JFL首位高知の新戦力...瀬尾純基25歳のほろ苦くも決意を伴う新天地デビュー「人生初の観衆1万人越え…楽しかった」

2024.09.02 17:10 Mon
瀬尾純基「高知の力になってほしいと声をかけていただき、素直に嬉しかったですね」
瀬尾純基「高知の力になってほしいと声をかけていただき、素直に嬉しかったですね」
この夏に高知ユナイテッドSCへ加入したMF瀬尾純基(25)が、新天地で感じた喜びを活躍への誓いに昇華する。1日、日本フットボールリーグ(JFL)第18節の高知ユナイテッドSCvsヴェルスパ大分が行われ、高知は0-1と敗戦。

本拠地にクラブ史上最多の観衆1万1085人を動員したなか、スコアもゲーム内容もV大分に凌駕された印象が強く、V大分に対しては今季2戦2敗。首位チームがミライへの糧とすべき、悔しい黒星だったことが想像に難くない。
表題の瀬尾は中断期間中に加入した新戦力。7月末に現在JFL3位のヴィアティン三重を退団し、8月上旬にV三重と同じくJ3リーグ入会を目指す高知への加入が発表された。

この日は1点を追う64分の途中出場で新天地デビュー。まだチーム合流から2週間ほどだそうだが、さっそく重要な局面で起用され、ほろ苦くも決意を伴うゲームとなった。
「得点のチャンスはどちらにもありました。V大分さんがモノにして、僕たちはモノにできなかった…今日に向けて良い取り組みができたと思いますが、結果には繋がりませんでした」

「僕はこの夏に加入させていただいて、さっそく得点やアシストを強く求められる形での起用。大きな悔しさが残りますし、次からは小柄なアタッカー(165cm)の特徴として、スピードやドリブルをもっともっと活かしたいです」

デビュー戦でいきなり、JFLで稀に見る「観衆1万人越え」。率直な感想を尋ねてみた。

「自分がまだいない時にチームメイトやスタッフの方々が尽力された賜物ですね。1万人超えの試合は人生初で、スタンドを眺めて緊張したけど、いざ試合に入れば集中できました」

「高知県全体に後押ししてもらえるクラブだと思いますし、1万人の方々に勝利を届けられなかった悔しさが一番強いですけど、その反面、プレーしていて“楽しさ”も正直ありましたね」

新天地として高知を選んだ点については。

「(前所属)V三重が3位で、高知は首位という、どちらもJ3昇格が狙えるライバル。ですが、高知からお話をいただいたとき、首位のチームでサッカーができる喜びについて考えました」

「退団後にお話を貰ったのですが、僕は昨年所属していたソニー仙台FCで高知と対戦したとき、後半AT(90+3分)に同点ゴールを決めて…(笑) 『“高知の”力になってほしい』と声をかけていただきました。素直に嬉しかったですね」

高知の一員として歩み出し、ほろ苦くも決意を伴うデビュー戦を戦った瀬尾。もちろん、Jリーガーを少年時代から目指しているそうで、今季ラストへ見据えるは最高のフィナーレだ。

「全クラブが高知に対して牙を向けているはずだし、残りの全試合がビッグマッチ。半分は僕がいない時に築かれたものだけど、残り半分で僕の持てる力を発揮し、J3昇格の助けになりたい。まずは切り替えて、次の試合に臨みます」


◇JFL第19節
9月8日(日) 15:00キックオフ
レイラック滋賀 vs 高知ユナイテッドSC
東近江市総合運動公園布引陸上競技場

◇MF24瀬尾純基
1999年6月7日生まれ。鳥取県出身。ガイナーレ鳥取の下部組織、青森山田高校、大阪体育大学を経て、2022年からJFLの舞台へ。ソニー仙台FCで2年間、ヴィアティン三重で半年間プレーし、8月に高知ユナイテッドSCへ加入した。

1 2

瀬尾純基の関連記事

2025シーズンから明治安田J3リーグに参入する高知ユナイテッドSC。新戦力としてソニー仙台FCから加入したMF伊藤綾汰(24)が「現役続行」という決断の経緯を語った。 昨年12月、史上初開催のJ3・JFL入替戦でY.S.C.C.横浜を撃破し、JFLからJ3へのステップアップを掴んだ高知。“サッカー不毛の地”とも 2025.01.28 17:00 Tue
高知ユナイテッドSCが10日、2025シーズンのトップチーム背番号を発表した。 2024シーズンの高知は日本フットボールリーグ(JFL)で2位となり、J3・JFL入替戦ではY.S.C.C.横浜を2戦合計3-1と撃破。YS横浜との入れ替わりでJ3リーグ入会を成し遂げ、県勢初のJリーグクラブとなった。 2025 2025.01.10 17:15 Fri
来シーズンから明治安田J3リーグの一員となる高知ユナイテッドSCは14日、MF瀬尾純基(25)との新契約を発表した。 瀬尾は鳥取県出身で、ガイナーレ鳥取の下部組織から青森山田高校、大阪体育大学を経て、2022年にソニー仙台FCへ入団。 2年間プレーしたのち、今季からヴィアティン三重へ。しかし、V三重とは夏に 2024.12.14 20:05 Sat
21日、日本フットボールリーグ(JFL)第21節の4試合が各地で行われた。残りの4試合は22日、23日に2試合ずつ行われる。 ◇枚方 0-0 新宿 9位・FCティアモ枚方が、ホームで15位・クリアソン新宿とゴールレスドロー。前節アウェイで首位高知から勝ち点1を掴んで勝機も十分にあったなか、今回は前半のうちに 2024.09.21 20:01 Sat
21日、日本フットボールリーグ(JFL)第21節のミネベアミツミFC vs 高知ユナイテッドSCが行われ、敵地宮崎に乗り込んだ高知が0-1と勝利。4試合ぶりの白星となった。 首位高知は中断期間明けから、まさかの3試合未勝利。観衆1万人超えのホームでヴェルスパ大分に敗れ、レイラック滋賀と引き分け、前節はFCティアモ 2024.09.21 16:55 Sat

高知ユナイテッドSCの関連記事

Jリーグは14日、5月15日の「Jリーグの日」を記念し、開幕当時に多くのファンに親しまれた「Jリーグチップス」を特別に復刻することを発表した。 1993年の開幕とともに人気を博した「Jリーグチップス(選手カード付)」が、32周年を迎えるJリーグに帰ってくることに。復刻版では、J1、J2、J3の全60クラブから各3 2025.05.14 15:55 Wed
11日、第105回天皇杯の都道府県代表決定戦が各地で行われ、47都道府県代表が出揃った。 これまで19都県の代表が決定していた中、11日には28道府県の代表決定戦が全国各地で行われた。 J3クラブも参加する中、J3クラブ同士の対戦となった栃木県では、栃木SCが栃木シティ相手に0-2で勝利し5年連続25回目の 2025.05.11 21:40 Sun
thumb 明治安田J3リーグ第12節の10試合が6日、7日にかけて各地で行われた。 【八戸vs栃木C】上位対決は痛み分け 首位の栃木シティ(勝ち点24)と3位のヴァンラーレ八戸(勝ち点20)の上位対決。試合は立ち上がりから攻め合う形となり2分に八戸は澤上竜二がクロスを頭で合わせるが、GK相澤ピーターコアミが好セーブ。 2025.05.07 21:02 Wed
明治安田J3リーグ第11節の10試合が3日に各地で行われた。 【栃木CvsFC大阪】初のJ3挑戦の栃木Cが首位浮上 2位の栃木シティと首位のFC大阪の一戦。首位攻防戦となった中、ホームの栃木Cが主導権を握ることに開始6分、右サイドを仕掛けた田中パウロ淳一がクロスを入れると、相手のハンドを誘いPKを獲得。これ 2025.05.03 22:10 Sat
Jリーグは22日、各クラブの2025シーズンのホームグロウン選手の人数を発表した。 ホームグロウン制度は、各クラブが選手育成にコミットし、アカデミーの現場を変えていくことを目的に導入したもの。12歳の誕生日を迎える年度から21歳の誕生日を迎える年度までの期間において、990日以上、自クラブで登録していた選手が対象 2025.04.22 22:10 Tue

JFLの関連記事

3日から4日にかけ、日本フットボールリーグ(JFL)第8節の8試合が行われた。ゴールデンウィーク期間のJFLは今節のみで、ヴェルスパ大分のホームゲームが観衆2527人を記録した。 ◆YSCC 3-3 滋賀 Jリーグ返り咲きを期すY.S.C.C.横浜と、Jリーグ初参入を誓うレイラック滋賀。立ち上がりから一進一 2025.05.04 21:40 Sun
3日、日本フットボールリーグ(JFL)第8節の飛鳥FCvsいわてグルージャ盛岡が奈良県立橿原公苑陸上競技場で行われ、1-0で勝利した飛鳥が記念すべき「JFL初白星」とした。 昨季まで11年間Jリーグに身を置いた岩手が、昨季まで地域リーグ(関西1部)を戦った飛鳥のホームに乗り込んだ一戦。岩手は4連敗中で、飛鳥は開幕 2025.05.03 15:30 Sat
20日、日本フットボールリーグ(JFL)第7節の5試合が各地で行われた。 ◆沖縄 0-0 Honda 首位・沖縄SVと2位・Honda FCによる首位攻防戦はゴールレスドローで決着。Hondaは今季無敗を継続も、5連勝と首位浮上はならず。この結果、19日に勝ち点「3」を積み上げたヴェルスパ大分が暫定首位から 2025.04.20 16:30 Sun
19日、日本フットボールリーグ(JFL)第7節の3試合が各地で行われた。 ◆浦安市川 1-0 岩手 早くも3連敗中のいわてグルージャ盛岡は、敵地でブリオベッカ浦安・市川と対戦。立ち上がりから攻勢をかけるも、MF小林祐希の浮き玉に抜け出したFW藤本憲明がGKとの一対一を外した以外は、なかなか決定機を作れない。 2025.04.19 22:30 Sat
13日、日本フットボールリーグ(JFL)第6節の4試合が各地で行われた。 ◆ミネベア 0-1 沖縄 沖縄SVが実業団・ミネベアミツミFCとの九州勢対決を制して首位キープ。41分、テゲバジャーロ宮崎から期限付き移籍で加入中のFW上野瑶介が右足シュートを突き刺し、上野のJFL通算20得点目が先制点・決勝点となっ 2025.04.13 18:15 Sun

瀬尾純基の人気記事ランキング

1

J3リーグ入会の高知、今季途中加入のMF瀬尾純基と新契約!「鳴子を使った唯一無二の応援が大好きです」

来シーズンから明治安田J3リーグの一員となる高知ユナイテッドSCは14日、MF瀬尾純基(25)との新契約を発表した。 瀬尾は鳥取県出身で、ガイナーレ鳥取の下部組織から青森山田高校、大阪体育大学を経て、2022年にソニー仙台FCへ入団。 2年間プレーしたのち、今季からヴィアティン三重へ。しかし、V三重とは夏に契約を解除し、JFLの中断期間中に高知入り。加入後初先発となった第21節・ミネベアミツミFCで先制点を決め、チームの1-0勝利に貢献している。 「高知ユナイテッドSCに関わる全ての方々、いつも多大なるご支援、ご声援をありがとうございます。2025シーズンも高知ユナイテッドSCでプレーさせて頂くことになりました」 「幼い頃からの夢であった、Jリーグの舞台でこのクラブのエンブレムを背負い戦えることを嬉しく思います」 「苦しい時でも勇気を与えてくれる鳴子を使った唯一無二の応援が大好きです。シーズン終盤に試合に絡むことができず悔しかった思いを原動力に変え来シーズンに向け準備をします」 「今までクラブの歴史を繋いでくださった皆様に感謝し、それに恥じぬプレーで戦います。変わらぬ熱いご声援をよろしくお願いします!」 2024.12.14 20:05 Sat
2

JFL首位高知がスカッド強化…3位V三重を退団の瀬尾純基が加入「恩返しのため全力で頑張ります」

日本フットボールリーグ(JFL)の高知ユナイテッドSCが6日、ヴィアティン三重を退団していたMF瀬尾純基(25)の加入を発表した。 瀬尾は鳥取県出身で、ガイナーレ鳥取の下部組織から青森山田高校、大阪体育大学を経て、2022年にJFLのソニー仙台FCへ入団。 2年間でリーグ戦26試合出場ののち、今季からJリーグ参入を目指すV三重へ。ただ、中断期間までにリーグ戦出場3試合計54分間にとどまり、先月末に契約解除が発表されていた。 高知としては、瀬尾は今夏3人目の補強。FC岐阜から期限付き移籍のDF和田侑樹(23)、レノファ山口FCから完全移籍で帰ってきたDF今井那生(27)に続き、今度は前線を拡充した形だ。 ◆高知ユナイテッドSC公式サイトより 「初めまして。この度、加入することになりました、瀬尾純基です。プレーする場所を与えていただいたクラブに恩返しをするため全力で頑張ります!よろしくお願いします!」 ◆JFL第18節(次節) 〜高知銀行Presents〜 ついにJぜよ!高知家大集合 8月31日(土) 18:00キックオフ 高知ユナイテッドSC vs ヴェルスパ大分 高知県立春野総合運動公園陸上競技場 ◆JFL順位表 1位 高知ユナイテッドSC | 勝ち点43 | +20 2位 栃木シティ | 勝ち点33 | +10 3位 ヴィアティン三重 | 勝ち点27 | +6 4位 ヴェルスパ大分 | 勝ち点27 | +1 5位 FCティアモ枚方 | 勝ち点26 | +1 6位 ラインメール青森 | 勝ち点25 | +5 7位 Honda FC | 勝ち点24 | +4 8位 沖縄SV | 勝ち点23 | +1 9位 レイラック滋賀 | 勝ち点22 | +6 10位 アトレチコ鈴鹿 | 勝ち点21 | +1 11位 ソニー仙台FC | 勝ち点21 | -3 12位 ブリオベッカ浦安 | 勝ち点20 | -1 13位 FCマルヤス岡崎 | 勝ち点18 | -4 14位 横河武蔵野FC | 勝ち点13 | -13 15位 ミネベアミツミFC | 勝ち点12 | -17 16位 クリアソン新宿 | 勝ち点11 | -17 2024.08.06 18:42 Tue

高知ユナイテッドSCの人気記事ランキング

1

ソニー仙台FCラストイヤーを彩った選手たちの去就は? Jリーグ挑戦は現在3名、JFLor地域リーグ移籍、現役引退…

ソニー仙台FCラストイヤーを彩った選手たちの新天地が概ね決定。一方でスパイクを脱ぎ、社業に専念する者も少なくない。 2024シーズン限りで活動終了、日本フットボールリーグ(JFL)を退会したソニー。JFL王者に輝いたこともある名門実業団が幕を閉じた。 ラストイヤーを彩った選手たちの去就は、1月14日時点で概ね発表済み。現役続行でJリーグ、JFL、地域リーグに新天地を求める者いれば、引退してソニーの社業に専念する者も。 例えば、中盤主力のMF伊藤綾汰(24)はJ3リーグへ参入する高知ユナイテッドSCに移籍。不動の右サイドバックを担ったDF後藤裕二(24)は福島ユナイテッドFC、DF中山雅斗(23)は奈良クラブへ。現在、Jリーグ挑戦は3名を数える。 JFLクラブへ移籍するのは、昨季リーグ新人王のFW布方叶夢(22/→FCマルヤス岡崎)、DF辻椋大(23/→ブリオベッカ浦安)など今のところ計5名。VONDS市原へ向かうFW勝浦太郎(24)など地域リーグ移籍も計5名である。 一方、キャプテンを担ったMF吉野蓮(27)、2023シーズンJFLベストイレブンのMF平田健人(28)、正守護神のGK佐川雅寛(28)など、これまでに計7名が引退を発表。吉野は発表に伴い、「今後は会社に恩返しを」と綴っている。 ◆選手たちの去就(1月14日時点) GK 1 佐川雅寛→現役引退 21 八井田舜→現役引退 26 松田亮→ジェイリースFC(九州/地域) DF 2 後藤裕二→福島ユナイテッドFC(J3) 3 塩崎悠司→現役引退 4 長江皓亮→未発表 6 中山雅斗→奈良クラブ(J3) 16 辻椋大→ブリオベッカ浦安(JFL) 22 平山裕也→ヴェルスパ大分(JFL) 23 神田悠成→福山シティFC(中国/地域) 25 山下翼→FC延岡AGATA(九州/地域) 30 大友豪士→未発表 MF 5 平田健人→現役引退 7 吉森恭兵→現役引退 8 伊藤綾汰→高知ユナイテッドSC(J3) 10 藤原元輝→現役引退 11 信太英駿→未発表 14 吉野蓮→現役引退 18 秋元佑太→未発表 20 小池陸斗→福山シティFC(中国/地域) FW 9 勝浦太郎→VONDS市原FC(関東1部/地域) 13 山田晋平→ヴィアティン三重(JFL) 15 布方叶夢→FCマルヤス岡崎(JFL) 17 加藤佑弥→未発表 19 甲元大成→飛鳥FC(JFL) 2025.01.15 15:15 Wed
2

