新生・なでしこについて佐々木氏「新しいメンバーの試みが見られた」
2016.06.08 23:03 Wed
▽10日に開幕を迎えるユーロ2016を前に、同大会を全試合生放送するWOWOWが、ヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表監督と前なでしこジャパン監督である佐々木則夫氏のスペシャル対談を実施。収録に先駆けて、佐々木氏が囲み取材に応じた。
▽佐々木氏はまず、先日、高倉新体制の下で初陣を切ったなでしこジャパンについて言及。3年後のワールドカップを目指して、今後の活躍に期待しているとコメントした。一方ユーロについては、女子の選手たちにも見てほしい大会だと主張。さらに初の解説に向けた意気込みも語った。
◆佐々木則夫氏(前なでしこジャパン監督)
――なでしこのアメリカ戦2試合を外から見ての感想は
「これからなでしこは3年後のワールドカップに向けた準備を進めていきます。今回はそういうスタートです。第1戦、第2戦を見て、今は様々なメンバーを使うことが一番かなと。結果どうこうよりも新監督のイメージを持ったサッカーができるかどうか。そういうものを新しいメンバーの試みが見れました」
――佐々木氏が指揮を執っていた頃と変わったところはあったか
「メンバーですね(笑)。次の3年を見据えてのメンバーたちを積極的に選考しています。僕が最初の頃は、日本の良さは細かなパスワークのサッカーをしていました。ただ、今は世界が組織的で守備が堅い。そこに日本らしさを出したチームを作って2014年までやってきました。高倉さんも阪口を中心にパスで強固な守備を崩す試みが見えました。それを試みながらも、世界と戦って、それを貫くのか、サイドチェンジを含めた長いボールも取り入れたサッカーに変化するのか」
「守備についてはこれからだと思います。個々の判断、グループの判断だけでなくチームの戦術要素があります。どうやってボールを奪いたいのか。それをこれからやっていくのかなと。アメリカとの第1戦はコンディションが悪い中、そして第2戦はロイドがいない状況でしたが、これらの試合はこれからの財産になると思います。残念ながら雷の影響で早めに終終わりましたが、選手やスタッフはあの試合を指標に頑張ってもらいたいと思います」
「千葉選手は知らなかったですが可能性は感じられました。まだまだこれから新監督が新たな選手を起用するでしょう。U-20女子代表でプレーした選手などもこれから呼ばれると思うので、楽しみです。そしてアメリカ戦では山根が今までの中で見たことないほど良いプレーをしていました。試合は負けましたが、あの戦いを自信にして大きく進化してもらいたいと思います。そして10番を着けた阪口は自分のプレーだけでなく、もっと声出せと。相手の状況、自分たちの状況も見て、的確な指示を出してもらいたい。阪口は特に成長してもらいたいと思います」
――ユーロ大会に向けて楽しみなのは
「前回のユーロはスペインが優勝しました。バルセロナの選手が多くポゼッションのサッカーが非常に進化しつつありました。ただ、(2014年の)ワールドカップではスペインがグループステージで敗退しています。つまり、ポゼションのサッカーから進化しているのが見えたのがワールドカップでした。今回のユーロでもその流れが見えそうだと思っています。ワールドカップで兆しがあり、ユーロで進化する。そういう意味では非常に楽しみです。女子もポゼッションだけではなく速さの質が問われています。なので、ぜひ女子の指導者もユーロをチェックしていただきたいと思います」
――楽しみチームや選手は
「イングランドが優勝していません。非常に驚きであり、個人的にはイングランドに頑張ってほしいなと。ただ、安定感はドイツ、フランスですね。そんな中、今回は選手たちが非常に若い。皆さんにあまり知られていない良い素材の選手がいます。ニューヒーローを感じてほしいですね。調べている中で、すぐに名前は出てこないですが(笑)。若手で才能ある選手が登場するので注目してほしいですね」
――女子の指導者にもユーロを見てもらいたいとのことだが、どういうプレーやどういう選手を見てもらいたいか
「男子のレベルの高い試合を見ることは大事です。参考になりますね。女子も男子化、男子のスタイルに近づいています。2008年の頃はそうではなかったですが、今はそういう変化が起こっています。当然、パワーやスピードはないですが、イメージの部分での男子化。なので、こういう良い試合は必ずチェックすることが大事です」
