前回王者としてW杯に臨む佐々木監督「連覇に挑戦できるのは我々だけ」《FIFA女子ワールドカップ2015》

2015.05.01 18:30 Fri
日本サッカー協会(JFA)は24日、6月6日にカナダで開幕するFIFA女子ワールドカップ2015に向けた登録メンバー23名を発表。大会連覇を目指す今回のチームには、6大会連続の出場となるMF澤穂希(INAC神戸)を含む、前回大会の経験者が17名含まれている。その一方で、4月26日の埼玉戦で右膝外側半月板を損傷したFW高瀬愛実(24)が選外となった。

▽前回大会に引き続き、今大会もなでしこジャパンを率いる佐々木則夫監督は、本大会に向けて「連覇に挑戦できるのは我々だけ」と意気込み、選考基準に関しては、「最後の最後まで諦めないで闘える選手」を中心に選出したことを明かした。佐々木監督のコメントと質疑応答は以下のとおり。

◆佐々木則夫監督(なでしこジャパン)
「我々は2011年に、なんとかチャンピオンとなることができた。もちろんカナダ大会もチャレンジ精神を忘れずに臨みたい。連覇に挑戦できるのは我々だけ、こういった快挙を23名とスタッフが一丸となって、日本の皆さんに元気と勇気、そして希望を与えられるような大会にしていきたいと思っている」
「メンバーを選んだ基準は、このメンバーの誰がピッチに立っても闘える、意欲のある、そして最後の最後まで諦めないという選手をメインに選考させていただいた。若手も技術的に成長し、選考の中で悩んだ部分もあるが、ピッチ上の厳しい戦いのなかで、なでしこらしい戦いができる23名が今回のメンバーになると考えている」

「もちろん、(メンバーに入らなかった選手で)何人か選考に値するメンバーもいたが、ケガで選べなかった選手もいる。いずれにしても、皆さんの期待にそえるよう、メンバーと共に連覇を目指し、意識を合わせてチャレンジしたい」
質疑応答
――このタイミングで澤を選んだ過程、理由は?
「アルガルベに連れて行きたかったが、(当時は)故障明けだった。今の神戸でのパフォーマンス、90分間の集中力、チーム内の誰よりも身体を張ってスライディングも多く、意欲もある。そういった闘える選手は、闘う意識をもったチームにしていきたいという中では大事なる。澤選手の現在のパフォーマンスは問題ないと判断し、選考した」

――連覇に向けて澤に求めるもの
「ワールドカップ6大会目という経験はもちろん、ピッチの内外を相対的に考えたときにチームの柱として頑張ってもらいたい」

――代表復帰を果たした澤の凄さについて
「小手先の上手さでなく、90分間を通して最後の最後まで集中し、惜しみなく身体を張り、闘うという姿勢が、現在の彼女の試合を見れば感じられる。これはなでしこの姿勢であり、少し臆している他の選手の模範にもなる。彼女の背中を見て学ぶこともあると思うので、彼女らしいサッカーを見せてもらいたい」

「集まってからメンバーを固めていくので、もちろんレギュラーは保証されていないが、今のなでしこには彼女の力が必要だと思っている。(呼ぶことは伝えていたか?)いや、伝えていない。コンディションの問題もあった。現時点でチームを作る上でコンディションの良い選手を相対的に考えて選んだ。決して経験だけを重視して選んだのではなく、現在のパフォーマンを加味した中での選考であり、その上での経験になる」

――今回の選考で最も悩んだ点
「小手先ではなく、しっかり、途中から試合に出ても自分の力を出し尽くして闘える選手というのをテーマに掲げた。未来のために若手を選ぶということも考えたが、最終的には連覇という部分から逆算し、闘える意識の高い選手であることと、ピッチ外のバランスも踏まえて考えた。私としては非常に自信を持った選考。このメンバーで、カナダで結果を残したいと考えて選んだ」

