【天皇杯プレビュー】共に初の決勝へ…カギはタイトルへの想いとサイドの主導権《大宮vs川崎F》

▽29日、天皇杯準決勝の2試合が行われる。日産スタジアムでは、大宮アルディージャvs川崎フロンターレが決勝進出を懸けて対戦する。

▽大宮はホームで行われた準々決勝の湘南ベルマーレ戦で120分を戦い、延長前半に勝ち越しを許すもキャプテンDF菊地光将の2ゴールなどで逆転勝利。11年ぶりのベスト4に駒を進めた。一方の川崎Fは、アウェイでの“多摩川クラシコ”に挑み1-2で勝利。初タイトルに一歩前進した。

◆年間勝ち点上位対決
▽明治安田生命J1リーグで年間勝ち点5位と躍進した大宮と、年間勝ち点2位の川崎Fの上位対決。シーズン中の対戦成績は1勝1敗と互いにホームで勝利を収めている。
◆初タイトルへの挑戦権を掴むのは
▽大宮と川崎Fは共にJ2で戦った経験が長く、2005年に大宮は初、川崎Fは2度目のJ1昇格を経験。その後は10シーズンJ1で戦ったものの、10年の月日は両チームに大きな差を生み出し、大宮は残留争いの常連となり2014年にJ2へ降格、川崎Fはタイトルを期待される上位争いの常連となった。それでも互いに獲ったタイトルはJ2優勝のみ。3大タイトル(J1、YBCルヴァンカップ、天皇杯)の獲得はない。元旦で得られる初タイトルへの想いが勝るのはどちらか。

◆今シーズンの対戦結果
【1stステージ第17節】
6月25日(土)
川崎F 2-0 大宮
【川崎F】
大塚翔平(前22)
中村憲剛(後11)
▽今シーズンの初対戦は1stステージの最終節。逆転での1stステージ制覇を目指す川崎FとJ1昇格シーズンながら躍進を見せた大宮の対戦。スコアこそ2-0で終わったが、終始川崎Fの攻撃が機能。大宮は防戦一方となった。川崎Fは22分に大塚、56分に中村が加点。好調を維持していた川崎Fに軍配が挙がった。【2ndステージ第12節】
9月17日(土)
大宮 3-2 川崎F
【大宮】
家長昭博(前44、後39)
江坂任(後44)
【川崎F】
中村憲剛(後18)
小林悠(後36)
▽再び上位を目指す状態で対戦した両チーム。5戦負け無しの大宮と5試合で3勝2敗と勝ち点を伸ばせてない川崎Fが対決。堅い入りとなった試合だったが前半にFW大久保嘉人が一発退場。大宮が数的優位となると前半終了間際に家長がPKを沈め大宮が先制する。しかし、その後は川崎Fが中村と小林のゴールで逆転に成功。それでも終盤に大宮が家長、江坂の連続得点で逆転勝利をおさめた。

◆注目選手
【大宮アルディージャ】
MF泉澤仁
J1:30試合3得点▽大宮の注目選手は左サイドハーフとしての出場が見込まれる泉澤だ。準々決勝の湘南戦では貴重な先制ゴールを記録。左サイドからの仕掛けは大宮の生命線ともなっている。しかし、この試合では得意の攻撃面だけではなく守備面にも注目。川崎Fの右サイドでプレーするMFエウシーニョへの対策として攻撃で勝るのか、苦手な守備もこなすのか。DF大屋翼との連動でサイドの主導権を握る事ができれば、元旦決勝への道が開くだろう。

【川崎フロンターレ】
DFエウシーニョ
J1:33試合5得点▽川崎Fは驚異の攻撃力を誇る右サイドのエウシーニョに注目だ。大宮が左サイドで主導権を握ろうと思えば、川崎Fは対面する右サイドでの主導権を握りたいはず。負傷離脱していたFW小林が準々決勝で復帰し、エウシーニョとの縦関係が復活した。神出鬼没のエウシーニョが機能すれば、大宮の守備網も崩すことができるはず。エウシーニョが効果的に前線と絡むことができるかが、川崎Fのカギを握る。サイドでの攻防が明暗を分けるだろう。