前回王者としてW杯に臨む佐々木監督「連覇に挑戦できるのは我々だけ」《FIFA女子ワールドカップ2015》
2015.05.01 18:30 Fri
▽日本サッカー協会(JFA)は24日、6月6日にカナダで開幕するFIFA女子ワールドカップ2015に向けた登録メンバー23名を発表。大会連覇を目指す今回のチームには、6大会連続の出場となるMF澤穂希(INAC神戸)を含む、前回大会の経験者が17名含まれている。その一方で、4月26日の埼玉戦で右膝外側半月板を損傷したFW高瀬愛実(24)が選外となった。
▽前回大会に引き続き、今大会もなでしこジャパンを率いる佐々木則夫監督は、本大会に向けて「連覇に挑戦できるのは我々だけ」と意気込み、選考基準に関しては、「最後の最後まで諦めないで闘える選手」を中心に選出したことを明かした。佐々木監督のコメントと質疑応答は以下のとおり。
◆佐々木則夫監督(なでしこジャパン)
「我々は2011年に、なんとかチャンピオンとなることができた。もちろんカナダ大会もチャレンジ精神を忘れずに臨みたい。連覇に挑戦できるのは我々だけ、こういった快挙を23名とスタッフが一丸となって、日本の皆さんに元気と勇気、そして希望を与えられるような大会にしていきたいと思っている」
「メンバーを選んだ基準は、このメンバーの誰がピッチに立っても闘える、意欲のある、そして最後の最後まで諦めないという選手をメインに選考させていただいた。若手も技術的に成長し、選考の中で悩んだ部分もあるが、ピッチ上の厳しい戦いのなかで、なでしこらしい戦いができる23名が今回のメンバーになると考えている」
「もちろん、(メンバーに入らなかった選手で)何人か選考に値するメンバーもいたが、ケガで選べなかった選手もいる。いずれにしても、皆さんの期待にそえるよう、メンバーと共に連覇を目指し、意識を合わせてチャレンジしたい」
――このタイミングで澤を選んだ過程、理由は?
「アルガルベに連れて行きたかったが、(当時は)故障明けだった。今の神戸でのパフォーマンス、90分間の集中力、チーム内の誰よりも身体を張ってスライディングも多く、意欲もある。そういった闘える選手は、闘う意識をもったチームにしていきたいという中では大事なる。澤選手の現在のパフォーマンスは問題ないと判断し、選考した」
――連覇に向けて澤に求めるもの
「ワールドカップ6大会目という経験はもちろん、ピッチの内外を相対的に考えたときにチームの柱として頑張ってもらいたい」
――代表復帰を果たした澤の凄さについて
「小手先の上手さでなく、90分間を通して最後の最後まで集中し、惜しみなく身体を張り、闘うという姿勢が、現在の彼女の試合を見れば感じられる。これはなでしこの姿勢であり、少し臆している他の選手の模範にもなる。彼女の背中を見て学ぶこともあると思うので、彼女らしいサッカーを見せてもらいたい」
「集まってからメンバーを固めていくので、もちろんレギュラーは保証されていないが、今のなでしこには彼女の力が必要だと思っている。(呼ぶことは伝えていたか?)いや、伝えていない。コンディションの問題もあった。現時点でチームを作る上でコンディションの良い選手を相対的に考えて選んだ。決して経験だけを重視して選んだのではなく、現在のパフォーマンを加味した中での選考であり、その上での経験になる」
――今回の選考で最も悩んだ点
「小手先ではなく、しっかり、途中から試合に出ても自分の力を出し尽くして闘える選手というのをテーマに掲げた。未来のために若手を選ぶということも考えたが、最終的には連覇という部分から逆算し、闘える意識の高い選手であることと、ピッチ外のバランスも踏まえて考えた。私としては非常に自信を持った選考。このメンバーで、カナダで結果を残したいと考えて選んだ」
「高瀬選手が直前に負傷したことは残念だが、これをバネに次の五輪を目指して頑張ってもらいたい」
――先を見据えたときに、澤に頼らざるをえなかった部分もあるのか
「頼るということではなく、1つのチームの中に彼女というエキスが入ることでパワーアップするイメージ。キャプテンは宮間あやにやってもらうつもりだが、それを支えてくれるだろうし、様々な活動のなかで右往左往することもあるとは思うが、その中で彼女の力が重要になってくることは明らか。それは過去からも明らかだが、ピッチに立つときにはコンディションが良いことが大事。そして、今の彼女の状態は良い。これまでケガなどもあり状態が良くない時期もあったが、この大会に照準を合わせてくれたのかなと感じるほど。良いタイミングでここまで仕上げてくれたことを、INAC神戸にも感謝したい」
