渡航が不便と話題になったEL決勝の地でのユーロ開催は? UEFA会長「見直さない」

2019.05.30 14:30 Thu
Getty Images
ヨーロッパリーグ(EL)決勝の会場ともなったアゼルバイジャンのバクー。イギリス・ロンドンの2クラブが対戦するということもあり、決勝開催に向けて様々な問題が起きていた。

そんな中。欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン会長は、ユーロ2020の開催地でもあるバクーについて、開催の方向で行くと語った。イギリス『スカイ・スポーツ』が伝えた。

今回のEL開催について、ロンドンから決勝を観戦に訪れる両クラブのファンは、直線距離で約4000km離れたバクーへと行く必要があった。
さらに、空路を利用してもロンドンからの直行便はなく、乗り継ぎが必要となり、ヨーロッパの東端に位置しているため、陸路でも数日掛かる辺境の地。6000枚ずつのチケット割り振りに両クラブが懸念を示したが、フタを開けてみれば3分の2程度しかはけず、UEFAにチケットを返還する事態を起こしていた。

また、空港のキャパシティや宿泊施設も足りない状況が起こっており、大規模な大会を開催するのは難しいとの見方もある一方で、バクーは東京での開催が決定した2020年の夏季オリンピックの開催地に立候補するなど、積極的にスポーツイベントの招致に動いている。
チェフェリン会長は、バクーでのユーロ開催について、決定したことを変更しないと主張。ヨーロッパ全体で行う今大会の意義を改めて語った。

「我々はユーロ2020の開催地の選考に関して、見直すことはない」

「それは、汎ヨーロッパ主義のユーロであり、サッカーが人を結びつけることを示したい」

「もちろん、バクー(アゼルバイジャン)、ブカレスト(ルーマニア)、ビルバオ(スペイン)よりも、ロンドン(イングランド)、ローマ(イタリア)、ミュンヘン(ドイツ)に行く方が楽だろう。しかし、それでは我々がそこでプレーすべきではないことを意味してしまう」

ユーロ2020は、イングランド、アゼルバイジャン、ドイツ、イタリア、ロシア、デンマーク、ハンガリー、オランダ、アイルランド、ルーマニア、スコットランド、スペインの12の国と地域で分散開催。バクーでは、準々決勝1試合とグループステージ3試合の合計4試合が開催予定となっている。会場は、EL決勝と同じバクー・オリンピックスタジアムだ。

また、グループステージは2都市の組み合わせで開催。バクーで試合を行う国は、ローマでも試合を行うこととなる。

アレクサンデル・チェフェリンの関連記事

欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン会長が、総会に大遅刻した国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長を非難した。イギリス『BBC』が伝えた。 15日、パラグアイのアスシオンで第75回FIFA総会が行われた。 しかし、インファンティーノ会長は2時間17分の遅刻。理由 2025.05.16 18:10 Fri
第1回大会開催から100周年を迎える2030年のワールドカップ(W杯)。64チーム参加という提案がなされている中、反対の意見も強く出ている。 2026年の北中米W杯は史上初となる48チームの参加に拡大となる中、その4年後の2030年は64チーム参加への拡大を南米サッカー連盟(CONMEBOL)が提案している。 2025.04.15 19:55 Tue
南米サッカー連盟(CONMEBOL)はのアレハンドロ・ドミンゲス会長は、2030年のワールドカップ(W杯)に関して、参加チームを一時的に64カ国にすることを望んでいるようだ。『The Athletic』が伝えた。 W杯はこれまで32カ国の参加で行われてきた中、2026年の北中米W杯は48カ国の参加に増加。大会方式 2025.04.11 16:55 Fri
国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長が、ロシアの復帰に期待を寄せた。 ロシアは、2022年2月にウクライナへの軍事侵攻を行い、3年が経過した現在もまだ続いている状況だ。この軍事侵攻を受け、ロシア代表とロシアのクラブはFIFA、そして欧州サッカー連盟(UEFA)の大会から追放されている。 2025.04.04 13:15 Fri
欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン会長が、2030年の男子ワールドカップ(W杯)の64チーム拡大計画を「悪い考え」と批判した。『AFP通信』が報じている。 スペインとポルトガル、モロッコの3カ国で共催される2030年W杯は、100周年を記念して第1回大会が開催されたウルグアイとアルゼンチン 2025.04.04 08:30 Fri

