【ECLプレビュー】堂安、菅原、中村は逆境撥ね返せるか! ベスト8進出懸けた運命の第2戦

2022.03.17 18:30 Thu
Getty Images
ヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)ラウンド16の2ndレグが17日に開催される。ECLグループステージ首位通過8チームと、プレーオフ突破8チームで争われるベスト8進出を懸けた運命の第2戦の展望を、注目カードを中心に紹介していく。

◆ECLラウンド16 2ndレグ
▽3/17(木)
《26:45》
AZ vs(AGG:1-2) ボデ/グリムト
バーゼル vs(AGG:1-2) マルセイユ
コペンハーゲン vs(AGG:4-4) PSV
スタッド・レンヌ vs(AGG:0-2) レスター・シティ
《29:00》
ローマ vs(AGG:1-0) フィテッセ
フェイエノールト vs(AGG:5-2) パルチザン
ヘント vs(AGG:0-1) PAOK
LASKリンツ vs(AGG:1-4) スラビア・プラハ
◆先勝のローマら強豪は逃げ切り図る
Getty Images

注目のラウンド16初戦では、地力で勝る5大リーグの強豪チームが順当に勝利を手にした。

今大会の大本命であるローマは、フィテッセとのアウェイゲームを1-0で勝利した。幾つかターンオーバーを行った影響もあり、立ち上がりから相手のハイプレスに苦戦を強いられたが、前半終了間際にMFセルヒオ・オリベイラが決めた豪快ボレーシュートによって先制に成功。後半は選手交代で流れをイーブンに引き戻した中、殊勲のセルヒオ・オリベイラが退場となるアクシデントに見舞われたが、最後まで集中した守備でモウリーニョのチームらしいウノゼロで勝ち切った。

ただ、先週末に行われたウディネーゼ戦では疲労を感じさせる戦いぶりで格下相手に試合終盤のPK弾でドローに持ち込むことが精いっぱいだったチームは、20日にセリエAのトップ4争いのライバルでもある宿敵ラツィオとのデルビー・デッラ・カピターレという重要な一戦を控える。そのため、週末の試合に気を取られるようなことがあれば、格下相手に痛恨の敗退を強いられる可能性もある。当然、前日会見ではフィテッセ戦に集中というコメントを残したポルトガル指揮官だが、ホームできっちり勝ち切り、目標を達成すると共にデルビーに弾みを付けられるか。
また、難敵スタッド・レンヌとの強豪対決に臨んだレスター・シティは、ホームで2-0の先勝に成功。試合自体は拮抗した内容だったが、MFオルブライトンとFWイヘアナチョの見事な2つのゴールなど、決定力の差を見せつけた。

これで公式戦4連勝を飾ったチームだが、先週末のリーグ戦では疲労感が漂う振るわない内容でアーセナルに0-2の完敗を喫し、連勝がストップ。対するレンヌはリヨンとの強豪対決を4-2の大勝で飾っており、ホーム開催となる今回の2ndレグに向けて勢いを付けている。ロジャーズ監督は前述のアーセナル戦で一部主力を温存しており、今回の試合ではきっちり勝利を取り戻してベスト8進出を決めたい。

同じく優勝候補の一角に挙がるマルセイユはスイスの名門バーゼル相手の初戦で2-1の勝利。前半序盤にFWミリクのPKで先制に成功すると、後半半ばにも再びミリクがゴールを奪取。その後、インテルからレンタル中の若手FWエスポージトに1点を返されたが、相手の倍以上の20本のシュート、70%近いボール支配率と相手を圧倒した。

先週末のリーグ戦でもブレストを相手にミリクのゴールなどで4-1の快勝を収めており、チーム状態は引き続き良好。ただ、20日に勝ち点で並ぶ3位ニースとの重要な上位対決を控えており、前述のローマ同様に次の試合に気を取られれば、思わぬしっぺ返しに遭う可能性は捨てきれない。

◆堂安は2戦連発、菅原、中村は逆転突破期す!
Getty Images

今回のラウンド16ではPSVのMF堂安律、AZのDF菅原由勢、LASKリンツのFW中村敬斗と3人の日本人選手が参戦。だが、菅原と中村は初戦を落とし、堂安もホームでドローと厳しい初戦の戦いとなった。

