ミゲル監督「勢いをつける試合になった」

▽24日に行われたフットサルの国際親善試合、日本代表vsブラジル代表は3-3の引き分けに終わった。フットサルW杯の開幕を11月1日に控える日本代表は、W杯の王者であり、11月1日のグループリーグ初戦で顔を合わせるブラジル代表を相手に善戦。世界王者であるブラジル代表との前哨戦は、両者譲らずのドロー決着となった。試合後記者会見に出席した日本代表のミゲル・ロドリゴ監督のコメントは次の通り。

◆ミゲル・ロドリゴ監督
――試合を振り返って
「観ていた皆さんには喜んで頂けるような面白い試合ができたと思う。当たり前のことだが、試合を通じてブラジル代表の方が決定的な場面をつくることが多かった。ただ、今日は我々のGKが素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた。また、チームとしてはポゼッションを高めることができた。相手に攻撃をさせずに、自分たちが攻撃的な姿勢を貫く。それが功を奏したと思う。とはいっても、ブラジル代表の選手たちは非常に優秀だった。だからこそ、我々はあれだけ長い間、ディフェンスに追われた。ただ、我々の大きな武器である守備を生かせたからこそ、この引き分けに繋がったと思う。W杯に向けて、勢いをつける試合になった」

――チームの出来をどう評価しているのか
「全体のパフォーマンスを評価する上で、フィジカルコンディションは切っても切れない。ブラジルも同じだと思うが、我々は先週、負荷の高いトレーニングを行ってきた。その影響が後半に出てしまったのではないか。フィジカル的には60〜65%くらい。戦術的にやるべきことはできている。あとは、その戦術を実戦するためのフィジカルコンディションがどの程度なのかということだと思う」
――ブラジル代表と引き分けたことについて
「有頂天になっている場合ではない。今日のゲームは、ポジティブな形とネガティブな形、その両方に転ぶ可能性がある。ポジティブな形とは、希望や期待、自信といったものがチームに生まれること。一方で、ネガティブな形とは、今の自分たちに甘んじてしまう部分が出てしまうこと。だからこそ、選手たちには『今日の試合では何もできていない。もっと攻撃できたはずだ』と伝えたい。ここまで順調に来ていると思い、リラックスしてしまうかもしれない。それは絶対に避けたい。小宮山(友祐)、木暮(賢一郎)、カズといったベテラン選手たちと注意していきたい」

――先制点を決めた逸見の評価について
「彼は生粋のフットサル選手。子どもの頃からずっとフットサルをやってきた。彼のような選手が我々のチームにいることはラッキー。ただ、まだ若い選手。彼の成長に悪影響になるようなことは報じないで頂きたい」――セットプレーから得点を奪ったが
「嬉しい。ブラジルのような相手に、これまでずっと準備してきたセットプレーでゴールを決められたことは、素晴らしい。3年前からずっと言い続けているが、我々はセットプレーを自分たちの武器のひとつにしている。ブラジルのような相手から得点できる状態になっていると感じさせてくれた」

――カズ選手(三浦知良選手)の評価について
「今日の彼は、子どもがピッチに立ったような感じだった。デビュー戦を迎えたような気持ちだったのではないか。そんな選手に対して、厳しいアドバイスはできない。ただ、もっと戦術的に自然と動ける様にならなければいけないとは思う。それでも、彼はブラジル代表という世界チャンピオンとデビュー戦を戦わなければいけない状況だった。攻撃面に関しては良かったと思う。ただ、守備に関しては、ブラジル代表のスピードに戸惑っていたと感じた。今後、試合数を重ねる毎に良くなっていくのではないか」

――森岡薫選手の評価について
「彼とは試合中に話をしていた。ベンチに戻って来る度、『まだまだ自分の力が出せていないぞ』と声を掛けていた。彼には、今日のプレーの3倍くらいの出来は示して欲しい。それぐらいのパフォーマンスができる選手。試合が終わった後は、『おめでとう』と声を掛けた。守備に力を割いて全力で走り抜いてくれたから。彼もカズ選手と同じ様に、初々しさが出てしまったのではないか。彼自身ずっと待ち望んでいたデビュー戦だったし、これだけのお客さんが観に来たブラジル代表との試合だった。なかなか上手くはいかないだろう。理解はしている」

――W杯グループリーグ初戦は出場停止となる北原亘選手をあまり起用しないと言っていたのに、ある程度の時間で起用した理由は?
「試合の中で彼が不在の状況を試した時間もあった。だが、この試合の雰囲気や対戦相手、今日のゲームの持つ意味を考えた時に、彼を起用する意味があると考えた。次のブラジル戦は北原を欠いてプレーしなければいけないが、北原もこういった試合を経験しておくべきだったと思う」