土壇場の失点でドローのローマ、GL突破に痛恨の取りこぼし《CL》

2014.11.26 04:04 Wed
▽CLグループE第5節のCSKAモスクワvsローマが25日にアレーナ・ヒムキで行われ、1-1の引き分けに終わった。
PR
▽前節、敵地でマンチェスター・シティを撃破し、グループ2位のローマと同勝ち点(4ポイント)の3位に浮上したCSKAモスクワ。現在、リーグ戦3連敗中と調子は下降気味ながら、極寒のホームという地の利を生かしてグループ2位通過を懸けた重要な一戦に臨んだ。▽一方、グループリーグ直近の2試合で優勝候補のバイエルンに完敗したローマだが、ライバルのシティがCSKAモスクワ相手に勝ち点を取りこぼしたことで、地力でのグループ2位通過の可能性を残す。直近のアタランタ戦からのメンバー変更は5点。サスペンションでアタランタ戦を欠場し、休養十分のトッティが先発に復帰。また、負傷者続出の最終ラインでは、本職が中盤のフロレンツィが右サイドバックでスクランブル起用された。
▽前回対戦時にCSKAモスクワサポーターが起こした暴動に対する処分で無観客のアレーナ・ヒムキでスタートした一戦。試合前の気温が氷点下7度という厳しいコンディションであったこともあって、比較的静かな立ち上がりとなった。

▽前回対戦と同様に地力に勝るローマがボールを保持して主導権を握るが、寒さの影響か、全体的に動きが硬くなかなかチャンスをつくれない。対して守勢に回ったCSKAモスクワは、良い形でボールを奪った際に人数をかけてカウンターを仕掛けるなど、まずまずの入りとなった。13分には相手GKデ・サンクティスのキックミスを奪い、ボックス内のドゥンビアにボールが渡るが、ここは相手DFの素早い寄せに阻まれた。
▽時間の経過と共に身体が温まってきた両者は、徐々にプレースピードを上げていく。その流れの中で、ジャゴエフやナインゴランがミドルシュートを放つが、いずれも枠を捉えることができない。39分にはナチョの絶妙なスルーパスに抜け出したドゥンビアがボックス右でGKと一対一を迎えるが、ここはGKデ・サンクティスの好セーブに阻まれた。

▽立ち上がりからこう着状態が続いた試合だったが、前半終了間際にローマの頼れるバンディエラが均衡を破る。43分、フロレンツィの果敢な仕掛けで得たボックス手前中央のFKでキッカーを務めたトッティが、豪快な右足のシュートを壁の間にねじ込んだ。自身のCL最年長ゴール記録を更新したトッティの一撃でアウェイのローマが1点リードで前半を終えた。

▽迎えた後半の立ち上がりはビハインドを追うCSKAモスクワがアグレッシブな入りを見せた。48分、ナチョのクサビをドゥンビアがフリックしたボールにジャゴエフが抜け出すも、ここはGKデ・サンクティスの果敢な飛び出しに阻まれる。その後もCSKAモスクワは、ナチョの正確なパスとバイタルエリアで起点となるドゥンビアを軸に攻め立てるが、最後の場面でローマの守備を崩し切れない。

▽一方、相手の圧力に晒されたローマは守勢に回る場面が目立つ。それでも、60分に追加点のチャンスが訪れる。ボックス手前でドリブル突破を仕掛けたナインゴランがイグナシェビッチをかわし、決定的なシュートを放つ。だが、このシュートはわずかに枠の左へ外れた。

▽攻勢に出ながらゴールが遠いCSKAモスクワは64分、セントラルハーフのカウニャをベンチに下げて左ウイングにG・ミラノフを投入。攻撃的MFのジャゴエフがセントラルハーフに入る攻撃的な布陣で同点ゴールを目指す。70分にはボックス右でナチョからパスを受けたムサが枠を捉えたシュートを放つが、これはGK正面を突いた。

▽後半半ばを過ぎても我慢の時間帯が続くローマは、局面を打開するため77分にイトゥルベ、83分にストロートマンを投入する。79分にはカウンターからイトゥルベのスルーパスに抜け出したリャイッチがGKと一対一を迎えるが、ボックス左で放ったシュートはGKアキンフェエフの懸命に伸ばした左足に阻まれ、追加点のチャンスを逃した。

▽試合終盤にかけては猛攻を仕掛けるCSKAモスクワと、必死に耐えるローマという構図の下、白熱の攻防が繰り広げられた。すると試合終了間際、CSKAモスクワに劇的な同点弾が生まれる。93分、左サイドからV・ベレズツキがGKと最終ラインの間に絶妙なクロスを入れると、飛び込んだドゥンビアはボールに触れなかったものの、ワンバウンドしたボールがゴール右隅に吸い込まれた。

▽この直後に試合はタイムアップを迎え、グループE2位通過を懸けた重要な一戦は1-1のドローで終了。土壇場の失点で勝ち点3を逃したローマにとっては痛恨の引き分けとなった。一方、最後まで諦めない姿勢が実ったCSKAモスクワは、逆転でのグループリーグ突破に向けてわずかな望みを残した。

PR

CSKAモスクワの関連記事

CSKAモスクワは26日、ボスニア・ヘルツェゴビナ代表MFミラレム・ピャニッチ(34)の加入を発表した。 契約期間は1年間で、1年間の延長オプションがついている。背番号は「15」に決定した。 ピャニッチはメスのユース出身で、メス、リヨン、ローマ、ユベントス、バルセロナ、ベシクタシュでプレー。2022年9月か 2024.09.26 22:30 Thu
セビージャは17日、CSKAモスクワのナイジェリア代表FWチデラ・エジュケ(26)を完全移籍で獲得したことを発表した。 フリートランスファーでの加入となり、2027年6月までの3年契約を結んだ。 エジュケは、ノルウェーのヴォレレンガでヨーロッパでのキャリアをスタート。その後ヘーレンフェーンへと移籍し、202 2024.06.17 22:40 Mon
元ロシア代表MFアラン・ジャゴエフ(33)が現役引退を決断した。 今年9月にギリシャのPASラミアへ加入したジャゴエフは新天地で2試合に出場。しかし、キャリアを通じて苦しんだ負傷により、21日に双方合意の下で契約を解除。さらに、このタイミングでの現役引退を発表した。 「プロフットボーラーとしてのキャリアに終 2023.11.22 06:45 Wed
スュペル・リグのチャイクル・リゼスポルは14日、CSKAモスクワから元アルゼンチン代表FWアドルフォ・ガイチ(24)の1年レンタルを発表した。 東京オリンピックのアルゼンチン代表でもプレーしたガイチ。サイズは190cmを誇り、アルゼンチンでは珍しく大柄のストライカーは2020年夏にサン・ロレンソからCSKAモスク 2023.09.15 11:10 Fri
ゼニトは17日、元ロシア代表DFマリオ・フェルナンデス(32)を完全移籍で獲得したことを発表した。契約期間は2024年6月30日までの1年となるが、1年の延長オプションが付帯している。 母国ブラジルのグレミオで台頭したフェルナンデスは、2012年にCSKAモスクワに完全移籍。以降はロシア屈指の名門で長らく右サイド 2023.07.17 19:51 Mon

UEFAチャンピオンズリーグの関連記事

CSKAモスクワの人気記事ランキング

1

美しいチップパス!CSKA時代の本田圭佑が決めた繊細な浮き球アシスト【ベスト・アシスト】

サッカーのプレーの中で最も目を惹くのはやはりゴールだろう。しかし、時には得点者だけではなく、そのゴールをお膳立てしたラストパスが脚光を浴びるべき場合もある。今回の企画『Best Assist』(最高のアシスト)では、これまでに生まれた素晴らしいアシストを紹介していく。 今回はボタフォゴのMF本田圭佑がCSKAモスクワ時代に記録したアシストだ。 <div id="cws_ad">◆本田が決めた美しいチップパス<br/><div style="margin:0 auto; max-width:100%; min-width:300px; " ><div style="position: relative; padding-bottom:56.25%; height: 0; overflow: hidden; "><iframe src="https://embed.dugout.com/v2/?p=eyJrZXkiOiI4TGg4SjRqQiIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0=" style="width: 300px; min-width: 100%; position: absolute; top:0; left: 0; height: 100%; overflow: hidden; " width="100%" frameborder="0" allowfullscreen scrolling="no"></iframe></div></div></div> 名古屋グランパスでプロキャリアをスタートさせた本田は2008年1月にVVVフェンロへ移籍し、海外挑戦。その後2010年1月にロシアの強豪CSKAモスクワに加入した。 4年を過ごしたCSKAでは公式戦127試合28ゴール29アシストを記録している本田だが、2012年9月22日に行われたロシア・プレミアリーグ第9節のヴォルガ・ニジニ・ノヴゴロド戦では、美しいアシストを記録している。 前半に2点のリードを許しながらも後半に追いつき、2-2として迎えた86分、相手陣内中央でボールを持った本田はドリブルでボールを前線に運ぶと、裏へ抜けだすFWアーメド・ムサに向けて絶妙のタイミングでチップパスを送る。浮き球のパスは美しい弧を描いてムサにピンポイントで入ると、ムサがこれをダイレクトでゴールに沈め、見事な逆転ゴールとなった。 終盤についに2点差をひっくり返し、逆転に成功したCSKAがそのまま3-2で勝利している。 2020.10.10 22:00 Sat
2