――集合してからどのような調整をして、どこに力点を置きたいか
「17名が2大会(ドイツW杯とロンドン五輪)を経験しているため、ある程度のベースはできている。その中で新たな選手を加え、チームとしての戦い方を整理するのは以前よりも時間はかからないと思う。ただ、このメンバーで長くやってきたことはないが、チームを大会に向けてピークに持っていくのは問題ない。キャンプの前にイメージを持ちながら集合してほしいので、各選手へのアプローチは行うつもり。1分1秒を大切にしながら大会に向けて準備をしたい」
――主力が変わっていないことをどう考えているか
「理想としては、もう少し新たな選手、若手が入れば良いと思っていた。もちろん、この2年間の準備の中でチャンスは与えてきたつもり。ただ、最後は経験ある選手が安定感を見せ、連覇ということを考えると彼女たちの力が重要であり、結果として今回のメンバー構成になったという現実はある。未来に向けた状況に関しては、次のU-19のメンバーに魅力的な力を持ち合わせた選手はいる。しかし、このチームに溶けませるには時間がかかると考えたので敢えて選考しなかった」
――各国の力が上がっているなか、今のメンバーでそれをどのように打ち破っていくのか
「経験のある選手がいるので、融合やベースの意識合わせに時間はかからないと思う。対相手という部分では、順応性、闘う姿勢も持ち合わせている。女性と女性が闘うリーグ戦以上の局面の厳しい状況は準備する。大会に向けてはハードワークが必要となるので、そこに臆することなく自分たちのサッカーができる、かつ闘いの意識。厳しい戦いになるのは間違いないが、その中で力を発揮できる選手たちだと思う」
――このメンバーでどんなサッカーを目指したいか
「攻守にアクションする全員攻撃・全員守備の連動というのがベースになる。ゴールを意識した個々のプレーの質、相手も組織的なサッカーをするようになり、簡単に展開することはできなくなってきた。そういった意味では、シンプルなサッカーができて、ポゼッションもでき、そこの判断に伴った質、そして球際がコンパクトになり大柄な選手から深いチャージがくることへの対応が大事」
「逆に、我々はチャージが浅く、それではボールを奪えない。そういったことを男子の監督も言っていたが、それは女子にも言える。一人ひとりの質、ハードワークを意識したいが、彼女たちの力を考えればチャンスはあると思う」
「初戦のスイスは非常に良いチーム。このスイスとの戦いが、その後の指標になることは間違いない。それは集合する前に選手たちにも伝えるつもりなので、心して集まってもらいたい」
――この4年で女子サッカーの流れが変化してきたなかでの大会の展望は
「我々は2011年にチャンピオンになったが、その後は、(ロンドン五輪での)銀メダルで優勝できなかった。それからアルガルベも非常に不本意な成績だった。どの国もレベルが上がり、個の質が上がり、その中でワールドカップを連覇はすることは簡単ではない」
「ただ、思い起こせば2011年も簡単ではなかった。選手と共に、日本の皆さんの元気をもう一度もらって、我々のサッカーをできるように精一杯頑張るしかないと思う。細かいこともあるが、集まった選手たちがどれだけ高い意識を持てるのか。2011年には大きなパワーをもらった。彼女たちはそれを絶対に忘れないし、そういった思いの中で日本の代表として頑張っていきたい」
――本大会に向けたコンディション調整について
「日本のキャンプではしっかりと上げていきたい。(親善試合の初戦で対戦する)ニュージーランドは非常に良いチームで、スイスにも似ている。その次のイタリアは個の力があり、第2戦(カメルーン)、第3戦(エクアドル)のイメージをもって臨める相手だと思う」
「この2試合を踏まえてコンディションを上げ、カナダでは人口芝に慣れて少し身体を落ち着かせ、そこから試合前に少し上げていく。一番気を使うのは第一戦のスイス戦。そこに照準を合わせて上げていきたい」
――大会中にパフォーマンスを上げてくる選手が重要だと思うが、国内合宿で若手に求めたいことは
「2つの大会(ドイツW杯とロンドン五輪)を経験していないのは6名。この6名がパワーアップすることでチームは活気づくと思うので、実戦の中で試していきたい。菅澤選手もリーグで好調を維持している。代表で良い経験をし、自信を深めた部分もあるだろう」
「サブの選手が出てきて活躍するという循環ができれば良い。本大会のレギュラークラスよりも、高い意識をもってサブの選手が準備をしているのが我々。サブでも先発でも全員が一枚岩になれるようなチームにしていきたい。“君が代”ではないが、さざれ石を強固な岩にしたチームがなでしこジャパンなので、しっかりと準備をしていきたい」
▽前回大会に引き続き、今大会もなでしこジャパンを率いる佐々木則夫監督は、本大会に向けて「連覇に挑戦できるのは我々だけ」と意気込み、選考基準に関しては、「最後の最後まで諦めないで闘える選手」を中心に選出したことを明かした。佐々木監督のコメントと質疑応答は以下のとおり。
「我々は2011年に、なんとかチャンピオンとなることができた。もちろんカナダ大会もチャレンジ精神を忘れずに臨みたい。連覇に挑戦できるのは我々だけ、こういった快挙を23名とスタッフが一丸となって、日本の皆さんに元気と勇気、そして希望を与えられるような大会にしていきたいと思っている」
「メンバーを選んだ基準は、このメンバーの誰がピッチに立っても闘える、意欲のある、そして最後の最後まで諦めないという選手をメインに選考させていただいた。若手も技術的に成長し、選考の中で悩んだ部分もあるが、ピッチ上の厳しい戦いのなかで、なでしこらしい戦いができる23名が今回のメンバーになると考えている」
「もちろん、(メンバーに入らなかった選手で)何人か選考に値するメンバーもいたが、ケガで選べなかった選手もいる。いずれにしても、皆さんの期待にそえるよう、メンバーと共に連覇を目指し、意識を合わせてチャレンジしたい」
◆質疑応答
――このタイミングで澤を選んだ過程、理由は?
「アルガルベに連れて行きたかったが、(当時は)故障明けだった。今の神戸でのパフォーマンス、90分間の集中力、チーム内の誰よりも身体を張ってスライディングも多く、意欲もある。そういった闘える選手は、闘う意識をもったチームにしていきたいという中では大事なる。澤選手の現在のパフォーマンスは問題ないと判断し、選考した」
――連覇に向けて澤に求めるもの
「ワールドカップ6大会目という経験はもちろん、ピッチの内外を相対的に考えたときにチームの柱として頑張ってもらいたい」
――代表復帰を果たした澤の凄さについて
「小手先の上手さでなく、90分間を通して最後の最後まで集中し、惜しみなく身体を張り、闘うという姿勢が、現在の彼女の試合を見れば感じられる。これはなでしこの姿勢であり、少し臆している他の選手の模範にもなる。彼女の背中を見て学ぶこともあると思うので、彼女らしいサッカーを見せてもらいたい」
「集まってからメンバーを固めていくので、もちろんレギュラーは保証されていないが、今のなでしこには彼女の力が必要だと思っている。(呼ぶことは伝えていたか?)いや、伝えていない。コンディションの問題もあった。現時点でチームを作る上でコンディションの良い選手を相対的に考えて選んだ。決して経験だけを重視して選んだのではなく、現在のパフォーマンを加味した中での選考であり、その上での経験になる」
――今回の選考で最も悩んだ点
「小手先ではなく、しっかり、途中から試合に出ても自分の力を出し尽くして闘える選手というのをテーマに掲げた。未来のために若手を選ぶということも考えたが、最終的には連覇という部分から逆算し、闘える意識の高い選手であることと、ピッチ外のバランスも踏まえて考えた。私としては非常に自信を持った選考。このメンバーで、カナダで結果を残したいと考えて選んだ」
「高瀬選手が直前に負傷したことは残念だが、これをバネに次の五輪を目指して頑張ってもらいたい」
――先を見据えたときに、澤に頼らざるをえなかった部分もあるのか
「頼るということではなく、1つのチームの中に彼女というエキスが入ることでパワーアップするイメージ。キャプテンは宮間あやにやってもらうつもりだが、それを支えてくれるだろうし、様々な活動のなかで右往左往することもあるとは思うが、その中で彼女の力が重要になってくることは明らか。それは過去からも明らかだが、ピッチに立つときにはコンディションが良いことが大事。そして、今の彼女の状態は良い。これまでケガなどもあり状態が良くない時期もあったが、この大会に照準を合わせてくれたのかなと感じるほど。良いタイミングでここまで仕上げてくれたことを、INAC神戸にも感謝したい」
――集合してからどのような調整をして、どこに力点を置きたいか
