【J1開幕直前クラブガイド】内田篤人復帰の一昨シーズン王者、勝負強さを取り戻しタイトル奪還へ《鹿島アントラーズ》2018.02.17 21:10 Sat

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▽2018シーズンの明治安田生命J1リーグが史上初の金曜開催の23日を皮切りに幕を開ける。“蹴”春到来を先駆けて、超WS編集部が今シーズンのJ1を彩る全18クラブを徹底分析。チームのノルマ、補強達成度、イチオシ選手、予想布陣をお届けしていく。第3弾は鹿島アントラーズを紹介する。◆Jタイトル奪還が最優先【ノルマ:優勝争い】
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▽J1リーグと天皇杯を制した一昨シーズンの成功継続を狙った昨シーズンだが、終わってみれば主要タイトル無冠という屈辱を味わった鹿島。昨シーズン途中に石井正忠前監督からバトンを引き継いだ大岩剛体制2年目の今シーズンは、復権が求められる。ファーストプライオリティはもちろん、最終節で川崎フロンターレに掻っ攫われたJリーグ王者のタイトル奪還だ。

▽注目ポイントは、昨シーズンに影を潜めた“勝負強さ”を取り戻せるかどうか。昨シーズンはラストの7試合で3勝2分け2敗と勝ち点を取りこぼし、さらに川崎とのシックポインターではシーズンダブルを喫したことが優勝争いに大きく影響した。

▽鹿島の“勝負強さ”を体現する選手は小笠原満男だが、38歳という年齢もあって頼りきりになることはできない。DF昌子源を中心にDF植田直道、DF西大伍、MF遠藤康、FW土居聖真らクラブを知る選手らのより一層の奮起、そして昨シーズンに期待に応えきれなかったMFレオ・シルバとFWペドロ・ジュニオールら2年目となる外国人選手のパフォーマンスが鍵となりそうだ。

◆懸念の最終ラインを的確補強【補強達成度:A】
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▽オフシーズンの補強は的確だったと言える。昨シーズン、不安視されながらも開幕前の補強がなかった最終ラインに関してはレギュラー勢を欠くとクオリティ低下が否めない状況が続いた。

▽しかし今シーズンはその最終ラインに、経験豊富で精神的支柱にもなれるDF内田篤人を筆頭に、空中戦に強い正統派CBのDF犬飼智也、そして高い攻撃性能が売りのDF安西幸輝の3選手を補強。安西は右でも左でも起用できるため、特にサイドバックは盤石の態勢となっている。

▽中盤から前線では昨シーズンに期限付きで加入していたMFレアンドロを完全移籍で獲得した以外に目立った補強がなかったが、既に質と量ともに十分な戦力が揃っている。前述したように、昨季加入のMFレオ・シルバとFWペドロ・ジュニオールがシーズン通して活躍できれば問題ないだろう。伝統的に攻撃は“個”への依存度が高いが、大幅な入れ替えがないアタッカー陣の連係向上も見込め、崩しの精度は昨季よりも高まりそうだ。
【IN】
GK山田大樹←鹿島アントラーズジュニアユース/2種登録
GK沖悠哉←鹿島アントラーズユース/昇格
DF安西幸輝←東京ヴェルディ/完全
DF犬飼智也←清水エスパルス/完全
DF内田篤人←ウニオン・ベルリン(ドイツ)/完全
FWレアンドロ←パルメイラス(ブラジル)/期限付き→完全
FW山口一真←阪南大学/新加入

【OUT】
GK小泉勇人→水戸ホーリーホック/完全
DFブエノ→徳島ヴォルティス/期限付き
MF梅鉢貴秀→ツエーゲン金沢/完全
MF平戸太貴→町田ゼルビア/期限付き
MF杉本太郎→徳島ヴォルティス/期限付き
FW垣田裕暉→ツエーゲン金沢/期限付き
FW赤﨑秀平→川崎フロンターレ/完全
FW豊川雄太→KASオイペン(ベルギー)/完全
◆超WS編集部イチオシ選手
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DF内田篤人(29)
2017-18シーズン(ドイツ2部) 2試合出場
▽8年ぶりに古巣復帰を果たした内田を注目選手として挙げる。主戦場である右サイドバックにはDF西大伍とDF伊東幸敏という日本代表クラスの選手がおり、ポジション争いを制することは簡単ではない。しかし、豊富な経験に裏打ちされたポジショニングや最終ラインにもたらす落ち着きという面では一日の長がある。