世界的な女子走高跳選手が王者マドリー撃破の立役者となった弟の活躍に歓喜

▽世界的な活躍を見せたクロアチア人女子走高跳選手のブランカ・ヴラシッチ(34)が王者レアル・マドリー撃破の立役者となった実弟の活躍に歓喜した。スペイン『マルカ』が伝えている。 ▽193cmの長身を武器に2008年北京五輪で銀メダル、2016年リオ五輪で銅メダルを獲得し、世界陸上でも2度の金メダルを獲得した実績を持つ世界的なハイジャンパーのブランカ・ヴラシッチ。 ▽元十種競技選手の父ヨシュコ、バスケットボールやクロスカントリースキー選手として活躍した母ヴェネラの元に生まれたスポーツエリート一家のブランカの14個下の弟にはクロアチア代表FWニコラ・ヴラシッチがいる。 ▽そのニコラは2日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)グループG第2節で3連覇中の絶対的王者相手の一戦にCSKAモスクワの一員として先発出場すると、開始2分に2試合連続となるゴールを記録。そして、同選手のゴールを最後まで守り切ったCSKAモスクワは王者相手に大金星を挙げた。 ▽この実弟の活躍にブランカは自身のSNSを通じて喜びを爆発させた。 「私の弟がレアル・マドリー相手に決勝点を決めたわ。姉として誇りに思うわ」 「弟はちょうど2日後(10月4日)が誕生日なの。自分自身に最高のプレゼントね。そのことをより誇りに思うわ」 ▽これまではブランカの弟という立ち位置のニコラだが、今回の活躍を足掛かりにいつの日かブランカがニコラの姉と認知されるようなプレーヤーに成長してほしいものだ。 2018.10.04 00:53 Thu
3

バーゼルがロシア代表FWチャロフをレンタル! 今冬流出の主砲カブラウの穴埋め

バーゼルは1日、CSKAモスクワからロシア代表FWフェドル・チャロフ(23)を今シーズン終了までのレンタル移籍で獲得したことを発表した。 チャロフは、CSKAモスクワの下部組織出身で、2017年1月にトップチーム昇格。高い身体能力と得点感覚を武器に、ここまで公式戦179試合に出場し、49ゴール33アシストを記録している。 2018-19シーズンにはロシア・プレミアリーグで30試合15ゴール7アシストの数字を残し、自身初の得点王のタイトルを獲得。この活躍を受け、過去にはアーセナルやモナコ、セビージャといったクラブの関心を集めていた。 ただ、直近2シーズンはリーグ戦での2桁ゴールを逃すなど、やや成長速度が鈍化。今シーズンここまではリーグ戦16試合3ゴール2アシストの数字に留まっていた。 なお、バーゼルでは今冬の移籍市場でブラジル代表FWアルトゥール・カブラウがフィオレンティーナに引き抜かれており、スイスの地で再覚醒を目指すチャロフがその後釜を担うことになる。 2022.02.02 23:10 Wed
4

元ロシア代表MFジャゴエフが33歳で現役引退…今季ギリシャで国外初移籍も度重なる負傷で決断

元ロシア代表MFアラン・ジャゴエフ(33)が現役引退を決断した。 今年9月にギリシャのPASラミアへ加入したジャゴエフは新天地で2試合に出場。しかし、キャリアを通じて苦しんだ負傷により、21日に双方合意の下で契約を解除。さらに、このタイミングでの現役引退を発表した。 「プロフットボーラーとしてのキャリアに終止符を打つことにした。残念なことに、ラミアではわずか2試合に出場しただけで、その後ハムストリングの負傷で2週間離脱した。そこから回復したものの、グループトレーニングに入る直前に左ふくらはぎの肉離れを起こした。過去5年間、何度もケガに苦しんできた。だから、突然この決断を下したんだ。それで、もう十分だと決心した。精神的にも肉体的にも大変だった」 「僕はすぐに監督とラミアの経営陣の双方にこのことを伝えた。彼らは『もう一度頑張ろう』と言ってくれた。その言葉にとても感謝しているけど、すべては自分で決めた」 「人生はここで終わらない、フットボールもここで終わらない。僕はそのような方向に考えを持っているんだ」 10代の頃からロシア国内で将来を嘱望される逸材として注目を集めたジャゴエフは、2007年にクリリヤ・ソヴェトフからCSKAモスクワに加入。国内屈指の名門では公式戦395試合に出場して77ゴール93アシストと活躍。3度の国内リーグ優勝、4度の国内カップ優勝などに貢献した。 その後、2022年夏にルビン・カザンに完全移籍し、今シーズン途中からラミアで国外リーグに初挑戦していた。 また、2008年にデビューを飾ったロシア代表では通算59試合に出場。2度のワールドカップとユーロ2012に出場。卓越した戦術眼とテクニックを武器に一時は背番号10を着用し、新皇帝といった愛称も持っていた。 2023.11.22 06:45 Wed

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly