とにかく無茶苦茶、雪が降ってる…/原ゆみこのマドリッド

2021.01.09 22:00 Sat
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©Atlético de Madrid
「これからが面白くなるところだったのに」そんな風に私が溜息をついていたのは金曜日、コパ・デル・レイ32強対決組み合わせ抽選でバルサと当たったコルネジャやレアル・マドリーと当たったアルコジャノら、2部Bチームの選手たちが大喜びしているシーンをTVで見た時のことでした。いやあ、スペイン・スーパーカップ参加による1、2回戦免除により、マドリッドの1部チームがまだ1つ残っているのは有難いんですけどね。まさか今週開催された2部B相手の2回戦で敗退した1部4チームのうち、その半分がマドリッド勢って、一体どういうこと?逆に優秀だったのは2部の弟分チームたちで、レガネス(vsソクエジャモス、0-2)、ラージョ(vsアロ、1-3)、フエンラブラダ(vsマジョルカ、2-2、延長戦を経て、PK戦で勝利)、アルコルコン(vsサラゴサ、2-1)は同カテゴリー対決になった2チームも含め、全て突破。16or17日にはそれぞれ、セビージャ、エルチェ、レバンテ、バレンシアら、1部チームをホームに迎えての一発勝負に挑むことになりましたが、どこより健闘したのはラス・パルマス(2部)を破った2部Bのナバルカルネーロだったかと。

ええ、木曜の夜には午後中、暴風雨フィロメナ来襲の前触れとして降った雪が早くも積もり、同じ2部Bグループのラス・ロサスのクラブスタッフが超特急で除雪した市営総合スポーツ施設の凍てつくグラウンドで、武藤嘉紀選手の先制点を皮切りにキケ・ガルシア、ペドロ・レオンがゴールを挙げ、後半23分までに0-3とリードしながら、そこから追いつかれて同点に。レギュラー選手を投入した延長戦でエンリッチが決勝点を入れて、冷や汗ものの勝利を掴んだエイバルと32強対決を戦うことになったんですが、うーん。このカテゴリーのクラブはキャパ制限はあるものの、観客を入れてくれるんですが、ラス・ロサス同様、ナバルカルネーロもマドリッド市内からはバスに乗って、遥々行った郊外にスタジアムがあるため、とてもコロナによる夜間外出禁止が始まる午前零時までに戻って来れそうにないのがネックなんですよねえ。

まあ、そんなことはともかく、このミッドウィークのコパでヘタフェとアトレティコがどのようにダメダメだったか、お話ししていくことにすると。火曜に先陣を切ったのは弟分の方だったんですが、前半5分にはウィリーのヘッドでコルドバに先制点を奪われる始末。ハーフタイムまで経過してもまったく追いつける気配がなかったため、「Hemos dado entrada a jugadores no habituales para que se reivindicaran/エモス・ダードー・エントラーダ・ア・フガドーレス・ノー・アビトゥアレス・パラ・ケ・セ・レイビンディカラン(アピールできるよう、レギュラーじゃない選手をスタメンに起用した)」というボルダラス監督も後半にはククレジャ、アランバリ、ポルティージョ、マタ、ジェネと次々、投入していったものの、まったく今季のヘタフェのゴール日照りは根が深い。

結局、最後までその1点が返せず、1-0で負けてしまったんですが、え、現在、彼らは降格圏と勝ち点差1の16位とリーガで下位に低迷。前節もバジャドリーに0-1で負け、ここ3試合白星なしなんだから、却って、早めにコパとお別れできて助かったんじゃないかって?うーん、まだ4試合の出場停止処分を消化中、かつ負傷のリハビリをしているクーチョもまだ戻れませんし、昨年最後のアトレティコ戦でケガをしたウナルもハムストリングの肉離れが発覚。2月末まで戦列を離れるとあって、FWも30代のマタとアンヘルしか残っていませんからね。

そういう意味では試合数が減るのはラッキーなんですが、水曜にバルサからのレンタルが決まったアレニャに続いて、いよいよ金曜には久保建英選手がビジャレアルから河岸を変え、マドリーからのレンタル移籍として、シーズン後半をヘタフェで過ごすことが発表されましたからね。今年はヨーロッパの大会にも出ておらず、コパももうないとなると、プレーできるのはリーガだけになってしまいますが、その辺は大丈夫?ちなみにヘタフェはこの2日間、雪の降る中、何とか、練習はできたようですが、金曜の午後にはコリセウム・アルフォンソ・ペレスも見事に白化粧。

日曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からのエルチェ戦はスペイン南東部にあるマルティン・バレロでのキックオフなので、今のところ、雪の影響はないようですが、果たして土曜に久保選手が加わるだろう、前日練習が実施できるかは不明。そうなると、遠征に連れて行ってもらえるかも定かではないんですが、まだ1月には岡崎慎司選手のいる、やはりコパで敗退したウエスカ、アスレティック、アラベスとのリーガ戦が控えていますからね。エルチェも18位で現在、10試合白星なしとはいえ、あちらは水曜にコパでラ・ヌシア(2部B)に0-1と勝ち、32強対決に進出できて、意気が上がっているかもしれませんし、とにかくrival directo/リバル・ディレクト(直接ライバル)とのガチンコ勝負では意地を見せてくれるといいのですが。

そして水曜にバルセロナでコルネジャと対戦したアトレティコはというと、こちらもシメオネ監督の「Es un gran oportunidad mañana para que se muestren los que juegan menos/エス・ウン・グラン・オポルトゥニダッド・マニャーナ・パラ・ケ・セ・ムエストレン・ロス・ケ・フエガン・メノス(明日はあまり出場していない選手たちが実力を披露するビッグなチャンスだ)」という期待を叶えることはできなかったんですよ。そう、展開的にも弟分と似ていて、前半7分、FKからアドリアン・ヒメネスのシュートが決まって、コルネジャが先制。それも原因はヒメネスが自陣で犯したファールでイエローカードをもらった上、自傷してピッチ外で待機していた間のことだったともなると、どこに突っ込んでいいのか、私もわからないぐらいなんですが、でも相手は2部Bですからね。

1点ぐらい、ジョアン・フェリックスやコレアもいるし、簡単に逆転できるだろうと思っていたら、とんでもない。先日のカルダサル(3部)戦に続き、人工芝のピッチが苦手なのか、それからも意味不明なボールロストから、敵にチャンスを作られたアトレティコはいつまで経ってもゴールが決まらず。前半こそ、サウールのシュートがバーを直撃したり、オフサイドだったものの、コレアがparadon(パラドン/スーパーセーブ)されたり、フェリペのヘッドが枠を外れたりと攻めていた時もあったんですが、ハーフタイムまでに同点に追いつくことはできません。

そしていよいよ後半、何せ、こちらはレギュラーを入れようにも、シメオネ監督が過密日程の選手たちの働きすぎを懸念して、ルイス・スアレス、カラスコ、マルコス・ジョレンテ、レマル、コケらをお留守番にしていましたからね。そこへ17分にはカンテラーノ(アトレティコBの選手)の右SB、リカルドが2枚目のイエローカードをもらって退場という逆境にも見舞われ、結局、ビトロをサポンジッチに、そして足を敵に踏まれて腫らしたジョアンを18才のソリアーノに代えただけとなれば、そのまま1-0で負けてしまったのも仕方ない?

何せ、彼らは昨季、最初のコパの試合となった32強対決のクルトゥラル・レオネサ(2部B)戦でもジョアン、コレア、ビトロ、サウール、フェリペを中心にスタメンを組んで、見事1-2で敗退していますからね。そこから、まったく学んでいなかった選手たちも選手たちですが、それだけに試合後、シメオネ監督が、「Buscaremos soluciones si estamos el ano que viene/ブスカレモス・ソルシオネス・シー・エスタモス・エル・アーノ・ケ・ビエネ(もし来季も私たちがいるなら、解決策を探すことになる)」と絶対、マスコミが喰いつくだろう、曰くあり気な発言。自分に注目を集めていたのはもしや、部下たちの至らなさから、世間の目を逸らす目的があったのかも。

でもそれはムリです。だってえ、いくら控えとは言ったって、ピッチに立っていたのはコルネジャの選手の何十倍ものお給料をもらっているトップチームの選手たちなんですよ。この日、キャプテンを務めたサウールが最近、ベンチを温めることが多くなった自身の不調に「Tengo que mejorar y estar bien, sobre todo mentalmente/テンゴ・ケ・メホラール・イ・エスタル・ビエン、ソブレ・トードー・メンタルメンテ(ボクはもっと良くならないと。とにかくメンタル的にね)」と言っていたのには、私生活で何かあったんじゃないかと心配になったものの、どんな言い訳もききませんって。

ただ、もうこうなったら、同じ水曜にシーズン当初に延期されていたアスレティック戦に2-3と競り勝ち、消化試合は2試合多いものの、勝ち点差7の3位に上昇。首位争いにバルサが加わる姿勢を見せてきたこともありますし、勝ち点差2で2位のお隣さんが追ってきているリーガの首位固めに専念するしかないんですが、木曜はコパ留守番組を中心に何とか、雪が本格的に降り出す前に練習を終えたアトレティコも、金曜の午前中にマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に集まってみれば、一面雪景色。

いえ、土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのアスレティック戦に備え、ワンダ・メトロポリターノも周辺は積雪に覆われていたものの、ピッチは暖房設備を使って万全の準備を整えているんですけどね。さすがに練習グラウンドの雪かきをする人手までは得られなかったか、試合前日がジムセッションという異例の事態に。幸い、ジョアンとヒメネスはほぼ回復いているとシメオネ監督は言っていましたが…金曜も暴風雨フィロメナのせいで午後から雪となり、夜になっても止まらず、マドリッドの交通網がどんどん麻痺していく中、とんでもない情報が。

何と、マルセリーノ新監督の下、首都前泊を予定していたアスレティックがビルバオ(スペイン北部)ではまだ雪が降っていなかったため、飛行機はマドリッドに着いたものの、積雪によるバラハス空港閉鎖でUターン。夜いっぱい雪は続く予定のため、バス移動も難しく、土曜の試合前に到着できるか、今の時点ではまったく不明なのだとか。同様にアトレティコの選手たちも前日合宿のため、自宅から車でワンダに集合するのも雪深くて危険と、取り止めになってしまいましたしね。正直、朝になってもすぐ道の除雪ができる訳ではありませんし、いくらピッチが完璧でも、プレーする主役たちがスタジアムに辿り着けないのでは試合開催なんて、ムリなのでは?(その後、延期が決定)

え、悲惨なことになっているのはお隣さんも同じじゃないかって?その通りで、まだコパ免除のため、今週はミッドウィークにじっくり調整できたマドリーは動員できるスタッフが多いんでしょうかね。木曜にはコロナ陽性者と濃厚接触があったとして、用心のため、翌朝、PCR検査陰性がわかるまで、チームの指揮を執らなかったジダン監督も晴れて復帰。夕方のセッションだったにも関わらず、何とか、ピッチを綺麗にしたバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で雪の中、トレーニングしていたんですが、土曜午後9時(日本時間翌午前5時)開催予定のオサスナ戦のため、ラリーガの忠告もあり、夕方にはパンプローナ(スペイン北部)に向かうことに。

それが何と、午後7時に離陸というのが裏目に出たか、バラハス空港の滑走路除雪が済むまで、延々と機内で出発を待たされた挙句、ようやく飛び立てたのは午後11時近くだったとか。いえ、皮肉にもまだパンプローナは晴れており、おそらく着陸には問題ないと思うんですけどね。あちらの降雪開始は金曜深夜で、土曜は1日中雪という予報。試合の時刻にも止みそうになく、キックオフまでに除雪できるかも降る量次第だとか。もし延期になった場合は日曜正午にキックオフすることになっていますが、ホント、大丈夫なんでしょうか。

ちなみにこの試合、マドリーの欠場者は長期離脱のロドリゴと累積警告となるカルバハル、そして直前に筋肉痛で招集リストを外れたヨビッチの3人。まあ、オサスナもリーガ19位と降格圏にいる不調のチームですが、水曜にはコパでオロット(2部B)に0-3と快勝していますからね。雪の影響についてはジダン監督など、「El temporal no va a marcar la alineación/エル・テンポラル・ノー・バ・ア・マルカル・ラ・アリネラシオン(悪天候がスタメンを左右することはない)。アザールとか、ロンドンでプレーしてたから、慣れているしね」と言っていましたが、いやいや。こんなに雪が降っては、私の行きつけのバル(スペインの喫茶店兼バー)だって、土曜は開くかわかりませんし、何はともあれ、どのチームも事故に遭うことなく、無事にこの豪雪禍を切り抜けてくれるといいのですが。

【マドリッド通信員】 原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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そして皆、ヒマになった…/原ゆみこのマドリッド

「6日経ってもこれじゃ、どこも苦労するわよね」そんな風に私が納得していたのは金曜日、未だに雪で真っ白なマハダオンダ(マドリッド近郊)のグラウンドを見た時のことでした。いやあ、実はその日、アトレティコはワンダ・メトロポリターノでセッションをしており、はい、クラブ広報からのメッセージをちゃんと読まなかった自分が悪いんですけどね。先週末の大雪の後、すでにどの通りにも人が歩く幅程度の道ができているセントロ(市内中心部)とは違い、セロ・デ・エスピーノは車道以外、パス停のある歩道ですら、雪が積もりっぱなし。おっかなびっくり練習場に近づいたところ、入り口前の駐車場には雪かきに使うブルドーザーしかなく、ようやく自分の間違いに気づくというのも何ですが、大丈夫。 だってえ、アトレティコは来週木曜まで試合がないんですよ。1回ぐらい、セッションを見損ねたから何よってもんですが、せっかく遠出したので、グラウンドがどんな具合か、ちょっと敷地周りを歩いてみることに。すでに水曜には練習ビデオが上がっていたメイングランドは綺麗になっていたようですが、角地のグラウンドなどはまだ雪かきも手付かず。中央部にある人工芝グラウンドではすでにユースチームがトレーニングしていたため、必要性の高いところから順々に除雪していっているようですが、この近所に練習場があるラージョ・マハダオンダ(アトレティコ練習場のミニスタジアムで試合をする2部Bチーム、ラージョ・バジェカーノと経営関係はない)など、スタッフ、ボランティアのファンまで駆り出して、グラウンドを使えるようにしていましたしね。 こうなると、同じマドリッド郊外にあるヘタフェが、まあ彼らも月曜にエルチェに勝った後、次の試合が来週水曜のウエスカ戦と間が空きますからね。先週、ビジャレアルから河岸を変え、レンタル移籍した久保建英選手など、心待ちにしていたはずだったチーム練習を土曜まで行わず、ミニバケーションって、もしや練習場の積雪が自然消滅するのを狙っている?まあ、暴風雨フィロメナが去った後も寒波が続き、毎晩気温が零下になる首都圏だけにそれは無理そうですが、大変なのはこの週末、コパ・デル・レイ32強対決を控えているマドリッドの2部の弟分チームたちなんですよ。 ええ、皆相手が格上の1部チームのため、ホーム開催になるんですが、木曜にようやくシュダッド・デポルティバ・ブタルケの除雪を終え、今週最初のセッションを行ったレガネスは、うーん、おそらくスタジアムの方まで手が回らなかったんですかね。早々に土曜午後8時(日本時間翌午前4時)からのセビージャ戦のため、兄貴分に助けを求め、柴崎岳選手もワンダ・メトロポリターノでプレーできることに。同日、レバンテを迎えるフエンラブラダもエスタディオ・フェルナンド・トーレスの除雪を諦め、スペイン・サッカー協会の厚意により、ラス・ロサス(マドリッド近郊)の協会施設グラウンドを試合会場として使わせてもらうことになりました。 そして日曜にバレンシアと対戦するアルコルコンはサント・ドミンゴの整備ピッチを上げているそうですが、タイムリミットが迫っているのはこの32強対決のトップバッターとして、土曜正午にエルチェと当たるラージョ。ええ、木曜などは練習場がまだ使えないため、兄貴分レアル・マドリーがさすがの機動力で除雪したバルデベバス(バラハス空港の近く)のグラウンドを借りて、セッションを行っていましたが、エスタディオ・バジェカスも未だに雪で埋まっているのだとか。結局、スタジアムは間に合わないだろうと、金曜になって練習場の除雪を急ピッチで始め、そちらで試合を午後4時に遅らせて開催するようですが、さて。こんなアクロバティックな会場変更も全ての試合が無観客だけに、ファンに影響がないのが救いとはいえ、フエンラブラダこそ、月曜のスポルティング戦の後、ヒホン(スペイン北部のビーチリゾート)に残って練習してきたからいいんですけどね。リーガ戦は延期、練習もようようでききていない、他3チームにはそれこそ、見習うべき手本が身近なところに。 え、それは先週末、アスレティックがマドリッドに来られなかったため、せっかくワンダ・メトロポリターノのピッチを暖房ランプで積雪から守りながらも試合ができず。それでも火曜には支障なく、延期されていた1節のセビージャ戦をプレーしたアトレティコのことかって?いやあ、これが練習らしいことといえば、月曜に1回ぐらいしかできなかったシメオネ監督のチームにも関わらず、思わぬ効率の良さを発揮したんですよ。まずは前半17分、FIFAがFA(イングランド・サッカー協会)の課した10週間サッカー活動禁止処分に一時停止命令を出してくれたおかげで先発に復帰したトリピアーがエリア内に送ったパスをコレアが受け、繋ぐかと思いきや、クルリと回ってシュート。GKボノとゴールポストの狭い隙間を通って、先制点になっているんですから、ビックリしたの何のって。 残念ながら、再びトリッピアーが上げたクロスから、ルイス・スアレスが放ったvolea(ボレア/ボレーシュート)はボノにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されてしまったため、1-0のまま、ハーフタイムに入ったんですが、やはりキックオフ前にすでにマイナス5℃となっていたスタンドで待機していた控え選手たちは相当、辛かったんでしょうね。後半になると、座席のない奥のスペースに並べたエアロバイクを漕ぎながら、電気ストーブで暖を取っていましたが、ピッチでは「En la segunda parte no pudimos tener la pelota e hicimos un gran trabajo defensivo de todos/エン・ラ・セグンダ・パルテ・ノー・プディモス・テネール・ラ・ペロータ・エ・イシモス・ウン・グラン・トラバッホ・デフェンシボ・デ・トードス(後半、ウチはボールをキープすることができなくて、全員が素晴らしい守備の仕事をした)」(シメオネ監督)という展開に。 セビージャはレアル・ソシエダに3-2と競り勝ったばかりでしたし、あまり相性も良くないため、このままだと遅かれ早かれ、追いつかれるんじゃないかと私もヤキモキしていたんですが、21分にはシメオネ監督がレマルとカラスコをジョアン・フェリックスとサウールに交代。これが功を奏したか、その10分後にはスローインから始まったプレーでマルコス・ジョレンテが持ち上がり、右サイドからラストパスを送ったところ、ゴール正面でボールをコントロールしたサウールが2点目のゴールをゲットって、いやもう、大船に乗った気でいていい? 何せ、サウールと言えば、今季はなかなか本調子になれず、コパ2回戦でコルネジャ(2部B)に敗退した後など、メンタル的にいけてないと当人も告白していたため、私も結構、心配していたんですけどね。シメオネ監督も「Como todo en la vida, primero el que tiene que querer salir de la dificultad es uno mismo y Saúl lo quiere/コモ・トードー・エン・ラ・ビダ、プリメーロ・エル・ケ・ティエネ・ケ・ケレール・サリール・デ・ラ・ディフィクルタッド・エス・ウノ・ミスモ・イ・サウール・ロ・キエレ(全ての人生においてそうであるように、困難な状況から抜け出すには、自身が望まないといけなくて、サウールはそれを望んだ)」と言っていたように、「Es el primero gol que le puede dedicar a mi mujer y a mi hija que pronto va a nacer/エス・エル・プリメーロ・ゴル・ケ・レ・プエデ・デディカル・ア・ミ・ムヘル・イ・ア・ミ・イハ・ケ・プロントー・バ・ア・ナセール(彼女ともうすぐ生まれてくるボクの娘に捧げられる最初のゴール)」(サウール)という、この今季初得点、6月のバルサ戦以来のゴールがきっと、以前のような溌剌としたプレーを取り戻すキッカケになってくれるんじゃないでしょうか。 結局、「ウチは前の試合の後、3日しか経ってなくて、相手には7日あった」(ロペテギ監督)というセビージャは最後まで得点することなく、アトレティコは2-0で勝利したんですが、この展開はまさにファンが思い描いていた通り。ええ、2位のお隣さんと3位のバルサは来週ミッドウィークの19節をスペイン・スーパーカップ参加に伴い、前倒しで消化しているため、来週末までリーガ戦がありませんからね。その時にはエイバル戦の勝ち点3を足して、それぞれ7差、10差とアトレティコが独走態勢に片足をかけることになっているかもしれませんし、何より、昨年は週2試合ペースが延々と続き、クリスマスもろくろく休めなかった選手たちには一息入れる、いい機会かと。 折しも木曜には冬の戦力補強として、電撃退団したジエゴ・コスタの代わりを務めるFW、24才と若いムサ・デンベレがオリンピック・リヨンからレンタル移籍で加入。すでに同胞のコンドグビアとマハダオンダで練習していましたし、金曜のワンダでのセッションにも参加と、昨年12月半ばに骨折した腕もほぼ完治しているのは朗報でしょう。セビージャ戦でネンザしたエルモーソもこれだけ次の試合までに間が空けば、大丈夫かと思いますが、時間があっても解決しないのは5枚目のイエローカードをもらったコケの出場停止処分。まあ、エレーラのリハビリも終わりに近づいているようですし、どちらにしろ、まだ先のことですから、今は気にしても仕方ありませんって。 そして水曜にはまず、女子のスペイン・スーパーカップ準決勝でアトレティコがバルサと1-1で延長戦突入の末、PK戦にもつれ込む死闘に。これがまた、どちらも失敗しまくって、3-1で勝ったアトレティコがレバンテと土曜に決勝戦をプレーという結末になったんですが、男子の準決勝の方もメッシを負傷で欠いたバルサがオジャルサバルのPKでレアル・ソシエダに1-1に追いつかれ、こちらも延長を経てPK戦となったのはただの偶然。バウティスタ、オジャルサバル、ウィリアム・ホセが決められなかった相手に対し、デ・ヨングとグリーズマンがミスしながらも最後はリキ・プッチが沈めて、2-3でバルサ勝利というのも珍しいんですが、まあ、スペイン・スーパーカップでは昨季、アトレティコもサウールとトマス(現アーセナル)が次々と失敗し、マドリーにPK戦4-1でタイトルを持っていかれたなんて前例もなきにしろあらず。 それだけにもう1つの男子準決勝、木曜のマドリーvsアスレティック戦ももつれるんじゃないかと、バル(スペインの喫茶店兼バー)の営業時間を考えて、不安になったんですが、いやいや。こんな日に限って、出ちゃったんですよ。「Ellos han salido muy bien y a nosotros nos ha costado al principio/エジョル・アン・サリードー・ムイ・ビエン・イ・ア・ノソトロス・ノス・ア・コスタードー・アル・プリンシピオ(彼らはとてもいいスタートを切って、ボクらは序盤、試合に入るのが難しかった)」(アセンシオ)という、彼らの悪い癖が。そう、先週末はマドリッド上空まで来て着陸ができず、「no jugar en el Wanda el fin de semana nos vino francamente bien/ノー・フガール・エン・エル・ワンダ・エル・フィン・デ・セマーナ・ノス・ビノ・フランカメンテ・ビエン(週末にワンダでプレーしなかったのは正直、ウチにとって良かった)」とマルセリーノ新監督も言っていた通り、雪のまったくないレサマ(アスレティックの練習場)でみっちりトレーニングしてきた相手は滅多にないタイトル獲得のチャンスとばかり、一気呵成にスタート。 逆に大雪中の強行フライトでストレスを溜め、パンプローナ(スペイン北部)でのオサスナ戦でも寒さと雪で実力を発揮できずにスコアレスドローで終わり、その後も丸1日、足止めされたマドリーは、いえ、月曜からはマドリッドと比べれば、春のようなマラガで練習していたんですけどね。まったく勢いに乗れないどころか、前半18分にはカルバハルの負傷で右SBを務めていたルーカス・バスケスが自陣で敵のダニ・ガルシア目掛けて真っすぐパス。まるで、どこぞのチームを連想させるミスですが、そのボールが12月のリーガ戦ではエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で前半早い時間に退場。チームが3-1と負ける戦犯となり、リベンジに燃えていたラウール・ガルシアに渡ったのが運の尽きでした。 彼のシュートが決まり、先制点を挙げたアスレティックはそれからもアクセルを緩めず、38分には再び、ルーカス・バスケスにエリア内でイニゴ・マルティネスが倒され、PKをゲット。これもラウール・ガルシアがゴールに変え、0-2でハーフタイムを迎えるとは一体、どういうこと?いえ、バランがケガしてナチョが頭から入った後半、28分には何とか、バルベルデ、カセミロと繋いだボールをベンゼマがゴール前から決めて、VAR(ビデオ審判)にオフサイトを取り消されるというラッキーもあったものの、1点差に追い上げたマドリーだったんですけどね。37分のベンゼマのゴールはオフサイドのままとなり、同点には至らず。最終兵器、CFセルヒオ・ラモスもこの日はアップ中に左ヒザをケガし、痛み止めを打ってのプレーだったせいか、そのヘッドも外れるばかりと、トレードマークである根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)もできずにあっさり、1-2で負けてしまいましたっけ。 うーん、ジダン監督はこの結果にも「No es un fracaso porque lo hemos intentado/ノー・エス・ウン・フラカソ・ポルケ・ロ・エモス・インテンタードー(これは失敗ではない。我々は勝とうとしたのだから)」と言っていたんですけどね。もう2試合連続先発となりながら、チェルシー時代の面影もないアザール、そして木曜にはヨビッチが古巣のアイントラハト・フランクフルトにレンタル移籍、いつの間にか、第2CFに昇格していたマリアーノの投入も残り1分になってからと、その日はシュートを2度、枠に当てていたアセンシオ以外、最近の著しい決定力不足にまったく光明が見出せないのは困ったものかと。試合後はラ・ロサレダ(2部マラガのホーム)から、空港に直行し、6日ぶりにようやく帰京できたチームも日曜まで練習休みと、いきなりヒマになってしまったんですが…。 そんなマドリーの次の試合は水曜日、スペイン・スーパーカップ参加組が来週ミッドウィークにプレーするコパ32強対決アルコジャーノ(2部B)戦となるんですが、何ですかねえ。2回戦で敗退したアトレティコ、ヘタフェも今週末は試合がないとなると、日曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのスペイン・スーパーカップ決勝バルサvsアスレティック戦を私もまったり見るしかないってこと?ここはとりあえず、エイバルと戦う2部Bのナバセラーダを含め、マドリッドの2部4チームができるだけ多く、生き残ってくれることを祈るばかりでしょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.01.16 21:30 Sat
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苦労したのは皆、一緒…/原ゆみこのマドリッド

