【J1クラブ通信簿】6季ぶりのJ2降格…守備劇的改善も深刻な得点力不足響く…《ヴァンフォーレ甲府》
2017.12.06 22:50 Wed
▽歴史が動き、シーズンが閉幕した2017明治安田生命J1リーグ。最終節まで優勝争い、残留争いが繰り広げられ、最後まで目が離せない白熱したシーズンとなった。
▽「DAZN」マネーにより、シーズンの成績で今後のクラブ強化に大きな影響を及ぼすこととなった2017シーズン。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブを総括。トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価で振り返る。第3弾は終盤に失速し6年ぶりのJ2降格となったヴァンフォーレ甲府を総括する。
◆シーズン振り返り

【主なトピック】
●吉田達磨新監督就任
●J1ワースト記録の6戦連続無得点でクラブワーストの10戦未勝利
●エース候補のFWウイルソンが途中退団
●在籍17年のバンディエラ、MF石原克哉が今季限りで引退
●6シーズンぶりのJ2降格決定
▽ベガルタ仙台との今シーズン最終節をFWリンスの劇的ゴールで勝利した甲府だったが、15位の清水エスパルスの勝利によって6シーズンぶりのJ2降格が決定した。これまで毎年のように残留争いを制し、驚異的な“残留力”を発揮してきた甲府だが、一段階上のステージに到達するためポゼッションスタイルを志向する吉田達磨新監督を招へいした。
▽シーズン序盤では大宮アルディージャ、北海道コンサドーレ札幌に連勝を記録するなど、真骨頂である堅守を軸とした戦いで順調に勝ち点を積み重ね、余裕の残留圏内をキープ。だが、その後は深刻な得点力不足に陥り、第10節のジュビロ磐田戦から第19節の鹿島アントラーズ戦までクラブワーストの10戦未勝利と急失速。さらに、この間にJ1ワーストタイの6戦連続無得点を経験するなど、厳しい時期を過ごした。その後、FWドゥドゥの復調、今夏加入のFWリンスの活躍で盛り返すも、シーズン最終盤のアルビレックス新潟、大宮アルディージャとの直接対決で痛恨の取りこぼし。16位で無念のJ2降格となった。

◆チームMVP
明治安田生命J1リーグ31試合出場(先発30試合)/1得点
▽苦難のシーズンを過ごした甲府にあって最も印象的なパフォーマンスを披露していたのが、新加入のエデル・リマだ。第4節の大宮アルディージャ戦から3バックの左ストッパーに定着した187cmの痩身DFは、卓越した身体能力と出足の鋭さを武器に対人守備で抜群の強さを見せた。さらに、ボールを持たされる展開において脆さを見せたチームの中で、中盤の選手顔負けの持ち出しや左足の正確なパスでビルドアップやカウンターの局面で存在感を放った。
▽そのほか、同じく中盤補強の目玉となったMF堀米勇輝もノーインパクト、FWジュニオール・バホスとMFオリヴァー・ボザニッチ、FWビリーと助っ人外国人補強の失敗も痛かった。
▽ただ、復帰組のDF阿部翔平、DF高野遼、MF島川俊郎、DF小出悠太らもまずまず試合に絡んでおり、限られた予算での補強という意味ではまずまずだったという印象だ。
◆総合評価 「E」(評価:S~E)
▽それでも、昨シーズンに比べて得失点差の大幅な改善、勝ち点自体も1プラスとなり、勝利数も同じ7勝と、ある意味例年通りのシーズンを送ったともいえる。そのため、降格は外的な要因だったという見方もできる。
▽また、吉田新監督の下でシーズン終盤にかけてはビルドアップなど、マイボール時のプレーにも成果が見え始めていただけに、アタッキングサードでの質の低さが今後の課題だ。
▽6シーズンぶりのJ2挑戦となるが、2012シーズンに優勝したときに比べて、J2のレベルは格段に上がっており、前線の補強を含めて攻撃面の劇的改善がなければ、1年でのJ1復帰は相当厳しいタスクとなるはずだ。
▽「DAZN」マネーにより、シーズンの成績で今後のクラブ強化に大きな影響を及ぼすこととなった2017シーズン。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブを総括。トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価で振り返る。第3弾は終盤に失速し6年ぶりのJ2降格となったヴァンフォーレ甲府を総括する。
◆シーズン振り返り

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【主なトピック】
●吉田達磨新監督就任
●J1ワースト記録の6戦連続無得点でクラブワーストの10戦未勝利
●エース候補のFWウイルソンが途中退団
●在籍17年のバンディエラ、MF石原克哉が今季限りで引退
●6シーズンぶりのJ2降格決定
▽ベガルタ仙台との今シーズン最終節をFWリンスの劇的ゴールで勝利した甲府だったが、15位の清水エスパルスの勝利によって6シーズンぶりのJ2降格が決定した。これまで毎年のように残留争いを制し、驚異的な“残留力”を発揮してきた甲府だが、一段階上のステージに到達するためポゼッションスタイルを志向する吉田達磨新監督を招へいした。

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▽J2降格となった最も大きな要因は深刻な得点力不足だ。リーグ戦34試合で23得点という数字はリーグ最小であり、今シーズンのJ1得点王に輝いた川崎フロンターレFW小林悠の得点数と同じ。もちろん、エースストライカー候補として獲得したFWウイルソンの大不振、昨シーズン以上の成績が期待されたドゥドゥの不調が大きかったが、わずか5得点(PK2本は除く)に終わったセットプレーを含め、チームとして得点を取る形を構築できなかったことが響いた。◆チームMVP

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DFエデル・リマ(31)明治安田生命J1リーグ31試合出場(先発30試合)/1得点
▽苦難のシーズンを過ごした甲府にあって最も印象的なパフォーマンスを披露していたのが、新加入のエデル・リマだ。第4節の大宮アルディージャ戦から3バックの左ストッパーに定着した187cmの痩身DFは、卓越した身体能力と出足の鋭さを武器に対人守備で抜群の強さを見せた。さらに、ボールを持たされる展開において脆さを見せたチームの中で、中盤の選手顔負けの持ち出しや左足の正確なパスでビルドアップやカウンターの局面で存在感を放った。
◆補強成功度「D」(評価:S~E)

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▽J1最低クラスの限られた予算の中でDFエデル・リマ、MF小椋祥平、FWリンスと要のセンターラインの補強が見事に当たった。その一方で、エースストライカー候補だったFWウイルソンがわずかに2ゴールと期待外れに終わり、シーズン途中にチームを去った。▽そのほか、同じく中盤補強の目玉となったMF堀米勇輝もノーインパクト、FWジュニオール・バホスとMFオリヴァー・ボザニッチ、FWビリーと助っ人外国人補強の失敗も痛かった。
▽ただ、復帰組のDF阿部翔平、DF高野遼、MF島川俊郎、DF小出悠太らもまずまず試合に絡んでおり、限られた予算での補強という意味ではまずまずだったという印象だ。
◆総合評価 「E」(評価:S~E)

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▽昨シーズンの課題だった守備は58失点から39失点に大きく改善され、失点数だけをみれば、リーグ3位のセレッソ大阪(43失点)より少ないリーグ6位の素晴らしい数字だ。しかし、その堅守と引き換えに、得点数は昨シーズンの32得点を大きく下回る23得点にとどまった。▽それでも、昨シーズンに比べて得失点差の大幅な改善、勝ち点自体も1プラスとなり、勝利数も同じ7勝と、ある意味例年通りのシーズンを送ったともいえる。そのため、降格は外的な要因だったという見方もできる。
▽また、吉田新監督の下でシーズン終盤にかけてはビルドアップなど、マイボール時のプレーにも成果が見え始めていただけに、アタッキングサードでの質の低さが今後の課題だ。
▽6シーズンぶりのJ2挑戦となるが、2012シーズンに優勝したときに比べて、J2のレベルは格段に上がっており、前線の補強を含めて攻撃面の劇的改善がなければ、1年でのJ1復帰は相当厳しいタスクとなるはずだ。
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