▽特に序盤は昨季のレギュラーである西が負傷で離脱するだけに、良いスタートから定位置を確保したい。鹿島で好パフォーマンスを続ければ日本代表復帰も現実味を帯びてくるだろう。「サッカー選手とは何かを傷の数だけわかってきたつもり。若い選手もいるので自分ができることを練習からやっていきたい」と入団会見で語った男が鹿島にどのような影響を与えるか注目だ。

◆2018シーズンの予想布陣[4-4-2]
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GK:曽ヶ端準
DF:内田篤人、昌子源、植田直通、山本脩斗
MF:遠藤康、レオ・シルバ、三竿健斗、レアンドロ
FW:ペドロ・ジュニオール、金崎夢生
▽14日にAFCチャンピオンズリーグ2018のグループステージ第1節の上海申花戦を消化しており、1-1で引き分けた。この試合の先発メンバーが序盤戦の軸になっていくとみていいだろう。

▽GKは引き続きGK曽ヶ端準がGKクォン・スンテを一歩リード。右サイドバックは内田、西、伊東と国内最高の選手層と質を誇り、左サイドバックもDF山本脩斗と安西がレベルの高い定位置争いを繰り広げそうだ。センターバックは昌子と植田が引き続きコンビを形成し、隙あれば犬飼が虎視眈々とレギュラーを狙う。

▽中盤から前線も豊富な人材が揃う。中盤の底はMFレオ・シルバと昨季に飛躍したMF三竿健斗を軸に、鹿島3年目となるMF永木亮太とベテランの小笠原が脇を固める。左右のどちらでもプレー可能な選手が多いサイドアタッカーでは、キックが魅力の遠藤とレアンドロが欠かせない存在。果敢な仕掛けが魅力の19歳FW安部裕葵、ユーティリティな万能型MF中村充孝らがポジションを争う。

▽FW金崎夢生が中心となる前線には、独力でゴールに直結するプレーを特長とするペドロ・ジュニオールがおり、同選手は左サイドでも起用可能。やや下がり目の位置からお膳立てだけでなくゴールも狙えるFW土居聖真も昨シーズンに引き続き多くの出番を与えられるだろう。プレシーズン中に好調だったFW鈴木優磨も勢いに乗れば一気にポジションを奪取できるポテンシャルを秘める。
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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル⑤~第一次ジダン体制プレイバック~