――なでしこの監督時代にも男子のプレーを見ていたか
「見ていました。男子のプレーを見せてイメージを持たせるようなこともしましたね」
――初めての解説だが
「しっかりチェックしてきたいなと。あの5番良いななんて言っていたら、すごく有名な選手だったり(笑)。ただ、僕はそこよりも少し内容面。システムはこういう特長のあるシステムになっているとか。玄人好みの解説ですね。タレントの名前は間違えやすいので(笑)。あまり名前言わない方が良いかな」
――解説していると現場復帰したいと思うこともあるのでは
「全然沸かない(笑)。今はそういう感じではないですね。ただ3、4年経てばムズムズしてくると思います。今は全然思いません。様々な私見を勉強して、そこで一回り大きく成った指導者になれれば良いですし、もしかしたらサッカー界から足を洗って、おじいちゃんになってサポーターになっている可能性だってあります」
▽佐々木氏はまず、先日、高倉新体制の下で初陣を切ったなでしこジャパンについて言及。3年後のワールドカップを目指して、今後の活躍に期待しているとコメントした。一方ユーロについては、女子の選手たちにも見てほしい大会だと主張。さらに初の解説に向けた意気込みも語った。
◆佐々木則夫氏(前なでしこジャパン監督)
――なでしこのアメリカ戦2試合を外から見ての感想は
「これからなでしこは3年後のワールドカップに向けた準備を進めていきます。今回はそういうスタートです。第1戦、第2戦を見て、今は様々なメンバーを使うことが一番かなと。結果どうこうよりも新監督のイメージを持ったサッカーができるかどうか。そういうものを新しいメンバーの試みが見れました」
「メンバーですね(笑)。次の3年を見据えてのメンバーたちを積極的に選考しています。僕が最初の頃は、日本の良さは細かなパスワークのサッカーをしていました。ただ、今は世界が組織的で守備が堅い。そこに日本らしさを出したチームを作って2014年までやってきました。高倉さんも阪口を中心にパスで強固な守備を崩す試みが見えました。それを試みながらも、世界と戦って、それを貫くのか、サイドチェンジを含めた長いボールも取り入れたサッカーに変化するのか」
「守備についてはこれからだと思います。個々の判断、グループの判断だけでなくチームの戦術要素があります。どうやってボールを奪いたいのか。それをこれからやっていくのかなと。アメリカとの第1戦はコンディションが悪い中、そして第2戦はロイドがいない状況でしたが、これらの試合はこれからの財産になると思います。残念ながら雷の影響で早めに終終わりましたが、選手やスタッフはあの試合を指標に頑張ってもらいたいと思います」
――楽しみな選手は
「千葉選手は知らなかったですが可能性は感じられました。まだまだこれから新監督が新たな選手を起用するでしょう。U-20女子代表でプレーした選手などもこれから呼ばれると思うので、楽しみです。そしてアメリカ戦では山根が今までの中で見たことないほど良いプレーをしていました。試合は負けましたが、あの戦いを自信にして大きく進化してもらいたいと思います。そして10番を着けた阪口は自分のプレーだけでなく、もっと声出せと。相手の状況、自分たちの状況も見て、的確な指示を出してもらいたい。阪口は特に成長してもらいたいと思います」
――ユーロ大会に向けて楽しみなのは
「前回のユーロはスペインが優勝しました。バルセロナの選手が多くポゼッションのサッカーが非常に進化しつつありました。ただ、(2014年の)ワールドカップではスペインがグループステージで敗退しています。つまり、ポゼションのサッカーから進化しているのが見えたのがワールドカップでした。今回のユーロでもその流れが見えそうだと思っています。ワールドカップで兆しがあり、ユーロで進化する。そういう意味では非常に楽しみです。女子もポゼッションだけではなく速さの質が問われています。なので、ぜひ女子の指導者もユーロをチェックしていただきたいと思います」
――楽しみチームや選手は
「イングランドが優勝していません。非常に驚きであり、個人的にはイングランドに頑張ってほしいなと。ただ、安定感はドイツ、フランスですね。そんな中、今回は選手たちが非常に若い。皆さんにあまり知られていない良い素材の選手がいます。ニューヒーローを感じてほしいですね。調べている中で、すぐに名前は出てこないですが(笑)。若手で才能ある選手が登場するので注目してほしいですね」