“野球王国”高知からJリーグへ… “サッカー不毛の地”を覆せ!【JFL高知の歩み】

“Jなし県”高知。野球王国として知られる一方、“サッカー不毛の地”とさえ言われるこの高知で今年、「高知ユナイテッドSC」が熱を帯びている。JFLで2000人、天皇杯で3000人、7000人という観客動員を記録するなど大きな変化が起きている中で、Jリーグ参入を掲げる彼らはこれまでどんな道のりを歩んできたのか。過去を紐解けば、未来へのヒントとなるかもしれない。【第1回/全3回|<a href="https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=452485" target="_blank">中編</a>、<a href="https://web.ultra-soccer.jp/news/view?news_no=452489" target="_blank">後編</a>に続く】 <span class="paragraph-subtitle">~NPB(プロ野球)球団がなくとも野球は文化~</span> 「高知県のスポーツと言えば?」と問われて「高校野球」が頭に思い浮かぶ人は多いと思う。名将・馬渕史郎率いる明徳義塾高校野球部は夏の甲子園優勝1回、秋の神宮大会優勝2回を誇り、社会問題化した星稜高校の4番・松井秀喜に対する“5打席連続敬遠”が色濃く残る人も多いはずだ。 また、明徳義塾と半世紀近く覇権を争う高知高校野球部は甲子園で春夏ともに優勝経験があり、こちらは“ミスター・ロッテ”有藤通世氏、弘田澄男氏などを輩出。この2人はプロ野球史に名を残す高知県出身のスタープレーヤーだ。 高知県とNPBの関係性で言えば、レギュラーシーズンに前後し、多くの球団が秋季・春季キャンプで温暖な高知へと来県。なかでも阪神タイガースは1965年から毎年訪れ、かつて高知県出身の最強クローザー・藤川球児氏を擁していたこともあって県民の間で人気が根強いと聞く。 したがって「高知県のスポーツと言えば?」に対しては、明徳義塾や高知高校に代表される「高校野球」と答えるか、ストレートに「野球」と答えるのが妥当か。もちろん独立リーグ・四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドックス(高知FD)も根強い人気を誇る。 では、そろそろ本題へ。NPB球団がなくとも「野球」が文化として根付く高知県において「サッカー」はどういった立ち位置か。 全国高校サッカー選手権大会における高知県勢の最高成績は、全47都道府県から代表校が参加するようになった第62回大会(1983年度)以降でベスト8。高校総体(インターハイ)でも高知県勢がベスト8の壁を破ったことは一度もない。 高知県出身のJリーガーで代表的な存在は元ガンバ大阪DF山口智であり、今のところ、高知県出身選手で唯一の日本代表経験者。他には元名古屋グランパスMF吉村圭司、元セレッソ大阪FW小松塁などがいるが、他県と比べて高知県のJリーガー輩出数は非常に少なく、現役選手はなんと1人。高知ユナイテッドSCのジュニアユース育ちで、カマタマーレ讃岐でプレーするDF山本勇武(18)のみだ。 また、2000年代に入って四国から徳島ヴォルティス(05年)、愛媛FC(06年)、カマタマーレ讃岐(14年)とJクラブが誕生していったなか、高知が四国4県で唯一の“Jなし県”となってもうすぐ10年に。取り残されている感は否めない。 1993年のJリーグ誕生から30年…2023年現在、“Jなし県”は高知を含めて6県のみ。高知以外には、福井、滋賀、三重、和歌山、島根にないが、ヴィアティン三重、レイラック滋賀、アルテリーヴォ和歌山とJリーグ入りを目指すクラブがある県はもちろんある。Jクラブを擁する県と優劣をつける必要はないのだが、サッカーを愛する高知県の人たちが「いつか高知にもJクラブを…」という想いを長年にわたって抱き続けているのは言うまでもない。 このように高知県はプロアマ問わず野球が浸透も、その反面、“サッカー不毛の地”と呼ばれ、Jリーグ誕生後はいつしか“Jなし県”という呼称も定着。しかし、年号が令和となった2019年、高知県のサッカー界は大きな一歩を遂げる。 (中編に続く) ◆クラブ名改称にライバルとの統合…南国高知FCはアイゴッソ高知へ、そして高知ユナイテッドSCへ【JFL高知の歩み/第2回(全3回)】 2023.11.01 21:45 Wed
3