「高瀬選手が直前に負傷したことは残念だが、これをバネに次の五輪を目指して頑張ってもらいたい」

――先を見据えたときに、澤に頼らざるをえなかった部分もあるのか
「頼るということではなく、1つのチームの中に彼女というエキスが入ることでパワーアップするイメージ。キャプテンは宮間あやにやってもらうつもりだが、それを支えてくれるだろうし、様々な活動のなかで右往左往することもあるとは思うが、その中で彼女の力が重要になってくることは明らか。それは過去からも明らかだが、ピッチに立つときにはコンディションが良いことが大事。そして、今の彼女の状態は良い。これまでケガなどもあり状態が良くない時期もあったが、この大会に照準を合わせてくれたのかなと感じるほど。良いタイミングでここまで仕上げてくれたことを、INAC神戸にも感謝したい」

――集合してからどのような調整をして、どこに力点を置きたいか
「17名が2大会(ドイツW杯とロンドン五輪)を経験しているため、ある程度のベースはできている。その中で新たな選手を加え、チームとしての戦い方を整理するのは以前よりも時間はかからないと思う。ただ、このメンバーで長くやってきたことはないが、チームを大会に向けてピークに持っていくのは問題ない。キャンプの前にイメージを持ちながら集合してほしいので、各選手へのアプローチは行うつもり。1分1秒を大切にしながら大会に向けて準備をしたい」

――主力が変わっていないことをどう考えているか
「理想としては、もう少し新たな選手、若手が入れば良いと思っていた。もちろん、この2年間の準備の中でチャンスは与えてきたつもり。ただ、最後は経験ある選手が安定感を見せ、連覇ということを考えると彼女たちの力が重要であり、結果として今回のメンバー構成になったという現実はある。未来に向けた状況に関しては、次のU-19のメンバーに魅力的な力を持ち合わせた選手はいる。しかし、このチームに溶けませるには時間がかかると考えたので敢えて選考しなかった」

――各国の力が上がっているなか、今のメンバーでそれをどのように打ち破っていくのか
「経験のある選手がいるので、融合やベースの意識合わせに時間はかからないと思う。対相手という部分では、順応性、闘う姿勢も持ち合わせている。女性と女性が闘うリーグ戦以上の局面の厳しい状況は準備する。大会に向けてはハードワークが必要となるので、そこに臆することなく自分たちのサッカーができる、かつ闘いの意識。厳しい戦いになるのは間違いないが、その中で力を発揮できる選手たちだと思う」

――このメンバーでどんなサッカーを目指したいか
「攻守にアクションする全員攻撃・全員守備の連動というのがベースになる。ゴールを意識した個々のプレーの質、相手も組織的なサッカーをするようになり、簡単に展開することはできなくなってきた。そういった意味では、シンプルなサッカーができて、ポゼッションもでき、そこの判断に伴った質、そして球際がコンパクトになり大柄な選手から深いチャージがくることへの対応が大事」

「逆に、我々はチャージが浅く、それではボールを奪えない。そういったことを男子の監督も言っていたが、それは女子にも言える。一人ひとりの質、ハードワークを意識したいが、彼女たちの力を考えればチャンスはあると思う」

「初戦のスイスは非常に良いチーム。このスイスとの戦いが、その後の指標になることは間違いない。それは集合する前に選手たちにも伝えるつもりなので、心して集まってもらいたい」

――この4年で女子サッカーの流れが変化してきたなかでの大会の展望は
「我々は2011年にチャンピオンになったが、その後は、(ロンドン五輪での)銀メダルで優勝できなかった。それからアルガルベも非常に不本意な成績だった。どの国もレベルが上がり、個の質が上がり、その中でワールドカップを連覇はすることは簡単ではない」

「ただ、思い起こせば2011年も簡単ではなかった。選手と共に、日本の皆さんの元気をもう一度もらって、我々のサッカーをできるように精一杯頑張るしかないと思う。細かいこともあるが、集まった選手たちがどれだけ高い意識を持てるのか。2011年には大きなパワーをもらった。彼女たちはそれを絶対に忘れないし、そういった思いの中で日本の代表として頑張っていきたい」

――本大会に向けたコンディション調整について
「日本のキャンプではしっかりと上げていきたい。(親善試合の初戦で対戦する)ニュージーランドは非常に良いチームで、スイスにも似ている。その次のイタリアは個の力があり、第2戦(カメルーン)、第3戦(エクアドル)のイメージをもって臨める相手だと思う」

「この2試合を踏まえてコンディションを上げ、カナダでは人口芝に慣れて少し身体を落ち着かせ、そこから試合前に少し上げていく。一番気を使うのは第一戦のスイス戦。そこに照準を合わせて上げていきたい」

――大会中にパフォーマンスを上げてくる選手が重要だと思うが、国内合宿で若手に求めたいことは
「2つの大会(ドイツW杯とロンドン五輪)を経験していないのは6名。この6名がパワーアップすることでチームは活気づくと思うので、実戦の中で試していきたい。菅澤選手もリーグで好調を維持している。代表で良い経験をし、自信を深めた部分もあるだろう」

「サブの選手が出てきて活躍するという循環ができれば良い。本大会のレギュラークラスよりも、高い意識をもってサブの選手が準備をしているのが我々。サブでも先発でも全員が一枚岩になれるようなチームにしていきたい。“君が代”ではないが、さざれ石を強固な岩にしたチームがなでしこジャパンなので、しっかりと準備をしていきたい」

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overflow:hidden; padding:8px 0 7px; text-align:center; text-overflow:ellipsis; white-space:nowrap;"><a href="https://www.instagram.com/p/Cmr-DTzqt7D/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" style=" color:#c9c8cd; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; font-style:normal; font-weight:normal; line-height:17px; text-decoration:none;" target="_blank">オナイウ阿道 2022.12.29 20:35 Thu
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「まさに死闘ってカンジ」歴史に残るバーレーンとの4-3の激闘!2004年大会プレイバックに反響「このゴールで中澤佑二に惚れた」

31日、日本代表はアジアカップ2023のラウンド16でバーレーン代表と対戦する。 過去の対戦成績は日本の8勝2敗となっているが、アジアカップの舞台で最後に対戦したのは2004年の中国大会での準決勝。記憶に残る激闘だった。 MF小野伸二、FW高原直泰ら当時の主力選手が欠場していた当時の日本は、開催国の中国サポーターにブーイングを浴びせられながらも決勝トーナメントに進出すると、準々決勝ではPK戦途中でのサイド変更とGK川口能活の神がかり的なセーブが印象深いヨルダン代表戦に勝利し、準決勝でバーレーンと対戦した。 しかし、バーレーン戦では開始6分に先制ゴールを許すと、40分にはMF遠藤保仁が不可解な判定で一発退場。日本はビハインドの状況で数的不利を負ってしまった。 数的不利の状況でもMF中田浩二とFW玉田圭司のゴールで逆転した日本だったが、その後2失点。2-3と1点ビハインドで試合終盤を迎えた。 それでも日本は最後まで諦めず。DFも攻めあがって同点ゴールを狙うと、90分にDF中澤佑二が値千金の同点ゴール。不屈の精神で同点に追いつくと、延長前半には玉田の独走ゴールが決まり、4-3で激闘を制していた。 なんとか決勝に進出した日本は、決勝で中国代表を撃破。見事に大会連覇を成し遂げていた。 久しぶりの対戦を前に『DAZN』は当時の試合映像をプレイバック。SNS上のファンも「このゴールで中澤佑二に惚れた」、「バーレーン戦といえばこの試合よな」、「痺れたね、玉田」、「まさに「死闘」ってカンジだった!」、「2004の大会は激熱だった」と当時を思い返している。 ベスト8を懸けた一戦は、31日の20時30分にキックオフ。『DAZN』で視聴が可能だ。 <span class="paragraph-title">【動画】当時の記憶が蘇る!2004年大会でのバーレーンとの激闘ハイライト</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr">/<br>「バーレーンvs日本」<br>過去対戦をプレイバック<br>\<br><br>アジアカップ2004年大会で起きた<br>奇跡の大逆転劇<br><br><a href="https://twitter.com/hashtag/AFC%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#AFCアジアカップ</a> ラウンド16<br>バーレーン×日本<br>1/31(水)20:30(19:45配信開始)<br><a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> 独占配信<br>出演:水沼貴史/小野伸二/佐藤寿人/下田恒幸/桑原学 <a href="https://t.co/x7Sals8iKu">pic.twitter.com/x7Sals8iKu</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1752609401201189348?ref_src=twsrc%5Etfw">January 31, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.01.31 18:45 Wed
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21世紀の出場試合数ランキング発表! 首位は1145試合のC・ロナウド、トップ10に日本人選手がランクイン

