デウロフェウ躍動のワトフォードがウルブス撃破で決勝進出! ラストプレーのPK弾で持ち込んだ延長戦を制す《FAカップ》

2019.04.08 02:51 Mon
Getty Images
FAカップ準決勝、ワトフォードvsウォルバーハンプトンが7日にウェンブリー・スタジアムで行われ、2-2のスコアで90分間の戦いが終了。その後、延長戦を3-2で制したワトフォードの決勝進出が決まった。
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共にクリスタル・パレス、マンチェスター・ユナイテッドを破ってベスト4進出を決めたプレミア9位のワトフォード、同7位のウォルバーハンプトンによる一戦。大会初優勝を目指すワトフォードはGKをフォスターからゴメスに代えた以外、フィールドプレーヤーは現状のベストメンバーを起用。ドゥクレやディーニー、ロベルト・ペレイラが起用された。
一方、1959-60シーズン以来の優勝を目指すウルブスはこちらもGKをルイ・パトリシオからラディに代えた以外、現状のベストメンバーを起用。ネヴェス、モウティーニョ、ヒメネス、ジョッタが起用された。

立ち上がりにホニーがクロスバーを掠める際どいシュートを放つなど、ウルブスが攻勢を仕掛ける。だが、序盤のピンチを凌いだワトフォードは球際の強さを武器にシンプルな縦への仕掛けから押し返していく。31分にはディーニーの左からのクロスに反応したアンディ・グレイがゴール前に飛び込むが、GKの手前で触ったワンタッチシュートはわずかに枠の上を越える。
前半半ばを過ぎて劣勢を強いられたウルブスだったが、セットプレーからゴールをこじ開ける。36分、右CKの場面でショートコーナーからボックス手前右角のジョッタが左足で鋭いボールを入れると、ファーでドゥクレを出し抜いてゴール前に飛び出したドハーティがワンタッチで流し込んだ。

先制を許したワトフォードは前半終了間際に決定機を迎えるが、ボックス中央でグレイが放ったボレーシュートはDFコーディの決死のブロックに阻まれてゴールとはならず。

ウルブスの1点リードで折り返した試合は後半も拮抗した状況が続くが、より効率的に攻めるウルブスが徐々にペースを握る。すると62分、相手陣内中央右のドハーティが入れた浮き球のクロスをボックス内で胸トラップしたヒメネスが豪快な右足のジャンピングボレーでゴール右隅に流し込む。そして、貴重な追加点を挙げたメキシコ代表FWはルチャリブレのフェイスマスクを被って自らのゴールを祝った。

この2点目で苦境に立たされたワトフォードは切り札のデウロフェウをピッチに送り出して攻勢に出ると、この交代がゴールをもたらす。79分、左サイド深くで得たスローインの流れからボックス左でボールを持ったデウロフェウがDF2枚に対峙された中、意表を突いた右足のループシュートを放つと、これがゴール右上隅の絶妙なコースに決まった。

デウロフェウのゴラッソで試合の雰囲気を一変させたワトフォードは試合終盤にかけて厚みのある攻撃でウルブスを押し込んでいく。すると、後半アディショナルタイムに劇的な同点ゴールが決まる。94分、ボックス内でルーズボールに反応したディーニーがデンドンカーからアフターチャージを受けてPKを獲得。これをディーニーが豪快に蹴り込んで土壇場で延長戦に持ち込んだ。

延長戦に入ると、土壇場で追いついたワトフォードと逃げ切りに失敗したウルブスという両者のメンタルが色濃く反映される展開に。すると、延長前半終了間際の104分、再びデウロフェウが魅せる。中盤で競り勝ったボールを拾ったグレイとのパス交換でボックス右に抜け出したデウロフェウがDFを振り切りながら意表を突くタイミングで右足のグラウンダーシュートを放つと、これがゴール左隅に決まった。

その後、殊勲のデウロフェウが足首をひねって負傷交代を強いられたワトフォードだが、ピッチ上の選手たちが攻守両面でウルブスを圧倒。試合終了間際のカバレイロの決定機もGKゴメスが決死のセーブで阻止した。

そして、2点差を追い付いた末に延長戦でウルブスとの激闘を制したワトフォードが1983-84シーズン以来となるFAカップ決勝進出を果たした。

なお、前日にブライトンを破ったマンチェスター・シティとワトフォードによるFAカップ決勝は5月18日にウェンブリー・スタジアムで行われる予定だ。

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