「カッコよかった」キングカズの激励を振り返るなでしこMF長野風花、ポルトガル戦のテーマは「距離感を大事に」

2023.04.06 22:40 Thu
©超ワールドサッカー
なでしこジャパンのMF長野風花(リバプール)が、7日のポルトガル女子代表戦に向けて意気込みを語った。
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今年7月にオーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)を控えるなでしこジャパン。今回のヨーロッパ遠征が、W杯前最後のアウェイでの活動となる。
2月にはアメリカ遠征を行い、SheBelieves Cupでブラジル女子代表、アメリカ女子代表、カナダ女子代表と対戦。世界の強豪と戦い、1勝2敗の結果となった。

今回の遠征では7日にポルトガル、11日にデンマーク女子代表と対戦することになるが、この2試合が終われば本大会前に1度国内で試合を行うのみ。重要な2試合となる。

長野は前日のメディア取材に応対。この遠征への意気込みを語った。
「良い気候の中、みんなで今まで積み上げてきたものの確認をしながら、良い状態で練習に取り組めているので、明日の試合はポルトガル代表との試合ですけど、しっかり自分たちが今まで積み上げてきたものを出しつつ、結果も必要だと感じています」

「とにかくW杯前の数少ない機会なので、1人1人がチャレンジをして良い機会にしたいなと思います」

2月のアメリカ遠征にも参加していた長野。世界の強豪と対戦した中での課題と反省についても語った。

「3バックの時の全体の距離感、選手同士の距離感、ゴール前までの距離感というのは、SheBelieves Cupの前よりは、3試合で良くなってプレーしやすくなった感覚があります」

「今回の2試合もしっかりコミュニケーションを取りながら、前線への枚数を増やすこと、前線にボールがあるときの関わり、人への関わりをもっと増やして、チャンスというのに繋げていきたいと思います」

ボランチで出ることになることが予想される中、しっかりと周りの選手との距離感を大事にしたいと語る長野。相手のスピードとパワーのある攻撃への対応については、「失点のシーンだったりは、海外の選手は一発のスピードが速く、準備をしていても一発蹴られては知られてということがあります」と語り、「アメリカ戦のゴールは象徴的でした」と、0-1で敗れたマロリー・スワンソンのゴールを振り返った。

ただ「チームとしても出ていたメンバーともその場で話しましたが、準備の段階だったり、自分たちがボールを持っている時のリスクマネジメントはもっとできたよねというのはありますが、細かいところもしっかり突き詰めながら、守備でも隙を見せないようにやっていきたいと思います」と、ここまで感じているものをしっかりと修正して、ポルトガル戦では見せたいとした。

その距離感については「まずはダブルボランチの距離感というのがプレーする中で一番大事にしています。ボランチ間の距離間、海外チームと対戦するときはプレッシャーが速かったり、止める時間がない時もあるので、常にダイレクトで蹴れるような前の選手との距離感、さらに攻撃に繋げていくためにも、後ろから前に繋げるという意味で、後ろの選手、前の選手との距離感が攻撃のリズムに変わります」と語り、「前の選手にボールが入った時の角度や距離感を大事にしていきたいです」と、前後左右との距離感を測り、良いプレー、展開に繋げていきたいとした。

一方で、ゴールの数が決して多くないなでしこジャパン。チャンスメイクは十分にできてもネットを揺らせないことが多く、SheBelieves Cupでもその傾向は見えた。

ゴールを奪う上でのポイントについては「ボランチの2枚のどちらかは自由な時間が作れると思っているので、そこで多くのチャンスをボランチとして作り出すということは大きなポイントだと思っています」とコメント。「ゴールに繋がるようなチャンスは、フリーな時間がある分、多く作り出せると思うので、ボランチとして多くチャンスを作り出すということを意識して、試合に臨みたいと思います」と、攻撃に意欲的な姿勢を見せた。

また個人的に狙っているプレーとして「ゴールに繋がるようなパスは常に狙っていきたいです」と語り、「個人的にミドルシュートというのは私もそうですし、結構少ないと感じているので、チャンスがあれば狙っていきたいと思います」と、崩す前にシュートを打つという姿勢、意識も必要だろうと語った。

チーム内でのコミュニケーションという点では、新型コロナウイルス(COVID-19)の規制緩和もあり、食事の席でも会話が可能に。長野はその影響がかなり大きいと感じているようだ。

「それは本当に大きくて、みんなで横一列で前を向いてしゃべれずにいましたが、円卓になると毎回メンバーも変わって、みんなでどのテーブルも盛り上がっていて、コミュニケーションの質も上がったなと感じています」

「サッカーの話だけじゃないですけど、距離がより縮まるというか、それは本当に感じていて、ピッチでの影響もあると思います。凄く良いと思います」

リラックスすること、そして気になったことを擦り合わせる時間もとれる中、ポルトガルの印象については「映像を見て、持ったら縦への推進力があり、2トップが裏に走って、シンプルにクロスを上げて、人数もしっかり入ってくるという印象です」とコメント。本番でもゴールにシンプルに向かう国は多いなか、「海外の選手特有というか、国によるんですが、ポルトガルのような前にボールを持ったら前を選択するというチームとできるのは、自分たちにとってプラスです」と語り、「ここでしっかり自分たちがチャンスを作らせないように、しっかり話し合いながら試合に向かっていきたいです」と本番を見据えたプレーを見せたいとした。

ちなみに、今回の合宿にはポルトガルでプレーするレジェンドのFW三浦知良が激励に訪問。初めて会ったという長野は「個人的には初めてお会いしたので、カッコよかったです」と語り、「レジェンドの方と会って、『本当にW杯に向けて頑張ってください』という激励をいただいて、本当にありがたいです」とコメント。「しっかりポルトガルの地で結果を残せるように、まずは明日の試合を頑張りたいと思います」と試合への意気込みを語った。




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