ユーロの関連記事

欧州サッカー連盟(UEFA)は、プレミアリーグの元審判員であるデイビッド・クート氏への処分を発表した。イギリス『BBC』が伝えた。 クート氏は、当時リバプールを指揮していたユルゲン・クロップ氏に対する侮辱的発言により調査を受け、2024年12月にプロ審判協会(PGMOL)から解雇されていた。 さらに、時を同 2025.02.28 22:20 Fri
元イングランド代表監督のガレス・サウスゲイト氏(54)が2025年の大英帝国叙勲で最高位であるナイト(サー)の称号を授与することになった。イギリス『BBC』が報じている。 サウスゲイト氏は2016年にイングランド代表監督に就任。在任8年で102試合を指揮し、61勝24分け17敗の戦績を残した。ワールドカップでは2 2024.12.31 08:30 Tue
元ロシア代表DFのアレクセイ・ブガエフ氏(43)が29日、戦死した。ロシア『RIA』がブガエフ氏の父親による証言を元に報じた。 ブガエフ氏はロシア兵としてウクライナへの軍事侵攻に関わっていたところ亡くなったようだ。 ブガエフ氏はロシア代表として7試合の出場歴があり、ユーロ2004に出場。クラブレベルではトル 2024.12.30 13:00 Mon
バイエルンのドイツ代表MFアレクサンダル・パブロビッチが、紆余曲折あった2024年を振り返った。 ミュンヘン生まれで9歳の頃からバイエルンでプレーする20歳のゲームメーカー。2023年10月にファーストチームデビューを飾ると、そのままレギュラー格となり、2024年6月にはドイツ代表でもデビューした。 さらに 2024.12.25 23:38 Wed
クロアチアサッカー連盟(HNS)は28日、クロアチア代表のレジェンドでもありGKとして活躍したトンチ・ガブリッチ氏の急逝を発表した。63歳だった。 旧ユーゴスラビアの1つでもあるクロアチアは、1990年にクロアチア代表として活動をスタート。イタリア・ワールドカップ(W杯)直後に発足し、1990年10月17日にアメ 2024.10.30 10:55 Wed

アレクサンデル・チェフェリンの人気記事ランキング

1

「正しい動きではない」W杯64カ国への拡大案に欧州、アジアに続いて北中米カリブ海からも反対

第1回大会開催から100周年を迎える2030年のワールドカップ(W杯)。64チーム参加という提案がなされている中、反対の意見も強く出ている。 2026年の北中米W杯は史上初となる48チームの参加に拡大となる中、その4年後の2030年は64チーム参加への拡大を南米サッカー連盟(CONMEBOL)が提案している。 2030年大会はスペイン、モロッコ、ポルトガルの3カ国共催となり、記念試合となる開幕ゲームは南米で行われるという特別な方式をとることとなっている。 そんな中、CONMEBOLはさらなる盛り上がりのため、参加チームの拡大を国際サッカー連盟(FIFA)に提案。現行のW杯から倍の参加国にしたい考えを示している。 一方で、この提案には欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン会長やアジアサッカー連盟(AFC)のシェイク・サルマン・ビン・イブラヒム・アル=ハリーファ会長は反対。「もしこの問題が変更の余地を残したままであれば、大会を64チームに拡大する道が開かれるだけではないだろう」とコメント。「誰かが来て、チーム数を132に増やせと要求するかもしれない。そうなったらどうなるか?大混乱に陥る」としていた。 また、これに追随して北中米カリブ海(CONCACAF)のビクター・モンタリアーニ会長も批判。『ESPN』にコメントしている。 「男子ワールドカップを64チームに拡大することは、大会自体、そして代表チームからクラブ大会、リーグ、選手に至るまで、より広範なサッカーのエコシステムにとって正しい動きではないと思う」 「48チームによる新しいワールドカップはまだ始まってもいないのに、個人的には64チームへの拡大は検討すべきではないと思う」 FIFAの第75回総会は5月15日にパラグアイで開催。この案が議論される可能性がある。もし承認された場合は、2030年大会は128試合で構成されることとなり、カタールW杯の2倍の試合数となる。 2025.04.15 19:55 Tue
2

UEFAのチェフェリン会長が無投票で再選! 新たな任期は2027年まで

欧州サッカー連盟(UEFA)は5日、アレクサンデル・チェフェリン会長(55)の再選を発表した。任期は2027年までとなる。 スロベニアサッカー協会(NZS)会長でもあるチェフェリン氏は2016年9月14日に、汚職事件に関与しているとされ活動禁止処分が科されたミシェル・プラティニ氏の後任として初の当選を勝ち取った。 その後、2019年に再選したチェフェリン会長は、2020年に新型コロナウイルスの世界的なパンデミック、2021年4月にはヨーロッパの複数トップクラブによるヨーロッパ・スーパーリーグ構想の発表など、幾つかの危機に直面したものの、何とか乗り切ってきた。 5日にリスボンで開催されたUEFAの通常会議にて無投票での再選が決定した同会長は、新たな任期に向けた意気込みを語った。 「ヨーロッパフットボールはすでにグローバル化しています。その恩恵を受けている一方で、代償も払っています」 「新しいモデルを作ろうとする誘惑や試みさえありましたが、それらは私たちがよく知っていて大切にしているヨーロッパのモデルと対立しています」 「私たちのモデルはスポーツのメリットに基づいています。私たちの出身地では、メリットに価格がありませんし、主張できないものです。同時に取得することもできず、獲得することしかできません。シーズンごとに。オンとオフの この大陸にカルテルの余地はありません」 また、同会長は近年、スタジアムだけでなくSNS上でも苛烈化する選手に対する誹謗中傷や差別に対する処分の強化の必要性を訴えた。 「フットボールはインクルーシブなスポーツであり、誰にでも開かれているものです」 「残念ながら、この概念をまだ理解していない人もいるため、アプローチを再考する必要があります」 「UEFAの大会中にプレーヤーが人種差別的、同性愛嫌悪的、または性差別的な侮辱を受けた場合、違反者をより効果的にターゲットにする必要があります。私たちはプレーヤーを保護するためにここにいます」 2023.04.05 23:05 Wed
3

ロシアの復帰に期待、FIFA会長が停戦交渉が進む中で言及「復帰となれば全てが解決する」

国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長が、ロシアの復帰に期待を寄せた。 ロシアは、2022年2月にウクライナへの軍事侵攻を行い、3年が経過した現在もまだ続いている状況だ。この軍事侵攻を受け、ロシア代表とロシアのクラブはFIFA、そして欧州サッカー連盟(UEFA)の大会から追放されている。 そんな中、3月にはアメリカが仲介し、ロシアとウクライナの和平交渉がサウジアラビアで行われ、停戦に向けて話が進められている状況だ。 FIFAは3日、セルビアのベオグラードで第49回通常総会を開催。その中でインファンティーノ会長はロシアの早期復帰への期待を口にした。 「ウクライナの和平交渉が進む中、早く次の段階に進み、サッカー界にロシアも復帰できることを期待している。そうすれば全てが解決することになるからだ」 「我々が応援し、祈るべきはそれだ。なぜなら、それがフットボールの本質だからだ。分断ではなく、女子、男子を団結させ、どこにいても人々を団結させることなのだ」 停戦が合意されれば、ロシアの復帰への道が開けるが、UEFA執行委員会の過半数が賛成しなければならず、UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長は3日に自身の立場を改めて表明した。 「これまで何度も言ってきたように、戦争が終われば彼らは再入国を認められるだろう」 まずは停戦合意が先ではあるが、ロシアが国際サッカーの舞台に戻ってくる日も近づいているようだ。 2025.04.04 13:15 Fri

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly