ローマがモウリーニョ体制7戦目で初黒星…監督交代のヴェローナに打ち負けて今季初白星献上…《セリエA》

2021.09.20 03:18 Mon
Getty Images
セリエA第4節、エラス・ヴェローナvsローマが19日にマルカントニオ・ベンテゴディで行われ、ホームのヴェローナが3-2で勝利した。

モウリーニョ新体制で開幕6戦全勝と絶好調のローマは、ポルトガル人指揮官のキャリア通算1000試合目となった前節のサッスオーロ戦を後半アディショナルタイムの劇的ゴールで制すると、ヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)の初戦ではCSKAソフィアを5-1で退けた。

開幕3試合でディ・フランチェスコ監督を解任し、トゥドール新指揮官を招へいしたヴェローナのホームに乗り込んだこの一戦では、サッスオーロ戦から先発2人を変更。負傷のビーニャとベンチスタートのムヒタリアンに替えてカラフィオーリ、ショムロドフと左サイドを入れ替えてきた。
指揮官交代によって勢いを持って入ったホームチームに対して、やや受け身の入りとなったローマだが、時間の経過と共に主導権を掴んでいく。16分には相手陣内右サイドで得たFKの場面でキッカーのペッレグリーニがニアに入れたボールをクリスタンテが頭で合わすが、このシュートは惜しくもクロスバーを叩く。

以降は攻撃に厚みを出せず、相手の鋭いカウンターに手を焼くローマだったが、絶好調のカピターノが圧巻の個人技でゴールをもたらす。36分、右サイドの深い位置でカルスドルプが低い弾道のクロスボールを供給。これが相手DFにディフレクトして若干マイナスにコースが変わると、ニアに全力で走り込んできたペッレグリーニが見事な右足のバックヒールでニア下へ流し込んだ。
苦しみながらも1点リードで試合を折り返したローマだが、後半はより難しい展開を強いられる。立ち上がりの49分に左サイドからカプラーリに入れられたクロスがマンチーニに当たってコースが変わると、これをGKルイ・パトリシオが何とか前にはじき出すが、こぼれ球をバラクに押し込まれる。さらに、54分にはボックス左でイリッチからパスを受けたカプラーリへの寄せが甘くなると、見事な右足のグラウンダーシュートをファーポストに流し込まれ、一気に逆転を許した。

ここから攻勢を強めるローマは58分、エイブラハムを起点としたカウンターからペッレグリーニのゴールへ向かう左クロスがイリッチのオウンゴールを誘発し、すぐさまスコアをタイに戻す。だが、この失点にも士気を落とさないヴェローナに対して後手を踏むと、63分にはボックス手前右でシメオネから横パスを受けたファラオーニに右足アウトかけた見事なハーフボレーシュートをゴール右隅に突き刺され、すぐさまビハインドを背負った。

開幕3連敗中の格下相手に負けられないローマは、66分にショムロドフ、ザニオーロ、ヴェレトゥを下げてカルレス・ペレス、ムヒタリアン、エル・シャーラウィとアタッカー3人を同時投入。さらに、78分にはカルスドルプとカラフィオーリの両サイドバックを下げてスモーリングとマジョラルを投入。この交代で前線にセンターフォワード3人、ウイングバックにエル・シャーラウィ、カルレス・ペレスを並べる超攻撃的な[3-4-3]の布陣でゴールをこじ開けにかかる。

何とか力業でゴールをこじ開けたいローマだが、ヴェローナの守備的な選手交代と接触時に簡単に倒れて時計を進める老獪な試合運びを前に焦りが目立ち、再三の攻撃は撥ね返され続ける。試合終了間際にはカルレス・ペレス、エル・シャーラウィに続けて決定機が訪れたものの、相手の身体を張った守備に撥ね返されて万事休す。

メンバー固定と過密日程の疲労か、あるいは下位相手の慢心か、トゥドール新体制のヴェローナに今季初白星を献上したローマは、モウリーニョ体制7戦目で痛恨の初黒星を喫することになった。

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