【リーグ・アン前半戦総括&ベスト11】~ビエルサ旋風吹き荒れる~
2014.12.24 06:30 Wed
▽巨大戦力を擁すパリ・サンジェルマン(PSG)のリーグ3連覇が濃厚と思われた2014-15シーズンのリーグ・アンだったが、蓋を開けて見れば、その優勝候補筆頭のPSGが3位で前半戦を終えるという意外な結果となった。
▽PSGを抑えて首位の座に立ったのは、今夏に鬼才・ビエルサ監督を招へいしたマルセイユ(勝ち点41)。ビエルサ仕込みのショートパスとハイプレスを軸とした超攻撃的サッカーを披露したチームは、開幕3試合目で初勝利を挙げると、ここから破竹の8連勝を記録。その後、リヨンやPSG、モナコと昨季の上位陣との直接対決こそ落としたものの、格下相手に着実に勝利を重ねて前半戦を首位で終えた。
▽そのマルセイユを勝ち点2差で追うのが2位のリヨン(勝ち点39)。ここ数年、緊縮財政を強いられているリヨンだが、フランス屈指の育成機関を持つクラブの強みが発揮されている。得点王争いを独走するFWラカゼットを筆頭に多くの育成組織出身の若手がスタメンに名を連ねて印象的なパフォーマンスを披露。また、リーグ最多の40ゴールを記録するなど、今夏にスタッド・ランスから引き抜いたフルニエ監督の攻撃的なスタイルが、うまくハマッている。
▽一方、2連覇中の王者PSG(勝ち点38)は、ブラジル・ワールドカップに出場した主力のコンディション不良やエースFWイブラヒモビッチの離脱の影響もあって、序盤から低調なパフォーマンスに終始。第18節のギャンガン戦で敗れるまで無敗を継続していたが、引き分けの数がリーグ最多の8試合と勝ち切れない試合が目立った。
▽中位から下位に関しては、概ね順当な結果となっている。今夏にMFハメス・ロドリゲスとFWファルカオを放出したモナコやリールが、予想通り苦戦を強いられたほか、残留争いではカーンやRCランス、メスといった昇格組と、残留争いの常連であるエビアンやバスティアが主役となっている。また、開幕前に注目を集めた“レ・ブルー(フランス代表の愛称)”のレジェンド、サニョルとマケレレのクラブチームでの監督初挑戦は、前者が率いるボルドーが6位と健闘した一方、後者の率いたバスティアは序盤から苦戦を強いられ、マケレレ自身も11月初旬に解任されている。
【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆MFアレクサンドル・ラカゼット(リヨン)
◆マルセロ・ビエルサ(マルセイユ)
▽アルゼンチン代表やチリ代表、ビルバオで魅力的なチームを作り上げてきた世界屈指の戦術家は、フランスの地でも恐ろしいチームを作り上げている。昨シーズン、不振を極めたマルセイユに徹底したハイプレスとショートパスを軸とした超攻撃スタイルを植え付けた“エル・ロコ(変人の意、ビエルサの愛称)”は、パリ・サンジェルマン圧倒的優位と思われたリーグ戦でまさかの首位ターンに導いた。さらに、選手育成にも長けたアルゼンチン人指揮官は、FWジニャックやMFペイエ、DFモレルといった主力を見事に再生させたほか、MFインビュラやFWトヴァンら若手の潜在能力を引き出している。また、以前は自身のスタイルに固執し過ぎるきらいがあったものの、マルセイユではゾーンマークの採用や、[3-3-3-1]と[4-2-3-1]の布陣を併用するなど、柔軟な采配を見せている。
【期待以上】
★チーム
◆ボルドー
▽クラブチームでの監督初挑戦となったサニョル新監督率いるボルドーが上々の前半戦を送った。今夏の移籍市場で目立った補強がなかったため、新指揮官の采配含めて多くの不安を残した中での船出となったが、ここまではその不安が杞憂に終わっている。チーム得点王(8ゴール)のFWディアバテやMFセルティクなど既存戦力と、サニョル監督に見いだされたFWディエゴ・ロランやFWトーマス・トゥーレら若手が攻守両面で好パフォーマンスを見せている。前半戦終了時点での順位は6位だが、同地名産のワインのようにチームの熟成が進んだシーズン終盤にはヨーロッパ出場権争いに間違いなく絡んでいるはずだ。
★選手
◆FWアンドレ=ピエール・ジニャック(マルセイユ)
【期待外れ】
★チーム
◆モナコ
▽昨シーズンは昇格組ながらパリ・サンジェルマンのお株を奪う超大型補強を敢行し、いきなり2位に食い込んだモナコだったが、今季はここまで5位と低迷が続く。ファイナンシャルフェアプレーの問題で今夏の補強を見送らざるを得なかったクラブは、MFハメス・ロドリゲスとFWファルカオの2大エースの放出の影響が色濃く、深刻な得点力不足に苦しんだ。加えて、ジャルディム新監督の戦術の浸透が遅れたことで、序盤戦は攻守にどっちつかずの低調なパフォーマンスが続いた。それでも、シーズン半ばからMFトゥラランやGKスバシッチら守備陣と、FWベルバトフとMFオカンポスらの攻撃陣がうまく噛み合い出したことで、チーム状況は少しずつ好転してきている。
★選手
◆FWディボック・オリギ(リール)
【前半戦ベストイレブン】
GK:アンソニー・ロペス
DF:イウトン、トゥララン、ヌクル
MF:ヴァス、インビュラ、ペイエ、エンテプ
FW:ルーカス・モウラ、ジニャック、ラカゼット
【後半戦展望】
★名門の意地か、PSGの巻き返しか
▽後半戦の注目点は、言わずもがなフランス屈指の名門であるマルセイユとリヨンの2クラブと、“フランスの巨人”PSGによる三つ巴の優勝争いだ。ヨーロッパのカップ戦に出場していないマルセイユとリヨンは日程面で大きなアドバンテージを得ている。だが、いずれもクラブの財政が困窮しているだけに、今冬の移籍市場で主力を引き抜かれる危険性もある。それだけに、シーズン終盤まで白熱の優勝争いが繰り広げられることになるだろう。
▽残留争いに関しては前半戦総括で言及した5チームがメインキャストとなるはずだが、最下位のカーン(勝ち点15)と11位ニース(勝ち点22)までの勝ち点差が「7」とあまり開いていないため、中位にいるチームも油断はできない。
▽PSGを抑えて首位の座に立ったのは、今夏に鬼才・ビエルサ監督を招へいしたマルセイユ(勝ち点41)。ビエルサ仕込みのショートパスとハイプレスを軸とした超攻撃的サッカーを披露したチームは、開幕3試合目で初勝利を挙げると、ここから破竹の8連勝を記録。その後、リヨンやPSG、モナコと昨季の上位陣との直接対決こそ落としたものの、格下相手に着実に勝利を重ねて前半戦を首位で終えた。
▽そのマルセイユを勝ち点2差で追うのが2位のリヨン(勝ち点39)。ここ数年、緊縮財政を強いられているリヨンだが、フランス屈指の育成機関を持つクラブの強みが発揮されている。得点王争いを独走するFWラカゼットを筆頭に多くの育成組織出身の若手がスタメンに名を連ねて印象的なパフォーマンスを披露。また、リーグ最多の40ゴールを記録するなど、今夏にスタッド・ランスから引き抜いたフルニエ監督の攻撃的なスタイルが、うまくハマッている。
▽中位から下位に関しては、概ね順当な結果となっている。今夏にMFハメス・ロドリゲスとFWファルカオを放出したモナコやリールが、予想通り苦戦を強いられたほか、残留争いではカーンやRCランス、メスといった昇格組と、残留争いの常連であるエビアンやバスティアが主役となっている。また、開幕前に注目を集めた“レ・ブルー(フランス代表の愛称)”のレジェンド、サニョルとマケレレのクラブチームでの監督初挑戦は、前者が率いるボルドーが6位と健闘した一方、後者の率いたバスティアは序盤から苦戦を強いられ、マケレレ自身も11月初旬に解任されている。
【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆MFアレクサンドル・ラカゼット(リヨン)

Getty Images
▽昨シーズン、キャリアハイとなる15得点を記録した23歳の若武者は、その大きな自信を胸に新シーズンに臨むと、前半戦だけで昨シーズンのゴール数を上回る17得点を記録し、得点ランキングトップを快走している。バルセロナに次いでヨーロッパで最も多くのプロ選手を輩出するリヨンが生んだ近年の最高傑作は、卓越したシュートセンスとウイング仕込みの突破力を武器に若手中心の攻撃陣をけん引。また、ここまでチームトップタイの4アシストを記録するなど、チャンスメーカーとしての能力も高い。このままの勢いが続けば、先日現役引退を発表した元フランス代表FWアンリの後継者となる日もそう遠くない。★最優秀監督
◆マルセロ・ビエルサ(マルセイユ)
▽アルゼンチン代表やチリ代表、ビルバオで魅力的なチームを作り上げてきた世界屈指の戦術家は、フランスの地でも恐ろしいチームを作り上げている。昨シーズン、不振を極めたマルセイユに徹底したハイプレスとショートパスを軸とした超攻撃スタイルを植え付けた“エル・ロコ(変人の意、ビエルサの愛称)”は、パリ・サンジェルマン圧倒的優位と思われたリーグ戦でまさかの首位ターンに導いた。さらに、選手育成にも長けたアルゼンチン人指揮官は、FWジニャックやMFペイエ、DFモレルといった主力を見事に再生させたほか、MFインビュラやFWトヴァンら若手の潜在能力を引き出している。また、以前は自身のスタイルに固執し過ぎるきらいがあったものの、マルセイユではゾーンマークの採用や、[3-3-3-1]と[4-2-3-1]の布陣を併用するなど、柔軟な采配を見せている。
【期待以上】
★チーム
◆ボルドー
▽クラブチームでの監督初挑戦となったサニョル新監督率いるボルドーが上々の前半戦を送った。今夏の移籍市場で目立った補強がなかったため、新指揮官の采配含めて多くの不安を残した中での船出となったが、ここまではその不安が杞憂に終わっている。チーム得点王(8ゴール)のFWディアバテやMFセルティクなど既存戦力と、サニョル監督に見いだされたFWディエゴ・ロランやFWトーマス・トゥーレら若手が攻守両面で好パフォーマンスを見せている。前半戦終了時点での順位は6位だが、同地名産のワインのようにチームの熟成が進んだシーズン終盤にはヨーロッパ出場権争いに間違いなく絡んでいるはずだ。
★選手
◆FWアンドレ=ピエール・ジニャック(マルセイユ)

Getty Images
▽良い意味で前半戦最も予想を裏切った選手だ。典型的なストライカーというプレースタイルに加え、近年は完全にオーバーウエイトだったジニャックは、攻守でハードワークを求められるビエルサのサッカーに順応できないと思われた。だが、プレシーズンから節制を続けたジニャックは、得点ランキング2位となる12ゴールを記録するなど、ビエルサ・マルセイユの絶対的エースとして君臨した。元々、得点感覚には定評があったが、ファーストディフェンダーとして献身的にボールを追う姿などは、間違いなくビエルサの指導の賜物だろう。【期待外れ】
★チーム
◆モナコ
▽昨シーズンは昇格組ながらパリ・サンジェルマンのお株を奪う超大型補強を敢行し、いきなり2位に食い込んだモナコだったが、今季はここまで5位と低迷が続く。ファイナンシャルフェアプレーの問題で今夏の補強を見送らざるを得なかったクラブは、MFハメス・ロドリゲスとFWファルカオの2大エースの放出の影響が色濃く、深刻な得点力不足に苦しんだ。加えて、ジャルディム新監督の戦術の浸透が遅れたことで、序盤戦は攻守にどっちつかずの低調なパフォーマンスが続いた。それでも、シーズン半ばからMFトゥラランやGKスバシッチら守備陣と、FWベルバトフとMFオカンポスらの攻撃陣がうまく噛み合い出したことで、チーム状況は少しずつ好転してきている。
★選手
◆FWディボック・オリギ(リール)

Getty Images
▽ベルギー代表として臨んだブラジル・ワールドカップで印象的な活躍を披露した19歳だったが、飛躍を期待された今シーズンは厳しい前半戦を過ごした。昨シーズンまでのエースFWカルーの移籍を受けて新エースに指名されたオリギだったが、相手の徹底マークに遭い、思うような仕事ができず。また、保有元のリバプールへの復帰騒動でモチベーションを著しく落とした影響もあって、前半戦ではわずか3ゴールしか決めることができなかった。【前半戦ベストイレブン】

DF:イウトン、トゥララン、ヌクル
MF:ヴァス、インビュラ、ペイエ、エンテプ
FW:ルーカス・モウラ、ジニャック、ラカゼット
【後半戦展望】
★名門の意地か、PSGの巻き返しか
▽後半戦の注目点は、言わずもがなフランス屈指の名門であるマルセイユとリヨンの2クラブと、“フランスの巨人”PSGによる三つ巴の優勝争いだ。ヨーロッパのカップ戦に出場していないマルセイユとリヨンは日程面で大きなアドバンテージを得ている。だが、いずれもクラブの財政が困窮しているだけに、今冬の移籍市場で主力を引き抜かれる危険性もある。それだけに、シーズン終盤まで白熱の優勝争いが繰り広げられることになるだろう。
▽残留争いに関しては前半戦総括で言及した5チームがメインキャストとなるはずだが、最下位のカーン(勝ち点15)と11位ニース(勝ち点22)までの勝ち点差が「7」とあまり開いていないため、中位にいるチームも油断はできない。
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