――女子の指導者にもユーロを見てもらいたいとのことだが、どういうプレーやどういう選手を見てもらいたいか
「男子のレベルの高い試合を見ることは大事です。参考になりますね。女子も男子化、男子のスタイルに近づいています。2008年の頃はそうではなかったですが、今はそういう変化が起こっています。当然、パワーやスピードはないですが、イメージの部分での男子化。なので、こういう良い試合は必ずチェックすることが大事です」
――なでしこの監督時代にも男子のプレーを見ていたか
「見ていました。男子のプレーを見せてイメージを持たせるようなこともしましたね」
――初めての解説だが
「しっかりチェックしてきたいなと。あの5番良いななんて言っていたら、すごく有名な選手だったり(笑)。ただ、僕はそこよりも少し内容面。システムはこういう特長のあるシステムになっているとか。玄人好みの解説ですね。タレントの名前は間違えやすいので(笑)。あまり名前言わない方が良いかな」
――解説していると現場復帰したいと思うこともあるのでは
「全然沸かない(笑)。今はそういう感じではないですね。ただ3、4年経てばムズムズしてくると思います。今は全然思いません。様々な私見を勉強して、そこで一回り大きく成った指導者になれれば良いですし、もしかしたらサッカー界から足を洗って、おじいちゃんになってサポーターになっている可能性だってあります」
ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンの関連記事
ユーロの関連記事
|
|
ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンの人気記事ランキング
1
元イングランド代表GKベン・フォスターが現役引退、ハリウッド俳優所有のクラブで昇格に貢献
レクサムは21日、元イングランド代表GKベン・フォスター(40)の現役引退を発表した。 2022年9月にキャリアを一時停止したフォスター。2023年3月には、ハリウッド俳優のライアン・レイノルズが所有するレクサムへ加入すると、ナショナルリーグ(イングランド5部)で8試合に出場。優勝を争うチームを支え、見事にEFLリーグ2(イングランド4部)に昇格していた。 フォスターは今シーズンもプレーを続けることとなり、リーグ2では開幕から4試合に出場。しかし、チームは1勝2分け3敗という出だしに。ただ、4試合で13失点と守備が崩壊していた。 19日に行われた第4節のスウィンドン・タウン戦では、5-5という壮絶な打ち合いに。後半アディショナルタイムに2点を奪ってなんとか追いついたが、苦しい試合となっていた。 レクサムの声明によれば、その試合後にフォスターがフィル・パーキンソン監督と話し合いをしたとのこと。引退を決断したことを伝えられたという。 「正直なところ、今シーズンのパフォーマンスは自分に求めるレベルに達しておらず、今が引退するのに適切な時期だと感じている」 「この決断を下す際に最優先に考えたのは、僕にとってだけでなく、クラブにとっても何が最善なのかということだった。この決断により、クラブは期限が閉まる前に選択肢を評価するあらゆる機会を得ることができた」 「レクサむはいつも僕の心の中で特別な場所であり続けるだろう」 フォスターは自身のパフォーマンスに限界を感じて引退を決断。それを伝えられたパーキンソン監督もクラブを通じてコメントしている。 「ベンはレクサムにいる間、プロフェッショナルとして模範を示し、我々が彼に求めたことは全てやってくれた」 「決断を下すには、偉大な人間と、このフットボールクラブを本当に理解し、決断のタイミングを計る人間が必要だ」 「昨シーズンのノッツ・カウンティ戦での昇格に貢献してくれたあの素晴らしいPKセーブを遥かに超えた彼の貢献に感謝するとき、私はみんなを代表して言っていると確信している」 「レクサムはベン・フォスターを迎えるにはより良い場所だった」 フォスターはストーク・シティでキャリアをスタート、下部リーグへのレンタル移籍を繰り返した中、2005年1月にはレンタルでレクサムに加入していた。 