ポルトガル、ヴェローゾの劇的AT弾で本大会出場に王手《ユーロ2016予選》

▽7日にユーロ2016予選グループI第8節のアルバニア代表vsポルトガル代表がアルバニアのエルバサン・アレーナで行われ、アウェイのポルトガル代表が1-0で勝利した。

▽1試合未消化ながら2位のデンマークと3位のアルバニアに勝ち点1差で首位に付けるポルトガル。フェルナンド・サントス監督は、0-1で惜敗した直近のフランス代表とのフレンドリーマッチから先発メンバー3人を変更。フランス戦に途中出場したヴェローゾとダニー、ベルナルド・シウバが、エースのクリスティアーノ・ロナウドやペペ、リカルド・カルバリョといったお馴染みのメンバーと共にスタートから起用された。

▽アグレッシブに前からプレスをかけるアルバニアを相手にやや押し込まれる入りとなったポルトガルだが、時間の経過と共に主導権を掴む。この試合、C・ロナウドとナニ、ベルナルド・シウバを最前線に並べた[4-3-3]の布陣を採用したアウェイチームは、中盤で積極的にボールを受けるダニーを起点に攻撃を展開。12分にはバイタルエリアで前を向いたC・ロナウドが地を這う強烈なミドルで相手GKを脅かせば、13分にはセットプレーからクロスに合わせたナニのシュートが右ポストを叩いた。
▽完全に主導権を握るポルトガルは、自陣に引いて構えるアルバニアを一方的に押し込んでいく。この流れの中でC・ロナウド、ベルナルド・シウバがミドルレンジのシュートでゴールを狙うが、先制点を奪うまでには至らず。ポルトガルペースで進んだ前半はゴールレスで終了した。

▽敵地での勝ち点3奪取に向けて後半のスタートからギアを上げたいポルトガルだったが、相手の集中した守備を前に攻めあぐねる状況が続く。逆に、カウンターから自陣深くまで侵攻されるなど、前半と打って変わって厳しい展開を強いられた。▽何とか流れを変えたいサントス監督は、セドリクとクアレスマを投入。豊富な運動量でアップダウンを繰り返す前者と卓越した個人技を持つ後者を軸にサイドアタックの活性化を狙った。

▽その後もこう着した状況が続く中、75分にはアルバニアに絶好のゴールチャンス。ボックス手前でボールを受けたキカレシがミドルシュートを放つと、これがゴール右角に直撃する。思わず肝を冷やしたポルトガルはストライカーのエデルを投入し攻勢を強めると、こちらも80分に絶好機が訪れる。C・ロナウドのスルーパスに抜け出したエリセウがボックス内でGKと一対一を迎えるが、狙い済ましたループシュートはわずかに枠の右に外れた。

▽絶好の先制機を逸したポルトガルは、試合終盤にかけても苦しい時間が続く。だが、諦めずに戦い続けたチームは試合終了間際に劇的なゴールを奪う。後半アディショナルタイム2分、右サイドで得たCKの場面でクアレスマがアウトスウィングの鋭いボールを入れると、これをニアに飛び込んだヴェローゾがドンピシャのタイミングで頭で合わせ、最後の最後でゴールをこじ開けた。苦しみながらも敵地で勝ち点3を獲得したポルトガルが、本大会出場に向けて王手をかけた。

▽また、同日行われた最下位のアルメニア代表vs2位のデンマーク代表は、ゴールレスドローに終わった。試合は序盤から拮抗した展開が続く。今大会初勝利を狙うアルメニアは、エースのムヒタリャンを起点に何度か鋭いカウンターからゴールに迫るも、ラストプレーの精度を欠く。

▽対して、本大会出場に向けて勝ち点3が求められるデンマークは、守備こそ安定していたものの、司令塔のエリクセンを負傷で欠く攻撃陣が思うようにチャンスを作れず、ベントナーやY・ポウルセンらの個の力で局面の打開を図るも、最後までゴールをこじ開けることはできず。首位のポルトガルと3位のアルバニアが1試合消化試合の少ないことを考えれば、厳しいドローとなった。

◆ユーロ2016予選・グループI第8節結果
アルメニア 0-0 デンマーク
アルバニア 0-1 ポルトガル

◆グループI順位表
(勝ち点/試合数/得失点差)
1.ポルトガル[15/6/4]
2.デンマーク[12/7/4]
3.アルバニア[11/6/4]
4.セルビア[1/6/-6]
5.アルメニア[2/7/-6]

※同勝ち点で並んだ場合は、当該国同士の対戦結果で順位が決定