独立派バルサファンがクラシコの政治利用を呼び掛け

2019.02.05 15:05 Tue
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一部のバルセロナファンが、“エル・クラシコ”での政治的活動を呼び掛けているようだ。スペイン『マルカ』が報じた。
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バルセロナは6日、コパ・デル・レイ準決勝1stレグで宿敵レアル・マドリーを本拠地カンプ・ノウに迎える。スペイン屈指の両クラブの争いは時に欧州全体のフットボールシーンに影響を与える程大きなものだが、悲しいことにその白熱の裏に選手の技量やチームの熟成度だけではなく、政治的な遺恨があることは事実だ。バルセロナは“クラブ以上のクラブ”というテーマを掲げ続けており、それはもちろん政治的な意味合いが前面に押し出されているわけではない。しかし、決して一枚岩ではないスペインの各州を弾圧していたフランシスコ・フランコ独裁政権下では、カタルーニャ語やサニェーラ(カタルーニャ旗)を禁止されていたが、カンプ・ノウでの試合観戦時のみそれらを掲げても逮捕されることが無かったことは有名な話であり、まさにカタルーニャ人にとって様々な意味を持つテーマだろう。
さらに、レアル・マドリーはスペイン王室所縁のクラブとして最大の規模のものであり、フランコ独裁時には多くの恩寵を受けていた。これらの背景からバルセロナにとってのクラシコは“試合以上の試合”とでも呼ぶべきものであり、スポーツ以外の感情を排除するにはかなりの時間を要するかもしれない。

とはいえ、現代サッカーのスタンスとしてそれを容認するかは別の問題だ。『マルカ』によると、バルセロナの一部のファンがコパ・デル・レイのクラシコに“アスタラーダ”(カタルーニャ独立旗)を持ち込むよう、周囲に要請している。
発端を辿れば、2017年10月1日に始まった出来事が最大のものだろう。バルセロナ県カタルーニャ州は独立投票を行ったが、それは中央政府の強制介入により中断。さらに、10月27日に一方的に独立を宣言したところ、中央政府は今度は自治権停止という強硬策を採った。大規模な武力衝突こそ無いものの、中央政府では常にテロの危険が喚起されており、カタルーニャ側では独立活動家や政治家が投獄されるなど、緊迫した関係は張り詰める一方だ。

今回のクラシコで政治活動を要請しているファンも、カタルーニャ州の独立を標榜するCDR(共和国防衛委員会)のメンバーとのこと。「カタルーニャの旗でグラウンドを埋め尽くそう」、「独立に真剣に取り組んでいることを示すためだ」、「レアル・マドリーとその選手たちにブーイングすることで、敵対的な雰囲気を作らなければならない」と主張しており、公然とスポーツの政治利用を呼び掛けている。

政治に関して寛容とされているバルセロナは、どのような対応を採るのだろうか。クラシコ以外でも独立問題や政治状況に関するプラが掲げられているが、余りにも大々的であれば何らかの処分を受ける可能性もあるかもしれない。

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