PSVは先週に行われたコペンハーゲンとの1stレグを4-4のド派手なドローで終えることになった。その中で後半から投入された堂安は立ち上がりの50分に得たCKから見事な左足ボレーを叩き込み、反撃の狼煙を上げるチーム2点目を奪取。その後、チームは再び相手に引き離されたが、試合終盤にFWザハビが決めたゴールによって辛くもドローに持ち込んだ。

戦前では堅守を売りとするコペンハーゲン相手にいかにゴールをこじ開けるかに焦点が当てられた中、思わぬ打ち合いを演じただけに、敵地で戦う2ndレグも読めない試合展開だ。なお、堂安は直近のユトレヒト戦で先発フル出場し、1-0の勝利に貢献。そのため、今回の2ndレグでもジョーカー役として途中投入が見込まれる。

AZは敵地で戦ったボデ/グリムトとの初戦を1-2で敗戦。1stレグで唯一スタメン出場となった菅原は3トップの右ウイングでプレー。後半半ば過ぎには正確な折り返しからFWアブクラルの同点ゴールを演出したが、チームは試合終盤のPKによって勝ち越されて無念の敗戦となった。

初戦の敗戦は極寒の気温や人工芝という慣れない環境の影響もあっただけに、ホームで戦う2ndレグはより自分たちの戦いができるはずだが、その一方で今大会でローマやセルティックに勝利しているノルウェー王者の実力は本物だ。リーグ戦で対峙するアヤックスやPSVと戦う気持ちで食らいついていきたい。

中村の所属するLASKは、チェコの強豪スラビア・プラハと対戦し、1-4の大敗を喫した。グループステージで3ゴールを挙げる活躍を見せた中村は1点ビハインドで迎えた81分から出場したが、なかなか見せ場を作れず。逆に、チームは連続失点を喫して厳しい状況で初戦を終えた。逆転突破に向けて4ゴールが必要となる今回のホームゲームでは中村にもより早いタイミングで出番が訪れる可能性があり、グループステージで見せたような決定力を発揮したい。
関連ニュース

ローマが後半ラストプレー弾で異例の“20分ゲーム”制す! ウディネーゼはカンナバーロ初陣で厳しい敗戦に【セリエA】

セリエA第32節延期分、ウディネーゼvsローマが25日にスタディオ・フリウリで行われ、アウェイのローマが1-2で逆転勝利した。 当初、今回の一戦は今月14日に開催。23分にロベルト・ペレイラのゴールでウディネーゼが先制も、64分にルカクのゴールでローマが追いつき1-1のイーブンに。 だが、70分過ぎにローマのエンディカが胸の痛みを訴えてピッチに座り込み、応急処置を受けた後に緊急搬送。生命に関わる事象ということもあり、試合続行が困難とのローマ側の訴えが認められて試合途中での中止が決定。 幸いエンディカは大事に至らず、25日に1-1のスコアを引き継ぐ形で72分の時点から再開となった。 ホームのウディネーゼではこの間にチオフィ前監督が解任され、ファビオ・カンナバーロ新監督を招へい。このイレギュラーな一戦が新天地での初陣に。 対するローマは直近のボローニャ戦に1-3で敗れ、チャンピオンズリーグ出場権争いでより厳しい立場に。ヨーロッパリーグのレバークーゼン戦を含め、ナポリ、ユベントス、アタランタと痺れる上位対決を控える中、“20分ゲーム”での勝ち点3を狙った。なお、中断前の時点から6選手を入れ替えて臨んだ。 72分からの再開で勝ち点3を目指して20分間に全力を注ぐという、非常に難しいシチュエーションで迎えた試合。 より勝ち点3がほしいローマが押し込む形でスタートしたが、81分にはウディネーゼがセットプレー流れからボックス左に抜け出したルッカが左足の際どいシュートを放つが、これはGKスヴィラールの好守に遭う。 一方、ローマは直後の85分に決定機。アズムンがDFペレスに圧力をかけてボックス付近でボールを奪い切ってそのまま右足シュートを放つが、これはGKオコイェに阻まれた。 その後、4分が加えられた後半アディショナルタイムにローマが決死の猛攻を仕掛けると、後半ラストプレーで劇的なゴールが生まれる。 95分、連続で得た左CKの場面でキッカーのディバラが正確な左足アウトスウィングのクロスを入れると、ニアにタイミング良く走り込んだクリスタンテがゴール右隅にヘディングシュートを流し込んだ。 そして、試合はこのままタイムアップを迎え、ウディネーゼとの再開“20分ゲーム”を劇的に制したローマが、フリウリから勝ち点3を持ち帰ることに成功した。一方、カンナバーロ新体制のウディネーゼは厳しい黒星発進となった。 2024.04.26 03:39 Fri

エンディカが練習復帰! 来月2日レバークーゼンでの出場目指す

ローマのコートジボワール代表DFエヴァン・エンディカは、レバークーゼン戦での戦列復帰を目指すことになるようだ。 エンディカは、14日に行われたセリエA第32節のウディネーゼ戦に先発出場。しかし、72分に胸の痛みを訴えて突如倒れ込み試合は中断。担架で運び出され、試合は中止となった。 しかし、精密検査の結果、心臓の問題などは確認されず。外傷性の肺気胸と診断された。 以降、数々の有酸素運動やテストにポジティブな反応を示したことで、メディカルスタッフはトレーニングへの復帰を許可。同選手は今週に入ってトレーニングへの復帰を果たした。 そして、イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、エンディカは今週末に行われるセリエA第34節のナポリ戦で招集メンバーに復帰する見込みだという。 しかし、ダニエレ・デ・ロッシ監督は、5月2日に行われるレバークーゼンとのヨーロッパリーグ準決勝1stレグでの先発起用を計画しているとのことだ。 2024.04.25 12:00 Thu

4位争いから一歩後退のローマ…デ・ロッシ監督「こうした試合もある」

ローマのダニエレ・デ・ロッシ監督が、セリエAでの敗北を振り返った。クラブ公式サイトが伝えている。 22日、4位ボローニャとのセリエA第33節に臨んだ5位ローマ。4日前にはミランを破ってヨーロッパリーグ(EL)準決勝進出を決めたチームだったが、この日は14分に先制を許すとハーフタイム直前にも失点を喫する苦しい展開に。後半に入ると、56分にFWサルダール・アズムンのゴールで1点を返すも9分後に再び失点してしまい、そのまま3-1で試合を終えた。 セリエAで久々の敗北となりボローニャとの差が広がることになってしまったデ・ロッシ監督は、内容に満足できる点はあると強調しつつ改善の必要性を口にしている。 「今日の我々はいつものような鋭さがなかったかもしれないが、相手は良いフットボールをするチームだった。プレスをかけた際も彼らは体を張ってくるから、審判に悪い印象を与えてしまったと思う。それに、機動力あるチームを相手にして試合をクローズするのは簡単ではない」 「だが、こうした試合もあるだろう。ほぼすべてのチャンスをモノにして勝った試合もあったし、相手のシュート数のほうが多かった試合もあった。ボローニャは自分たちの役割を果たしていたが、データを見る限りではかなりの互角だったのだ。我々のほうが、相手より先に危険なプレーをしていたと思う」 「レアンドロ・パレデスへのイエローカードはフェアではなかった。そのせいで負けたわけではないが、あの判定とその直後に喫した失点で我々は少し調子を崩したと思う。それでも、選手たちは最後までパフォーマンスを続けてくれた」 「我々は大人であり、経験も備えている。長い間この仕事をしてきて、ポジティブな感情もネガティブな感情も扱いには慣れているはずだ。これまでの我々はライバルとの試合で常に良い結果を残しており、かなり過酷な試合の連続でもメンタル面はうまく対処できていた」 「(ELの勝利もあり)気が高ぶっていたかもしれないが、それはプレーに影響していないだろう。数字やパフォーマンスを見れば、我々は常に試合の中にいたと思う。いつものようにはいかなかったが、若者たちは決して諦めなかった」 「もちろん、完璧な試合をしたいのであれば、そして3カ月前に始まったこの好調を維持したいのであれば、さまざまな局面をうまく切り抜ける必要がある。経験豊富なチームなら44分に失点すべきではなく、1-2とした後に同点へと追いつく時間はあったと理解すべきだ。3点目を許したことで、風向きは変わってしまった」 <span class="paragraph-title">【ハイライト動画】ローマvsボローニャ</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="SI2nLCGDSuk";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.23 12:15 Tue

エル・アジズの華麗バイシクル弾にザークツィー1G1A、ボローニャがローマとの上位対決を制してCL出場権獲得に大きく前進【セリエA】

セリエA第33節、ローマvsボローニャが22日に行われ、1-3でボローニャが快勝した。 5位ローマ(勝ち点55/1試合未消化)と4位ボローニャ(勝ち点59)によるチャンピオンズリーグ(CL)出場権争い。 ローマは前節ウディネーゼ戦、エンディカがピッチで倒れて試合が中止に。1試合消化が少ない中、4ポイント差でボローニャを追うローマは4日前に行われたヨーロッパリーグではミランを下して2季連続準決勝進出とした。そのミラン戦で負傷交代となったルカクが欠場となった中、エイブラハムがディバラ、エル・シャーラウィと共に3トップを形成した。 一方、前節モンツァにゴールレスドローで2試合連続無得点のボローニャは、ザークツィー、エンドイエ、サーレーマケルスの3トップで臨んだ。 共に[4-3-3]でスタートした一戦。立ち上がりの主導権争いを経て14分、ボローニャが先制する。左サイドをオーバーラップしたカラフィオーリのクロスをエル・アジズが華麗なバイシクルシュートで蹴り込んだ。 失点したローマは20分、敵陣でボールを奪ったチェリクがボックス内へ侵入してシュートを放つ決定機を迎えるも、枠を捉えきれず。 ハーフタイムにかけては互角の攻防が続いていた中42分、ボローニャはサーレーマケルスの直接FKがバーに直撃すると、45分に追加点。サーレーマケルスの浮き球パスをエル・アジズが落とし、受けたザークツィーがボックス左で縦へ。左足で放ったシュートがGKスヴィラールの手を弾いてゴールラインを割った。 2点ビハインドで迎えた後半開始5分、ローマはエル・シャーラウィの強烈なミドルシュートが枠を捉えたが、ゴールライン前のポッシュに頭部でクリアされた。 それでも56分に1点差に強める。4分前に投入されていたアズムンがペッレグリーニの右クロスに頭で合わせるとGKスコルプスキを強襲。ルーズボールを押し込んだ。 しかし65分、ボローニャに決定的な3点目が生まれる。中盤でのボールカットからショートカウンターに転じ、ザークツィーのラストパスを受けたサーレーマケルスが独走。GKとの一対一をチップキックで制した。 終盤にかけてはボローニャがローマの攻撃をシャットアウト。3-1で快勝し、CL出場権獲得へ大きく前進している。 2024.04.23 03:29 Tue

カンナバーロが17位低迷ウディネーゼの新指揮官就任へ! 初陣はデ・ロッシとの代表元同僚対決か…

ファビオ・カンナバーロ氏(50)がウディネーゼの新指揮官に就任する見込みだ。 現役時代にナポリやパルマ、インテル、ユベントス、レアル・マドリーで活躍し、2006年のドイツ・ワールドカップ(W杯)制覇に導いた際にはバロンドールも受賞した稀代の名DFだったカンナバーロ氏。 現役引退後は中国の広州恒大(現:広州FC)や、天津権健(現:天津天海)、中国代表を指揮。ヨーロッパでは2022年9月にセリエBのベネヴェントの指揮官に就任したが、成績不振により4カ月で解任されている。 以降はアジア圏での代表監督や古巣ナポリの指揮官就任の噂も取り沙汰されたが、ここにきてウディネーゼの新指揮官就任の可能性が高まっている。 移籍市場に精通するジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏ら複数のイタリアメディアによると、20日に行われたセリエA第33節のエラス・ヴェローナ戦で0-1の敗戦を喫し、直近1分け3敗で自動降格圏とわずか1ポイント差の17位に低迷するウディネーゼはガブリエレ・チオフィ監督の解任を決断したという。 そして、その後任としてカンナバーロ氏の招へいに迫っており、週明けにも交渉が完了する見込みだという。 なお、ウディネーゼは、ローマDFエヴァン・エンディカの健康上の問題で後半半ばに中止となったセリエA第32節のローマ戦が25日に控えており、カンナバーロ氏の初陣は、アッズーリの後輩であるダニエレ・デ・ロッシとの元同僚対決となる可能性が高いようだ。 2024.04.22 07:00 Mon
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly