完勝チェコがベスト8進出! デ・リフト痛恨退場のオランダは苦手チェコに屈す…《ユーロ2020》
2021.06.28 03:05 Mon
ユーロ2020のラウンド16、オランダ代表vsチェコ代表が27日にブダペストのプスカシュ・アレーナで行われ、チェコが0-2で勝利した。
グループCを3戦全勝で首位通過したオランダと、グループDを3位通過したチェコによる、デンマーク代表が待つ準々決勝進出を懸けた決勝トーナメント初戦。
オランダは3-0で快勝した北マケドニア代表戦からグラフェンベルフに代えてデ・ルーンを復帰させた以外、同じスタメンを採用。デパイの相棒には長身FWヴェグホルストではなく、機動力に長けたマレンが起用された。
一方、チェコは0-1で敗れたイングランド代表との最終節から先発3人を変更。累積による出場停止のボリルに代わってカデラベク、負傷でメンバー外となった主将MFダリダに代わってバラクが起用されたほか、ベンチスタートのヤンクトに代わってセフチクが抜擢された。
立ち上がりからボールの主導権を巡る争いが続く中、オランダが最初の決定機を作り出す。8分、右CKの場面でショートコーナーからブリントのクロスに反応したデ・リフトがゴール左で競り勝って折り返すが、ファーで反応したデパイのシュートは枠の左に大きく外れる。
一方、守勢に回ったチェコも相手の攻撃にアジャストし始めると、球際の強度を武器に狙っていたカウンターを繰り出していく。22分には右サイドでセフチクが上げたクロスにボックス中央のソーチェクが飛び込むが、ダイビングヘッドは当たりが薄くファーに流れる。さらに、流れを引き寄せ始めた38分にはカウンターからボックス右でマソプストのショートパスを受けたバラクに絶好機も、右足のシュートはDFデ・リフトの決死のスライディングブロックに阻まれる。
前半のうちに何とかゴールをこじ開けたいオランダは前半アディショナルタイムにボックス内でのデパイのハーフルーレットからの絶妙なラストパスに反応したファン・アーンホルトに決定機も、左足のシュートは枠の右に外れた。
一進一退の攻防の末に0-0で折り返した試合は、後半序盤に大きな動きを見せる。まずは51分、デパイの絶妙なフリックに反応したマレンがパワフルなドリブル突破で中央をこじ開けてボックス内でGKと一対一の絶好機を迎える。ここでマレンは右に持ち出してGKヴァツリークをかわしに行くが、ヴァツリークが見事な読みでボールを絡めとる。
すると、直後の52分にはチェコの背後を狙ったロングボールに対して、中途半端な対応を見せたDFデ・リフトがシックと入れ替わられかけた際にバランスを崩して左手を使ってボールを故意にクリアするようなプレーを見せる。一度主審はイエローカードを掲示したが、オンフィールドレビューの末にこのプレーが決定機阻止にあたるとしてカードの色をレッドカードに変更した。
デ・リフトの痛恨の退場によって数的不利を背負ったオランダはマレンを下げてプロメスを投入すると共に、並びを[4-4-1]の形に変更。相手の攻勢を受け止めながらカウンターで一発を狙う戦い方にシフトする。
一方、数的優位を生かして攻勢を強めるチェコは相手を完全に押し込んでいく。そして、68分には相手陣内右サイド深くで得たFKの流れからバラクの浮き球のボールをファーで競り勝ったカラスが頭で折り返すと、これをファーのホレシュが頭で押し込んだ。
数的不利に加え、ビハインドまで背負ったオランダは73分にデ・ルーンを下げてターゲットマンのヴェグホルストを投入。ここからリスクを冒して前に出るが、逆に相手に引っくり返されて決定的な2失点目を喫することに。
80分、チェコはセカンドボールを制して左サイドを駆け上がったホレシュがボックス左に侵入して丁寧に折り返す。これを中央に走り込んだシックが左足の丁寧なワンタッチシュートでゴール左下隅に流し込み、今大会自身4点目とした。
その後、互いに交代カードを切って行くが、ジリ貧のオランダに反撃の力は残されておらず、最後まで攻守両面で強度を維持したチェコがこのまま2-0で試合をクローズした。
そして、今大会絶好調のオランダに対して通算対戦成績で大きく上回る相性の良さを見せつけたチェコがアップセットを起こしてベスト8進出を果たした。
なお、オランダを破ったチェコは、7月2日にアゼルバイジャンのバクーで行われる準々決勝でデンマークと対戦する。
オランダ 0-2 チェコ
【チェコ】
ホレシュ(後23)
シック(後35)
グループCを3戦全勝で首位通過したオランダと、グループDを3位通過したチェコによる、デンマーク代表が待つ準々決勝進出を懸けた決勝トーナメント初戦。
オランダは3-0で快勝した北マケドニア代表戦からグラフェンベルフに代えてデ・ルーンを復帰させた以外、同じスタメンを採用。デパイの相棒には長身FWヴェグホルストではなく、機動力に長けたマレンが起用された。
立ち上がりからボールの主導権を巡る争いが続く中、オランダが最初の決定機を作り出す。8分、右CKの場面でショートコーナーからブリントのクロスに反応したデ・リフトがゴール左で競り勝って折り返すが、ファーで反応したデパイのシュートは枠の左に大きく外れる。
それでも、徐々にボールの握り合いで優位に立ったオランダは中盤での細かい繋ぎと、後方から背後を狙う長いボールと的を絞らせない攻めで相手を揺さぶる。その流れの中でダンフリース、ファン・アーンホルトと両ウイングバックが効果的に相手の背後を取って決定機を作りかける。
一方、守勢に回ったチェコも相手の攻撃にアジャストし始めると、球際の強度を武器に狙っていたカウンターを繰り出していく。22分には右サイドでセフチクが上げたクロスにボックス中央のソーチェクが飛び込むが、ダイビングヘッドは当たりが薄くファーに流れる。さらに、流れを引き寄せ始めた38分にはカウンターからボックス右でマソプストのショートパスを受けたバラクに絶好機も、右足のシュートはDFデ・リフトの決死のスライディングブロックに阻まれる。
前半のうちに何とかゴールをこじ開けたいオランダは前半アディショナルタイムにボックス内でのデパイのハーフルーレットからの絶妙なラストパスに反応したファン・アーンホルトに決定機も、左足のシュートは枠の右に外れた。
一進一退の攻防の末に0-0で折り返した試合は、後半序盤に大きな動きを見せる。まずは51分、デパイの絶妙なフリックに反応したマレンがパワフルなドリブル突破で中央をこじ開けてボックス内でGKと一対一の絶好機を迎える。ここでマレンは右に持ち出してGKヴァツリークをかわしに行くが、ヴァツリークが見事な読みでボールを絡めとる。
すると、直後の52分にはチェコの背後を狙ったロングボールに対して、中途半端な対応を見せたDFデ・リフトがシックと入れ替わられかけた際にバランスを崩して左手を使ってボールを故意にクリアするようなプレーを見せる。一度主審はイエローカードを掲示したが、オンフィールドレビューの末にこのプレーが決定機阻止にあたるとしてカードの色をレッドカードに変更した。
デ・リフトの痛恨の退場によって数的不利を背負ったオランダはマレンを下げてプロメスを投入すると共に、並びを[4-4-1]の形に変更。相手の攻勢を受け止めながらカウンターで一発を狙う戦い方にシフトする。
一方、数的優位を生かして攻勢を強めるチェコは相手を完全に押し込んでいく。そして、68分には相手陣内右サイド深くで得たFKの流れからバラクの浮き球のボールをファーで競り勝ったカラスが頭で折り返すと、これをファーのホレシュが頭で押し込んだ。
数的不利に加え、ビハインドまで背負ったオランダは73分にデ・ルーンを下げてターゲットマンのヴェグホルストを投入。ここからリスクを冒して前に出るが、逆に相手に引っくり返されて決定的な2失点目を喫することに。
80分、チェコはセカンドボールを制して左サイドを駆け上がったホレシュがボックス左に侵入して丁寧に折り返す。これを中央に走り込んだシックが左足の丁寧なワンタッチシュートでゴール左下隅に流し込み、今大会自身4点目とした。
その後、互いに交代カードを切って行くが、ジリ貧のオランダに反撃の力は残されておらず、最後まで攻守両面で強度を維持したチェコがこのまま2-0で試合をクローズした。
そして、今大会絶好調のオランダに対して通算対戦成績で大きく上回る相性の良さを見せつけたチェコがアップセットを起こしてベスト8進出を果たした。
なお、オランダを破ったチェコは、7月2日にアゼルバイジャンのバクーで行われる準々決勝でデンマークと対戦する。
オランダ 0-2 チェコ
【チェコ】
ホレシュ(後23)
シック(後35)
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