2005年7月、マンチェスター・ユナイテッドへと完全移籍、ワトフォードへのレンタル移籍を経て復帰。2010年7月にバーミンガム・シティへと完全移籍した。 その後、WBAへとレンタル移籍したのちに完全移籍。2018年にワトフォードに加入すると、2022年7月に一度キャリアをストップ。半年後にレクサムで復帰していた。 最もプレーしたクラブはWBAで公式戦223試合に出場。ワトフォードでは207試合に出場している。プレミアリーグでは390試合に出場していた。 2007年2月にはイングランド代表デビューを果たし、8試合に出場。2014年のブラジル・ワールドカップ(W杯)ではコスタリカ代表戦でフル出場し、W杯デビューを果たしていた。 2023.08.21 22:05 Mon2
WBA、ライプツィヒからスコットランド代表FWバークを獲得
▽WBAは25日、ライプツィヒからスコットランド代表FWオリヴァー・バーク(20)を、5年契約で獲得したことを発表した。移籍金は公表されてないが、イギリス『スカイ・スポーツ』によれば、1500万ポンド(約21億円)程度になるという。 ▽ノッティンガム・フォレスト出身のバークは昨夏にライプツィヒへ加入。リーグ戦25試合の出場で1ゴール2アシストを記録し、ブンデスリーガ初昇格ながらドイツに旋風を巻き起こしたライプツィヒの2位フィニッシュに貢献した。 ▽今季のチャンピオンズリーグ出場を諦めて、バギーズの新17番を背負うことになったバークは、「移籍してより多くの試合に出なければならない時が来たと感じたんだ。僕はここで、一番最初にチームシートに名前が挙がるような選手になりたい」とコメントしている。 2017.08.25 18:23 Fri3
相手MFの脚が変形する重傷に涙のロンドン「得点なんていらないから…」
▽WBAに所属するベネズエラ代表FWサロモン・ロンドンが、重傷を負わせてしまうことになったエバートンMFジェームズ・マッカーシーについてコメントを出した。 ▽20日に行われたプレミアリーグ第24節のWBA vs エバートン(1-1で終了)の58分に悲劇が起こった。WBAの決定機でゴール正面のロンドンが思い切り左足を振りにいったところで、後方からブロックに入ったマッカーシーの右足にロンドンの足がヒット。マッカーシーの脛部分が完全に変形しており、明らかな重傷となった。 ▽ロンドンもすぐさま医療班を呼び、マッカーシーがストレッチャーで運ばれる中で明らかに狼狽しており、涙を流した。マッカーシーは初期診断で少なくとも腓骨と脛骨を骨折していることが明らかになっている。 ▽試合後、ロンドンはマッカーシーの順調な回復を願うコメントを発表している。イギリス『デイリー・ミラー』がコメントを伝えた。 「今回のような不運な事故が起きて、僕は打ちのめされている。ジェームズには本当に申し訳ないと思う」 「今回のような不運なケガが起きて敵味方なんか関係ない。あの場面がゴールになったとしても、今回のケガがなかったことになるなら、僕はそんなものはいらない」 「ジェームズの速やかな回復を祈りたい。彼がまた復帰してプレーすることを心から願っている」 2018.01.21 13:31 Sun4
WBAがトルコ代表MFヨクシュルを獲得! 1年半ぶりの古巣帰還に
チャンピオンシップ(イングランド2部)のWBAは18日、セルタを退団したトルコ代表MFオカイ・ヨクシュル(27)をフリートランスファーで獲得したことを発表した。契約期間は2025年6月30日までの3年となる。 母国のアルタイでキャリアをスタートし、カイセリスポル、トラブゾンスポルを経て、2018年夏にセルタへ加入したヨクシュル。加入2シーズンはセントラルMFの主力として活躍したものの、3年目となった2020-21シーズンに序列が下がると、2021年冬にWBAへレンタル移籍。 レンタルバックした昨シーズンはセルタでラ・リーガ8試合の出場に留まっていた中、残留争いに身を置いていたヘタフェに買い取りオプション付きのレンタル移籍で加入。 そのヘタフェでは本職の中盤に加えて3バックの一角で起用され、ラ・リーガ11試合に出場した。 ヘタフェが買い取りオプション行使を見送り、今夏にセルタとの契約を解消したことで、幾つかのクラブからオファーが届いていたが、トルコ代表で39キャップを刻む27歳は、プレミアリーグ昇格を目指す古巣への移籍を決断した。 2022.07.19 11:22 Tue5
