C・ロナウド不発もセルビア撃破のポルトガルが首位浮上《ユーロ2016予選》

▽ユーロ2016予選グループI第5節のポルトガル代表vsセルビア代表が、29日にエスタディオ・ダ・ルスで開催され、ポルトガル代表が2-1で勝利した。▽初戦でアルバニア代表に敗れる波乱のスタートとなったポルトガルだが、その後デンマーク代表とアルメニア代表に連勝しグループ第4節終了時点でデンマークに次ぐ2位に付ける。今節ではアドフォカート前監督解任でクルチッチ氏を新指揮官に迎えたセルビアをホームに迎えた。注目のメンバーでは、筋肉系の問題で代表を離脱したペペ以外はエースのC・ロナウドやナニ、モウチーニョといった主力が順当に起用された。▽“光のスタジアム”に集まったホームサポーターの大歓声を背にポルトガルが序盤から攻勢を見せる。開始4分にダニーがファーストシュートを放ったホームチームは、11分にセットプレーから早々にゴールをこじ開ける。右CKの場面でショートコーナーを選択したポルトガルは、右サイドでボールを受けたコエントランが左足でインスウィングのクロスを入れると、これをゴール前でフリーのリカルド・カルバリョが頭で合わせた。
▽幸先良く先制に成功したポルトガルだったが、この直後に先制点を奪ったリカルド・カルバリョが足を痛めてフォンテと交代するアクシデントが発生。それでも、試合の主導権は渡さない。この試合、ダニーとC・ロナウドを最前線に並べた[4-4-2]を採用したポルトガルは、頻繁に中盤に下りてくるC・ロナウドを起点に攻撃を展開。29分にはカウンターからボックス手前に持ち込んだC・ロナウドが強烈な無回転ミドルシュートで2点目に迫るが、ここは相手GKのファインセーブに遭った。

▽一方、前半のうちに追いつきたいセルビアは左サイドのコラロフとタディッチに、トップ下のリャイッチが絡む形で何度かチャンスを演出。28分にはボックス左でタディッチが惜しいシュートを放つが、ボールはわずかに枠の右に逸れて行った。その後、相手の組織的な守備を前に攻めあぐねたセルビアは、1点ビハインドのまま前半を終えた。▽後半に入ってより攻撃にリスクをかけ始めたセルビアは、53分に左サイドを突破したタディッチが上げたクロスをゴール前に走り込んだミトロビッチが頭で合わせるが、これを枠に飛ばすことができない。それでも61分、左CKの場面でコラロフの入れたクロスボールをボックス中央のペトロビッチがフリックする。ボックス右でこの浮き球のボールに反応したマティッチが圧巻のバイシクルシュートをゴール左隅に突き刺した。

▽ゲームをコントロールしながら追いつかれてしまったポルトガルは、失点直後に突き放す。63分、C・ロナウドの縦パスに抜け出したモウチーニョがボックス手前右からGKとバックラインの間に絶妙なグラウンダーのクロスを通すと、これをファーサイドに走り込んだコエントランがワンタッチで流し込んだ。

▽再びポルトガルの1点リードとなった後半半ばから終盤にかけては、互いに足が止まってきたことで、こう着状態に陥る。両チームのベンチはフレッシュな選手をピッチに送り出し局面の打開を図るも、試合はこれ以上の動きがないままタイムアップ。コエントランの1ゴール1アシストの活躍でセルビアを破ったポルトガルが、グループリーグ3連勝を達成。この結果、デンマークをかわしたポルトガルがグループI首位に浮上した。

▽また、同日行われたグループI第5節のアルバニア代表vsアルメニア代表は、ホームのアルバニア代表が2-1で勝利。勝ち点を「7」に伸ばした3位のアルバニアは2位のデンマークと勝ち点で並んだ。