2018-19シーズン、レアル・マドリーは3月に入ると同時に全てのタイトルへの望みを絶たれた。2009年夏にフロレンティーノ・ペレス会長が2度目の就任を果たして以来、数々の栄光を手にしてきたクラブも、明確な後退を余儀なくされている。本稿では、このサイクルの軌跡を振り返っていく。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆ジネディーヌ・ジダン体制/2016-2018</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190313_21_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>現役時代に当代一の名選手としてあらゆる栄光を手にしていたジダン監督は、マドリーの下部組織から指導者生活をスタート。2013-14シーズンからのカルロ・アンチェロッティ体制下ではトップチームのアシスタントコーチも務め、経験を積んだ。しかし、当時はレアル・マドリー・カスティージャ(Bチーム)でしか監督経験がなく、その手腕の程は全くの未知数だった。 そして、ジダン監督就任時のマドリーは、規約違反によりコパ・デル・レイを失格となっており、リーガでも3位。チャンピオンズリーグ(CL)こそベスト16進出を決めていたものの、悲観的なムードが漂っていた。その混迷度合いは、本拠地サンティアゴ・ベルナベウで自チームにブーイングが飛び、前任者のラファエル・ベニテス前監督がわずか半年での解任を言い渡される程。このタイミングでのレジェンド登用には悲観的な意見も少なくなかった。就任当初、目指すべきものとしてはチーム再建やタイトルが掲げられていたが、周囲からのハードルはそれほど高く設定されていなかったのが実情だ。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆基本フォーメーション[4-3-3]</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190313_21_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(c) CWS Brains, LTD.<hr></div>ジダン監督が就任してからのマドリーは、移籍市場において明確に方針を転換。FWアルバロ・モラタの復帰がビッグディールとなったが、これまでの様に世界的なスター選手に手は伸ばさず。MFダニ・セバージョスを獲得し、レンタルで経験を積んでいたMFアセンシオにトップチームでの機会を与えるなど、未来を見据えたオペレーションを目立たせた。同時に、既存のスタープレーヤーを不良債権化させることもなく、バランスの良いチーム作りを試みている。 基本となった布陣は守備的MFカゼミロをアンカーに据えた[4-3-3]だが、対戦相手によって複数のフォーメーションを使い分け。イスコをトップ下に配した[4-3-1-2]や、MFルーカス・バスケスとMFアセンシオを両サイドに置き安定感を重視した[4-4-2]など、多くのパターンを有した。特に、C・ロナウドをサイドでなく中央で起用するアイデアは、多くの得点をもたらしている。 さらに、2年目の2016-17シーズンにはAチーム、Bチームと言われる2つのチームを組み、ローテーション。主力のコンディション、若手を含む全選手の試合勘を保ち、あらゆる大会を勝ち抜く総力を培った。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆Turning Point! ~ヴォルフスブルク戦の大逆転~</span> 就任時こそ悲観的な見方も多かったジダン政権だが、その声は半年後にはかき消え、2年半が経つ頃には大音量の声援へと変わっていた。言わずもがな、わずか半年でCLのタイトルを獲得し、前人未到の3連覇を達成したためだ。 さらに、初年度からリーガエスパニョーラでも凄まじいスピードで巻き返し、優勝したバルセロナとの勝ち点差はわずか「1」。ベニテス政権時のリーグ前半戦で0-4の大敗を喫していた“エル・クラシコ”でも、後半戦では2-1でリベンジを果たした。また、2年目には5年ぶりのリーガ奪還を成し遂げている。 指導者としても伝説的な成績を収めているジダン監督だが、その道程の中では2015-16シーズンのCL準々決勝ヴォルフスブルク戦がターニングポイントに挙げられる。マドリーはアウェイでの1stレグを0-2で落とし、絶体絶命となっていた。しかし、2ndレグではFWクリスティアーノ・ロナウドがハットトリックを記録し、3-0で終えて逆転突破。それから3年後、ユベントスに移籍したC・ロナウドが同様の偉業を成し遂げ、時を同じくしてジダン監督も再びマドリー指揮官に復帰したのは、何の因果か…。 ともあれ、ヴォルフスブルクを劇的な形で破ったマドリーは、勢いそのままに欧州制覇。その後も一切チャンピオンの座を渡すことなく、3連覇を果たした。 そして、2017-18シーズン終了と当時にジダン監督は電撃辞任。「今こそ変えなければ」、「勝てる気がしないときは何か変化が必要だ」と語り、マドリーでは稀有なことに好印象だけを残してクラブを去っていった。<hr>▽ジネディーヌ・ジダン 【在任期間】 2.5シーズン(2016/1/4~2018) 【戦績】 [2015-16シーズン]※半シーズン 公式戦27試合22勝3分け2敗 チャンピオンズリーグ:優勝 リーガエスパニョーラ:2位(勝ち点90) コパ・デル・レイ:-※規約違反により就任前に失格 [2016-17シーズン] 公式戦60試合44勝11分け5敗 チャンピオンズリーグ:優勝 リーガエスパニョーラ:優勝(勝ち点93) コパ・デル・レイ:ベスト8 [2017-18シーズン] 公式戦62試合39勝14分け9敗 チャンピオンズリーグ:優勝 リーガエスパニョーラ:3位(勝ち点76) コパ・デル・レイ:ベスト8 [合計] 公式戦149試合115勝28分け16敗 【主な獲得選手】 FWアルバロ・モラタ、DFテオ・エルナンデス、MFダニ・セバージョス 【主な放出選手】 FWアルバロ・モラタ、FWヘセ・ロドリゲス、FWデニス・チェリシェフ、MFハメス・ロドリゲス、DFアルバロ・アルベロア、DFダニーロ、DFペペ 2019.03.13 18:00 Wed
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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル④~ベニテス体制プレイバック~

2018-19シーズン、レアル・マドリーは3月に入ると同時に全てのタイトルへの望みを絶たれた。2009年夏にフロレンティーノ・ペレス会長が2度目の就任を果たして以来、数々の栄光を手にしてきたクラブも、明確な後退を余儀なくされている。本稿では、このサイクルの軌跡を振り返っていく。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆ラファエル・ベニテス体制/2015</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190312_17_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>選手としてマドリーの下部組織で育ったベニテス監督は、指導者としてのキャリアもマドリーのコーチからスタートさせた。その後、バレンシアで2度のリーガエスパニョーラ制覇を成し遂げて頭角を現すと、リバプールではチャンピオンズリーグ(CL)も獲得。しかし、リバプール以降はなかなかファンが求めているタイトルには手が届かず、戦術家としての手腕を評価される反面、人心掌握に関しては懐疑的な目が向けられていた。 マドリーは、前年を主要無冠で終えていたものの、前任者のカルロ・アンチェロッティ前監督が選手やファンから高い評価を得ており、ベニテス監督は強い逆風の中で到着。監督交代の必要性に関してフロレンティーノ・ペレス会長への批判も聞こえる中、ベニテス監督には主要タイトルの獲得だけでなく、クラシコやダービーなど重要な試合で手腕をアピールする必要があった。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆基本フォーメーション[4-3-3]</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190312_17_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(c) CWS Brains, LTD.<hr></div>夏の移籍市場では、MFマテオ・コバチッチ、DFダニーロが大型補強となったほか、MFカゼミロをポルトからレンタルバック。反対に、MFサミ・ケディラやレジェンドGKイケル・カシージャスが退団し、左SBのバックアップを務めていたDFファビオ・コエントランもレンタルで放出された。 シーズン当初はMFイスコやMFベイルをトップ下に置き、MFトニ・クロースとMFルカ・モドリッチがボランチを務める攻撃的な[4-2-3-1]を多用していたが、次第に[4-3-3]にシフト。MFカゼミロをアンカーに配すバランス重視の形に落ち着き、内容に応じてMFコバチッチやMFハメス・ロドリゲス、FWヘセ・ロドリゲスといったバリエーション豊かなカードの投入で変化を付けた。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆Turning Point! ~国王杯での恥辱~</span> 開幕戦こそスポルティング・ヒホンと0-0で引き分けたものの、その後のベティス戦を5-0、エスパニョール戦を6-0で進むなど、ベニテス監督の船出は順調だった。しかし、11月に入ってリーガでセビージャに2-3で敗北すると、翌節で宿敵バルセロナにも0-4で完敗。アンチェロッティ前監督解任で燻っていた不満が表面化し始めた。 さらに、ベニテス・マドリーはコパ・デル・レイ4回戦のカディス戦で出場停止処分中だったMFデニス・チェリシェフを起用してしまい、屈辱の失格処分。年末には、ベニテス監督の名前がコールされた際にホームスタンドからブーイングが飛ぶ状態となり、監督交代を行ったペレス会長の解任も叫ばれた。 そして、クラシコ大敗後にペレス会長が緊急記者会見でベニテス監督の続投を表明していたのも空しく、2016年1月4日に解任が発表されている。<hr>▽ラファエル・ベニテス 【在任期間】 0.5シーズン(2015/6/3~2016/1/4) 【戦績】 公式戦25試合17勝5分け3敗 チャンピオンズリーグ:グループステージ突破※解任時点 リーガエスパニョーラ:3位(勝ち点37)※第18節終了時点 コパ・デル・レイ:ベスト32※規約違反により失格 【主な獲得選手】 MFマテオ・コバチッチ、MFルーカス・バスケス、DFダニーロ 【主な放出選手】 FWハビエル・エルナンデス、MFサミ・ケディラ、MFアシエル・イジャラメンディ、DFファビオ・コエントラン、GKイケル・カシージャス 2019.03.12 18:00 Tue
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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル③~アンチェロッティ体制プレイバック~

2018-19シーズン、レアル・マドリーは3月に入ると同時に全てのタイトルへの望みを絶たれた。2009年夏にフロレンティーノ・ペレス会長が2度目の就任を果たして以来、数々の栄光を手にしてきたクラブも、明確な後退を余儀なくされている。本稿では、このサイクルの軌跡を振り返っていく。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆カルロ・アンチェロッティ体制/2013-15</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190310_25_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>ミラン長期政権時代にチャンピオンズリーグ(CL)を制し、チェルシーでも欧州の頂に立った経験を持つアンチェロッティ監督は、マドリー指揮官就任前年までパリ・サンジェルマン(PSG)を指揮。ビッグクラブで築いた輝かしい実績が評価され、ジョゼ・モウリーニョ前監督の後任としてチームの再建を託された。 前年までのマドリーでは、モウリーニョ前監督とGKイケル・カシージャスらの確執が各紙から噴出。穏やかで真摯な人柄で知られるアンチェロッティ監督には、ロッカールームの規律を取り戻すことが期待され、同時に当人が就任会見で宣言した通り“デシマ”(10度目の欧州制覇)達成が切望された。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆基本フォーメーション[4-3-3]</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190310_25_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(c) CWS Brains, LTD.<hr></div>アンチェロッティ政権では、MFガレス・ベイル、MFイスコ、MFハメス・ロドリゲスといった強力なアタッカーのほか、退団間近となっていたMFシャビ・アロンソの穴にはMFトニ・クロースを獲得。負傷により度々欠けるDFマルセロのバックアップ問題は残されたものの、DFダニエル・カルバハルやGKケイロル・ナバスも加えたことで概ねの心配事は取り除かれた。 アーセナルに去ったMFメスト・エジルの代役は見つからなかったものの、2013-14シーズンからのマドリーはMFルカ・モドリッチを中心に据えた[4-3-3]にシフト。3トップの並びは“BBC”と呼ばれるユニットが固定されていたが、中盤の組み合わせに関しては2014-15シーズンからはMFトニ・クロースが欠かせない選手となり、MFハメス・ロドリゲス、MFイスコ、MFアシエル・イジャラメンディといった豊富な選択肢が用意されていた。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆Turning Point! ~アトレティコとのダービーマッチ~</span> 見事に選手たちのポテンシャルを引き出したアンチェロッティ監督は、初年度から主要二冠を達成。コパ・デル・レイ決勝でバルセロナを破り、CL決勝でアトレティコ・マドリーを破ったとなれば、その喜びは尚更だ。リーガエスパニョーラでは両クラブの後塵を拝したものの、それをかき消すほどに、悲願の“デシマ”達成への称賛は止まなかった。 そして、2014-15シーズンの前半戦では前年の好調を引き継ぎ、公式戦22連勝を記録。しかし、そのシーズンにはスーペル・コパ、コパ・デル・レイでアトレティコに敗退に追い込まれ、リーガでの“マドリッド・ダービー”でも2敗を喫した。優勝したバルセロナ(勝ち点94)と勝ち点2差でタイトルを逃しており、ユベントスに敗れたCL以外の大会で、隣のクラブとの直接対決で失っている。 結局、2015年夏に解任されたアンチェロッティ監督に問われた責は、主要大会を無冠で終えたことだ。しかし、いずれの大会も惜しい所までは進んでおり、解任報道噴出時には選手たちがSNSを通じて慰留を呼び掛け。前年にクラブの悲願を達成した監督を追い出すにはあまりにもな状況だったが、だからこそアンチェロッティ政権からは、ペレス会長が長を務めるマドリーのシビアさが読み取れる。<hr>▽カルロ・アンチェロッティ 【在任期間】 2シーズン(2013-15) 【戦績】 [2013-14] 公式戦60試合46勝8分け6敗 チャンピオンズリーグ:優勝 リーガエスパニョーラ:3位(勝ち点87) コパ・デル・レイ:優勝 [2014-15] 公式戦59試合43勝6分け10敗 チャンピオンズリーグ:ベスト4 リーガエスパニョーラ:2位(勝ち点92) コパ・デル・レイ:ベスト16 [合計] 公式戦119試合89勝14分け16敗 【主な獲得選手】 FWハビエル・エルナンデス、MFガレス・ベイル、MFイスコ、MFハメス・ロドリゲス、MFトニ・クロース、DFダニエル・カルバハル、GKケイロル・ナバス 【主な放出選手】 FWゴンサロ・イグアイン、FWアルバロ・モラタ、MFメスト・エジル、MFカカ、MFアンヘル・ディ・マリア、MFシャビ・アロンソ、DFラウール・アルビオル 2019.03.11 18:00 Mon
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