チェルシーの“忘れ去られた男”マルコ・ファン・ヒンケルが983日ぶりに公式戦出場

2021.01.15 14:49 Fri
Getty Images
13日に行われたエールディビジ第16節のPSVvsAZは元オランダ代表MFマルコ・ファン・ヒンケルにとってメモリアルマッチとなった。

2013年7月、フィテッセの下部組織からチェルシーに青田買いされたマルコ・ファン・ヒンケルは、ここまでミランやストーク・シティ、PSVへのレンタルを繰り返すも、チェルシーでの出場機会がほとんどないまま、先月1日に28歳の誕生日を迎えた。

その間、元オランダ代表を苦しめたのはヒザのケガだった。2018年7月、前十字じん帯断裂の大ケガを負い、その後2シーズン以上も試合に出られない日々が続いた。
リハビリに励む中で、昨年10月にPSVがマルコ・ファン・ヒンケルをレンタルで獲得。PSVに移籍するのはこれが3度目のことで、過去2度のレンタル移籍で公式戦64試合に出場し31ゴール10アシストを記録していた。

同選手にとってはチェルシーよりも思い入れのあるとも言える母国クラブで、ついに待ちわびた瞬間が訪れる。
先日のAZ戦の87分、マルコ・ファン・ヒンケルは途中出場からピッチに立った。これは、最後に出場した2018年5月6日のフローニンヘン戦から実に983日ぶりのこと。チェルシーも公式SNSを通じて「おめでとう、そしておかえりなさい、マルコ!」と祝福のメッセージを送っている。

本人もまた、試合後の『ESPN』のインタビューで復帰の喜びを嚙み締めている。

「個人的には今日が(人生の)ハイライトだ。このためにハードワークを続けたんだ。長い時間がかかってしまったけどね」

「戻って来れたことは報酬みたいなものだ。アヤックス戦で僕は再びそこにいた。スタジアムの雰囲気を再確認し、何となく感触も掴めたよ」

「約1000日なんだって? 僕も聞いたばかりだよ。いつしか指折り数えることを止めていたよ。大した問題ではなかったから」

「ただただ回復に努めていた。再びフットボールができることを願いながらね。その可能性が限りなく小さかった時期もあって、幕引きも考えなくはなかったんだ」

「でも色んな感情的な物事を経て、僕はここに立つことができた。喜んでいいよね、うん」

「炎は決して燃え続けることをやめたりはしない。それが重要なんだ。さもなければ、僕は諦めていたかもしれない」

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