【JFL表彰式】今季のMVPは吉田篤志! 栃木シティの初優勝&J3入会を支える…ベストイレブンは栃木C&高知で計8名

5日、第26回日本フットボールリーグ(JFL)の表彰式が開催され、2024シーズンの最優秀選手賞(MVP)には、優勝&J3リーグ入会の栃木シティからFW吉田篤志(25)が選出された。 MVP吉田は今季、栃木Cに2度目の加入を果たし、チーム最大の得点源として12ゴール。チームに勝ち点をもたらす決定的な得点が多かったのも特徴的で、見事、MVPに選出された。 得点王は沖縄SVのFW青戸翔(28)で15ゴール。今季J3宮崎から加入し、とりわけ後半戦14試合出場で10ゴールと得点を量産した。 新人王はソニー仙台FCの大卒ルーキーFW布方叶夢(22)。国士舘大学から加入した160cmドリブラーは全30試合出場で3得点6アシスト…名門ソニーのラスト1年を鮮やかに彩った。 ベストイレブンには吉田と青戸を含め、優勝した栃木Cから6名、準優勝した高知ユナイテッドSCから2名などが選出。 栃木CのFW田中パウロ淳一(31)は今季がキャリア初となるJFLだったが、キレキレのドリブルで相手チームの脅威に。また、高知のDF吉田知樹(26)は、今季のJFLフィールドプレーヤーで唯一、全30試合フルタイム出場を達成した。 ■チーム表彰 優勝:栃木シティ(初優勝) 準優勝:高知ユナイテッドSC 3位:FCティアモ枚方 フェアプレー賞:高知ユナイテッドSC 特別賞:ソニー仙台FC ■個人表彰 ▽最優秀選手賞(MVP) FW 吉田篤志 (栃木シティ) ▽得点王 FW 青戸翔(沖縄SV) 15ゴール ▽新人王 FW 布方叶夢(ソニー仙台FC) ▽優勝監督賞 今矢直城(栃木シティ) ▽優秀レフェリー賞 小林健太朗 ■ベストイレブン GK 相澤ピーターコアミ(栃木シティ) DF 吉田知樹(高知ユナイテッドSC) DF 池松大騎(Honda FC) DF 奥井諒(栃木シティ) DF 上月翔聖(高知ユナイテッドSC) MF 宇都木峻(栃木シティ) MF 関野元弥(栃木シティ) FW 田中パウロ淳一(栃木シティ) FW 青戸翔(沖縄SV) FW 吉田篤志(栃木シティ) FW 田村翔太(ヴィアティン三重) 2024.12.05 16:47 Thu
4

悲願のJリーグ参入へ…昨季超えの1年に! JFL高知ユナイテッドが新体制発表

日本フットボールリーグ(JFL)の高知ユナイテッドSCは28日、2024シーズンの体制を発表した。 実り多き2023シーズンを送った高知。J3参入資格こそ継続審議止まりだったが、JFL4年目にして過去最高となる7位フィニッシュ、天皇杯で立て続けにJ1勢を撃破、かごしま国体(※1)で国体初優勝…ポジティブな1年となった。 (※1)サッカー競技・成年男子の高知県代表は高知ユナイテッドSCの単独チーム。決勝戦で鹿児島県代表に勝利して優勝を決めた ただシーズン後には、四国リーグ時代からチームをけん引してきたFW西村勇太(30)、昨季ゲーム主将も務めたFW金井冬土(26)、司令塔のMF栗原純弥(26)という主力3選手が現役引退。また、その他の主力選手を含めて計12名の退団が発表されている。 2024シーズンに向けての新戦力は28日時点で6名。昨季の1番手GK上田樹(22)が去ったゴールキーパー陣にはJ3福島を退団したGK大杉啓(27)、DF今井那生(26)がJ2山口へ移籍したセンターバック陣にはJ2水戸からの武者修行となる田辺陽太(21)ら2名を加えている。 ◆JFL第1節 ▽3月10日(日)13:00 高知ユナイテッドSC vs ヴィアティン三重 高知県立春野総合運動公園陸上競技場(高知市) ◆JFL第2節 ▽3月17日(日)13:00 高知ユナイテッドSC vs ラインメール青森 高知県立春野総合運動公園陸上競技場(高知市) ◆2024シーズン選手一覧(1月29日現在) ▽(年齢/昨季JFL成績・新加入選手は前所属) GKタンドゥ・ベラフィ(36/6試合3失点) GK大杉啓(27)←福島ユナイテッドFC(完全移籍) GK井上聖也(25/7試合3失点) DF小林大智(25/27試合2得点) DF中田永一(27/21試合1得点) DF福田玲央(23/2試合0得点) DF岩瀬蒼生(22)←金沢星稜大学(入団) DF田辺陽太(21)←水戸ホーリーホック(育成型期限付き移籍) DF橋本峻輝(25/24試合1得点) DF吉田知樹(25/25試合0得点)←いわきFC(完全移籍移行) MF横竹翔(34/11試合1得点) MF高野裕維(23/28試合0得点) MF田尻康晴(22/21試合0得点) MF佐々木敦河(25/28試合2得点) MF樋口叶(22/20試合3得点) MF金原朝陽(23/16試合0得点) MF上月翔聖(23)←FC大阪(完全移籍) MF児玉壮琉(22)←大阪商業大学(入団) MF宇田光史朗(19)←横浜FC(期限付き移籍) FW小林心(23/24試合7得点) FW新谷聖基(25/10試合2得点) FW東家聡樹(26/26試合2得点) FW原田烈志(23/4試合0得点) ◆コーチングスタッフ 監督:吉本岳史 ヘッドコーチ:立田将大 アシスタントコーチ:毛利雅志 アシスタントコーチ:濱田一希 トレーナー:茂木一樹 トレーナー:渡辺有羽 主務:安達星輝 ゼネラル・マネージャー(GM):西村昭宏 強化部:松山周平 2024.01.29 14:30 Mon
5

「前向きなプレーが増えた」J3目指す高知が入替戦にきてゲーム内容向上…MF高野裕維「みんなで笑って終われるように」

高知ユナイテッドSCのMF高野裕維(24)が、故郷香川でフル出場したJ3・JFL入替戦1stレグ、Y.S.C.C.横浜戦(H)を振り返った。 J3リーグ参入を目指すJFL高知は1日、入替戦第1戦でYS横浜と1-1ドロー。開始5分の失点でいきなり出鼻をくじかれるも、吹っ切れたかのごとく陣地を押し上げ、前半のうちにDF上月翔聖が果敢な仕掛けから同点弾をねじ込んだ。 逆転ならずも、2ndレグへ光が差したであろう90分間。高野は「失点に慌てなかった」ことが最大のポイントだったとしつつ、「立ち上がりの失点は次へ活かすべき課題」とも言う。 一方、JFL終盤戦よりも攻撃面で積極的な姿勢が見て取れ、ゴール前で混沌とした状況を作る回数も増えた高知。無論、格上たるYS横浜相手に一筋縄ではいかないが、選手自身の体感は。 「前向きなプレーが増えたと思います。後半に入ると、中盤でセカンドボールも拾えるようになって、前に前に押し込めた状況がありました。だからこそ、セットプレーを含めて『一本決めきる』ことが大事。次(2ndレグ)はここが勝敗につながるかなと思います」 「僕たちとしてはやっぱり、『JFLとJ3に差なんかないぞ』っていうのを証明しないといけない。もっと高いレベルへ行かないといけない。今日は良い感覚を掴めました」 また、高野は香川県高松市出身。今回はJ3讃岐が本拠地とするPikaraスタジアムの開催ということで、地元凱旋となった。 「小さい頃から丸亀競技場(ピカスタ)でプレーすることへの憧れがありました。試合の入りは緊張したけど、こういう機会に感謝もしながらプレーしましたね。楽しめたと思います」 地元凱旋を終え、今季最後に向かうは敵地ヨコハマ、ニッパツ三ツ沢球技場。チーム高知の運命はどう転んでも『12月7日』に決まる。 「この1年の集大成…最後の90分間もしくは120分間とPK戦。やっぱり90分間で決着をつけて勝ちたい。昇格のためだけに1年間やってきたので、みんなで上がりたいと思います」 “高知のサポーターへ” 「いつもたくさんのサポート、応援、ありがとうございます。多くの方の想いを、今季最後のピッチで体現するだけになりました。みんなで笑って終われるように、必ず昇格します」 ◆入替戦2ndレグ 2024年12月7日(土) 15:00KO Y.S.C.C.横浜 vs 高知ユナイテッドSC ニッパツ三ツ沢球技場(神奈川県横浜市) 中継:DAZN、Lemino 2024.12.03 17:00 Tue

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly