563.803,69.06 563.154,70.057 562.106,71.106 C561.058,72.155 560.06,72.803 558.662,73.347 C557.607,73.757 556.021,74.244 553.102,74.378 C549.944,74.521 548.997,74.552 541,74.552 C533.003,74.552 532.056,74.521 528.898,74.378 C525.979,74.244 524.393,73.757 523.338,73.347 C521.94,72.803 520.942,72.155 519.894,71.106 C518.846,70.057 518.197,69.06 517.654,67.663 C517.244,66.606 516.755,65.022 516.623,62.101 C516.479,58.943 516.448,57.996 516.448,50 C516.448,42.003 516.479,41.056 516.623,37.899 C516.755,34.978 517.244,33.391 517.654,32.338 C518.197,30.938 518.846,29.942 519.894,28.894 C520.942,27.846 521.94,27.196 523.338,26.654 C524.393,26.244 525.979,25.756 528.898,25.623 C532.057,25.479 533.004,25.448 541,25.448 C548.997,25.448 549.943,25.479 553.102,25.623 C556.021,25.756 557.607,26.244 558.662,26.654 C560.06,27.196 561.058,27.846 562.106,28.894 C563.154,29.942 563.803,30.938 564.346,32.338 C564.756,33.391 565.244,34.978 565.378,37.899 C565.522,41.056 565.552,42.003 565.552,50 C565.552,57.996 565.522,58.943 565.378,62.101 M570.82,37.631 C570.674,34.438 570.167,32.258 569.425,30.349 C568.659,28.377 567.633,26.702 565.965,25.035 C564.297,23.368 562.623,22.342 560.652,21.575 C558.743,20.834 556.562,20.326 553.369,20.18 C550.169,20.033 549.148,20 541,20 C532.853,20 531.831,20.033 528.631,20.18 C525.438,20.326 523.257,20.834 521.349,21.575 C519.376,22.342 517.703,23.368 516.035,25.035 C514.368,26.702 513.342,28.377 512.574,30.349 C511.834,32.258 511.326,34.438 511.181,37.631 C511.035,40.831 511,41.851 511,50 C511,58.147 511.035,59.17 511.181,62.369 C511.326,65.562 511.834,67.743 512.574,69.651 C513.342,71.625 514.368,73.296 516.035,74.965 C517.703,76.634 519.376,77.658 521.349,78.425 C523.257,79.167 525.438,79.673 528.631,79.82 C531.831,79.965 532.853,80.001 541,80.001 C549.148,80.001 550.169,79.965 553.369,79.82 C556.562,79.673 558.743,79.167 560.652,78.425 C562.623,77.658 564.297,76.634 565.965,74.965 C567.633,73.296 568.659,71.625 569.425,69.651 C570.167,67.743 570.674,65.562 570.82,62.369 C570.966,59.17 571,58.147 571,50 C571,41.851 570.966,40.831 570.82,37.631"></path></g></g></g></svg></div><div style="padding-top: 8px;"> <div style=" color:#3897f0; 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overflow:hidden; padding:8px 0 7px; text-align:center; text-overflow:ellipsis; white-space:nowrap;"><a href="https://www.instagram.com/p/C7Mi7XFNY_X/?utm_source=ig_embed&utm_campaign=loading" style=" color:#c9c8cd; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; font-style:normal; font-weight:normal; line-height:17px; text-decoration:none;" target="_blank">Michèle De Bruyne(@lacroixmichele)がシェアした投稿</a></p></div></blockquote> <script async src="//www.instagram.com/embed.js"></script> 2025.05.09 18:20 Fri2
【プレミアリーグ第36節プレビュー】優勝争い演じた両雄対戦に、ニューカッスルvsチェルシー!
先週末に行われた第35節はリバプール、アーセナルの2強に加え、ニューカッスルが取りこぼした一方、マンチェスター・シティ、チェルシーがトップ5争いにおいて重要な勝ち点3を挙げている。 引き続き熾烈なチャンピオンズリーグ(CL)出場権争いに焦点が向けられるが、今節の最注目カードはリーグタイトル争いのメインキャストを担ってきた首位のリバプール(勝ち点82)と2位のアーセナル(勝ち点67)による頂上決戦だ。 リバプールは前節、MF遠藤航とMFエリオットをリーグ初先発で起用するなど大きくメンバーを入れ替えたなか、チェルシーとのアウェイゲームで1-3の敗戦。DFファン・ダイクのゴールで一矢報いたが、優勝を決めた直後の試合ということもあり、モチベーションで上回る相手に屈した。今節も引き続きいくつかのポジションでのメンバー変更が見込まれるが、ホームで2位チーム相手に初のリーグ連敗は避けたいだけに、気を引き締めての戦いとなるはずだ。 一方、前節はボーンマス相手にホームで1-2の逆転負けを喫したアーセナル。さらに、チャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグではパリ・サンジェルマン(PSG)に1-2で敗戦。FWサカのゴールで一矢報いたが、敵地で優勢に進めたなかで再び相手守護神ドンナルンマの再三のビッグセーブに阻まれ、連敗でのベスト4敗退。これで今季の無冠が確定した。自力でのトップ5確定に残り3ポイント、2位フィニッシュに向けても勝利が必要となる王者とのアウェイゲームでは連敗ストップも兼ねてしっかりとした戦いを見せたい。 トップ5争いの最重要カードは4位のニューカッスル(勝ち点63)と、5位のチェルシー(勝ち点63)の同勝ち点対決だ。 ニューカッスルは前節、ブライトン&ホーヴ・アルビオン戦を1-1のドローで終えた主導権を握られた前半に失点を喫すると、後半は攻撃の停滞を余儀なくされたが、3度目の正直で得たPKをFWイサクが決めて辛くも敗戦を回避した。ここにきてやや攻撃の勢いにかげりが見え始めており、トップ5フィニッシュへ重要なホームでの大一番ではイサクを中心に攻撃陣の奮起を期待したい。 対するチェルシーは前述のリバプール戦をMFエンソ・フェルナンデス、悩めるMFパーマーのPKによる久々のゴールなどで勝利。リーグ3連勝と絶好調だ。さらに、カンファレンスリーグ(ECL)準決勝2ndレグでは16歳MFウォルシュをスタメン起用するなど大幅なターンオーバーを敢行した末にMFデューズ=バリーホールの奪ったゴールを守り抜いて1-0の勝利。ユールゴーデンを2戦合計5-1で退けてファイナル進出を決めた。準備期間では相手に分があるものの、コンディション面ではほぼ互角な状況と言えるだけに真っ向勝負でマグパイズ撃破といきたい。 リーグ4連勝で3位に浮上したマンチェスター・シティ(勝ち点64)は、最下位のサウサンプトン相手に5連勝を目指す。リーグ前節は6連勝と絶好調だったウォルバーハンプトンを相手にMFデ・ブライネのゴールを守り抜いて勝利。トップ5フィニッシュに近づくとともに、2位アーセナルも視界の端に捉えた。さらなる連勝を目指す最下位相手の一戦では勝ち点3とともに混戦のなかで重要な得失点差も意識した戦いを見せたい。そのなかでベンチに戻ってきたFWハーランドの復帰にも期待だ。 また、トップ5圏外から上位浮上を目指す6位のノッティンガム・フォレスト(勝ち点61)、7位のアストン・ビラ(勝ち点60)はそれぞれ19位のレスター・シティ、8位のボーンマス相手に勝ち点3を目指す。 MF三笘薫を擁する10位のブライトンは、シティに6連勝を止められた13位のウォルバーハンプトンと対戦。前節、チームは上位のニューカッスルに善戦も三笘は腰痛の影響かベンチ外に。今節はメンバー入りが可能なようで、出場試合3試合連続ゴールとともに自身初のリーグ2桁ゴール達成も期待したいところだ。 ヨーロッパリーグ(EL)決勝進出を果たした15位のマンチェスター・ユナイテッド、16位のトッテナムはそれぞれ17位ウェストハムと12位クリスタル・パレスとボトムハーフの相手と対戦する。 MFマウントの2ゴールなどでアスレティック・ビルバオをホームで4-1で撃破し、2戦合計7-1で4季ぶりのELファイナル進出を果たしたユナイテッド。ただ、プレミアリーグでは2分け4敗の6戦未勝利と低調なパフォーマンスが続いており、21日の大一番を前にそろそろ勝利を取り戻したい。 一方、ボデ/グリムトに敵地で2-0の勝利を収め2戦合計5-1で41年ぶりのEL決勝進出を決めたスパーズ。ユナイテッド同様にリーグ戦では1分け3敗の4戦未勝利と低空飛行。大一番へ中盤や攻撃のオプションを増やしつつ、勝ち点3を目指す。対戦相手のクリスタル・パレスでは2試合連続スタメン出場中のMF鎌田大地の活躍にも期待だ。 《プレミアリーグ第36節》 ▽5/10(土) 《23:00》 フルアム vs エバートン イプスウィッチ vs ブレントフォード サウサンプトン vs マンチェスター・シティ ウォルバーハンプトン vs ブライトン 《25:30》 ボーンマス vs アストン・ビラ ▽5/11(日) 《20:00》 ニューカッスル vs チェルシー 《22:00》 マンチェスター・ユナイテッド vs ウェストハム ノッティンガム・フォレスト vs レスター・シティ トッテナム vs クリスタル・パレス 《24:30》 リバプール vs アーセナル 2025.05.10 15:30 Sat3
無冠煽り、相手選手の模倣…プレミアリーグでは批判的・嘲笑的なゴールセレブレーションへの処罰が厳格に?