「気温12℃なんて羨ましすぎる」そんな風に私が溜息をついていたのは月曜日、3日間のパンプローナ(スペイン北部)滞在を終え、とうとうレアル・マドリーがマラガ(スペイン南部)入りしたという報を聞いた時のことでした。いやあ、先週末の金曜から、マドリッドのあるイベリア半島内陸部が50年ぶりとも言われる大雪に見舞われる中、彼らはバラハス空港が閉鎖される直前に離陸。夜半に到着したホテル・アルマ・ムガ・ベロソで前泊し、土曜の夜にはエル・サダルでオサスナと戦ったんですが、その頃にはパンプローナも雪まみれだったため、当日帰京ができなかったんですよ。 マドリッドも雪が土曜まで降り続いていたため、チャーター便の出発予定が日曜になっても立たず、しかも昨今のコロナ流行でホテルから一歩も出られなかったというのは気の毒ですが、たとえ、戻れていてもバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場は雪に埋もれていましたからね。とてもトレーニングできる状況ではないということで、この暴風雨フィロメナの影響をまったく受けなかったアンダルシア地方にマドリッドを飛び越えて移動。ラ・ロマレダ(2部マラガのホーム)で木曜午後8時(日本時間翌午前4時)からキックオフのスペイン・スーパーカップ準決勝アスレティック戦の準備をそちらですることに。ここ数日、夜は零度以下に下がる寒波に襲われ、市街の道も雪が溶けてグチャグチャと凍結の繰り返し。日曜には頑張って、プエルタ・デル・ソルまで行ってみたものの、ようよう、外出もままならない私などにしてみれば、最上の選択だったように思えるんですが…。 え、それでも彼らは1部、2部のマドリッド勢の中で唯一、週末に試合ができたラッキーなチームだったんだろうって?その通りで、それも当日、スタジアムのピッチを40人の整備員を使って雪かき。プレー可能な状態にしてくれたオサスナ関係者のおかげで、試合中も絶えることなく降り続く雪のため、いくらか白い部分はあったものの、金曜にはマドリーもバルデベバスの同じような状態のグラウンドで練習していましたからね。むしろ、不慣れだったのは、あとでルーベン・ガルシアも「Nos costaba respirar a veces por el frío/ノス・コスタバ・レスピラール・ア・ベセス・ポル・エル・フリオ(時々、寒さのせいで呼吸するのも大変だった)」と告白していた、前日は雪など影も形もないエル・サダルでセッションを行っていたオサスナの方だった? それでも先にチャンスを作ったのは相手の方で前半30分にはCKから、オイエルが強烈ヘッド。GKクルトワが何とか、弾いてくれたため、先制点は奪われずに済みましたが、とにかくこの日のマドリーはゴールが遠いんです。ええ、後半にはアセンシオのシュートをGKエレーラにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されたなんてこともあったんですが、16分、ベンゼマが1度は弾かれて、その後また押し込んだゴールはオフサイドで認められず。「Con los cambios buscamos cambiar lo que nos faltaba antes/コン・ロス・カンビオス・ブスカモス・カンビアル・ロ・ケ・ノス・ファルタバ・アンテス(交代策でその前に足りなかったところを変えようとした)」(クロース)と、ジダン監督もバルベルデ、イスコ、マリアーノを投入し、勝利の1点を目指したんですが、43分、最終兵器、CFセルヒオ・ラモスが決めたゴールもオフサイドとなり、スコアレスドローで終了となれば、守り切ったアラサーテ監督のチームを褒めるしかないかと。 うーん、試合後のジダン監督は「Hicimos lo que pudimos, pero no ha sido un partido de fútbol/イシモス・ロ・ケ・プディモス、ペロ・ノー・ア・シドー・ウン・パルティードー・デ・フトボル(ウチはできるだけのことをやったが、あれはサッカーの試合じゃなかった)」と、珍しく怒りを露わにしていたんですけどね。ピッチでインタビューを受けていたクルトワなど、もっと露骨に「ラ・リーガがボクらやラージョにした仕打ちは酷いよ。予報でわかってたことなのに、凍った滑走路から離陸させられて、今じゃ戻れない。Somos humanos y no un espectáculo/ソモス・ウマーノス・イ・ノー・ウン・スペクタクロ(自分たちは人間で見世物じゃないんだ)」と批判。どうやら、バラハス空港の機内で降り続ける雪を見ながら、待機していた4時間、相当怖い思いをしたようですが、まあ、気持ちはわかりますよね。 ただ、それと試合の結果は別の話で、元々、今季の彼らはカディス、アラベス、に負け、エルチェとも引き分けるなど、格下のチーム相手に弱みを見せていますからね。この日も満を持して、プレミアリーグでのプレー経験から、雪と寒さに慣れていると見込まれ、負傷から復帰後、初めて先発に入ったアザールも目立っていませんでしたし、玉突きで右サイドに回されたアセンシオもここ数試合の好調ぶりを持続できず。一応、この勝ち点1で首位のお隣さんとの差が1ポイントに縮まったとはいえ、相手の消化試合が3つも少ないとなると、あまり旨味はなかったかと。 といっても過ぎてしまったことは仕方ないので、今はマドリーもスペイン・スーパーカップ準決勝に集中するしかないんですが、累積警告と負傷でマドリッドに残ったカルバハル、移動当日に筋肉痛でお留守番となったヨビッチは、うーん、この3日間はリハビリしに練習場にも行けなかったと思いますけどね。木曜までに快復はせず、マドリーがアスレティックに勝利して、日曜、セビージャのカルトゥーハで行われるバルサorレアル・ソシエダとの決勝に出ることになれば、復帰できる可能性もあるよう。いやあ、相手も金曜の夜には翌日のアトレティコ戦を控え、飛行機でマドリッドに向かったものの、空港閉鎖で着陸できずにUターン。結局、試合は延期となり、日曜から雪など、まったくないレサマ(アスレティックの練習場)でみっちりトレーニングしていますからね。 マドリーにもこの3日間は気合を入れて準備してもらいたいところですが、一方、その間、週末の予定がポッカリ空いたお隣さんが何をしていたかというと。いやあ、積雪で金曜の練習が中止になって以来、土曜は誰も家から出られず、マルコス・ジョレンテのようにバカンス気分になっていた選手もいたようですけどね。雪が止んだ日曜もマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場には選手どころか、除雪のための整備員すら近づくのが難しく、かろうじて自宅を出られた8人が住居に近い公営ジムで小規模セッションをしただけで、あとは家でプレフェ・オルテガの指示に従ったフィジカルトレをこなすのみに。何せ、3月からのコロナ警戒事態宣言中は自慢の広いお庭でボールを蹴ったりしていた彼らとて、今回はそれすら叶いませんからね。 ようやく日曜になって、主要道路の除雪が済み、暖房用ランプとスタッフの努力でピッチが利用可能となったワンダ・メトロポリターノで練習ができることになった時は皆、ホッとしたかと思いますが、火曜の午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からの、開幕1節で延期されていたセビージャ戦まで、当日正午のアクティベーションを含めて、2回しか、チーム練習ができないというのは不安。それだけに先週末は雪とは無縁のサンチェス・ピスファンでレアル・ソシエダ戦を行い、エン・ネシリのハトトリックで3-2と競り勝ったロペテギ監督が、「tendremos a un rival con cuatro días más de descanso/テンドレモス・ア・ウン・リバル・コン・クアトロ・ディアス・マス・デ・デスカンソ(ウチより4日間以上、休みがあるチームと対戦する)」と文句を言っていたのはちょっと意地悪だったかと。 実際、ルイス・スアレス、ジョレンテ、カラスコ、コケといったレギュラー選手たちは先週火曜のコパ・デル・レイ2回戦、コルネジャ(2部B)相手に敗退した試合にも参加していないため、1週間以上、間が空いているんですけどね。とりあえず、月曜夕方に出発したセビージャもバラハス空港上空で2時間の待機はあったものの、無事に着陸できたようですし、「No hay excusas, circunstancias que hay que llevar hacia adelante/ノー・アイ・エクスクーサス、シルクンスタンシアス・ケ・アイ・ケ・ジェバール・アシア・アデランテ(言い訳はできない。どんな状況でも前進しなければ)」(シメオネ監督)というアトレティコの目指すは勝利一択。そう、禍転じて福と為すというか、コパがなくなったため、この先、リーガは来週ミッドウィークのエイバル戦までなく、その19節はマドリーもバルサもスペイン・スーパーカップのため、前倒しでプレーしていますしね。 おかげでもし、アトレティコがセビージャに勝てば、2位のお隣さんとの差を勝ち点4に、4差まで詰めてきた3位バルサとも7差にして、しばらく優雅な首位生活を楽しめますからね。ちなみにその間、セビージャはこの土曜にコパ32強対決で2部の弟分、柴崎岳選手のいるレガネスとブタルケで対戦。実を言うと、この大雪でマドリッドのチームは皆、被害を受けており、彼らも対戦相手のアルメリアが来られず、先週末のリーガ戦は延期に。アルコルコンも同じ理由でアルバセテ戦が行えませんでしたが、スタジアムだけでなく、練習場も雪まみれなのは皆一緒ですからね。通常状態に復帰するにはまだちょっとかかりそうですが、実はアウェイゲームだったラージョとフエンラブラダなど、もっと大変な目に遭っていたんですよ。 そう、土曜にミランデス戦のあったラージョはコロナ陽性懸念の選手がいたため、金曜午前中にPCR再検査をして、その結果が出るまで出発できず。すでに高速道路で車が立ち往生していた午後7時にマドリッド郊外の練習場をバスで出たものの、5時間かかって25kmしか進めなかった上、自家用車で伴走していたプレサ会長が雪溜まりで動けなくなり、クルトワにまで同情されていたように、選手たちがバスを下りて、車を押すなんてアクシデントも発生したため、最後は引き返すことに。ヒホン(スペイン北部のビーチリゾート)でのスポルティング戦が日曜にあったフエンラブラダも土曜にはバラハス空港から飛行機が出ず、試合は月曜にリスケされたんですが、当日午後までフライトが先送りになったため、アストゥリアス空港からエル・モリノンに直行。そうまでしてプレーした試合で2-1と負けてしまったとなれば、サンドバル監督にはマドリー以上に文句を言う権利があるかもしれませんって。 え、同様にマドリッドから出られず、日曜のエルチェ戦を月曜に延期。日曜午後10時過ぎに翌朝の飛行機に備え、バラハス空港近くのホテルに集合するよう招集がかかり、ラ・リーガが雪で家から出られない選手のため、Uberの車を送ったというヘタフェなんて、真逆の結果を出したじゃないかって?いやあ、そのお迎えも雪道のプロが運転手という訳ではなかったか、カバコやポルティージョが動けなくなってしまった、同僚の乗った車を押したりと、辿り着くまでに苦労したようですけどね。月曜にエルチェに着いた時には試合開始6時間を切っていたんですが、ホント、これはサプライズです。 というのも先週、レンタルでの入団が決まったアレニャ(バルサから移籍)は2度程、チーム練習に加わる時間があったからまだいいんですが、久保建英選手など、練習場が雪で使えず、1度もセッションをせずに招集リスト入り。それだけでもビックリですが、エルチェ戦ではアレニャ先発とはかなり思い切った起用です。更に前半3分にはラウール・グティに先制点を奪われたものの、39分にククレジャがポルティージョのクロスをヘッドして同点に追いつくと、後半早々、マルコネが2枚目のイエローカードをもらって退場したのも、ボルダラス監督にアクセルを踏ませましたかね。後半19分にマクシモビッチに代わり、久保選手投入って、え、それってあまりにデビューが早すぎない? でも大丈夫、今季前半、ビジャレアルでは十分、見せられなかった実力を新天地では発揮しようと当人も張り切っていたか、後半24分にはエリア内からシュート。それはGKバディアに弾かれてしまったんですが、ゴール前に詰めていたマタが押し込んで、勝ち越し点ゲットとなれば、入団プレゼン前から、ファンへのアピールに成功したと言っていい?そして40分にも彼が送ったクロスが敵のペナルティを引き起こし、PKを獲得したアンヘルが自身で決めて、ヘタフェは1-3で勝利。4試合ぶりにリーガで白星を挙げ、降格圏まで勝ち点差1の17位だったのを一気に13位までジャンプアップ、勝ち点差も4に広げたとなれば、大雪騒動に翻弄されたのもいい思い出にしかならないかと。 ちなみに試合後、ボルダラス監督は久保選手について、「Hoy durante la estancia en el hotel le he explicado lo que podía aportar si entraba al campo/オイ・ドゥランテ・ラ・エスタンシア・エン・エル・オテル・レ・エ・エクスプリカードー・ロ・ケ・ポディア・sポルタル・シー・エントラバ・アル・カンポ(今日、ホテルにいる間、彼にはピッチに入ったら、どのように貢献できるか説明した)」と言っていたんですが、金曜に入団決まる前後にも電話でのコンタクトはあったよう。これぞ、まさしくスペイン語でコミュニケートできる強みかと、私も納得でしたが、この弟分チームも先週、コパ2回戦でコルドバ(2部B)に負け、早期敗退していたのが有利に働きそうな気が。 というのも次の試合は来週、20日(水)のウエスカ戦となるため、月曜は飛行機の関係でエルチェ泊となったチームも帰京する頃には練習場の除雪も済んでいそうですし、そこから1週間以上、じっくりトレーニングできるとなれば、久保選手もチームメートをもっと知ることができますしね。岡崎慎司選手のいるウエスカもコパで敗退したばかりなのは一緒とはいえ、同日、超特急で除雪したアルコラスでのベティス戦でも0-2と負け、変わらず最下位にいるため、ここはヘタフェも絶対、勝ち星を得たいところですが…何はともあれ、この大雪禍節で移動中の事故が起きなかったは本当に良かったですよ。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.01.12 22:15 Tue
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助けてはもらいたいんだけど…/原ゆみこのマドリッド

「まだ決まってないんだ」そんな風に私が拍子抜けしていたのは月曜日、コパ・デル・レイ2回戦を前に記者会見したヘタフェのボルダラス監督が、「彼はクラブが扱っているオプションの1つで、どうなるか見てみよう」と話していたのを知った時のことでした。いやあ、このところ出場がなく、とうとう土曜のレバンテ戦ではベンチ入りから外れた久保建英選手について、試合後、ビジャレアルのエメリ監督が「2日前に彼と話したところ、me confirmó que buscaba salida porque juega menos de lo que cree que tiene que jugar/メ・コンフィルモ・ケ・ブスカバ・サリーダ・ポルケ・フエガ・メノス・デ・ロ・ケ・クレエ・ケ・ティエネ・ケ・フガール(自分が思ったより、プレー時間が少ないため、退団を模索していることを認めた)」と語っていた辺りから、事態は加速。 日曜には、週明け早々、ヘタフェへの入団が発表されそうと、スポーツ紙などでは予測していたんですけどね。それで私もレアル・マドリーからのレンタル移籍先を変え、マドリッドの弟分チームに彼が本当に来るのかと、コマメにニュースをチェックしていたんですが、でもちょっと待って。ヘタフェと言えば、現在、2部の弟分レガネスで活躍中の柴崎岳選手が2017年の夏に入団。2シーズン過ごしたものの、ボルダラス監督のサッカーにあまりフィットしなかったか、29試合の出場に留まり、2019年には2部のデポルティボ(今季は2部B)に移籍したなんてことがあったんですが、正直、久保選手も馴染めるのかどうかは疑問が沸くところかと。 そう、2016年9月、2部に降格していたヘタフェに着任してから、そのシーズンにプレーオフを経て1部に最短復帰。2018-19シーズンには5位でEL出場権を獲得し、昨季は名門アヤックスを倒して、16強対決まで進出という偉業を成し遂げたボルダラス監督が、そのプレースタイルを変える可能性はないに等しいですからね。昨今では体当たりサッカーでファールの多いチームという評判が災いしたか、逆に対戦相手からガンガン、ラフプレーを仕掛けられ、ピッチに人が倒れているのが珍しくないような試合も結構あったりするんですが、そこは久保選手、自慢のテクニックで何とかなる? といっても今季のヘタフェは不調が続き、土曜のリーガ戦の後もエースのマタが、「Llegamos hasta el área, pero ahí nos cuesta. No somos capaces de generar ocasiones claras/ジェガモス・アスタ・エル・アレア、ペロ・アイー・ノス・クエスタ。ノー・ソモス・カパセス・デ・ヘネラル・オカシオネス・クラーラス(敵エリアまでは行くんだが、そこからが難しい。ウチは明確なシュートチャンスを作ることができない)」と嘆いていたように、とりわけ最近はゴール日照りが最大の悩みの種ですからね。そのため、ラストパスを贈ってくれる久保選手のようなアタッカーが必要ではあるんですが、それも1日でも早く来てと焦ってしまうのは…。 彼ら、また躓いてしまったんですよ。それもバジャドリー戦では前半36分、キケ・ペレスが左サイドをドリブル、「pidiendo el fuera de juego, dejamos sacar un centro/ピディエンドー・エル・フエラ・デ・フエゴ、デハモス・サカール・ウン・セントロ(オフサイドをアピールしているうちにクロスを許してしまった)」(ボルダラス監督)というボールをヴァイスマンにゴール前から決められ、奪われた先制点を最後まで返せないとは情けない。昨年最後の試合、兄貴分のアトレティコとのマドリーミニダービーでもFKからルイス・スアレスに決められたゴールで1-0と負けているとはいえ、その日は反撃もあまり見られませんでしたしね。 何より、ここ3シーズンでは考えられなかった、1部残留を争うrival directo/リバル・ディレクト(直接ライバル)に負けたのは痛かったんですが、幸い決勝戦はこの日曜のエルチェ戦、その次のウエスカ戦と残っていますからね。順位も14位から16位に落ちてしまったものの、まだ降格圏までは勝ち点1ありますし、まずは火曜のコパ・デル・レイ2回戦コルドバ(2部B)戦で頭を切り替えて、勝ち運を呼び寄せてくれたらと。ちなみにその試合ではダミアン、オリベイラ、マキシモビッチ、カバコをお留守番にしたボルダラス監督でしたが、クーチョが負傷と4試合の出場停止処分の中、ウナルもリハビリ中とあって、30代のFWコンビ、アンヘル、マタが出ずっぱりになりそうなのはちょっと心配ですよね。 そして土曜の夜にはマドリーがエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)にセルタを迎えたんですが、助かりました。どうやら、ここ6試合5勝1分けという同じ成績の相手をジダン監督のチームは強敵と捉えたようで、いえ、コウデット監督がカディスやアラベス、エルチェのように専守防衛タイプではなかったのも幸いしたんでしょうけどね。前半4分、イアゴ・アスパスがGKクルトワの頭上を越えるvaselina(バセリーナ/ループシュート)を放ったところ、胃腸の具合が悪く、その日はスタンド観戦となったセルヒオ・ラモスの代わりにCBに入ったナチョがゴール前でクリア。そこから得意の速攻カウンターが炸裂し、最後はアセンシオが左から上げたクロスをルーカス・バスケスがヘッドして先制点をゲットします。 そのままマドリーは1-0とリードして、後半に入ったんですが、この日はツキも味方してくれたような。というのも、5分にはナチョにタックルされて倒れたアスパスが交代する破目になったからで、いえ、「Iago venía algo tocado ya del isquio durante la semana/イアゴ・ベニア・アルゴ・トカードー・ジャ・デル・イスキオ・ドゥランテ・ラ・セマーナ(イアゴは週の間から、ハムストリングスをちょっと痛めていた)」というチームメイト、デニス・スアレスの証言もあるため、このファールだけが負傷の原因ではないようなんですけどね。そうは言っても、今季9得点でピチチ(得点王)争いトップにいるFWを失ったセルタのショックはあまりに大きかったか、それから3分もしないうちにマドリーに追加点が入ることに。 ええ、今度は役割が逆転し、ルーカス・バスケスが送ったパスをアセンシオがエリア内から撃って、自身今季初ゴールをゲット。何せ、昨季はコロナによるparon(パロン/リーガの中断期間)のおかげもあり、ヒサの靭帯断裂から回復して、リーガ逆転優勝を遂げたシーズン終盤には参加できたものの、「la gente no sabe que es un proceso largo de acumular partidos y minutos/ラ・ヘンテ・ノー・サベ・ケ・エス・ウン・プロセソ・ラルゴ・デ・アクムラル・パルティードス・イ・ミヌートス(試合数とプレー時間を積み上げていく長いプロセスがるのを皆は知らない)」と当人も言っていたように、負傷前のレベルには至っていませんでしたからね。アザールに続き、ロドリゴも負傷したのをキッカケにここ数試合、得意の左サイドで使ってもらえたのが良かったか、いよいよアセンシオも本領発揮ということでしょうか。 その後もセルタが攻めてくることはあまりなく、ジダン監督も徐々にピッチに立つ時間を増やしていく予定らしいアザールを始め、ビニシウス、そして珍しくウーデゴールとマリアーノも出場させる5人交代の大盤振る舞いができることに。そのまま2-0で勝ったマドリーはお隣さんに勝ち点差1をつけて、堂々単独首位に立ったんですが、まあそれはそれってことで。でもねえ、今週の彼らはコパ・デル・レイ2回戦を免除されているため、滅多にないことなんですが、ミッドウィークが空いて、土曜のオサスナ戦まで余裕があるって、ちょっとズルくない?まあ、それも来週、ファイナルフォー形式となって2回目のスペイン・スーパーカップ準決勝を木曜にアスレティックと戦い、勝利すれば、レアル・ソシエダvsバルサ戦の勝者と日曜に決勝戦を行わないといけないからなんですけどね。 ただ、遥々サウジアラビアのジェッダまで移動した前回と異なり、無観客試合開催を同国に断られた今年はアンダルシア(スペイン南部)、マドリーはラ・ロサレダ(2部マラガのホーム)で、バルサはヌエボ・アルカンヘル(ヘタフェが火曜に試合するコルドバのホーム)、そして決勝はセビージャのカルトゥハですからね。あまり選手たちの負担にはならないかと思いますが、試合が少ないと、話題がすぐ、人事関係に行ってしまうのが世間の常。昨年からのコロナ禍の影響による減収もあり、この冬の移籍市場での出入り予定がないため、今はもっぱら、6月で契約満了となり、今はもう他クラブとの交渉が可能になったにも関わらず、まだ延長をしていないラモスやルーカス・バスケスの件でスポーツ紙のマドリーページは埋まることになりそうですね。 え、それで日曜にアラベス戦に挑んだアトレティコはどうだったのかって?いやあ、ここのところ、スペインは大寒波に襲われていて、メンディソロサ(アラベスのホーム)のあるビトリア(スペイン北部)など、大雪が降ったんですけどね。土曜の朝にはピッチ一面、真っ白でどうなることやらと危ぶまれたものの、クラブスタッフの尽力により、試合当日には完璧に除雪が終了。ただ、気温が低いのだけはどうにもならず、シメオネ監督のチームが前半、トロトロとしか、パスを交わせないのもきっと、足がかじかんで、あまり動けないんだろうと、私も寛容に眺めていることにしたんですが、いいえ、とんでもない。試合がいきなり動いたのは前半40分、スアレスからボールを受けたマルコス・ジョレンテが常に有り余っているエネルギーを全開にしてくれたんです。 敵エリアまで近づき、左足でシュートしたところ、それがラガルディアの踵に当たり、GKパチェコを破ってくれたとなれば、「時には利き足でなくても入るものさ。Hay que probar suerte/アイ・ケ・プロバル・スエルテ(運を試してみないといけないよ)」(ジョレンテ)というのもごもっとも。逆にこの日はラガルディアにとって、天中殺だったようで、後半5分に敵ゴールを目指したレマルに突っ込んだところ、いやあ、最初はイエローだったんですけどね。アトレティコがコレアをジョアン・フェリックスに代えた後、VAR(ビデオ審判)からの連絡でモニターを見に行った主審がカードをレッドに変更。後半早々、アラベスは10人になってしまったんですが、マチン監督もやりますよねえ。 前節のヘタフェ戦同様、アトレティコが追加点を取れず、もたもたしていたのも悪いんですが、残り15分にルーカス・ペレスとホセルのレギュラーFWコンビを投入。それが見事に当たって、34分、ホセルのゴール前へのパスをルーカス・ペレスと争ったフェリパがオウンゴールにしてしまったとなれば、これぞまさしく監督冥利に尽きる?この時点ですでにカラスコはサウールに代わっていましたし、シメオネ監督の最後の交代カードも戦犯候補のフェリペをロディにして、CB3人制から、2人に減らしただけ。となれば、残り時間もあまりないとあって、その日は引き分けでも仕方ないのかと私も諦めかけていたところ…。 いるんですよ、今季のアトレティコには真正のnueve(ぬえべ/背番号9、CFのこと)が!ジエゴ・コスタの緊急退団もあり、1人しかいないエースをこの日はシメオネ監督が早めに引っ込めなかったことも幸いして、45分、サウールからスルーパスを受けたジョアンがエリア内左奥から、渾身のラストパス。それをゴールの反対側、ドンピシャの位置でスアレスが合わせ、土壇場の決勝点って、もうこれはタダで譲ってくれたバルサにどれだけ感謝しても足りないかと。ええ、シメオネ監督も「一番良かったのは試合の終わり方。同点にされてもチームは神経質にならず、ボールを繋いだ。Saúl, Joao y definiendo el 9 donde tiene que estar/サウール、ジョアン・イ・デフィニエンドー・エル・ヌエベ・ドンデ・ティエネ・ケ・エスタル(サウール、ジョアン、そして9番がいなければいけない場所にいてフィニッシュした)」と満足感を隠せませんでしたっけ(最終結果1-2)。 おかげでお隣さんを1日天下に抑え、再び単独首位に返り咲いたアトレティコでしたが、ちなみにこの日、ジョアンが控えだったのは、監督に言わせると、「Los partidos duran 90 minutos. Es una estrategia/ロス・パルティードス・ドゥラン・ノベンタ・ミヌートス。エス・ウナ・エストラテヒア(試合は90分続く。これは戦術だ)」ということで、別にここ数試合、当人のパフォーマンスが落ちていたからではないようなんですけどね。最近は2年間、我慢の甲斐あって、レマルも着々と貢献度を高めていますし、カラスコ、コレアといる前線は結構、ポジション争いが熾烈。浮いたコスタの人件費でまたFWを獲るかもしれないため、ジョアンも油断はできませんよね。 そんな彼らは今週も水曜午後6時(日本時間翌午前2時)から、コルネジャ(2部B)とのコパがあるんですが、朗報はFIFAが土曜にFA(イングランド・サッカー協会)から受けたトリッピアーの10週間サッカー活動禁止処分の一時停止を命じてくれたこと。よって、12月22日のレアル・ソシエダ戦以来、強制的に自宅練習をさせられていた彼も火曜からはマハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場でのセッションに戻れることになり、体調に問題がなければ、コパで足慣らしをすることも可能に。そろそろエレーラもリハビリ明けしそうですしね。とりあえず、控えプラス、カンテラーノ(アトレティコBの選手)でコルネジャ戦には挑むことになりますが、初戦の32強対決でクルトゥラル・レオネサ(2部B)に敗退した昨季の反省を生かして、好調なリーガの追い風となるような試合をしてくれることを期待しています。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.01.05 21:30 Tue
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短いお正月だった…/原ゆみこのマドリッド

「いい気分に浸れるのも2日間だけかあ」そんな風に私が嘆いていたのは金曜日、コロナ禍の折りとあり、恒例のcampanada(カンパナダ/年の変わる夜中の12時の鐘の音)を祝う群衆がプエルタ・デル・ソル(マドリッドの中止にある広場)に集まることもなく、花火の音だけを聞きながら、例年になく静かな年越しをした後、もう翌日にはリーガの16節が始まるのに気づいた時のことでした。いやあ、普通のシーズンでも年明けは6日のロス・レジェス・マゴス(キリスト誕生に駆けつけた東方の三博士の祝日)前後に最初の試合が組まれているため、大晦日や元旦に練習を始めるチームは結構、あるんですけどね。 とはいえ、イングランドと違い、これまで毎年、クリスマスにparon(パロン/リーガの中断期間)があったリーガは12月22日頃に年内最終節をプレーして、選手たちも1週間程度のバケーションをもらうのが習慣。よって、年末年始の練習はプチプレシーズンのようなものだったんですが、今季に限ってはただの連戦中日に。ええ、水曜に2020年ラストをマドリーミニダービー勝利で飾ったアトレティコも同日、エルチェと引分けるというポカを犯したお隣さんと勝ち点差2として、単独首位の美酒に酔いしれながら、もう土曜にはレアル・マドリーが先に試合をするため、ほんの2日天下で終わってしまうかもしれないのが、ちょっと寂しかったから。 まあ、それはともかくとして、そのマドリッド勢の年の瀬の試合がどうだったのか、お伝えしていくことにすると。火曜にはまず、先行してバルサが、乾貴士選手がフル出場したエイバルと対戦。アルゼンチンへのクリスマス電撃帰国からは当日、戻ったものの、足首を負傷しているというメッシがスタンド観戦する中、後半にはキケ・ガルシアに先制点を奪われてしまうことに。ブライトワイテがPKに失敗した後、デンベレが同点弾を放ったんですが、終盤には武藤嘉紀選手も入って、決勝点を目指した相手の前に1-1と引き分けたため、マドリッドの両雄が勝ち点差を10まで広げる可能性にワクワクしながら、水曜のキックオフを迎えたところ…。 先に始まったのはワンダ・メトロポリターノでのアトレティコvsヘタフェ戦だったんですが、どちらのチームも右SBにレギュラーを欠いていて、ええ、前者はFA(イングランド・サッカー協会)から、代表戦のない時期に合わせて、10週間のサッカー活動禁止処分を受けたトリッピアーの代わりに先日のコパ・デル・レイ1回戦で復帰を果たしたベルサイコが、後者はダミアン、ニヨンの出場停止により、カンテラーノ(ヘタフェBの選手)のイグレシアスがスタメン入り。序盤から、ガンガン攻めていたホームチームはレマルのシュートがゴールポストに弾かれた後、20分には前節のレアル・ソシエダ戦同様、FKのチャンスを活用することになります。この日はまず、レマルが短く出したボールをカラスコが上げると、壁の間でジェネにマークされていたルイス・スアレスが首を見事に捻ったヘッドで先制点をゲット。 え、でもそこを境に残りの70分、攻めていたのはヘタフェばかりじゃなかったかって?いやあ、その通りで、一種の省エネなのかもしれませんが、時間が経つにつれ、アトレティコはボールを持つ時間がグングン低下。ただ、彼らがラッキーだったのはヘタフェがここ17試合、勝利どころか、得点もしていない程、兄貴分を苦手にしていたことで、シメオネ監督も後で「Son situaciones, el Atlético estuvo 14 años sin ganar al Madrid/ソン・シトゥアシオネス、エル・アトレティコ・エストゥーボ・カトルセ・アーニョス・シン・ガナール・アル・マドリッド(そういう状況もある。アトレティコも14年間、マドリーに勝てない時期があった)」と同情していたんですけどね。 そのせいか、ヘタフェが撃つシュートもアンヘル、マタ、そして最後はククレジャと、GKオブラクに楽々セーブされていましたが、自軍の攻撃が振るわないのに納得したシメオネ監督もまだ、あまり実戦慣れしていないベルサイコを後半11分には交代。最初はマルコス・ジョレンテ、終盤はこちらも負傷明けのヒメネスを投入して、最後はCB4人のラインで守り、そのまま1-0で逃げ切りに成功してしまったとなれば、「La eficacia, ahí está la diferencia/ラ・エフィカシア、アイー・エスタ・ラ・ディフェレンシア(効率、違いはそこにあった)」というボルダラス監督の言葉ももっともだったかと。 シメオネ監督に言わせれば、「El día que estás menos fino de cara al juego, hay que ganar/エル・ディア・ケ・エスタス・メノス・フィーノ・デ・カラ・アル・フエゴ、アイ・ケ・ガナール(プレーがあまりイケてない日こそ、勝たないといけない)」そうなんですが、これって、まさにチャンピオンの哲学と言っていい?まあ、そんな大袈裟なものではないかもしれませんが、実はこの日は彼にとって、9年前、マンサーノ監督から引き継いでから、節目となる500試合目。セレソ会長、キャプテンのコケと記念のプレートを掲げて写真を撮っていた当人など、「Bromeábamos con Koke sobre lo que hemos pasado y lo que me encontré en aquellos primeros días/ブロメアモス・コン・コケ・ソブレ・ロ・ケ・エモス・パサードー・イ・ロ・ケ・メ・エンコントレ・エン・アケージョス・プリメーロス・ディアス(私たちが経験してきたこと、赴任して最初の日々、自分が出会ったことについて、コケと冗談をかわしたよ)」と語っていましたが、いや、ホントに光陰矢の如し。 当時2部Bだったアルバセテにコパ・デル・レイで敗退して、リーガでも泣かず飛ばずだった、ダメダメのアトレティコが、現在の「しばらく前から、ヨーロッパ最高のクラブと肩を並べられるチーム」(ボルダラス監督)になるまで成長してくれたのは、間違いなく、シメオネ監督のおかげですが、いつの間にやら、その最初の年から、今でもチームにいる選手が、先日、ジエゴ・コスタが前倒しで退団してしまったこともあり、コケしかいないというのも凄いかと。それでも2020年はコロナ禍による中断もあった中、CLでリバプールやバイエルンといった強敵を迎えながら、ワンダ・メトロポリターノでの22試合を16勝6分けと、無敗で通すことができましたしね。 そのうち、ファンと喜びを共にできたのが半分もないというのは悲しい限りとはいえ、ホームで負けていないのは、今季の残りを戦うに当たり、選手たちの自信になってくれる? ちなみに元旦の夕方から、マハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場でセッションを開始したアトレティコの年明け試合は、3日の日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、メンディソロサでのアラベス戦。ケガ人はエレーラだけなのは変わらず、今回はサビッチが累積警告で出場停止となりますが、丁度、ヒメネスが戻って来たので、これはいいローテーションの機会になるかと。相手は12位、オサスナと1-1で引き分けた前節でのゴールはルーカス・ペレスのPKという、元々、得点が多いチームじゃないですしね。ただ、スアレスも来週のコパ・デル・レイ2回戦コルネジャ(2部B)戦では休めるとはいえ、その次のミッドウィークには延期されていた2節のセビージャ戦がやっぱり入るなど、過密日程が続くため、クラブには早く、控えCFの調達をしてほしいところです。 そして、「Un jugador del Atlético vale todo el Getafe/ウン・フガドール・デル・アトレティコ・バレ・トードー・エル・ヘタフェ(アトレティコの選手1人でヘタフェ全員の価値がある)」と自分を慰めていたボルダラス監督のチームは2日、土曜におそらく、値段的にはそう変わらない選手のいるバジャドリーとコリセウム・アルフォンソ・ペレスで対戦。負傷中かつ、4試合の出場停止処分を喰らったクーチョはまだ出られませんが、今度はダミアン、ニヨム、カバコがプレーできますからね。順位も14位に落ちてしまい、降格圏との差も勝ち点2差になってしまったヘタフェですが、年が変わるのと共にツキを変えるのにはいい相手なんじゃないでしょうか。 え、それでお隣さんはどうしてまた、昇格組相手に躓いたのかって?いやあ、こちらも前半はアトレティコとちょっと似ていて、久々に先発したマルセロのシュートがゴールバーに弾かれた後、前半20分にはアセンシオのエリア前からのシュートは枠に嫌われたものの、跳ね返って来たボールをモドリッチが頭でゴールに。だからといって、エルチェがヘタフェのように猛反撃に出てきた訳ではなく、専守防衛を貫いていたせいでしょうか。一旦は主審がPKを指示したハンドもVAR(ビデオ審判)の画面判定でなしとなり、マドリーは最少得点差でのリードのまま、ハーフタイムに入ります。 災厄が訪れたのは後半5分、エルチェのFKを先日のワンダでの一戦を思い出させるかのように、FWボジェが頭で撃ったボールはゴールを逸れたんですが、その守備の間にカルバハルがバラガンの体にすがりついて引っくり返していたのを主審に目撃されてしまったんですよ。この時はVAR裁定もなしに即PKとなり、フィデルが決めて、エルチェが1-1の同点に持ち込みます。うーん、今季6本目のPKも止められなかったGKクルトワなど、「No lo he visto, pero creo que es ligero/ノー・ロ・エ・ビストー、ペロ・クレオ・ケ・エス・リヘロ(ボクは見てないけど、軽いやつだったと思うよ)。前半にはベンゼマにもそういうのがあって、あれをペナルティに取らないなら、カルバハルのも取るべきじゃない」と文句を言っていましたけどね。いや、責めるべきはその後、40分以上も時間がありながら、勝ち越し点を挙げられないチームの攻撃力の方だったのでは? まあ、エルチェのGKエドガルもカルバハルのシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)したりと頑張りましたけどね。後半32分には負傷から復帰したアザールもピッチに入り、その10分後にはビニシウスと、ベンチにいても素通りされるヨビッチ、マリアーノ、そして前日、お子さんが生まれたため、マドリッドに残ったイスコを除き、持てるアタッカーを総動員しながら、マドリーはあと1点が奪えず。それどころか、最後のプレーでベルドゥの直接FKをクルトワが逸らしてくれなければ、土壇場の逆転負けを喰らっていたかもしれないんですが、残念。せっかくのリーガ5連勝を6連勝に伸ばし、宿敵バルサに勝ち点差10をつけることはできませんでしたっけ(最終結果1-1)。 いやあ、ジダン監督も「LaLiga es muy larga. Falta mucho y todos los equipos van a perder puntos/ラリーガ・エス・ムイ・ラルガ。ファルタ・ムーチョ・イ・トードス・ロス・エキポス・バン・ア・ペルデル・プントス(リーガは長い。どのチームも勝ち点を落とすことになるだろう)」と言っていた通り、まだシーズンは半ばにも到達していませんし、優勝するのに勝ち点100が必要な2強時代はとうの昔に終わっていますからね。ただ注意が必要なのはアトレティコは2試合、バルサも1試合、マドリーより消化試合が少ないことで、うっかりすると現在、勝ち点2差の首位と、最大8差まで開きかねませんからね。 それだけにこの土曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのセルタ戦には必勝で挑んでもらいたいところですが、実はクデ監督になってからの相手は直近、5勝1分けとまったくマドリーと同じ成績で、順位もEL出場権まであと勝ち点2の8位まで急上昇。前節も岡崎慎司選手のいるウエスカに2-1と勝利している上、エースのイアゴ・アスパスが今季リーガ8得点目を挙げ、pichichi(ピチチ/得点王)レースのトップに躍り出ることに。いえ、ベンゼマもルイス・スアレス、オジャルサバル(レアル・ソシエダ)と並んで7ゴールで次点につけ、決して負けてはいないんですけどね。エルチェ戦の例を引くまでもなく、そうそう毎試合、当たってくれないのが難点かと。 その他、ルーカス・バスケスと共にまだ、この6月で終わる契約の延長交渉がまとまっておらず、ジダン監督にまで、早期解決を望まれているセルヒオ・ラモスが、いえ、大晦日は家族と自宅で花火を見て過ごし、元気そうだったんですけどね。元旦に胃腸の具合が悪くなり、3カ月の離脱となったロドリゴと共にセルタ戦のベンチに入らないことになったのは誤算だったかと。何せ、エスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)でのホームゲームにはお隣さんほど、信頼度がない彼らですからね。加えて、今季は一見、弱そうなチームから星を落としているとなると、やはり勝利へのカギは選手たちがセルタを強敵と見なすか、それとも格下と思うかに懸かっているのかもしれませんね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2021.01.02 17:30 Sat
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1週間じゃバケーションにも行けない…/原ゆみこのマドリッド

「ちょっと長すぎるわよね」そんな風に私が眉をしかめていたのは木曜日、トリッピアーがイングランド・サッカー協会の処分を受け、10週間のサッカー活動禁止になったと聞いた時のことでした。いやあ、2019年夏にトッテナムからアトレティコに来る前、当人が自分の移籍を対象とする賭けに関与した容疑についてはもう、大分前から、調査が始まっていて、イングランド代表招集時に証言聴取などもされていたんですけどね。今になって突然、通告されるのも驚きですし、何せ、スペイン国外の組織から、FIFAを通しての処分とあって、クラブが不服申し立てをする手段もCAS(スポーツ仲裁裁判所)に訴えるしかないのだとか。 その裁定だって、とても10週間以内に出るとは思えず、確かに開幕から出づっぱりの彼だけに、そろそろローテーションしてあげないと、という考えはシメオネ監督も持っていたでしょうけどね。コロナ禍中の今季は基本、試合が3日おきに開催。計13試合も出られなくなる上、その間、彼は練習場にも入れないって、もしやこれって、3月のコロナ第1波到来時、スペイン全土に発布されたEstado de alarma(エスタードー・デ・アラルマ/警戒事態)下のconfinamiento(コンフィナミエント/外出禁止)で皆がやっていた自宅練習を、今回は1人でやれっていうこと? 一応、右SBではベルサイコが丁度、リハビリを終えて、先週のコパ・デル・レイ1回戦カルダサル(3部)戦から復帰しているんですけどね。その試合に先発したカンテラーノ(アトレティコBの選手)のリカルド共々、ゴールまで挙げているため、ポジションに穴が開く訳ではありませんが、トリッピアーとマルコス・ジョレンテの右サイドのコンビネーションは昨今のアトレティコの好調に大きく寄与していたため、彼らがこれからもSuperlider/スーペルリデル(スーパー首位チーム)の道を歩み続けるのに影響しないといいのですが…。 え、いつからアトレティコは超のつく首位になったんだって?いやあ、水曜のAS(スポーツ紙)の表紙にたまたま、そう書いてあっただけなんですが、その前日のレアル・ソシエダ戦では貫禄の勝利を披露してくれたんですよ。キックオフ前には、先週末のエルチェ戦で受けた打撲からは回復していたジョアン・フェリックスが扁桃腺を腫らして欠場という逆境もあり、前半はほとんどシュートもなかったんですけどね。後半、反対の方角ならツキも変わるかもしれないと、最初のFKを期待して見ていたところ、カラスコの蹴ったボールを「Él sabe donde van mis movimientos... tiene un golpeo exquisito, solo hay que poner la cabeza/エル・サベ・ドンデ・バン・ミス・モビミエントス…ティエネ・ウン・ゴルペオ・エクスキシート、ソロ・アイ・ケ・ポネール・ラ・カベッサ(彼はボクがどこに動くかわかっている。極上のキック力を持っていて、自分は頭を合わせるだけで良かった)」というエルモーソがヘッドで撃ち込んで先制点をゲット。 そして、その日はレアル・ソシエダもオジャルサバルの回復が間に合わず、ダビド・シルバにだけ気をつければ良かったアトレティコはリードしても気を緩めず、次のチャンスは27分にやって来ます。今度はコケが左サイドから始めたプレーでルイス・スアレスがエリア内でボールをキープ。カラスコに出したパスは通り過ぎてしまったんですが、まさか後ろから駆けつけたジョレンテが弾丸シュートで2点目を決めてくれたとなれば、もう勝利は確実だったかと。 こうなると、後で「ウチは間違いなく、今、リーガで最高のチームと対戦した。Es un equipo súper competitivo, con una calidad tremenda y físicamente unos bestias/エス・ウン・エキポ・スーペル・コンペティティーボ、コン・ウナ・カリダッド・トレメンダ・イ・フィシカメンテ・ウノス・ベスティアス(超競争力のあるチームで、凄まじい質の高さもあって、身体的にもアニマルのようだ)」と言っていたイマノル監督が早々にシルバ、ポルトゥを引っ込めてしまったのもわかる気がしないでもない?GKオブラクの見せ場もメルケランスのFKを弾くぐらいに留まり、ほぼ100点満点のアトレティコだったんですが、まったく。レアル・アレナでは危なげなく0-2の勝利で2連勝を飾ったとはいえ、3節前のマドリーダービーであの人の変わったような、腑抜けたプレーぶりさえなければ、単独首位になれていたのにというのはファン共通の認識でしょうか。 まあ、といっても消化試合が2つ少ない彼らにはまだ、リーガの残り試合が25もあるため、シメオネ監督も「partido a partido/パルティードー・ア・パルティードー(1試合1試合)」と、口を酸っぱくして言っていましたけどね。その夜、サン・セバスティアン(スペイン北部のビーチリゾート都市)からマドリッドに戻ったチームは即クリスマス休暇に入ったものの、日程が特殊な今季はminiparon(ミニパロン/リーガのミニ中断期間)と言われるように、たったの1週間しか、次の試合まで間が空かないため、選手たちが休めるのも3日間だけ。土曜の夕方にはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に集まって、来週水曜、年内最終戦となるヘタフェとのミニダービーに向けて、トレニーングを始めることに。 その後も週2試合ペースが続く兄貴分とは違い、ヨーロッパの大会に参加せず、通常が週1ペースの弟分からしたら、何にも変わらないのかもしれませんが、日程的な余裕がパフォーマンスの向上に繋がらないのが今季のヘタフェの辛いところ。ええ、彼らは水曜にセルタをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えたんですが、いやあ、前半6分にダミアンのエリア外からのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)が決まり、先制した時には前節カディス戦で脱出した7試合白星なしのスランプも過去のものとなったかと思われたんですけどね。まさか、その10分後、殊勲のダミアンがオラサをエリア内で倒し、PKを献上してしまったから、さあ大変! うーん、ボルダラス監督に言わせると、「Cuando se juega contra el Getafe, saben que se le pitan las faltas, van al piso/クアンドー・セ・フエガ・コントラ・エル・ヘタフェ、サベン・ケ・セ・レ・ピタン・ラス・ファルタス、バン・アル・ピソ(ヘタフェと対戦する時、敵は審判がファールを取るのをわかっているから、すぐ地面に倒れる)」という事情もあったようなんですけどね。しっかりイアゴ・アスパスに同点弾を決められて、その後はどちらも勝ち越し点を挙げられないまま、試合は1-1の引き分けで終了。おまけにこの日にもらったイエローカードのせいで、ダミアン、ニヨム、カバコが累積警告となり、アトレティコ戦で出場停止となると、元々、兄弟分ダービーには分が悪い彼らだけに現在、12位で降格圏と勝ち点差3という立ち位置を改善するのは年内中、難しいかもしれませんが、こればっかりはねえ。 そして続く時間帯では、レアル・マドリーがグラナダとエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(RMカスティージャのホーム)で戦ったんですが、開始30秒にはバランのミスから、プエルタスにエリア内でフリーのシュートを撃たれるというドッキリでスタート。幸い、これは天高く外れてくれたため、難を逃れた彼らはお隣さんと足並みを揃えるかのように前半は0-0のままだったんですが、38分にはフルキエに追われたロドリゴが右太ももの裏側を痛め、担架退場するというアクシデントも。そこで、すっぽり鼻の上までネックウォーマーで寒さをガードして、スタンドで待機していたアセンシオが緊急出場することになったんですが…。 まさに災い転じて福となすとはこのことで、体の温まった後半、最近は不調でレギュラー落ちしていた彼が見事なtaconazo(タコナソ/ヒールキック)によるシュートをゴールポストに当て、クロース、バルベルデ、ベンゼマのシュートがGKルイ・シウバに3連続paradon(パラドン/スーパーセーブ)で防がれた直後の12分、いよいよ待望の先制点が生まれたんですよ。ええ、アセンシオがエリア内右奥から上げたクロスをカセミロがゴール前でヘッド。「しつこいぐらい、いつもボクらMFに敵エリアに入るように言うんだ。Dice que tengo un buen remate de cabeza y seguro que está feliz con mi gol/ディセ・ケ・テンゴ・ウン・ブエン・レマテ・デ・カベッサ・イ・セグロ・ケ・エスタ・フェリス・コン・ミ・ゴル(ボクのヘディングシュートは上手いって言ってたから、きっとこのゴールに満足しているはずさ)」(カセミロ)と、ジダン監督を喜ばせる得点でリードを奪ってくれましたっけ。 それからは同点を目指すグラナダも必死で喰らいついてきたんですが、前節のエイバル戦同様、攻撃に熱中するあまり、ロスタイムにはマドリーお得意のカウンターの犠牲となることに。ええ、イスコのスルーパスからベンゼマがシュートを撃ち込み、2-0としてこの試合に決着をつけると共に、自身の今季リーガ得点数も8に伸ばして、ジェラール・モレンオ(ビジャレアル)、イアゴ・アスパスと並んでpichichi(ピチチ/得点王)レーストップに立ったんですから、頼りになるじゃないですか。おかげでマドリーも再び、アトレティコと同勝ち点の2位となり、後続のレアル・ソシエダ、ビジャレアルとは勝ち点6の差と、スペインの首都の両雄の首位争いはクリスマスの後も続くことに。 そんなマドリーの年内最終試合も30日水曜で、午後7時15分(日本時間翌午前3時15分)の兄弟分ダービーの後、午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)から、エルチェ戦となるんですが、ちょっと気になったのはグラナダ戦でもジダン監督が前半に入ったアセンシオ以外、ビニシウスとイスコの2人しか、交代出場させなかったこと。ようやくこの日、ケガが治ってベンチに入ったアザールも「No he considerado oportuno que jugara, era un partido complicado/ノー・エ・コンシデラードー・オポルトゥーノ・ケ・フガラ、エラ・ウン・パルティードー・コンプリカードー(プレーするのに好都合とは思えなかった。難しい試合だったから)」という理由で出ませんでしたしね。 要はこの6連勝中、マドリーは14人ぐらいの固定メンバーで戦っているため、モドリッチなど、5試合で筋肉痛による離脱をしていますし、ロドリゴも検査はまだですが、全治に3週間以上はかかりそうな様子。ケガした順、治った順に代えていくという考えもあるとはいえ、この先も当分、週2試合ペースは続くため、やっぱり計画的なローテーションは必要かと。ちなみにお隣さんから1日遅れで試合したマドリーのクリスマス休暇も3日間オンリー。日曜には練習再開となるんですが、さすがに火曜のバジャドリー戦の後、最寄りの空港に待機させていたプライベートジェットでアルゼンチンに帰国したメッシのような弾丸スケジュールのバカンスに出る選手はマドリッド勢にはいないようですよ。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2020.12.25 21:15 Fri
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