IFFHS(国際サッカー歴史統計連盟)が、21世紀で最もプレーした選手のランキングを発表。トップ10には日本人選手もランクインした。 様々な統計を行うIFFHS。2022年までのデータを集計し、21世紀に入ってからのプレーした試合数をもとにランキングを作成した。 対象となるのは、各国のリーグ戦やカップ戦、国際カップ戦、代表チームの試合も含まれ、全ての公式戦が対象になっている。 今回の統計では1000試合以上プレーした選手が3人に増加。首位は昨年と変わらず、サウジアラビアへ活躍の場を移したポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)となり、1145試合を記録した。 2022年に1000試合を突破したのは、ブラジル代表DFダニエウ・アウベス(UNAMプーマス)とアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(パリ・サンジェルマン)。アウベスは1033試合、メッシは1003試合となった。メッシはカタール・ワールドカップ(W杯)での試合で1000試合を超えたことになる。 そんな中、8位には日本人がランクイン。941試合に出場したMF遠藤保仁(ジュビロ磐田)だ。遠藤はガンバ大阪と磐田、そして日本代表での試合が21世紀に含まれている。なお、アジア人でも唯一となり、900試合以上を達成しているのも12名となっている。 ◆21世紀の出場試合数ランキング 合計(国内リーグ/国内カップ/国際カップ/代表) 1位:クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル) 1145試合(651/93/205/196) 2位:ダニエウ・アウベス(ブラジル) 1033試合(620/115/172/126) 3位:リオネル・メッシ(アルゼンチン) 1003試合(559/102/170/172) 4位:イケル・カシージャス(スペイン) 974試合(585/57/171/161) 5位:ジョアン・モウティーニョ(ポルトガル) 958試合(563/107/142/146) 6位:ズラタン・イブラヒモビッチ(スウェーデン) 948試合(603/72/152/121) 7位:ルカ・モドリッチ(クロアチア) 947試合(569/69/146/162) 8位:遠藤保仁(日本) 941試合(606/117/66/152) 9位:チャビ・エルナンデス(スペイン) 937試合(536/95/174/132) 10位:セルヒオ・ラモス(スペイン) 935試合(534/70/151/180) 11位:アンドレス・イニエスタ(スペイン) 933試合(552/98/152/131) 12位:ロジェリオ・セニ(ブラジル) 904試合(675/71/149/9) 2023.01.12 12:45 Thu
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ラグビーから感じる清涼感。サッカーに“ノーサイドの精神”はないのか?/編集部コラム

2019年10月20日。日本代表にとって、大事な南アフリカ代表との一戦が行われる。 といっても、サッカーの試合ではなくラグビーの試合。日本で開催されており、多くの日本国民が注目するラグビー・ワールドカップの一戦だ。 2002年、日本ではサッカーのワールドカップが韓国と共催で行われたが、この時も大きなサッカーブームが訪れた。その結果が、今日までのサッカーの発展を支えたと言っても過言ではない。 一方で、今回のラグビー・ワールドカップの盛り上がりは、当時を凌ぐ熱量を感じる。 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20191020_0_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> ラグビーとサッカー。細かく説明すると長くなるので割愛するが、起源は1823年にイギリスのラグビー校でフットボールの試合中にボールを手で掴んで相手ゴールに走ったこととされている。(この逸話の証拠は不十分) つまり、ラグビーとサッカーは、元は同じ競技であり、そこから派生したもの。そんな中、必ずクローズアップされるのが、ラグビーにおける“ノーサイドの精神”だ。ラグビーを語る上では欠かせないこの“ノーサイドの精神”。サッカーの側面から、クローズアップされる理由を紐解いてみる。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">◆サッカーに“ノーサイドの精神”はないのか?</div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20191020_0_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> “ノーサイドの精神”というが、これには色々な要素がある。たとえば、ラグビーには観客席を区別することがない。サッカーはホームとアウェイでゴール裏やスタンドでも席を分断するが、ラグビーファンは分断されず全てが入り混じっている。隣の席が相手チームのファンだった。なんていう話も聞いている。ただ、そこで争いが起こることはない。 また、近年までは試合後に選手が使用するシャワールームも同一だったことも1つ。その他にも、イギリスなどでは「アフターマッチ・ファンクション」として、試合後に両軍が一緒に食事や酒を飲み交わす文化がある。 今回のワールドカップでも多くの方が目にした光景だと、試合終了後に敗者が勝者を迎える「花道」を作る文化などもあり、それが“ノーサイドの精神”としてクローズアップされた。日本はスコットランド戦で、先に花道を作り、これも賞賛されていた。 確かに、ここまで挙げたものはサッカーでは見ることがないものだ。しかし、“ノーサイドの精神”がないのかと問われれば、その精神はある。わかりやすい例では、試合後のユニフォーム交換が挙げられるだろう。対戦相手をリスペクトし、讃える行為の1つだ。 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20191020_0_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> また、日本の場合は試合後に整列し、互いに握手をして試合を終えるというものも挙げられる。ヨーロッパのサッカーでは、試合終了後に整列することはなく、選手が個々でやるかどうかだ。この点は、Jリーグが誇るべき“ノーサイドの精神”と言っても良いかもしれない。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">◆ラグビーから感じられる試合後の清涼感</div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20191020_0_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> どんなスポーツにおいても、その意識の強さに差があれど、相手へのリスペクトは存在する。しかし、ラグビーはその比ではない。その結果、試合を見届けた後には清涼感を感じられる。これは、勝利を収めたからというだけではないだろう。1つは“ノーサイドの精神”だ。 サッカーとの比較で言えば、1つはフィジカルコンタクトの量だろう。サッカーにもフィジカルコンタクトは存在するが、ラグビーにおいては、主体がフィジカルコンタクトだ。ボールを持っている相手にタックルを行い、スクラムやモールは屈強な選手たちが体をぶつけて押し合うものだ。 サッカーとのフィジカルコンタクトの差は歴然であるが、この競技にリスペクトの精神がなければ、それはただの喧嘩になってしまう。常にケガと隣り合わせであり、死に直面する可能性も少なくない。だからこそ、全ての選手が相手をリスペクトする必要がある。 また、フィジカルコンタクトが多いだけに、ルールも厳密だ。相手を倒しに行かないタックルは反則となりイエローカードが提示される。また、タックルをされた選手はボールを離さなければいけない。また、ボールを奪いに行く選手は立ってプレーをしなければならない。肩から上へのタックルも禁じられている。 その他にも細かいルールはあるが、選手の意図は関係なく、故意かどうかに関係なく反則は取られる。審判のジャッジが不明瞭なことも少なく、危険なスポーツだからこそ、反則が起きない、危険なプレーが起きないように審判がコントロールしている。常に公正さをベースにルールが決められていることは、サッカーとは大きく違うだろう。 ここ数年は選手というよりも、審判のジャッジへの不満が募っているのを感じる。選手にしても、スタッフにしても、観客にしてもだ。しかし、それは審判の能力の差だけでなく、ルールが曖昧であること。主審の判断に委ねられる部分が多いが、ラグビーはその点が細かくルールになっていると感じる。 TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)が採用されているが、サッカーで言うところのVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)だ。これはトライ以外にも反則行為に対しても適用されており、スピーディーな判断が求められる一方で、誤審は減っている。JリーグもJ1では来シーズンからVARの導入が決定しているが、1つ1つのプレーがはっきりしている事は、試合中に不満を溜めないと言う点で清涼感につながっていると言えるだろう。 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20191020_0_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> また、清涼感の1つといえば、“トライ”の影響も大きいだろう。1つのボールをチーム全員で繋ぎ、トライを目指す。味方が相手に止められれば、そのサポートに入り、再びパスを繋ぐ。ピッチに立つ15人が1つのボールを繋ぎ続けた結果が、1つの“トライ”に繋がるのだ。 サッカーにおいても、ラグビーのように華麗なパス交換からのゴールは生まれる。しかし、ラグビーほど、チーム一丸となって攻撃をする姿はない。1つのボールを全員で運び、“トライ”を奪う。“トライ”を決めたもの以上に、チーム全員で作り上げた過程が大事にされる。そこに、清涼感につながる美学があるとも考えられる。 <div style="padding: 0.25em 0.5em;font-weight:800;font-size:1.2em;color: #494949;background: #dbeeff;border-left: solid 5px #7db4e6;">◆ラグビーから学ぶべきもの</div> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20191020_0_tw8.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 競技人口や人気、環境面などを含めても、日本ではまだまだサッカーが上回っているのが現状だろう。しかし、今回のラグビー・ワールドカップからも感じるように、サッカー界もラグビーから学ぶことは多い。 ルールの違い、競技性の違いなど多くの差はあるが、やはり“ノーサイドの精神”は最も学ぶべきポイントだと思う。それは、プレーヤーだけでなく観る者も同じ。今回は日本代表というナショナリズムに寄与するものでもあるが、相手チームを悪くいう声は少ない。 あれだけのフィジカルコンタクトがあっても、乱闘が起きることは少ない。カナダ代表、ナミビア代表は台風で中止になった後にボランティア活動を行ったほどだ。台風19号での中止の可能性について批判したスコットランド代表は厳しく批判されていたが、試合が終われば“ノーサイド”。好ゲームを演じたライバルを非難する声は少なく、長引くこともなかった。 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20191020_0_tw9.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 日本サッカーは、プロ化されて四半世紀。フェアプレー精神を大事にしてきても、観る者がフェアプレー精神を持たない出来事が近年は目立っている。本当の意味で、相手をリスペクトし、自分たちが応援するものをリスペクトできているのかどうかは、サッカー界にとっては非常に重要なファクターとなるだろう。そこは、ラグビーファンを見習う必要がある。 熱戦が続いているラグビー・ワールドカップもあと少しで閉幕を迎える。奇しくも、最も“ノーサイドの精神”を見せたのは、FC東京であり、横浜F・マリノスであり、大分トリニータかもしれない。シーズン中でありながら、本拠地をラグビー・ワールドカップに貸し出したことは、大きな“ノーサイドの精神”があってこそだろう。 ラグビー・ワールドカップを戦う日本代表には、多くの興奮と感動を与えられた。そんなラグビーに熱を上げながらも、今回のラグビー・ワールドカップを通じて、“ノーサイドの精神”、“リスペクト”というものについて、スポーツを観る者として改めて考えさせられる良い機会になった。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 <div style="position: relative;text-align:center;padding-bottom: 56.25%;height: 0; overflow: hidden;" id="cws_ad"><iframe style="position: absolute;top:0; left:0; width:100%;height:100%;" src="https://www.youtube.com/embed/9M-2PAkCtS0" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe></div> 2019.10.20 20:00 Sun

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