プレミアリーグでは今後、ゴールセレブレーションをする際に注意が必要となるかもしれない。 今シーズン、いくつかのゴールセレブレーションが物議を醸しているプレミアリーグ。得点を記録した選手がチームメイトやファンと祝うのはサッカーの醍醐味の一つであり、試合の盛り上げに大きく貢献しているが、一方で相手を嘲笑するようなセレブレーション対しては批判も少なくない。 例えば、1月26日に行われたプレミアリーグ第23節トッテナムvsレスター・シティでは、レスターのFWジェイミー・ヴァーディが同点弾を決めた際のゴールセレブレーションが話題に。ヴァーディはユニ右袖の「プレミアリーグのエンブレム」を指差した上で、トッテナムファンに向けて指で「0」の形を作り、無冠の続くクラブを煽った。 また、2日に行われたプレミアリーグ第24節アーセナルvsマンチェスター・シティ戦では、アーセナルの若手DFマイルズ・ルイス=スケリーがゴールを決めた際に、シティのFWアーリング・ハーランドがよく見せるあぐらをかいて目をつぶるセレブレーションを披露。これについても物議を醸すこととなった。 この2つのセレブレーションについては、いずれもお咎めなし。しかし、イギリス『スカイ・スポーツ』によると、今後は警告の対象になる可能性があるようだ。 プレミアリーグの最高責任者であるプレミアリーグの最高責任者トニー・スコールズ氏は、「バランスの問題だ。我々は皆、セレブレーションを見るのが好きだとは思う。中にはとても面白いものもあるが、限度はある。それが嘲笑や批判に及ぶのなら、我々は対処する必要があるだろう」と語っている。 実際、今シーズンもエバートンのFWイリマン・エンディアイエがブライトン&ホーヴ・アルビオン戦でゴールを決め、ブライトンのエンブレムにも描かれるカモメのポーズをとったところ、イエローカードを提示される事態に。今後はより厳しい目が向けられる可能性があり、選手たちはセレブレーション時に慎重となる必要があるだろう。 2025.02.06 15:10 Thu4
出番減少のグリーリッシュにナポリが関心? 本人もシティ退団を前向きに検討か
マンチェスター・シティのイングランド代表FWジャック・グリーリッシュ(29)に対して、ナポリが関心を持っているようだ。イギリス『サン』が伝えた。 アストン・ビラの下部組織で育ち、2021年8月にシティへと完全移籍で加入したグリーリッシュ。背番号10を背負う中で、ここまで公式戦156試合で17ゴール23アシストを記録している。 しかし、今シーズンはプレー時間が減少。公式戦31試合で3ゴール5アシストを記録しているが、ほとんどが途中出場という状況だ。 2027年夏までシティとの契約を結んでいるグリーリッシュだが、シティは今シーズンの失敗を受けてチームを再建する中で、ジョゼップ・グアルディオラ監督の計画に含まれているかは不明な状況だ。 一方で、セリエA優勝に近づいているナポリのアントニオ・コンテ監督はグリーリッシュにベタ惚れだという。チェルシーやトッテナムを指揮していた時代に感銘を受けたようで、チームの強化に向けた戦力になると考えているという。 『サン』によれば、グリーリッシュに近い情報筋は、本人も移籍に前向きであるとのこと。再びイングランド代表に戻るためにも、一度自身の立ち位置を変える考えており、プレミアリーグではなく海外移籍を望んでいるとも言われている。 ナポリには今季マンチェスター・ユナイテッドから加入したスコットランド代表MFスコット・マクトミネイやブライトン&ホーヴ・アルビオンから加入したスコットランド代表MFビリー・ギルモアが所属しており、その活躍ぶりが話題となっており、プレミアからの輸入が話題となっている。 なお、グリーリッシュにはナポリだけでなく、ドルトムントやミランも関心を持っているとのこと。アメリカやサウジアラビアからも関心はあるが、ヨーロッパでのプレーになると見られており、来シーズンはイタリアかドイツでプレーしているかもしれない。 2025.05.08 18:25 Thu5