「17名が2大会(ドイツW杯とロンドン五輪)を経験しているため、ある程度のベースはできている。その中で新たな選手を加え、チームとしての戦い方を整理するのは以前よりも時間はかからないと思う。ただ、このメンバーで長くやってきたことはないが、チームを大会に向けてピークに持っていくのは問題ない。キャンプの前にイメージを持ちながら集合してほしいので、各選手へのアプローチは行うつもり。1分1秒を大切にしながら大会に向けて準備をしたい」
――主力が変わっていないことをどう考えているか
「理想としては、もう少し新たな選手、若手が入れば良いと思っていた。もちろん、この2年間の準備の中でチャンスは与えてきたつもり。ただ、最後は経験ある選手が安定感を見せ、連覇ということを考えると彼女たちの力が重要であり、結果として今回のメンバー構成になったという現実はある。未来に向けた状況に関しては、次のU-19のメンバーに魅力的な力を持ち合わせた選手はいる。しかし、このチームに溶けませるには時間がかかると考えたので敢えて選考しなかった」
――各国の力が上がっているなか、今のメンバーでそれをどのように打ち破っていくのか
「経験のある選手がいるので、融合やベースの意識合わせに時間はかからないと思う。対相手という部分では、順応性、闘う姿勢も持ち合わせている。女性と女性が闘うリーグ戦以上の局面の厳しい状況は準備する。大会に向けてはハードワークが必要となるので、そこに臆することなく自分たちのサッカーができる、かつ闘いの意識。厳しい戦いになるのは間違いないが、その中で力を発揮できる選手たちだと思う」
――このメンバーでどんなサッカーを目指したいか
「攻守にアクションする全員攻撃・全員守備の連動というのがベースになる。ゴールを意識した個々のプレーの質、相手も組織的なサッカーをするようになり、簡単に展開することはできなくなってきた。そういった意味では、シンプルなサッカーができて、ポゼッションもでき、そこの判断に伴った質、そして球際がコンパクトになり大柄な選手から深いチャージがくることへの対応が大事」
「逆に、我々はチャージが浅く、それではボールを奪えない。そういったことを男子の監督も言っていたが、それは女子にも言える。一人ひとりの質、ハードワークを意識したいが、彼女たちの力を考えればチャンスはあると思う」
「初戦のスイスは非常に良いチーム。このスイスとの戦いが、その後の指標になることは間違いない。それは集合する前に選手たちにも伝えるつもりなので、心して集まってもらいたい」
――この4年で女子サッカーの流れが変化してきたなかでの大会の展望は
「我々は2011年にチャンピオンになったが、その後は、(ロンドン五輪での)銀メダルで優勝できなかった。それからアルガルベも非常に不本意な成績だった。どの国もレベルが上がり、個の質が上がり、その中でワールドカップを連覇はすることは簡単ではない」
「ただ、思い起こせば2011年も簡単ではなかった。選手と共に、日本の皆さんの元気をもう一度もらって、我々のサッカーをできるように精一杯頑張るしかないと思う。細かいこともあるが、集まった選手たちがどれだけ高い意識を持てるのか。2011年には大きなパワーをもらった。彼女たちはそれを絶対に忘れないし、そういった思いの中で日本の代表として頑張っていきたい」
――本大会に向けたコンディション調整について
「日本のキャンプではしっかりと上げていきたい。(親善試合の初戦で対戦する)ニュージーランドは非常に良いチームで、スイスにも似ている。その次のイタリアは個の力があり、第2戦(カメルーン)、第3戦(エクアドル)のイメージをもって臨める相手だと思う」
「この2試合を踏まえてコンディションを上げ、カナダでは人口芝に慣れて少し身体を落ち着かせ、そこから試合前に少し上げていく。一番気を使うのは第一戦のスイス戦。そこに照準を合わせて上げていきたい」
――大会中にパフォーマンスを上げてくる選手が重要だと思うが、国内合宿で若手に求めたいことは
「2つの大会(ドイツW杯とロンドン五輪)を経験していないのは6名。この6名がパワーアップすることでチームは活気づくと思うので、実戦の中で試していきたい。菅澤選手もリーグで好調を維持している。代表で良い経験をし、自信を深めた部分もあるだろう」
「サブの選手が出てきて活躍するという循環ができれば良い。本大会のレギュラークラスよりも、高い意識をもってサブの選手が準備をしているのが我々。サブでも先発でも全員が一枚岩になれるようなチームにしていきたい。“君が代”ではないが、さざれ石を強固な岩にしたチームがなでしこジャパンなので、しっかりと準備をしていきたい」
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