町田戦大敗をポジション奪取のきっかけにできるか…広島戦臨む東京Vの山田剛&古川らが強い決意

2024.05.21 20:55 Tue
広島戦での活躍誓う山田剛綺
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広島戦での活躍誓う山田剛綺
FC町田ゼルビア戦での大敗から再起を誓う東京ヴェルディ。その敗戦から中2日で臨む公式戦に向け、虎視眈々とチャンスを窺う選手たちが意気込みを語った。

東京Vは19日、リーグ戦11試合無敗で臨んだ町田との東京クラシックで0-5の敗戦。同試合後、城福浩監督、主力選手が口々に「完敗」という言葉を語るなど、昨季J1昇格を争ったライバルとの明確な実力差を認めざるを得ず、16年ぶりのJ1の舞台において、まずまず順調な歩みを見せてきた緑の名門にとっては単なる1敗以上のショックが残る一戦となった。
その一方で、「チーム内競争というのが、J1を戦っていくなかで絶対に必要なものだと改めて感じた」と指揮官は語っており、ここまで出番が限られてきた控え選手にとって町田戦の敗戦はポジション奪取に向けた重要な契機となる。

そして、22日に味の素スタジアムで行われるJリーグYBCルヴァンカップ1stラウンド3回戦のサンフレッチェ広島戦に向けて城福監督は、「僕らが求めるものをやり続けている選手に、チャンスを与えるべき」と、先発11人を入れ替えて臨んだ前ラウンドの鹿児島ユナイテッドFC戦同様に、大幅なターンオーバーの可能性を明言した。

2人でリーグ戦10ゴールを挙げるFW染野唯月(4点)、FW木村勇大(6点)を挙げるレギュラー2トップが好調を維持する中、J1ではベンチ外が続き悔しい序盤戦となっているFW山田剛綺、FW古川真人は、この広島戦で“3人目”の主力FWとして台頭が求められるところだ。
関西学院大学から加入2年目の山田剛は、「やるしかない。それだけです」と、静かに闘志を燃やす。

「求められているのは、守備と結果のところなので貪欲にやるだけです。攻撃のところで、点を取るというところに関しては、やり続けているのでそこは出せればいいかなと思います。ペナルティエリアに入ったら、どこからでもワンタッチでシュートを打てる体勢作りもそうですし、トラップして、落ち着いて決め切るというところも含め、いろんなバリエーションで決める準備はしています」

一方、国士舘大学から加入1年目の古川は、「フォワードはひとつのチャンスをつかむどうかだと思いますし、その一発で自分の人生を変えられるようにやりたい」と、ストライカーとして目に見える結果を残したいと、ポジション奪取への強い思いを口にする。

「いつも準備はしているので、もし出番が来れば、その一発に懸けたいなという強い気持ちです。惜しくても決まらなかったら意味がないと思うので、1個のチャンスをつかみ取る力というのは前回のルヴァンが終わってからもずっとやってきています」

「(J1の強豪相手に)もしチャンスがあれば、そこで自分がどういうプレーができるかとか、いろいろな物差しにはなるだろうと思いますが、その基準がどうとかではなくトーナメントなので、試合に勝つことが全て。自分としてはその1個のチャンスを決め切りたい、そういう思いしかないです」

また、いわきFCからの新加入で、鹿児島戦で新天地デビューを飾ったMF永井颯太はチーム内で激戦区の左サイドハーフのポジション争いでアピールしたい選手の一人だ。

全体練習後の“エクストラ”と呼ばれる若手を中心とする個別、ユニット練習の中で森下仁志コーチから細かな指導を受けて成長を実感しつつ、DF千田海人やMF松橋優安といった徐々に序列を上げて立ち位置を掴んだチームメイトからの刺激をプラスに、この広島戦でチャンスを掴みたいと語る。

「自分はボールを受けてから何かするというタイプの選手だったと思いますが、やっぱり受ける前からもう勝負は始まっていて、いかにポジショニングだったり動きで、相手との駆け引きでどれだけ有利に立てるかというのはすごく指導していただいて、まだまだ全然できてないですけど、自分の中で新しい感覚を受けています」

「日々エクストラの厳しい練習をしているメンバーが試合に出るのを見ると、勇気をもらえるではないですけど、自分もやれるなとかいう気持ちもあると同時に、悔しさというのも感じます。同じ練習をしていたのに、先に進んでいるという感覚があるので、それはいい意味で刺激になっていると思うので、そこはプラスに捉えたいです」

「広島さんも強度が高いと思うので、その中でいかに自分の良さもそうですけど、チームとしてやるべきことをいかにできるかというのを示せればなと思います。(持ち味のドリブルで)1枚剥がすだけで局面というのは全然変わると思うので、その部分はチャレンジしていきたい」

「普段試合に出ていないぶん、町田戦がこういう結果になったので、すごくチャンスだというのはわかっているので、自分のサッカー人生を懸けてそのチャンスをつかみにいきたいです」

アカデミー出身であり、2016年からの加入でチーム最古参、今季から最年長となるDF平智広は、負傷の影響もあって前回の鹿児島戦で出番を得られずにいた中、この広島戦での今季初出場を目指す。

自身の現状に関しては「町田戦で負けたので、多少はまた競争力が高まるとは思っていますけど、自分の立ち位置としてはまだ低いのかなと思います」と、34歳のベテランらしく冷静に立ち位置を見極めている。

それでも、「流れが悪い時に修正ができていないことが、特に前半は多いので、ピッチの中で修正するきっかけ作りができればいい」、「自分のできることは限られていますけど、失点が多いので、チーム全体として失点を減らす部分、細かいところでの失点が続いているので、その中での試合中の声かけや未然に防ぐというのをもう少しできれば失点は減らせる」と、現状のセンターバック陣に欠けている部分でのチームへの貢献を意識する。

さらに、チームリーダーの一人として「町田戦の敗戦をきっかけに、またやり直そうというミーティングもしましたし、もうひとつ厳しさを持ってトレーニングをしていこうという部分で、今日もいいトレーニングができましたし、この敗戦があったからこそ、チームが良くなったと言えるようにチーム作りしていければなと思います」と、町田戦の敗戦をターニングポイントにチームとしての再起を誓った。

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「次自分たちが何をしていくかが重要」…東京Vの林尚輝、広島敗戦をさらなる進化の契機に

東京ヴェルディは22日、味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第19節で名古屋グランパスと対戦する。DF林尚輝はこの一戦で、前節の大敗からのバウンスバックの勝利と共に、チームとしての進化を示したいと意気込む。 11位の東京Vは前節、今シーズン初のリーグ3連勝を狙ってサンフレッチェ広島のホームに乗り込んだが、1-4の敗戦。先日のJリーグYBCルヴァンカップに続きJ1リーグの上位相手に力の差を見せつけられる結果に終わった。 この試合に3バックの右でプレーした林は守備の主力として、前後半の入りで喫したセットプレーからの2失点を含め大量失点の責任を口にした。 「もちろん最初の1失点目というのは、このゲームに大きく関係していることだと思いますし、ゲームを難しくしてしまった要因というのはあるので、自分のファウルからの失点という部分もありましたけど、あの状況にさせないというのが、自分たちの大切な部分だと思います」 「自分たちはある意味で、5バックや3枚でやっている中で、しっかり構えれば、もしかしたら違う展開というのはあったかもしれないですけど、それができない状況になったのは、先に失点したというのが大きく関係していました。相手の戦い方というのは見習うべきことが多かったかなと」 広島との公式戦2試合を通じては全体のプレー強度や個々のテクニックに加え、“局面での力の出し方”、“ランニングの質”という部分に差を感じたと振り返る背番号4。 「単純な技術のところというのはありますけど、相手の走ってくるタイミングやランニングの精度というのは、高かったと感じています。それこそ走り負けているという感覚というのは、その出力を出すタイミングというのがすごく関係していると思っていますし、走行距離ではたぶん自分たちの方が走っていたと思いますが、瞬間的なセカンドボールを拾う時に出してくる出力とか、ここぞという時にランニングしてくるスピード、走れるという差があったのかなと」 また、チームとしてのスタイルは異なるものの、今後も[3-4-2-1]を継続する場合、立ち位置の取り方を含め参考にすべき部分があると考えている。 「3枚でやるとなった時に、やっぱりマンツーっぽくなるシーンというのを多く作られていましたし、ロングボールの入れ方という時に、ターゲットにしている選手に入れてくるんですけど、そこで自分たちが競り勝てたとしても、インサイドハーフの選手がもうセカンドボールの準備をしているという、そのポジションの高さの違い、優位性の作り方というのは上手だったなと思っていて、自分自身も行きたいけどセオリー的には行けない。カバーリングをすることが第1優先であるというような、考えさせられるポジショニングというのを何回も取られていましたので、そこは自分たちもやり方は違いますけど、立ち位置は似ている部分があるので、そういった意識というのはチームとしても真似していく必要もあるのかなと思います」 今週の立ち上げのミーティングでは「相手の良かったところと、自分たちができていなかったところを主にピックアップし、そこを今週もう1回自分たちでやって成長して、次のゲームに挑もう」と城福浩監督からの声掛けもあった。 その前節からの反省を活かしつつ、チームとしての進化を示したい今節は沖縄でのプレシーズンキャンプでも対峙した9位の名古屋が相手となる。 林は「あれはスタメンの選手が出ていないので、全然意味ないと思っている」と相手が控え選手と若手選手主体だったキャンプでの対戦は参考にならないとし、未だリーグ屈指のスピードを誇るFW永井謙佑を軸とする、相手の前線を警戒。その上で公式戦3試合連続のミラーゲームを制する上でのポイントを語った。 「ここ3試合はミラーゲームっぽくなる試合で、長野と広島は同じような長所があるというふうに踏んでいましたけど、やっぱり質の差というのはありましたし、長野戦では自分たちが出していって、そこでインターセプトできて潰せてというシーンがありましたけど、やっぱりそこをうまくかいくぐってくる力があったというところで、自分たちはその戦い方の部分で考え直さないといけないきっかけにはなったと思います」 「名古屋も同じ噛み合わせでやるというところで、次自分たちが何をしていくかというのは重要ですし、その質の差、それは足元の技術とか、フィジカル的なことかもしれないですけど、出力の出し方というのは、今週もう1回自分たちで意識してやりながら、次の試合に挑みたい」 「相手は特徴ある3トップがいて、またちょっと広島とは自分の感覚的にやり方というのは違うイメージがありますけど、その中で自分たちが優位に立てるような方法というのを、ディフェンスラインとして共通意識を持ってやっていきたいです」 昨シーズンのJ1昇格プレーオフを制し、“20番目”のチームとして16年ぶりのJ1の戦いに臨んだ中、ここまで11位と健闘を見せる東京V。得失点差的に一桁順位浮上は難しいが、勝利でシーズンを折り返すことはできるか。 2024.06.21 19:30 Fri

名古屋戦に臨む東京Vの城福浩監督、「優先順位の共有と予測」の課題に言及…練習復帰の山田楓喜の状態も説明

東京ヴェルディの城福浩監督が、22日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1第19節の名古屋グランパス戦に向けた会見を行った。 16年ぶりのJ1の舞台で、トップカテゴリーの経験に乏しい最年少スカッドを率いる城福監督。同じく昇格組で首位に立つFC町田ゼルビア、前節のサンフレッチェ広島相手に大敗を喫したものの、クラブ予算やスカッドの質を鑑みれば、健闘と言える11位でシーズン折り返し地点を迎えている。 J1残留を最大の目標のひとつに掲げながらも、より高みを目指す野心的な指揮官は、1-4で敗れた広島戦からのバウンスバックと共に、後半戦へ弾みを付けるべく、前半戦ラストマッチで9位の名古屋撃破を目指す。 「多くの差を感じた」と完敗を認めた古巣対戦から1週間を経て臨む、今回の一戦に向けて城福監督は「何に差があったか、掴みづらいぐらいの点差だった」という部分で、「我々が整理できること。今のスカッドでやれることという意味で、すごく極めてベーシックなところに着目した」と、選手たちに要点を絞った上で課題を伝えたという。 「完敗と言っていい広島戦を受けて、我々が何を整理してしっかり伝えるかというところでは、基本的なところというか、ベーシックなところに目を向けて、例えば立ち位置であるとか、ポジションのタスクであるとかそういうことではなく、ボールの状況で何を優先すべきかというところが、そこに差があったというふうに思っています」 その差の部分では広島戦後に“局面での力の出し方”、“ランニングの質”といった部分の差に言及する選手が多かったが、指揮官は「優先順位の共有と予測」という、より根本的な部分で違いがあったと説明している。 「(出力の出し方やランニングの質の違いを)選手は感じたと思います。それを抽象的ではなくて具体的にランニングの質とは何なのか、スプリント回数が多いとか、少ないというのはどういうことなのかと。ランニングの質とか出力の出し方ということは、いつ走るかです。そこは予測であったり、パスの優先順位が明確ということ。ボールホルダーがフリーであれば、足元でもらうよりも裏。そこの差は(映像で)見せました」 「我々のチームはボールホルダーがフリーなのに、足元でもらおうとしている。そこは僕自身の反省ですけど、[3-4-3]だから、このポジションにはこういうタスクがあるというのは、それは大まかな話であって、サッカーというのはどこのポジションがここにいなければいけないというわけではない」 「そうすると、ボールホルダーがヘッドアップできる状況というのは、いつ起こるかわからない。でも、それが起こった瞬間の反応とか、出し手と受け手の優先順位の選び方のところでは大きな差がありました。それは彼らから見ると、出力の差に見えると思います。ただ単に出力というのは、優先順位の共有と予測。もちろん、素走りのスピードというのも、広島はそれが特徴的なので、スピードとパワーという部分で多少の差はあったとしても、もっと大きな差というのは状況における優先順位の共有と予測でした」 また、一時改善傾向が見受けられたものの、ここ最近改めて課題として浮き彫りとなるセットプレーからの失点という部分では、ストーンの数を増やすなど現状の選手がより得意な形へのマイナーチェンジといった試行錯誤を口にしつつも、「マークを高いレベルでつけるようにならないといけない」と選手個々の改善を強く求めた。 「何がこのチーム、このメンバーにとって一番いいのかというのは、スタッフと話しながらやっています。ただ、それ以前に根本的なところでマークをつくのが苦手だという選手が多くなったら、どんなやり方をしても同じ」 「マークというのは相手がじっとしてくれれば誰でもつけますが、相手は駆け引きをして動きがあって、3度ぐらいフェイクがあって、しかもグループでブロックもしてくる。さらに、J1ではデザインしたところにボールが来るので、まず根本的なマークをつくというところのレベルを上げる。出ている選手全員が高いレベルでマークをつけるようになるということがすごく大事なことです」 そういった課題克服に取り組みつつ臨む名古屋戦では、MF米本拓司、MF稲垣祥、MF森島司、DF野上結貴と古巣対戦となった前節同様にこれまでの監督キャリアで指導し、愛弟子とも言える選手たちと対峙する。 「逆の言い方をすれば、向こうの選手も僕の志向をわかっている」と各選手の長所も短所も知り抜くアドバンテージはないとしながらも、「ただ特長を出させたら、非常に手ごわい選手たちなので、彼らの特長を出させないために、チームとしても取り組まなければいけない」と、やはり教え子への警戒を口にしている。 これまで何度も対戦してきた長谷川健太監督が率いる名古屋というチームについては「ボールを刈り取れる選手がいて、カウンターでスピードを出せば、追いつけないぐらいの速い選手がいて、フィードから一発でロングフィードで裏を取ってそこからチャンスを作るような展開も、彼らの中のパターンのひとつ」と分析。 ただ、「もちろん相手のこともリスペクトはしますけど、我々がやるべきことというのは非常にベーシックなところ。広島戦で出た上位陣との差を縮めるというところにフォーカスしたいと思います。ベースのところは広島戦のあの完敗があったからこそ、こういうふうに改善できたねというチームになって、そこはしっかり表現したいと思います」と、引き続き自分たちへベクトルを向けている。 なお、負傷者に関してはキャプテンのMF森田晃樹ら引き続き数名を欠くことになるが、DF宮原和也、MF綱島悠斗、FW白井亮丞に加え、心身のリフレッシュを終えたMF山田楓喜が全体練習に復帰。少しずつ離脱者が戻ってきている。 5月22日のルヴァンカップ広島戦以来の公式戦復帰も期待される山田楓に関しては「身体自体に不具合があるわけではないので、そこは心身ともにリフレッシュして今週戻ってきました。動き的には全く問題ない」と説明。 名古屋戦での起用の可能性については「ゲーム体力や強度というところでいきなり100%でというところはちょっとやってみないとわからない」としながらも、「彼が18人の中に入って勝ち点3を取るためのハードワークができる状態であれば、彼もその候補の中に入ってくるので、そこは最後の最後までしっかり見極めたい」と、チーム内の競争を大前提に状態次第でメンバー入りもあることを示唆した。 2024.06.21 18:00 Fri

「多くの差を感じた」、古巣相手の完敗認める東京Vの城福浩監督…「その差を受け入れ、這い上がっていく」

東京ヴェルディの城福浩監督が、完敗に終わった古巣対戦を振り返った。 東京Vは15日、エディオンピースウイング広島で行われた明治安田J1第18節のサンフレッチェ広島に1-4で敗戦した。 リーグ連勝で勢いにのる11位のチームは、勝ち点2差で5位の広島相手に今季初の3連勝での上位進出を目指した。しかし、前後半の立ち上がりに与えたセットプレーからFW加藤陸次樹、FWピエロス・ソティリウにゴールを奪われて苦しい展開を強いられると、62分にソティリウ、82分には古巣対戦のFWドウグラス・ヴィエイラに連続ゴールを許した。 その後、後半アディショナルタイムにFW木村勇大の公式戦3試合連続ゴールで一矢を報いたが、先月のルヴァンカップの敗戦(2-3●)に続く広島相手の黒星となった。 古巣対戦が期待されたDF宮原和也、キャプテンのMF森田晃樹ら主力数名を欠く厳しい台所事情に加え、ほぼ主力を起用した天皇杯から中2日のアウェイゲームというエクスキューズはあったが、試合後の会見で城福監督は、「今現在の実力通りの差かなと思います」と、真摯に1-4の敗戦を受け入れた。 「今現在の実力通りの差かなと思います。もちろん5点目が入ってもおかしくない状況というのはあったと認識していますし、我々が前にかかっていたなかで、相手のカウンターの精度が高いなというのも認識していますけど、今現在でベストなメンバーを組めた状態での差は受け入れざるを得ない」 「一番を上げるのが難しいぐらい多くの差を感じました。一対一の力の出しどころ、もちろん絶対的なパワーとスピードも多少の差はあると思いますけど、いつ相手に寄せるのか、いつボールハンティングをして、それをした瞬間に、もう攻撃のスイッチを入れるという判断の速さも含めて、ここは我々がまだまだだなと思いますし、じゃあ失わなければいいじゃないかというアプローチと、我々もそういうやり方でカウンターをできるチームにならなければいけない」 「フィジカル的なところと、バトルのなかでというか、スピードが上がったなかでの精度、スキルの精度というのは、多少我々も差があることを覚悟して入った」と戦前から広島の強度、クオリティを警戒していた中、「それをチームとしてどう防いでいきながら、多少オープンになったときに、我々が我々らしくプレーできるかというところが勝負どころだった」と、試合後に改めてゲームプランを語った指揮官。 ただ、「開始の最初のフリーキックでやられ、後半も最初のコーナーキックでやられてしまっては、自分たちが個の力の差を埋めるにはなかなか難しい状況になった」と、やはり前後半の入りで喫したセットプレーからの失点がチームにとって重い足かせとなったと悔やんだ。 それでも、J1最年少スカッドを率いる上で事あるごとにシーズンを通しての成長をテーマに掲げてきた百戦錬磨の指揮官は「何も諦めず、ひとつずつ解決して前に進んでいくだけ」、「この悔しさというか、J1のトップレベルとの差というのを、我々はしっかりと受け入れて、這い上がっていく。それが我々らしさだと思うので、しっかり次に向けて今日の反省を活かしたい」と、0-5で大敗したFC町田ゼルビア戦に続く、上位相手の厳しい敗戦からのバウンスバックを誓った。 2018年から2021年途中まで指揮した古巣と初めて広島の地での対戦を終えた城福監督。試合前の会見では「いい試合をして勝ち点を持ち帰ること」と共に、試合後に改めて古巣のファン・サポーターに挨拶をしたいと、自身にとって「特別」なクラブへの思いも語っていた。 そして、その言葉通り、試合後には敗戦の悔しさを噛み殺しながら、ゴール裏を中心に古巣のファン・サポーターに一礼し、温かな拍手を浴びていた。 その古巣対戦への思いについて改めて会見で問われた指揮官は、「この場で個人的なことを言うのはあまり相応しくない。しかも大敗した後なので…」と一度は発言を躊躇ったものの、試合後の自身の行動についてこう説明した。 「広島を離れる瞬間から、一緒に戦ってきた選手、スタッフ、フロントスタッフ、ファン・サポーターにとにかく感謝のアクションをしたい。その思いが新幹線を待つホームでずっと思っていました。もちろん今日は勝ってそれができれば一番よかったです。ただ、自分の中でそれは絶対にやらなければいけないことだと思っていました。それがひょっとしたら指導者としてここに立つということが、執念という言葉が正しいのかわかりませんけど、指導者として一歩自分が進まなければいけないと思いました。今日は彼らに感謝の意を込めた一礼しかできないです。それは、ずっと離れる瞬間からそれをやりたいと思っていました」 2024.06.16 00:34 Sun

ピエロス2戦連続2発など前線躍動の広島が公式戦5連勝! 東京Vは3バック変更後初の敗戦に…【明治安田J1第18節】

明治安田J1第18節のサンフレッチェ広島vs東京ヴェルディが15日にエディオンピースウイング広島で行われ、ホームの広島が4-1で快勝した。 2週間前に行われた前節のジュビロ磐田戦に2-0で快勝し、リーグ2戦ぶりの白星を取り戻した5位の広島。さらに、ルヴァンカップでFC東京に連勝、直近の天皇杯では大幅なターンオーバーを敢行した中、FCバレイン下関に11-2の圧勝を収めて公式戦4連勝を達成した。さらなる連勝を狙う好調のチームは今回の一戦に向け、主力起用のFC東京戦から先発2人を変更。GKに大迫敬介が復帰し、負傷の荒木隼人に代えて日本代表帰りの川村拓夢をボランチで起用。塩谷司を3バックの右に置いた。 一方、北海道コンサドーレ札幌に5-3の勝利を収めて今季2度目のリーグ連勝を飾った11位の東京V。直近の天皇杯ではAC長野パルセイロに5-0の完勝を収めてこちらは公式戦3連勝。先月のルヴァンカップで2-3と敗れた広島相手にリベンジを狙った一戦では前節から先発3人を変更。負傷の宮原和也、綱島悠斗、森田晃樹に代えて林尚輝、谷口栄斗、山田剛綺を起用した。 城福浩監督の2021年以来の広島帰還にも注目が集まった一戦は開始早々に動く。2分、相手陣内中央左でFKを得た広島はキッカーの東俊希がゴール前に供給。DF谷口がヘディングでクリアしたボールをボックス右で収めた加藤陸次樹が右足で狙うと、相手の稲見哲行の背中にディフレクトしたボールがゴール左隅に突き刺さった。 やや不運な形からいきなりのビハインドを背負った東京Vも直後にセットプレーから決定機を創出。6分、相手陣内中央で得たFKの二次攻撃からボックス右で見木友哉が放った右足シュートをゴール前の谷口がワンタッチでコースを変えたが、これは枠を捉え切れず。 立ち上がり以降はミラーゲームの形でがっぷり四つの攻防が繰り広げられる。ボールの主導権を握ったアウェイチームは見木、齋藤功佑の2ボランチ、染野唯月を起点にズレを生み出し、良い形で前進していくが、細かいミスが目立って攻撃をスピードアップできず。決定機まであと一歩という状況が続く。 1点リードの広島はメリハリの利いた守備で相手の攻撃を撥ね返しつつ、チャンスとあらば素早い切り替えと、人数をかけた攻めでチャンスを創出。25分には右CKの場面で新井直人の右足アウトスウィングのクロスにドンピシャのヘッドで合わせたピエロス・ソティリウ、そのこぼれに詰めた川村のゴール至近距離からの左足シュートで2点目に迫るが、いずれもGKマテウスの驚異的なビッグセーブに阻まれた。 その後は木村勇大が圧倒的なフィジカルで相手守備陣を苦しめたものの、攻め切れない東京Vに対して、相手のミスを効果的にフィニッシュに繋げる広島。そして、左右からの精度の高いクロスにソティリウ、大橋とボックス内でマークを外したストライカーが良い形でシュートを放ったが、これを枠に飛ばすことはできなかった。 辛くも1点ビハインドで試合を折り返した東京Vはハーフタイムに2枚替え。いずれも精彩を欠いた稲見、山田剛綺を下げて松橋優安、山見大登を同じポジションに入れた。 一方、後半も同じメンバーで入った広島は前半同様にセットプレーからいきなりゴールをこじ開ける。47分、左CKの場面でキッカーの東俊希が左足アウトスウィングで滞空時間の長いボールを入れると、ゴール前でマークを外したソティリウがピッチに叩きつけるヘディングシュートを流し込んだ。 公式戦2戦連発の加藤に続くソティリウのリーグ2試合連続ゴールによってほしかった2点目を得たホームチームは、相手の動揺を感じ取ったか、全体の強度を上げて畳みかける。すると、鮮やかな崩しからトドメの3点目が生まれる。 62分、最後尾のGK大迫が前線の加藤へ狙いすました鋭いフィードを通すと、絶妙なファーストタッチで収めた加藤がボックス左まで運んでゴール前にフリーで走り込むソティリウにプレゼントパス。これを難なく流し込んだ。 痛恨の3失点目を喫したアウェイチームはこの直後に林尚輝を下げて食野壮磨を投入。より攻撃的な[4-4-2]へのシステム変更で、まずは反撃の狼煙を上げる1点を目指すが、流れを引き寄せるには至らず。 大量リードでも緩みを見せない広島だが、70分を過ぎて一気に交代カードを切っていく。殊勲の前線3枚を下げてドウグラス・ヴィエイラ、満田誠、エゼキエウらをピッチに送り込むと、この交代策が4点目をもたらした。82分、エゼキエウの前線の守備から仕掛けたショートカウンターでボックス左の東が上げた正確なクロスを、ゴール前に走り込んだドウグラス・ヴィエイラがヘディングで合わせ、古巣相手に今季リーグ戦初ゴールを決めた。 その後、後半アディショナルタイムに東京Vのセットプレー流れから木村のゴールで一矢報いられた広島だったが、今季2度目のリーグ連勝と共に公式戦5連勝を達成した。 一方、完封負けは回避したが、城福監督の広島帰還試合で完敗の東京Vは3バック変更後初の黒星となった。 サンフレッチェ広島 4-1 東京ヴェルディ 【広島】 加藤陸次樹(前2) ピエロス・ソティリウ(後2、後17) ドウグラス・ヴィエイラ(後37) 【東京V】 木村勇大(後45+5) 2024.06.15 20:33 Sat

【J1注目プレビュー|第18節:広島vs東京V】混戦状態の中位対決、ミラーゲームを制するのは?

【明治安田J1リーグ第18節】 2024年6月15日(土) 18:30キックオフ サンフレッチェ広島(5位/26pt) vs 東京ヴェルディ(11位/24pt) [エディオンピースウイング広島] <span class="paragraph-subtitle">◆上昇気流に乗り続けられるか【サンフレッチェ広島】</span> 6月に入ってから既に4試合の公式戦を戦っている広島。全勝とチームは勢いに乗っている。 ミッドウィークの天皇杯では、中国リーグのFCバレイン下関を相手に11ゴールを奪う圧勝。控え選手がプレーした中で、格下相手にしっかりと勝利を収めた。 チームとしても良い流れができつつある中、FWマルコス・ジュニオールも復帰。攻撃陣は充実している部分もあるが、守備陣はDF荒木隼人が足首を痛め、欠場の可能性が高い。攻撃陣とは裏腹に、不安材料を抱えている。 とはいえチームとしての良い流れをしっかりと継続したいところ。日本代表戦では熱気を感じさせたEピースで、2人の代表選手も再びピッチに立つことは濃厚。かつての指揮官を前に立ちはだかりたい。 ★予想スタメン[3-4-2-1] GK:大迫敬介 DF:塩谷司、中野就斗、佐々木翔 MF:新井直人、川村拓夢、松本泰志、東俊希 MF:大橋祐紀、加藤陸次樹 FW:ピエロス・ソティリウ 監督:ミヒャエル・スキッベ <span class="paragraph-subtitle">◆勝ち点差は「2」、勝って上回りたい 【東京ヴェルディ】</span> 2日に行われた北海道コンサドーレ札幌戦では、今季最多の5ゴールを奪い快勝。ミッドウィークのAC長野パルセイロ戦も5ゴールを奪った。 チームとして[3-4-2-1]のシステムが機能し始めており、FW木村勇大とFW染野唯月も好調を維持。団子状態の中位を抜け出すためにも、勝ち点差「2」の広島をしっかりと叩きたい。 今シーズンは既にルヴァンカップ3回戦で敗れており、今回はミラーゲームで挑むことに。かつての指揮官である城福浩監督は、古巣相手にリベンジを果たしたいところだろう。 守備陣では複数の負傷者が出ているが、しっかりと3バックを形成して押さえていきたいところ。攻守のバランスを見つつ、屈強な相手3バックを攻略していきたい。 ★予想スタメン[3-4-2-1] GK:マテウス DF:林尚輝、千田海人、谷口栄斗 MF:翁長聖、齋藤功佑、見木友哉、稲見哲行 FW:染野唯月、木村勇大、山見大登 監督:城福浩 2024.06.15 12:55 Sat

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「次自分たちが何をしていくかが重要」…東京Vの林尚輝、広島敗戦をさらなる進化の契機に

東京ヴェルディは22日、味の素スタジアムで行われる明治安田J1リーグ第19節で名古屋グランパスと対戦する。DF林尚輝はこの一戦で、前節の大敗からのバウンスバックの勝利と共に、チームとしての進化を示したいと意気込む。 11位の東京Vは前節、今シーズン初のリーグ3連勝を狙ってサンフレッチェ広島のホームに乗り込んだが、1-4の敗戦。先日のJリーグYBCルヴァンカップに続きJ1リーグの上位相手に力の差を見せつけられる結果に終わった。 この試合に3バックの右でプレーした林は守備の主力として、前後半の入りで喫したセットプレーからの2失点を含め大量失点の責任を口にした。 「もちろん最初の1失点目というのは、このゲームに大きく関係していることだと思いますし、ゲームを難しくしてしまった要因というのはあるので、自分のファウルからの失点という部分もありましたけど、あの状況にさせないというのが、自分たちの大切な部分だと思います」 「自分たちはある意味で、5バックや3枚でやっている中で、しっかり構えれば、もしかしたら違う展開というのはあったかもしれないですけど、それができない状況になったのは、先に失点したというのが大きく関係していました。相手の戦い方というのは見習うべきことが多かったかなと」 広島との公式戦2試合を通じては全体のプレー強度や個々のテクニックに加え、“局面での力の出し方”、“ランニングの質”という部分に差を感じたと振り返る背番号4。 「単純な技術のところというのはありますけど、相手の走ってくるタイミングやランニングの精度というのは、高かったと感じています。それこそ走り負けているという感覚というのは、その出力を出すタイミングというのがすごく関係していると思っていますし、走行距離ではたぶん自分たちの方が走っていたと思いますが、瞬間的なセカンドボールを拾う時に出してくる出力とか、ここぞという時にランニングしてくるスピード、走れるという差があったのかなと」 また、チームとしてのスタイルは異なるものの、今後も[3-4-2-1]を継続する場合、立ち位置の取り方を含め参考にすべき部分があると考えている。 「3枚でやるとなった時に、やっぱりマンツーっぽくなるシーンというのを多く作られていましたし、ロングボールの入れ方という時に、ターゲットにしている選手に入れてくるんですけど、そこで自分たちが競り勝てたとしても、インサイドハーフの選手がもうセカンドボールの準備をしているという、そのポジションの高さの違い、優位性の作り方というのは上手だったなと思っていて、自分自身も行きたいけどセオリー的には行けない。カバーリングをすることが第1優先であるというような、考えさせられるポジショニングというのを何回も取られていましたので、そこは自分たちもやり方は違いますけど、立ち位置は似ている部分があるので、そういった意識というのはチームとしても真似していく必要もあるのかなと思います」 今週の立ち上げのミーティングでは「相手の良かったところと、自分たちができていなかったところを主にピックアップし、そこを今週もう1回自分たちでやって成長して、次のゲームに挑もう」と城福浩監督からの声掛けもあった。 その前節からの反省を活かしつつ、チームとしての進化を示したい今節は沖縄でのプレシーズンキャンプでも対峙した9位の名古屋が相手となる。 林は「あれはスタメンの選手が出ていないので、全然意味ないと思っている」と相手が控え選手と若手選手主体だったキャンプでの対戦は参考にならないとし、未だリーグ屈指のスピードを誇るFW永井謙佑を軸とする、相手の前線を警戒。その上で公式戦3試合連続のミラーゲームを制する上でのポイントを語った。 「ここ3試合はミラーゲームっぽくなる試合で、長野と広島は同じような長所があるというふうに踏んでいましたけど、やっぱり質の差というのはありましたし、長野戦では自分たちが出していって、そこでインターセプトできて潰せてというシーンがありましたけど、やっぱりそこをうまくかいくぐってくる力があったというところで、自分たちはその戦い方の部分で考え直さないといけないきっかけにはなったと思います」 「名古屋も同じ噛み合わせでやるというところで、次自分たちが何をしていくかというのは重要ですし、その質の差、それは足元の技術とか、フィジカル的なことかもしれないですけど、出力の出し方というのは、今週もう1回自分たちで意識してやりながら、次の試合に挑みたい」 「相手は特徴ある3トップがいて、またちょっと広島とは自分の感覚的にやり方というのは違うイメージがありますけど、その中で自分たちが優位に立てるような方法というのを、ディフェンスラインとして共通意識を持ってやっていきたいです」 昨シーズンのJ1昇格プレーオフを制し、“20番目”のチームとして16年ぶりのJ1の戦いに臨んだ中、ここまで11位と健闘を見せる東京V。得失点差的に一桁順位浮上は難しいが、勝利でシーズンを折り返すことはできるか。 2024.06.21 19:30 Fri

チームと共に後半戦へ弾みつけたい東京Vの山見大登「名古屋戦でゴールとともに結果を残したい」

東京ヴェルディのFW山見大登は、後半戦のさらなる飛躍に向け前半戦最終戦での活躍を強く意識する。 東京Vは前節、今シーズン初のリーグ3連勝を狙ってサンフレッチェ広島のホームに乗り込んだが、1-4の敗戦。先日のJリーグYBCルヴァンカップに続きJ1リーグの上位相手に力の差を見せつけられる結果に終わった。 その広島戦に後半頭から投入され、[3-4-2-1]のシャドー、[4-4-2]の右サイドでプレーした山見は個人としての反省と共に、チームとして突きつけられた課題に言及。 「あそこまでマンツーマンでやられて、個人で剥がすことができないと、ああいう展開になるというのはわかっていました。それを踏まえて、次にどう活かしていくかというところで、守備のところではめちゃめちゃやられたというわけではないですけど、最初の球際のところで大橋(祐紀)選手に負けたりとか、そういった部分で失点に繋がるシーンがあったと思うので、そこをなくしていければと思います」 「(後半途中から)[4-4-2]になって、自分としてはサイドでもうちょっとボールをピックアップして前向きに、他の選手を使うという部分ができればよかったですけど、ビルドアップの部分で前と後ろでだいぶ下がってしまったと思うので、そこの差というのを埋めて、次に活かしていきたいです」 広島戦後には“局面での力の出し方”、“ランニングの質”といった部分の差に言及する選手が多かった中、ルヴァンカップでも広島と対峙したアタッカーは立ち位置や全体の共有を含め「クリアの質」の違いをより感じていたという。 「相手選手の背後へのボールというのが、絶対に自分たちのセンターバックを越えて、しかもキーパーにも取られない位置に蹴ってという部分があって、自陣の味方もクリアしづらいボールになって、そのセカンドを拾われてというシーンが多かったと思います」 「逆に、こっちのボールは相手センターバックの前で引っかかってしまって、余裕を持ってヘディングして味方に繋ぐパスというのができていたと思うので、そこの部分のクリアの差というか、そういうところもちょっと全員で共通認識を持ってやっていければと思います」 さらに、「自分たちが前からプレスをかけてという部分では自信を持って今シーズンやれていると思うので、そこの部分を活かすためにも一個一個のキックの質というのを改善していければいいなと思います」と、個々の質の追求にも目を向ける。 そういった反省を踏まえて戦う22日の明治安田第19節は、勝ち点3で9位に位置する名古屋グランパスを味の素スタジアムで迎え撃つ。 山見は「前に足の速い特徴のある永井(謙佑)選手であったりとか、途中からパトリック選手だったりとか、そういう個に特徴がある選手が多い中で、やっぱりそこを活かしたサッカーをしてくる」と、広島同様に[3-4-2-1]の布陣を採用する対戦相手のイメージを語る。 その上で「そこの部分でうまく前線にボールを運ばせないように、前からのプレスというのが大事かなと思います。相手のビルドアップは広島とかに比べれば少し落ちると思うので、そこの部分で前からのプレスとか、前線から追っていくところが大切になってくる」と、ミラーゲームでマッチアップが明確となる状況においてチームとしても肝にしている前線からの強度の高い守備をポイントに挙げた。 個人としては布陣変更によって2シャドーの一角を主戦場に、爆発的な加速力を活かした背後への飛び出しに加え、ライン間でボールを引き出してのドリブル突破、味方をシンプルに使うパスで攻撃の起点を担う場面も増えている。とりわけ、小回りが利く仕掛けは大柄な相手3バックに対して有効な攻撃の手段となりそうだ。 山見自身は「パスとドリブルの使い分け」を意識しつつ、やはり個の仕掛けの部分で違いを作りたいと考えている。 「やっぱり三國(ケネディエブス)選手であったり、ハ・チャンレ選手というのはフィジカルの部分で強いと思いますし、身長もでかくて足も長いというところで、自分としてはそういった選手に勝っていかないといけない。逆に、潜りやすさというのは出てきたりするので、そういった部分でやりやすさもあるかなという感じです」 「(シャドーでのプレーでは)ウイングバックの選手が相手のサイドバックとかをピン止めしているぶん、そこの前にスペースができやすくなりますし、ボランチもそこの部分にスライドしにくいというのは、このフォーメーションの特徴だと思います」 「そこでいかにシャドーがボールを受けて前向きに作ったりとか、受けてボランチを使って、ボランチを前向きに使うという部分を作っていかないと、相手の嫌なところに潜っていきにくくなりますし、前線の真ん中に人数が少ないぶん、そういった部分で優位性を持っていかないといけないと思うので、そこの部分は前向きにできれば、ドリブルもできますし、そこでのパスとドリブルの使い分けというのをできればいいと考えています」 先日に行われた天皇杯のAC長野パルセイロ戦でフル出場し、攻撃の特長を出しながら課題の守備面でもハードワークをこなして「90分でも走り切れる」という手応えを得た山見。 チームとしては“ゲームチェンジャー”という切り札としてベンチに置いておきたい一方、出場機会を求めてガンバ大阪から新天地を求めた24歳としては「練習から100%でやるからこそ、試合で楽という言い方は違うかもしれないですけど、ある程度練習の方がきついと思えるようになってきた」とスタメンでも攻守に貢献できる自信を得た中で、より大きな役割、責任を求めている。 そういった心境で臨む前半戦ラストマッチでは、リーグ戦15試合(先発1試合)で1ゴール2アシストと「そこまで良くない」と自覚する数字面を含め、後半戦に弾みを付ける活躍を誓った。 「シーズンの最初に比べれば、試合に出る時間も長くなってきたりとかしていますけど、個人の成績を見てみれば、そこまで良くない。後半戦に向けて弾みをつけるためにも、この名古屋戦で1個ゴールとともに結果を残して、後半戦でもっと点を取れたりとかしていければいいなと思います」 2024.06.21 19:00 Fri

名古屋戦に臨む東京Vの城福浩監督、「優先順位の共有と予測」の課題に言及…練習復帰の山田楓喜の状態も説明

東京ヴェルディの城福浩監督が、22日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1第19節の名古屋グランパス戦に向けた会見を行った。 16年ぶりのJ1の舞台で、トップカテゴリーの経験に乏しい最年少スカッドを率いる城福監督。同じく昇格組で首位に立つFC町田ゼルビア、前節のサンフレッチェ広島相手に大敗を喫したものの、クラブ予算やスカッドの質を鑑みれば、健闘と言える11位でシーズン折り返し地点を迎えている。 J1残留を最大の目標のひとつに掲げながらも、より高みを目指す野心的な指揮官は、1-4で敗れた広島戦からのバウンスバックと共に、後半戦へ弾みを付けるべく、前半戦ラストマッチで9位の名古屋撃破を目指す。 「多くの差を感じた」と完敗を認めた古巣対戦から1週間を経て臨む、今回の一戦に向けて城福監督は「何に差があったか、掴みづらいぐらいの点差だった」という部分で、「我々が整理できること。今のスカッドでやれることという意味で、すごく極めてベーシックなところに着目した」と、選手たちに要点を絞った上で課題を伝えたという。 「完敗と言っていい広島戦を受けて、我々が何を整理してしっかり伝えるかというところでは、基本的なところというか、ベーシックなところに目を向けて、例えば立ち位置であるとか、ポジションのタスクであるとかそういうことではなく、ボールの状況で何を優先すべきかというところが、そこに差があったというふうに思っています」 その差の部分では広島戦後に“局面での力の出し方”、“ランニングの質”といった部分の差に言及する選手が多かったが、指揮官は「優先順位の共有と予測」という、より根本的な部分で違いがあったと説明している。 「(出力の出し方やランニングの質の違いを)選手は感じたと思います。それを抽象的ではなくて具体的にランニングの質とは何なのか、スプリント回数が多いとか、少ないというのはどういうことなのかと。ランニングの質とか出力の出し方ということは、いつ走るかです。そこは予測であったり、パスの優先順位が明確ということ。ボールホルダーがフリーであれば、足元でもらうよりも裏。そこの差は(映像で)見せました」 「我々のチームはボールホルダーがフリーなのに、足元でもらおうとしている。そこは僕自身の反省ですけど、[3-4-3]だから、このポジションにはこういうタスクがあるというのは、それは大まかな話であって、サッカーというのはどこのポジションがここにいなければいけないというわけではない」 「そうすると、ボールホルダーがヘッドアップできる状況というのは、いつ起こるかわからない。でも、それが起こった瞬間の反応とか、出し手と受け手の優先順位の選び方のところでは大きな差がありました。それは彼らから見ると、出力の差に見えると思います。ただ単に出力というのは、優先順位の共有と予測。もちろん、素走りのスピードというのも、広島はそれが特徴的なので、スピードとパワーという部分で多少の差はあったとしても、もっと大きな差というのは状況における優先順位の共有と予測でした」 また、一時改善傾向が見受けられたものの、ここ最近改めて課題として浮き彫りとなるセットプレーからの失点という部分では、ストーンの数を増やすなど現状の選手がより得意な形へのマイナーチェンジといった試行錯誤を口にしつつも、「マークを高いレベルでつけるようにならないといけない」と選手個々の改善を強く求めた。 「何がこのチーム、このメンバーにとって一番いいのかというのは、スタッフと話しながらやっています。ただ、それ以前に根本的なところでマークをつくのが苦手だという選手が多くなったら、どんなやり方をしても同じ」 「マークというのは相手がじっとしてくれれば誰でもつけますが、相手は駆け引きをして動きがあって、3度ぐらいフェイクがあって、しかもグループでブロックもしてくる。さらに、J1ではデザインしたところにボールが来るので、まず根本的なマークをつくというところのレベルを上げる。出ている選手全員が高いレベルでマークをつけるようになるということがすごく大事なことです」 そういった課題克服に取り組みつつ臨む名古屋戦では、MF米本拓司、MF稲垣祥、MF森島司、DF野上結貴と古巣対戦となった前節同様にこれまでの監督キャリアで指導し、愛弟子とも言える選手たちと対峙する。 「逆の言い方をすれば、向こうの選手も僕の志向をわかっている」と各選手の長所も短所も知り抜くアドバンテージはないとしながらも、「ただ特長を出させたら、非常に手ごわい選手たちなので、彼らの特長を出させないために、チームとしても取り組まなければいけない」と、やはり教え子への警戒を口にしている。 これまで何度も対戦してきた長谷川健太監督が率いる名古屋というチームについては「ボールを刈り取れる選手がいて、カウンターでスピードを出せば、追いつけないぐらいの速い選手がいて、フィードから一発でロングフィードで裏を取ってそこからチャンスを作るような展開も、彼らの中のパターンのひとつ」と分析。 ただ、「もちろん相手のこともリスペクトはしますけど、我々がやるべきことというのは非常にベーシックなところ。広島戦で出た上位陣との差を縮めるというところにフォーカスしたいと思います。ベースのところは広島戦のあの完敗があったからこそ、こういうふうに改善できたねというチームになって、そこはしっかり表現したいと思います」と、引き続き自分たちへベクトルを向けている。 なお、負傷者に関してはキャプテンのMF森田晃樹ら引き続き数名を欠くことになるが、DF宮原和也、MF綱島悠斗、FW白井亮丞に加え、心身のリフレッシュを終えたMF山田楓喜が全体練習に復帰。少しずつ離脱者が戻ってきている。 5月22日のルヴァンカップ広島戦以来の公式戦復帰も期待される山田楓に関しては「身体自体に不具合があるわけではないので、そこは心身ともにリフレッシュして今週戻ってきました。動き的には全く問題ない」と説明。 名古屋戦での起用の可能性については「ゲーム体力や強度というところでいきなり100%でというところはちょっとやってみないとわからない」としながらも、「彼が18人の中に入って勝ち点3を取るためのハードワークができる状態であれば、彼もその候補の中に入ってくるので、そこは最後の最後までしっかり見極めたい」と、チーム内の競争を大前提に状態次第でメンバー入りもあることを示唆した。 2024.06.21 18:00 Fri

【Jリーグ出場停止情報】広島FW満田誠も出場停止、ミッドウィークの横浜FM戦で退場

Jリーグは20日、出場停止選手を発表した。 今回追加されたのはサンフレッチェ広島のFW満田誠。19日に行われた明治安田J1リーグ第13節延期分の横浜F・マリノス戦でイエローカードを2枚受けて退場し、22日に行われる第19節の柏レイソル戦が出場停止となった。 【明治安田J1リーグ】 DFエンリケ・トレヴィザン(FC東京) 第19節 vs湘南ベルマーレ(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF見木友哉(東京ヴェルディ) 第19節 vs名古屋グランパス(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF橘田健人(川崎フロンターレ) 第19節 vsアルビレックス新潟(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 FW満田誠(サンフレッチェ広島) 第19節vs柏レイソル(6/22) 今回の停止:1試合停止 MF紺野和也(アビスパ福岡) 第19節 vsFC町田ゼルビア(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 【明治安田J2リーグ】 MF小野原和哉(ブラウブリッツ秋田) 第21節 vs清水エルパルス(6/23) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 GK内山圭(藤枝MYFC) 第21節 vsV・ファーレン長崎(6/22) 今回の停止:1試合停止 【明治安田J3リーグ】 DF温井駿斗(ガイナーレ鳥取) 第18節 vsFC岐阜(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF佐藤祐太(FC琉球) 第18節 vs大宮アルディージャ(6/22) 今回の停止:1試合停止 2024.06.20 18:55 Thu

【Jリーグ出場停止情報】J1では5選手が出場停止、広島DF佐々木翔はミッドウィークの横浜FM戦が出場停止に

Jリーグは17日、明治安田Jリーグの出場停止選手を発表した。 J1では、FC東京のDFエンリケ・トレヴィザン、東京ヴェルディのMF見木友哉、川崎フロンターレのMF橘田健人、サンフレッチェ広島のDF佐々木翔、アビスパ福岡のMF紺野和也が出場停止となる。 J2では、ブラウブリッツ秋田の小野原和哉、藤枝MYFCの内山圭、J3ではガイナーレ鳥取の温井駿斗、FC琉球の佐藤祐太が出場停止となる。 内山に関しては、15日に行われた明治安田J2リーグ第20節の横浜FC戦で一発退場。Jリーグは「ペナルティーエリア外で、ドリブルをしていた相手競技者に対し、ボールにプレーできず反則で止めた行為は、「相手チームの決定的得点機会の阻止」に該当する」と判断。「DOGSO」で1試合の出場停止となった。 【明治安田J1リーグ】 DFエンリケ・トレヴィザン(FC東京) 第19節 vs湘南ベルマーレ(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF見木友哉(東京ヴェルディ) 第19節 vs名古屋グランパス(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF橘田健人(川崎フロンターレ) 第19節 vsアルビレックス新潟(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 DF佐々木翔 (サンフレッチェ広島) 第13節 vs横浜F・マリノス(6/19) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF紺野和也(アビスパ福岡) 第19節 vsFC町田ゼルビア(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 【明治安田J2リーグ】 MF小野原和哉(ブラウブリッツ秋田) 第21節 vs清水エルパルス(6/23) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 GK内山圭(藤枝MYFC) 第21節 vsV・ファーレン長崎(6/22) 今回の停止:1試合停止 【明治安田J3リーグ】 DF温井駿斗(ガイナーレ鳥取) 第18節 vsFC岐阜(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF佐藤祐太(FC琉球) 第18節 vs大宮アルディージャ(6/22) 今回の停止:1試合停止 2024.06.17 23:05 Mon

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「次自分たちが何をしていくかが重要」…東京Vの林尚輝、広島敗戦をさらなる進化の契機に

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チームと共に後半戦へ弾みつけたい東京Vの山見大登「名古屋戦でゴールとともに結果を残したい」

東京ヴェルディのFW山見大登は、後半戦のさらなる飛躍に向け前半戦最終戦での活躍を強く意識する。 東京Vは前節、今シーズン初のリーグ3連勝を狙ってサンフレッチェ広島のホームに乗り込んだが、1-4の敗戦。先日のJリーグYBCルヴァンカップに続きJ1リーグの上位相手に力の差を見せつけられる結果に終わった。 その広島戦に後半頭から投入され、[3-4-2-1]のシャドー、[4-4-2]の右サイドでプレーした山見は個人としての反省と共に、チームとして突きつけられた課題に言及。 「あそこまでマンツーマンでやられて、個人で剥がすことができないと、ああいう展開になるというのはわかっていました。それを踏まえて、次にどう活かしていくかというところで、守備のところではめちゃめちゃやられたというわけではないですけど、最初の球際のところで大橋(祐紀)選手に負けたりとか、そういった部分で失点に繋がるシーンがあったと思うので、そこをなくしていければと思います」 「(後半途中から)[4-4-2]になって、自分としてはサイドでもうちょっとボールをピックアップして前向きに、他の選手を使うという部分ができればよかったですけど、ビルドアップの部分で前と後ろでだいぶ下がってしまったと思うので、そこの差というのを埋めて、次に活かしていきたいです」 広島戦後には“局面での力の出し方”、“ランニングの質”といった部分の差に言及する選手が多かった中、ルヴァンカップでも広島と対峙したアタッカーは立ち位置や全体の共有を含め「クリアの質」の違いをより感じていたという。 「相手選手の背後へのボールというのが、絶対に自分たちのセンターバックを越えて、しかもキーパーにも取られない位置に蹴ってという部分があって、自陣の味方もクリアしづらいボールになって、そのセカンドを拾われてというシーンが多かったと思います」 「逆に、こっちのボールは相手センターバックの前で引っかかってしまって、余裕を持ってヘディングして味方に繋ぐパスというのができていたと思うので、そこの部分のクリアの差というか、そういうところもちょっと全員で共通認識を持ってやっていければと思います」 さらに、「自分たちが前からプレスをかけてという部分では自信を持って今シーズンやれていると思うので、そこの部分を活かすためにも一個一個のキックの質というのを改善していければいいなと思います」と、個々の質の追求にも目を向ける。 そういった反省を踏まえて戦う22日の明治安田第19節は、勝ち点3で9位に位置する名古屋グランパスを味の素スタジアムで迎え撃つ。 山見は「前に足の速い特徴のある永井(謙佑)選手であったりとか、途中からパトリック選手だったりとか、そういう個に特徴がある選手が多い中で、やっぱりそこを活かしたサッカーをしてくる」と、広島同様に[3-4-2-1]の布陣を採用する対戦相手のイメージを語る。 その上で「そこの部分でうまく前線にボールを運ばせないように、前からのプレスというのが大事かなと思います。相手のビルドアップは広島とかに比べれば少し落ちると思うので、そこの部分で前からのプレスとか、前線から追っていくところが大切になってくる」と、ミラーゲームでマッチアップが明確となる状況においてチームとしても肝にしている前線からの強度の高い守備をポイントに挙げた。 個人としては布陣変更によって2シャドーの一角を主戦場に、爆発的な加速力を活かした背後への飛び出しに加え、ライン間でボールを引き出してのドリブル突破、味方をシンプルに使うパスで攻撃の起点を担う場面も増えている。とりわけ、小回りが利く仕掛けは大柄な相手3バックに対して有効な攻撃の手段となりそうだ。 山見自身は「パスとドリブルの使い分け」を意識しつつ、やはり個の仕掛けの部分で違いを作りたいと考えている。 「やっぱり三國(ケネディエブス)選手であったり、ハ・チャンレ選手というのはフィジカルの部分で強いと思いますし、身長もでかくて足も長いというところで、自分としてはそういった選手に勝っていかないといけない。逆に、潜りやすさというのは出てきたりするので、そういった部分でやりやすさもあるかなという感じです」 「(シャドーでのプレーでは)ウイングバックの選手が相手のサイドバックとかをピン止めしているぶん、そこの前にスペースができやすくなりますし、ボランチもそこの部分にスライドしにくいというのは、このフォーメーションの特徴だと思います」 「そこでいかにシャドーがボールを受けて前向きに作ったりとか、受けてボランチを使って、ボランチを前向きに使うという部分を作っていかないと、相手の嫌なところに潜っていきにくくなりますし、前線の真ん中に人数が少ないぶん、そういった部分で優位性を持っていかないといけないと思うので、そこの部分は前向きにできれば、ドリブルもできますし、そこでのパスとドリブルの使い分けというのをできればいいと考えています」 先日に行われた天皇杯のAC長野パルセイロ戦でフル出場し、攻撃の特長を出しながら課題の守備面でもハードワークをこなして「90分でも走り切れる」という手応えを得た山見。 チームとしては“ゲームチェンジャー”という切り札としてベンチに置いておきたい一方、出場機会を求めてガンバ大阪から新天地を求めた24歳としては「練習から100%でやるからこそ、試合で楽という言い方は違うかもしれないですけど、ある程度練習の方がきついと思えるようになってきた」とスタメンでも攻守に貢献できる自信を得た中で、より大きな役割、責任を求めている。 そういった心境で臨む前半戦ラストマッチでは、リーグ戦15試合(先発1試合)で1ゴール2アシストと「そこまで良くない」と自覚する数字面を含め、後半戦に弾みを付ける活躍を誓った。 「シーズンの最初に比べれば、試合に出る時間も長くなってきたりとかしていますけど、個人の成績を見てみれば、そこまで良くない。後半戦に向けて弾みをつけるためにも、この名古屋戦で1個ゴールとともに結果を残して、後半戦でもっと点を取れたりとかしていければいいなと思います」 2024.06.21 19:00 Fri

名古屋戦に臨む東京Vの城福浩監督、「優先順位の共有と予測」の課題に言及…練習復帰の山田楓喜の状態も説明

東京ヴェルディの城福浩監督が、22日に味の素スタジアムで行われる明治安田J1第19節の名古屋グランパス戦に向けた会見を行った。 16年ぶりのJ1の舞台で、トップカテゴリーの経験に乏しい最年少スカッドを率いる城福監督。同じく昇格組で首位に立つFC町田ゼルビア、前節のサンフレッチェ広島相手に大敗を喫したものの、クラブ予算やスカッドの質を鑑みれば、健闘と言える11位でシーズン折り返し地点を迎えている。 J1残留を最大の目標のひとつに掲げながらも、より高みを目指す野心的な指揮官は、1-4で敗れた広島戦からのバウンスバックと共に、後半戦へ弾みを付けるべく、前半戦ラストマッチで9位の名古屋撃破を目指す。 「多くの差を感じた」と完敗を認めた古巣対戦から1週間を経て臨む、今回の一戦に向けて城福監督は「何に差があったか、掴みづらいぐらいの点差だった」という部分で、「我々が整理できること。今のスカッドでやれることという意味で、すごく極めてベーシックなところに着目した」と、選手たちに要点を絞った上で課題を伝えたという。 「完敗と言っていい広島戦を受けて、我々が何を整理してしっかり伝えるかというところでは、基本的なところというか、ベーシックなところに目を向けて、例えば立ち位置であるとか、ポジションのタスクであるとかそういうことではなく、ボールの状況で何を優先すべきかというところが、そこに差があったというふうに思っています」 その差の部分では広島戦後に“局面での力の出し方”、“ランニングの質”といった部分の差に言及する選手が多かったが、指揮官は「優先順位の共有と予測」という、より根本的な部分で違いがあったと説明している。 「(出力の出し方やランニングの質の違いを)選手は感じたと思います。それを抽象的ではなくて具体的にランニングの質とは何なのか、スプリント回数が多いとか、少ないというのはどういうことなのかと。ランニングの質とか出力の出し方ということは、いつ走るかです。そこは予測であったり、パスの優先順位が明確ということ。ボールホルダーがフリーであれば、足元でもらうよりも裏。そこの差は(映像で)見せました」 「我々のチームはボールホルダーがフリーなのに、足元でもらおうとしている。そこは僕自身の反省ですけど、[3-4-3]だから、このポジションにはこういうタスクがあるというのは、それは大まかな話であって、サッカーというのはどこのポジションがここにいなければいけないというわけではない」 「そうすると、ボールホルダーがヘッドアップできる状況というのは、いつ起こるかわからない。でも、それが起こった瞬間の反応とか、出し手と受け手の優先順位の選び方のところでは大きな差がありました。それは彼らから見ると、出力の差に見えると思います。ただ単に出力というのは、優先順位の共有と予測。もちろん、素走りのスピードというのも、広島はそれが特徴的なので、スピードとパワーという部分で多少の差はあったとしても、もっと大きな差というのは状況における優先順位の共有と予測でした」 また、一時改善傾向が見受けられたものの、ここ最近改めて課題として浮き彫りとなるセットプレーからの失点という部分では、ストーンの数を増やすなど現状の選手がより得意な形へのマイナーチェンジといった試行錯誤を口にしつつも、「マークを高いレベルでつけるようにならないといけない」と選手個々の改善を強く求めた。 「何がこのチーム、このメンバーにとって一番いいのかというのは、スタッフと話しながらやっています。ただ、それ以前に根本的なところでマークをつくのが苦手だという選手が多くなったら、どんなやり方をしても同じ」 「マークというのは相手がじっとしてくれれば誰でもつけますが、相手は駆け引きをして動きがあって、3度ぐらいフェイクがあって、しかもグループでブロックもしてくる。さらに、J1ではデザインしたところにボールが来るので、まず根本的なマークをつくというところのレベルを上げる。出ている選手全員が高いレベルでマークをつけるようになるということがすごく大事なことです」 そういった課題克服に取り組みつつ臨む名古屋戦では、MF米本拓司、MF稲垣祥、MF森島司、DF野上結貴と古巣対戦となった前節同様にこれまでの監督キャリアで指導し、愛弟子とも言える選手たちと対峙する。 「逆の言い方をすれば、向こうの選手も僕の志向をわかっている」と各選手の長所も短所も知り抜くアドバンテージはないとしながらも、「ただ特長を出させたら、非常に手ごわい選手たちなので、彼らの特長を出させないために、チームとしても取り組まなければいけない」と、やはり教え子への警戒を口にしている。 これまで何度も対戦してきた長谷川健太監督が率いる名古屋というチームについては「ボールを刈り取れる選手がいて、カウンターでスピードを出せば、追いつけないぐらいの速い選手がいて、フィードから一発でロングフィードで裏を取ってそこからチャンスを作るような展開も、彼らの中のパターンのひとつ」と分析。 ただ、「もちろん相手のこともリスペクトはしますけど、我々がやるべきことというのは非常にベーシックなところ。広島戦で出た上位陣との差を縮めるというところにフォーカスしたいと思います。ベースのところは広島戦のあの完敗があったからこそ、こういうふうに改善できたねというチームになって、そこはしっかり表現したいと思います」と、引き続き自分たちへベクトルを向けている。 なお、負傷者に関してはキャプテンのMF森田晃樹ら引き続き数名を欠くことになるが、DF宮原和也、MF綱島悠斗、FW白井亮丞に加え、心身のリフレッシュを終えたMF山田楓喜が全体練習に復帰。少しずつ離脱者が戻ってきている。 5月22日のルヴァンカップ広島戦以来の公式戦復帰も期待される山田楓に関しては「身体自体に不具合があるわけではないので、そこは心身ともにリフレッシュして今週戻ってきました。動き的には全く問題ない」と説明。 名古屋戦での起用の可能性については「ゲーム体力や強度というところでいきなり100%でというところはちょっとやってみないとわからない」としながらも、「彼が18人の中に入って勝ち点3を取るためのハードワークができる状態であれば、彼もその候補の中に入ってくるので、そこは最後の最後までしっかり見極めたい」と、チーム内の競争を大前提に状態次第でメンバー入りもあることを示唆した。 2024.06.21 18:00 Fri

大分に順天堂大DF宮川歩己が来季新加入内定 「勝利に貢献できるよう全てを懸けて戦います」

大分トリニータは21日、順天堂大学からDF宮川歩己(21)の来季新加入内定を発表した。 宮川は横浜F・マリノス追浜ジュニアユースから日本大学藤沢高校に進み、現在の順天堂大学に。クラブによると、特長は「身体能力を活かした空中戦と対人の強さが武器。精度の高いロングフィードで攻撃の起点にもなれるディフェンダー」という。 クラブを通じて、「2025シーズンから大分トリニータに加入することになりました、順天堂大学の宮川歩己です」と挨拶し、大分でのプロ入り内定を喜びながら、決意を語っている。 「幼い頃からの夢であったプロサッカー選手としてのキャリアを大分トリニータという素晴らしいクラブでスタートできること、大変嬉しく思います。これまで支えてくれた家族をはじめ、沢山の指導者の方々やチームメイトに恵まれ今の自分があると思います。これまで出会った全ての方々に感謝します。1日でも早く大分トリニータの勝利に貢献できるよう全てを懸けて戦います。大分トリニータのファン、サポーターの皆様、応援よろしくお願いします!」 2024.06.21 16:10 Fri

鹿島がユースから左利きSB佐藤海宏の来季昇格を発表 「恩返しができるようにしていきたい」

鹿島アントラーズは21日、ユースのDF佐藤海宏(17)が2025年からトップチームに昇格すると発表した。 佐藤は茨城県出身で、鹿島ではジュニア、ジュニアユース、そして現在のユースでプレー。代表ではU-15カテゴリーから、U-16、U-17と選出されてきた。 クラブによると、「精度の高いキックを武器とし、得点に絡むプレーが持ち味。試合終了までアップダウンを繰り返す豊富な運動量とキャプテンシーでチームを牽引する、左利きのサイドバック」という。 クラブを通じては「来季からトップチームに昇格することになりました、鹿島アントラーズユースの佐藤海宏です」と昇格を報告し、意気込みを語っている。 「アントラーズという伝統のあるクラブで、プロサッカー選手としてのキャリアをスタートできることをとても嬉しく思います。サッカーを始めてから今に至るまで、家族やアカデミースタッフの方々、友人、チームメートなどたくさんの人に支えられてきました。今まで関わっていただいたすべての方々への感謝の気持ちを忘れず、恩返しができるようにしていきたいと思います。そして何よりも、アントラーズの勝利に貢献できるよう、全力を尽くしていきます。応援よろしくお願いします」 2024.06.21 15:45 Fri

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「多くの差を感じた」、古巣相手の完敗認める東京Vの城福浩監督…「その差を受け入れ、這い上がっていく」

東京ヴェルディの城福浩監督が、完敗に終わった古巣対戦を振り返った。 東京Vは15日、エディオンピースウイング広島で行われた明治安田J1第18節のサンフレッチェ広島に1-4で敗戦した。 リーグ連勝で勢いにのる11位のチームは、勝ち点2差で5位の広島相手に今季初の3連勝での上位進出を目指した。しかし、前後半の立ち上がりに与えたセットプレーからFW加藤陸次樹、FWピエロス・ソティリウにゴールを奪われて苦しい展開を強いられると、62分にソティリウ、82分には古巣対戦のFWドウグラス・ヴィエイラに連続ゴールを許した。 その後、後半アディショナルタイムにFW木村勇大の公式戦3試合連続ゴールで一矢を報いたが、先月のルヴァンカップの敗戦(2-3●)に続く広島相手の黒星となった。 古巣対戦が期待されたDF宮原和也、キャプテンのMF森田晃樹ら主力数名を欠く厳しい台所事情に加え、ほぼ主力を起用した天皇杯から中2日のアウェイゲームというエクスキューズはあったが、試合後の会見で城福監督は、「今現在の実力通りの差かなと思います」と、真摯に1-4の敗戦を受け入れた。 「今現在の実力通りの差かなと思います。もちろん5点目が入ってもおかしくない状況というのはあったと認識していますし、我々が前にかかっていたなかで、相手のカウンターの精度が高いなというのも認識していますけど、今現在でベストなメンバーを組めた状態での差は受け入れざるを得ない」 「一番を上げるのが難しいぐらい多くの差を感じました。一対一の力の出しどころ、もちろん絶対的なパワーとスピードも多少の差はあると思いますけど、いつ相手に寄せるのか、いつボールハンティングをして、それをした瞬間に、もう攻撃のスイッチを入れるという判断の速さも含めて、ここは我々がまだまだだなと思いますし、じゃあ失わなければいいじゃないかというアプローチと、我々もそういうやり方でカウンターをできるチームにならなければいけない」 「フィジカル的なところと、バトルのなかでというか、スピードが上がったなかでの精度、スキルの精度というのは、多少我々も差があることを覚悟して入った」と戦前から広島の強度、クオリティを警戒していた中、「それをチームとしてどう防いでいきながら、多少オープンになったときに、我々が我々らしくプレーできるかというところが勝負どころだった」と、試合後に改めてゲームプランを語った指揮官。 ただ、「開始の最初のフリーキックでやられ、後半も最初のコーナーキックでやられてしまっては、自分たちが個の力の差を埋めるにはなかなか難しい状況になった」と、やはり前後半の入りで喫したセットプレーからの失点がチームにとって重い足かせとなったと悔やんだ。 それでも、J1最年少スカッドを率いる上で事あるごとにシーズンを通しての成長をテーマに掲げてきた百戦錬磨の指揮官は「何も諦めず、ひとつずつ解決して前に進んでいくだけ」、「この悔しさというか、J1のトップレベルとの差というのを、我々はしっかりと受け入れて、這い上がっていく。それが我々らしさだと思うので、しっかり次に向けて今日の反省を活かしたい」と、0-5で大敗したFC町田ゼルビア戦に続く、上位相手の厳しい敗戦からのバウンスバックを誓った。 2018年から2021年途中まで指揮した古巣と初めて広島の地での対戦を終えた城福監督。試合前の会見では「いい試合をして勝ち点を持ち帰ること」と共に、試合後に改めて古巣のファン・サポーターに挨拶をしたいと、自身にとって「特別」なクラブへの思いも語っていた。 そして、その言葉通り、試合後には敗戦の悔しさを噛み殺しながら、ゴール裏を中心に古巣のファン・サポーターに一礼し、温かな拍手を浴びていた。 その古巣対戦への思いについて改めて会見で問われた指揮官は、「この場で個人的なことを言うのはあまり相応しくない。しかも大敗した後なので…」と一度は発言を躊躇ったものの、試合後の自身の行動についてこう説明した。 「広島を離れる瞬間から、一緒に戦ってきた選手、スタッフ、フロントスタッフ、ファン・サポーターにとにかく感謝のアクションをしたい。その思いが新幹線を待つホームでずっと思っていました。もちろん今日は勝ってそれができれば一番よかったです。ただ、自分の中でそれは絶対にやらなければいけないことだと思っていました。それがひょっとしたら指導者としてここに立つということが、執念という言葉が正しいのかわかりませんけど、指導者として一歩自分が進まなければいけないと思いました。今日は彼らに感謝の意を込めた一礼しかできないです。それは、ずっと離れる瞬間からそれをやりたいと思っていました」 2024.06.16 00:34 Sun
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Eピースでの古巣戦に臨む東京Vの城福監督「臆せずチャレンジングな試合をしたい」…「特別」と語る広島への思いにも触れる

東京ヴェルディの城福浩監督が、2021年以来となる広島の地での古巣対戦への思いを語った。 ヴィッセル神戸、北海道コンサドーレ札幌相手に今シーズン2度目の連勝を達成し、11位に浮上した東京V。さらに、12日に行われた天皇杯2回戦ではAC長野パルセイロを相手に5-0の完勝を収め、公式戦3連勝とした。 [3-4-2-1]へのシステム変更を機にトップハーフ浮上も見えてきた上り調子の昇格チームは、15日にエディオンピースウイング広島で行われる明治安田J1第18節で5位のサンフレッチェ広島と対戦する。 13日、クラブハウスで行われた会見で城福監督は、前日に行われた天皇杯で得た手応えと課題に言及。 ややバタついた前半の入りに関しては「ちょっと足元、足元でプレーしている選手が多く、相手の嫌なところを突いてゲームに入っていくということができなかった」と課題を口にしたが、後半については「入りもよかったですし、クローズのところは本当に後から入った選手も最初から出た選手も、隙を見せないという姿勢を見せてくれた。何よりも山田剛綺の動きがシャドーで入った時のあのハードワークの姿勢というのは、みんなに伝わった。非常に集中力の高いクローズができたと思います」とコメント。 「矢印を自分たちに向けて成長していくプロセスの1試合」で、下位カテゴリー相手にしっかりとした心構えで臨んだ選手たちの姿勢。試合終盤に決死の3度追いを見せたストライカーを名指しで称賛するなど、札幌戦で出た課題を克服したチームのパフォーマンスに満足感を示した。 直近の公式戦2試合でいずれも5ゴールを挙げた攻撃面では、システム変更や相手の戦い方の影響もあったものの、より背後や縦パスの意識が高まった印象だ。城福監督は中盤から短い縦パス3本を繋いで奪った長野戦の先制点を例に挙げつつ、「相手の嫌がること」、「バランス」をキーワードに、「よりムラのない試合運び」をチームに求める。 「これは我々が志向するサッカーでいうと、いわゆるへそと言われている部分をうまくアンカーに入った選手が、ボールを触りながら機能させながら、相手を中に締めさせておいて外を使う。相手が広がったら中を使う、前から来れば裏を使うというところのバランスが大事なんですけれども、天皇杯の昨日の試合で言えば、最初の15分ぐらいは本当に中ばっかりだった。みんながいいことしようとしたというか、相手が嫌なことをしているかというと、本当にいいバランスで入れたかというと、そこはまだちょっとムラがあるいうところは否めないかなと思います」 「ただ、あの1点目というのは最後染野のスルーパスに山田剛綺が反応しましたが、時間で言えばその15秒、20秒ぐらい前というのは相手を広げて最終ラインに戻して最終ラインで回してるうちに、染野ともう一人が裏を取りに行っている。そのボールを相手がギリギリでクリアしたセカンドを拾って、そこからまたスタートしてあのスルーパスでした」 「そこの映像は僕らもハーフタイムに見せました。『間違えるな』と、綺麗なサッカーをやろうとしてやれるほど簡単ではないし、我々が目指すのは相手の嫌がるところ、ゴールに近いところをまず見て、そこからへそを使ったりワイドを使ったり、バランスを取っていくのであって、自分たちにとって何か心地いいというか、気持ちいいコンビネーションのところから入ったら、本当にカウンターも食らいますし、相手も組みやすくなるので、特に裏を取る選手が得意な選手が多いので、ここのバランスを取りながら、しっかりと繋いでいくというところは、昨日の試合だけではなくJリーグ含めてみんながいいバランスで状況を見ながら、いいバランスが取れるような、もっとムラのないような試合運びというのはやっていきたいです」 また、ここにきて徐々に離脱者が増え始める中、長野戦で戦列復帰を果たしたDF谷口栄斗に関しては「彼が離脱している間にチームの立ち位置というか、システムを変えてやっていた中、公式戦でレギュラー陣のセンターバックと一緒にやれたということは、すごく意義がある」、「身体的には全く問題ないと思います。あの時間であれば、我々は離脱した理由である箇所のところのリバウンドが一番心配だったので、そこさえ問題なければ、昨日ぐらいの時間であれば、中2日は全く問題ないと思っています」と、中2日でのリーグ戦での起用を示唆した。 5月22日に行われたJリーグYBCルヴァンカップではほぼベストメンバーを起用した広島に対して、控え中心の布陣で臨んだ結果、2-3の敗戦で古巣初対戦を終えた城福監督は、その敗戦から約1カ月の期間を経てリベンジマッチに臨む。 その前回対戦を経て改めて対戦相手の印象について問われた指揮官は、「ルヴァンで対戦してみても、強度という意味で、やっぱりトップレベルだなと。今まで対戦した中で言えば、それこそ町田と同じぐらいのレベルがあり、広島が今のJリーグを牽引するチームであることは間違いない」、「ボールを奪ってからのスピード感であったり、湧き出てくる人数であったり、局面の強さであったり、カウンターの精度というのは、本当にこういうチームが優勝候補と言われるチームなんだろうなと。観察していても対戦してみても改めて思います」と、称賛の言葉を並べた。 さらに「Jリーグでトップレベル、優勝を争うようなチームというのがどのレベルなのかというのは、ここまで経験してきているので、そこに打ち勝つためのポジションの準備だったり、バトルの準備だったり、セカンドの準備だったり、あるいは予測だったり、カバーの意識だったりというところを、もうワンランク上げないと、勝ち点を持ち帰ってくるというのは難しいと思っています」と、前回対戦を踏まえた上でのチームの改善点を指摘。 ただ、野心的な指揮官は「こういうチームに対して、互角以上の戦いをすること。勝ち点3を取ることというのが、おそらく我々のチームを新しいステージに導いていくことになるんだろうなと思っているので、我々が志向するサッカーで、アウェイではありますけど、勝ち点3を取りにいくという姿勢を見せることが、このチームの今の現在地というのを測れるいい機会だと思うので、臆せずチャレンジングな試合をしたい」と、J1残留以上のサプライズを目指す中で強豪撃破へ意気込む。 広島の元指揮官で、日本代表を率いる森保一監督が先日のシリア代表戦で広島念願のサッカー専用スタジアム“Eピース”への思いを語ったことが記憶に新しいが、同じく2018年から2021年途中まで4年に渡ってクラブを率いた城福監督にとっても、新スタジアムで戦う一戦は特別な思いをもっての試合になる。 新スタジアムで戦う広島の地での古巣対戦について63歳の指揮官は「僕は4年いましたけど、自分が就任した時には、スタジアムができるかどうかわからなかったです。非常に難しい時期でした。その機運は高まってましたけれども、『作りたい』、『でも実現するのか』というところと、場所はいくつかの候補があって、そこが絞り込まれていくプロセスにあったというふうに思います。本当に先人の方の思い、苦労や成果があって、スタジアムが中央公園という本当に町の中心部のところにできるということが決まったのが、ちょうどコロナ禍だったんですけど、それはクラブにとって、あるいは広島にとってものすごく大きなことでした。僕はその時インサイドにいましたけど、みんながそこの近い将来に向けての期待感のある中で、自分は目の前の現実と戦っていた。そんな思い出もあります」と、感慨深げに当時を回想。 また、この一戦の目標として「いい試合をして勝ち点を持ち帰ること」と共に、試合後に改めて古巣のファン・サポーターに挨拶をしたいと、自身にとって「特別」なクラブへの思いを語った。 「4年間いたので、やはり広島への思いは特別ですし、選手とスタッフ、ファン・サポーターに4年間いて、ちゃんとした挨拶ができずに、東京に戻ってきたので、この前のルヴァンの時に何人かの選手とは会えて、あれ以来ぶりに話ができたことはよかったですけど、何よりもファン・サポーターに挨拶できていないというのが、自分はすごく心残りなので、自分のやれることはあのスタジアムでいい試合をすること。それとその後でしっかりファン・サポーターに挨拶をすること。これは自分の中で強い思いがあります。ただ、それは自分の思いなので、とにかくチームが最大値を出して、選手を躍動させて悔いのない戦いをする。これに集中したいなと思います」 2024.06.14 19:30 Fri
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ピエロス2戦連続2発など前線躍動の広島が公式戦5連勝! 東京Vは3バック変更後初の敗戦に…【明治安田J1第18節】

明治安田J1第18節のサンフレッチェ広島vs東京ヴェルディが15日にエディオンピースウイング広島で行われ、ホームの広島が4-1で快勝した。 2週間前に行われた前節のジュビロ磐田戦に2-0で快勝し、リーグ2戦ぶりの白星を取り戻した5位の広島。さらに、ルヴァンカップでFC東京に連勝、直近の天皇杯では大幅なターンオーバーを敢行した中、FCバレイン下関に11-2の圧勝を収めて公式戦4連勝を達成した。さらなる連勝を狙う好調のチームは今回の一戦に向け、主力起用のFC東京戦から先発2人を変更。GKに大迫敬介が復帰し、負傷の荒木隼人に代えて日本代表帰りの川村拓夢をボランチで起用。塩谷司を3バックの右に置いた。 一方、北海道コンサドーレ札幌に5-3の勝利を収めて今季2度目のリーグ連勝を飾った11位の東京V。直近の天皇杯ではAC長野パルセイロに5-0の完勝を収めてこちらは公式戦3連勝。先月のルヴァンカップで2-3と敗れた広島相手にリベンジを狙った一戦では前節から先発3人を変更。負傷の宮原和也、綱島悠斗、森田晃樹に代えて林尚輝、谷口栄斗、山田剛綺を起用した。 城福浩監督の2021年以来の広島帰還にも注目が集まった一戦は開始早々に動く。2分、相手陣内中央左でFKを得た広島はキッカーの東俊希がゴール前に供給。DF谷口がヘディングでクリアしたボールをボックス右で収めた加藤陸次樹が右足で狙うと、相手の稲見哲行の背中にディフレクトしたボールがゴール左隅に突き刺さった。 やや不運な形からいきなりのビハインドを背負った東京Vも直後にセットプレーから決定機を創出。6分、相手陣内中央で得たFKの二次攻撃からボックス右で見木友哉が放った右足シュートをゴール前の谷口がワンタッチでコースを変えたが、これは枠を捉え切れず。 立ち上がり以降はミラーゲームの形でがっぷり四つの攻防が繰り広げられる。ボールの主導権を握ったアウェイチームは見木、齋藤功佑の2ボランチ、染野唯月を起点にズレを生み出し、良い形で前進していくが、細かいミスが目立って攻撃をスピードアップできず。決定機まであと一歩という状況が続く。 1点リードの広島はメリハリの利いた守備で相手の攻撃を撥ね返しつつ、チャンスとあらば素早い切り替えと、人数をかけた攻めでチャンスを創出。25分には右CKの場面で新井直人の右足アウトスウィングのクロスにドンピシャのヘッドで合わせたピエロス・ソティリウ、そのこぼれに詰めた川村のゴール至近距離からの左足シュートで2点目に迫るが、いずれもGKマテウスの驚異的なビッグセーブに阻まれた。 その後は木村勇大が圧倒的なフィジカルで相手守備陣を苦しめたものの、攻め切れない東京Vに対して、相手のミスを効果的にフィニッシュに繋げる広島。そして、左右からの精度の高いクロスにソティリウ、大橋とボックス内でマークを外したストライカーが良い形でシュートを放ったが、これを枠に飛ばすことはできなかった。 辛くも1点ビハインドで試合を折り返した東京Vはハーフタイムに2枚替え。いずれも精彩を欠いた稲見、山田剛綺を下げて松橋優安、山見大登を同じポジションに入れた。 一方、後半も同じメンバーで入った広島は前半同様にセットプレーからいきなりゴールをこじ開ける。47分、左CKの場面でキッカーの東俊希が左足アウトスウィングで滞空時間の長いボールを入れると、ゴール前でマークを外したソティリウがピッチに叩きつけるヘディングシュートを流し込んだ。 公式戦2戦連発の加藤に続くソティリウのリーグ2試合連続ゴールによってほしかった2点目を得たホームチームは、相手の動揺を感じ取ったか、全体の強度を上げて畳みかける。すると、鮮やかな崩しからトドメの3点目が生まれる。 62分、最後尾のGK大迫が前線の加藤へ狙いすました鋭いフィードを通すと、絶妙なファーストタッチで収めた加藤がボックス左まで運んでゴール前にフリーで走り込むソティリウにプレゼントパス。これを難なく流し込んだ。 痛恨の3失点目を喫したアウェイチームはこの直後に林尚輝を下げて食野壮磨を投入。より攻撃的な[4-4-2]へのシステム変更で、まずは反撃の狼煙を上げる1点を目指すが、流れを引き寄せるには至らず。 大量リードでも緩みを見せない広島だが、70分を過ぎて一気に交代カードを切っていく。殊勲の前線3枚を下げてドウグラス・ヴィエイラ、満田誠、エゼキエウらをピッチに送り込むと、この交代策が4点目をもたらした。82分、エゼキエウの前線の守備から仕掛けたショートカウンターでボックス左の東が上げた正確なクロスを、ゴール前に走り込んだドウグラス・ヴィエイラがヘディングで合わせ、古巣相手に今季リーグ戦初ゴールを決めた。 その後、後半アディショナルタイムに東京Vのセットプレー流れから木村のゴールで一矢報いられた広島だったが、今季2度目のリーグ連勝と共に公式戦5連勝を達成した。 一方、完封負けは回避したが、城福監督の広島帰還試合で完敗の東京Vは3バック変更後初の黒星となった。 サンフレッチェ広島 4-1 東京ヴェルディ 【広島】 加藤陸次樹(前2) ピエロス・ソティリウ(後2、後17) ドウグラス・ヴィエイラ(後37) 【東京V】 木村勇大(後45+5) 2024.06.15 20:33 Sat
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東京Vの谷口栄斗が明治大との練習試合で実戦復帰! 3バックの感触は「思ったよりも難しい」

東京ヴェルディのDF谷口栄斗が明治大学とのトレーニングマッチで約1カ月ぶりの実戦復帰を果たした。 今シーズンの開幕から8試合連続でスタメン出場を果たし、自身初のJ1の舞台でも奮闘を見せていた谷口。しかし、4月13日に行われた明治安田J1リーグ第8節のFC東京とのダービーで筋肉系のトラブルに見舞われ、約1カ月の戦線離脱を強いられると、先月12日に行われた第13節の鹿島アントラーズ戦の途中出場で復帰を果たしたが、今度は右ヒザの負傷によって再離脱を余儀なくされた。 以降はメディカルスタッフ、コーチングスタッフと共に慎重にリハビリ、コンディション調整に励んできた中、徐々にトレーニングの負荷を上げて状態を上げると、7日に行われた明治大とのトレーニングマッチ(40分×3)で戦列に復帰。 3-1で勝利した1本目(1-0)では3バックの左と、味方のアクシデントによるボランチでのスクランブル起用を含め40分ほどプレーし、公式戦復帰に一歩近づいた。 その谷口について城福浩監督は「正直、様子を見ながらですけど、今日あれぐらいやってリバウンドがなければ、もっと追い込めると思いますし、さらに試合に近くなると思います」と慎重を期して送り出した主力DFの復帰に安堵の様子を見せた。 さらに、「試合勘はやらないと戻らないところもあると思うので、できれば天皇杯も少し経験をさせてやりたいし、その次のJリーグに向けても、コンディショニングはしっかり様子を見ながら、整えさせたいと思います」と、今後の状態次第では12日に行われる天皇杯2回戦のAC長野パルセイロ戦での起用を検討していることを明かした。 谷口は試合後の囲み取材で、疲労と共に充実感を窺わせる表情で「ケガは大丈夫。コンディションは上がりました」と久々の実戦を振り返った。 自身の離脱時にチームは[3-4-2-1]の新布陣を採用し、以降はレアル・ソシエダとの親善試合、今回の試合を含め4試合連続で同じ布陣を継続している。その3バックの感触については「思ったよりも難しい」と率直な思いを語った。 「思ったよりも難しいというか、ボールを持つ時にすごく難しさを感じていて、真ん中のセンターバックからボールを受けるタイミングだったり、ウイングバックに出た時に、どういうタイミングで出ていくのかというのは、自分の中でまだ難しい部分かなと思います」 「(ラインコントロールの際の)目線のキープの仕方というか、視野の確保という部分で難しさを感じていますが、そこはコミュニケーションでどうにかなると思いますし、あとは準備のところでより良い準備をすることで、そういう難しさを少しは軽減できるかなと思います」 一方で、「選手として幅が広がると思いますし、そこはプラスに捉えている」と前向きな姿勢を示す背番号3は、そのポイントと改善点を意識しながら早期フィットを目指す。 「より人にいくので運動量が必要になり、守備的になった時は5人並ぶので、ボールにハッキリ行かないと、逆にリスクを負う形になってしまうので、そこはしっかりボールホルダーに寄せることが大事になってくるかなと思います」 「攻撃ではワイドに1枚置けているという利点があるので、そこをうまく使うことができれば相手を揺さぶることができると思うので、そこは常に意識しています。そこは4バックでも3バックでも意識しているところなので、そんなに変わりはしないです」 「(左ウイングバックの)ヒジくん(翁長)とかに渡してランニングすることも大事になってくると思いますし、そこは状況を見ながらより幅を広げられると思うので、相手を見ながらやっていきたいです」 なお、昨季は同じタイミングの天皇杯で戦列に復帰していた谷口だが、今季も天皇杯での実戦復帰を足がかりに状態を上げて、上り調子のチームの流れに乗ることはできるか。 2024.06.07 19:38 Fri
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東京Vが明治大との練習試合で勝利…城福浩監督「課題はあるにしても多少の手応え」

東京ヴェルディは7日、明治大学とのトレーニングマッチ(40分×3)を戦い、3-1で勝利した。 JリーグYBCルヴァンカップ敗退に伴い、今週末に公式戦が組まれていない東京Vは、週明けに控える天皇杯2回戦のAC長野パルセイロ戦(12日)、明治安田J1リーグ第18節のサンフレッチェ広島戦(15日)に向けた調整として明治大と対戦した。 リーグ戦の主力選手が起用された1本目では守備で穴を作らなかった一方、攻撃はやや停滞したが、26分に相手陣内左サイドでのスローインの流れからボックス内でボールを受けたMF見木友哉のゴールで先制し、1-0のスコアで終えた。 天皇杯での起用が見込まれる選手で戦った2本目と3本目は、2本目の立ち上がりの3分に左サイド深くに侵攻したDF袴田裕太郎の正確なクロスを、FW山見大登が頭で合わせてゴールを奪取。幾つかピンチはありながらも、このリードを守り切って1-0で終了。 3本目は19分にFW山田剛綺のボックス右での縦突破からのグラウンダーの折り返しを、ゴール前に飛び込んだFW古川真人がワンタッチで合わせて3点目を記録。ただ、26分にゴール前の混戦から押し込まれて失点を喫し、1-1のスコアで終了した。 試合後、城福浩監督は「我々はルヴァンがなくなったので、トレーニングのポイントを絞ってやってましたし、今日はこの前の札幌戦は良かったですけど、開始30分というのを大事にしようということで入ったので、目的を持って入り、もちろん課題はあるにしても多少の手応えがあったことは良かった」、「天皇杯もあるので全員がしっかりと試合をできたこともポジティブに捉えています」と、各選手のコンディション調整に主眼を置きつつ、チームの課題やオプションも試した一戦をポジティブに振り返った。 2本目でゴールを記録した山見は、「自分では当て感というのは悪くはなかったので、あとはいいタイミングで入れたかなと。ドフリーだったと思うので、あとはキーパーがいないところに流し込むだけだったかなという感じです」と、ポジショニングで勝負ありのヘディングでのゴールシーンを振り返る。 チームにとって今後の攻撃のオプションになり得るウイングバックでのプレーについては「攻撃で出ていく場面とか、最後背後を取った場面というのは、自分の特長でもあると思いますし、そこを評価されて使われていると思うので、そこの部分が出せればいい」、「5バック気味になるというところで、守備の部分でどこまでできるかという感じです。今日はそこまで対人でもやられなかったですが、そこは相手のレベルが上がっていくにつれて、どこまでできるのかというのは練習から取り組んでいければと思います」と、攻守両面での役割について手応えと共に今後の改善点を口にした。 3本目でゴールを挙げた古川は「クロスを(山田)剛綺くんが上げて、いい感じのところにボールが来たので、左足のインサイドで当てるだけでしたけど、あそこに入り込めたのは良かったなと思います」と、ゴールに至ったプロセスを評価。 一方で、「中盤がボールを持っている時の動き出しが足りない。ボールホルダーと相手とスペースを見ながらしっかり動き出して、その数を増やすことでチャンスを作ることを意識してやっていきたい」、「守備でももう少し方向限定ができたし、攻撃でももう少しボールサイドに関わってボールに関わることができたら良かった」と、自身の課題に真摯に向き合う。 その上で「チャンスがあれば、本当にやり続けるだけだと思うので、そこにフォーカスして、自分のやるべきことをひたすらやり続けたい」と、天皇杯でチャンスを掴むための準備を怠らない。 山見のゴールをアシストし、ウイングバックと3バックの左で持ち味を発揮した袴田は、「ひとつアシストという結果を示せたというのは自分としてもすごくポジティブ」と目に見えるアピールに満足感を示しつつ、さらなる改善を意識している。 「3バックの時は結構自分の特長が出やすいポジションなので、攻撃のところはある程度自分の良さを出せると思うので、あとは本当に守備のところで、ラインコントロールだったり、一対一で負けないとか、そういうところで良さというのを出していきたいです」 「あの状況でのクロスというのは自分の良さでもあるので、ひとつアシストという結果を示せたというのは自分としてもすごくポジティブだと思います。久しぶりにアシストできたので、やっぱり気持ちがいいですし、嬉しいです。もっと得点やアシストというところは貪欲に出していけたらなと思います」 「ウイングバックは攻撃になったらゴール前に入っていって、守備になったら全力で戻ってゴール前を固める、クロスを上げさせないという役割があるので、そこの運動量やスタミナの部分は自分の課題として明確に出ました」 「そこ(マークの受け渡し)のタイミングだったり、後ろの状況は声かけで本当に変わると思うので、そこのコミュニケーションというところは、練習とかこういう練習試合でしか修正できないと思うので、本当に時間はないし、自分もなかなかチャンスというのは巡ってこないと思うので、その限られた時間で貪欲にやっていきたいです」 2024.06.07 18:30 Fri

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「もらえるべきPKが…」ホームで快勝の広島、スキッベ監督がジャッジに苦言「これは問題」

サンフレッチェ広島のミヒャエル・スキッベ監督が、東京ヴェルディ戦を振り返った。 15日、明治安田J1リーグ第18節で広島はホームのエディオンピースウイング広島に東京Vを迎えた。 インターナショナル・マッチウィークの関係で中断していたJリーグ。リーグ戦再開初戦となった試合で、広島は躍動する。 開始2分に加藤陸次樹がネットを揺らすと、後半にはピエロス・ソティリウが2ゴール。ドウグラス・ヴィエイラにもゴールが生まれ、4-1で勝利を収めた。 試合後、スキッベ監督は記者会見で勝利に満足感を示した。 「今日は90分以上素晴らしいパフォーマンスを見せた。前半からたくさんチャンスは作れたと思っているし、後半はさらに増えたと思う。全体的なパフォーマンスには非常に満足している」 一方で、ジャッジには苦言も。PKになってもおかしくないファウルが取られていないと語った。 「ここ数試合、自分たちがもらえるべきPKがもらえていないと感じている。シーズン序盤は割ともらえていたファウルだったりが、ここ8試合全くもらえていない。それがなぜかは分からない。これは問題だと思っている」 この試合ではピエロスが2ゴール、途中出場のドウグラス・ヴィエイラもゴールを決め、先制点は加藤とFW3人がゴールを決めた。 攻撃陣の好調ぶりについて「ピエロスとドグはフィットしてきたことが挙げられる。元々素晴らしい才能のあるストライカーで、彼らがフィットしてこういう結果が出たということだ」と、コンディションが整ってきたことが大きいとコメント。また「ムツキ(加藤陸次樹)は、良いチャンスまで作れていたが、点が取れていなかった部分があった。それも時間が経つにつれて解消できているし、調子を上げているのが点を取れるところまで来たということだ」と、結果につながりつつあるとした。 その他にも「マコ(満田誠)も調子を上げてきているし、2人のブラジル人(マルコス・ジュニオール、エゼキエウ)もまたフィットしてきていることから、これからも非常に魅力的な攻撃的サッカーができると思っている」と、戦力が整いつつあると語り、この先の戦いに期待を持てるとした。 4ゴールを奪い快勝したものの、前半は東京Vに支配される時間帯もあった。スキッベ監督は昇格組のチームについて評価。それだけの実力があるとした。 「東京Vにクオリティやポテンシャルがあったということだ。今回昇格してきた3チームともに良いパフォーマンスを見せており、町田に関しては優勝する可能性もあると思う」 「彼らは降格することはないだろうし、そういう良いチームだ。押し込まれることは想定していた」 <span class="paragraph-title">【動画】開始2分で決まった加藤陸次樹のゴラッソ!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr"> <a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> ライブ配信<a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%BA%83%E5%B3%B6%E6%9D%B1%E4%BA%ACV?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#広島東京V</a> <a href="https://t.co/oDtnW1cLDC">pic.twitter.com/oDtnW1cLDC</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1801919937587347736?ref_src=twsrc%5Etfw">June 15, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.06.15 23:08 Sat
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「多くの差を感じた」、古巣相手の完敗認める東京Vの城福浩監督…「その差を受け入れ、這い上がっていく」

東京ヴェルディの城福浩監督が、完敗に終わった古巣対戦を振り返った。 東京Vは15日、エディオンピースウイング広島で行われた明治安田J1第18節のサンフレッチェ広島に1-4で敗戦した。 リーグ連勝で勢いにのる11位のチームは、勝ち点2差で5位の広島相手に今季初の3連勝での上位進出を目指した。しかし、前後半の立ち上がりに与えたセットプレーからFW加藤陸次樹、FWピエロス・ソティリウにゴールを奪われて苦しい展開を強いられると、62分にソティリウ、82分には古巣対戦のFWドウグラス・ヴィエイラに連続ゴールを許した。 その後、後半アディショナルタイムにFW木村勇大の公式戦3試合連続ゴールで一矢を報いたが、先月のルヴァンカップの敗戦(2-3●)に続く広島相手の黒星となった。 古巣対戦が期待されたDF宮原和也、キャプテンのMF森田晃樹ら主力数名を欠く厳しい台所事情に加え、ほぼ主力を起用した天皇杯から中2日のアウェイゲームというエクスキューズはあったが、試合後の会見で城福監督は、「今現在の実力通りの差かなと思います」と、真摯に1-4の敗戦を受け入れた。 「今現在の実力通りの差かなと思います。もちろん5点目が入ってもおかしくない状況というのはあったと認識していますし、我々が前にかかっていたなかで、相手のカウンターの精度が高いなというのも認識していますけど、今現在でベストなメンバーを組めた状態での差は受け入れざるを得ない」 「一番を上げるのが難しいぐらい多くの差を感じました。一対一の力の出しどころ、もちろん絶対的なパワーとスピードも多少の差はあると思いますけど、いつ相手に寄せるのか、いつボールハンティングをして、それをした瞬間に、もう攻撃のスイッチを入れるという判断の速さも含めて、ここは我々がまだまだだなと思いますし、じゃあ失わなければいいじゃないかというアプローチと、我々もそういうやり方でカウンターをできるチームにならなければいけない」 「フィジカル的なところと、バトルのなかでというか、スピードが上がったなかでの精度、スキルの精度というのは、多少我々も差があることを覚悟して入った」と戦前から広島の強度、クオリティを警戒していた中、「それをチームとしてどう防いでいきながら、多少オープンになったときに、我々が我々らしくプレーできるかというところが勝負どころだった」と、試合後に改めてゲームプランを語った指揮官。 ただ、「開始の最初のフリーキックでやられ、後半も最初のコーナーキックでやられてしまっては、自分たちが個の力の差を埋めるにはなかなか難しい状況になった」と、やはり前後半の入りで喫したセットプレーからの失点がチームにとって重い足かせとなったと悔やんだ。 それでも、J1最年少スカッドを率いる上で事あるごとにシーズンを通しての成長をテーマに掲げてきた百戦錬磨の指揮官は「何も諦めず、ひとつずつ解決して前に進んでいくだけ」、「この悔しさというか、J1のトップレベルとの差というのを、我々はしっかりと受け入れて、這い上がっていく。それが我々らしさだと思うので、しっかり次に向けて今日の反省を活かしたい」と、0-5で大敗したFC町田ゼルビア戦に続く、上位相手の厳しい敗戦からのバウンスバックを誓った。 2018年から2021年途中まで指揮した古巣と初めて広島の地での対戦を終えた城福監督。試合前の会見では「いい試合をして勝ち点を持ち帰ること」と共に、試合後に改めて古巣のファン・サポーターに挨拶をしたいと、自身にとって「特別」なクラブへの思いも語っていた。 そして、その言葉通り、試合後には敗戦の悔しさを噛み殺しながら、ゴール裏を中心に古巣のファン・サポーターに一礼し、温かな拍手を浴びていた。 その古巣対戦への思いについて改めて会見で問われた指揮官は、「この場で個人的なことを言うのはあまり相応しくない。しかも大敗した後なので…」と一度は発言を躊躇ったものの、試合後の自身の行動についてこう説明した。 「広島を離れる瞬間から、一緒に戦ってきた選手、スタッフ、フロントスタッフ、ファン・サポーターにとにかく感謝のアクションをしたい。その思いが新幹線を待つホームでずっと思っていました。もちろん今日は勝ってそれができれば一番よかったです。ただ、自分の中でそれは絶対にやらなければいけないことだと思っていました。それがひょっとしたら指導者としてここに立つということが、執念という言葉が正しいのかわかりませんけど、指導者として一歩自分が進まなければいけないと思いました。今日は彼らに感謝の意を込めた一礼しかできないです。それは、ずっと離れる瞬間からそれをやりたいと思っていました」 2024.06.16 00:34 Sun
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Eピースでの古巣戦に臨む東京Vの城福監督「臆せずチャレンジングな試合をしたい」…「特別」と語る広島への思いにも触れる

東京ヴェルディの城福浩監督が、2021年以来となる広島の地での古巣対戦への思いを語った。 ヴィッセル神戸、北海道コンサドーレ札幌相手に今シーズン2度目の連勝を達成し、11位に浮上した東京V。さらに、12日に行われた天皇杯2回戦ではAC長野パルセイロを相手に5-0の完勝を収め、公式戦3連勝とした。 [3-4-2-1]へのシステム変更を機にトップハーフ浮上も見えてきた上り調子の昇格チームは、15日にエディオンピースウイング広島で行われる明治安田J1第18節で5位のサンフレッチェ広島と対戦する。 13日、クラブハウスで行われた会見で城福監督は、前日に行われた天皇杯で得た手応えと課題に言及。 ややバタついた前半の入りに関しては「ちょっと足元、足元でプレーしている選手が多く、相手の嫌なところを突いてゲームに入っていくということができなかった」と課題を口にしたが、後半については「入りもよかったですし、クローズのところは本当に後から入った選手も最初から出た選手も、隙を見せないという姿勢を見せてくれた。何よりも山田剛綺の動きがシャドーで入った時のあのハードワークの姿勢というのは、みんなに伝わった。非常に集中力の高いクローズができたと思います」とコメント。 「矢印を自分たちに向けて成長していくプロセスの1試合」で、下位カテゴリー相手にしっかりとした心構えで臨んだ選手たちの姿勢。試合終盤に決死の3度追いを見せたストライカーを名指しで称賛するなど、札幌戦で出た課題を克服したチームのパフォーマンスに満足感を示した。 直近の公式戦2試合でいずれも5ゴールを挙げた攻撃面では、システム変更や相手の戦い方の影響もあったものの、より背後や縦パスの意識が高まった印象だ。城福監督は中盤から短い縦パス3本を繋いで奪った長野戦の先制点を例に挙げつつ、「相手の嫌がること」、「バランス」をキーワードに、「よりムラのない試合運び」をチームに求める。 「これは我々が志向するサッカーでいうと、いわゆるへそと言われている部分をうまくアンカーに入った選手が、ボールを触りながら機能させながら、相手を中に締めさせておいて外を使う。相手が広がったら中を使う、前から来れば裏を使うというところのバランスが大事なんですけれども、天皇杯の昨日の試合で言えば、最初の15分ぐらいは本当に中ばっかりだった。みんながいいことしようとしたというか、相手が嫌なことをしているかというと、本当にいいバランスで入れたかというと、そこはまだちょっとムラがあるいうところは否めないかなと思います」 「ただ、あの1点目というのは最後染野のスルーパスに山田剛綺が反応しましたが、時間で言えばその15秒、20秒ぐらい前というのは相手を広げて最終ラインに戻して最終ラインで回してるうちに、染野ともう一人が裏を取りに行っている。そのボールを相手がギリギリでクリアしたセカンドを拾って、そこからまたスタートしてあのスルーパスでした」 「そこの映像は僕らもハーフタイムに見せました。『間違えるな』と、綺麗なサッカーをやろうとしてやれるほど簡単ではないし、我々が目指すのは相手の嫌がるところ、ゴールに近いところをまず見て、そこからへそを使ったりワイドを使ったり、バランスを取っていくのであって、自分たちにとって何か心地いいというか、気持ちいいコンビネーションのところから入ったら、本当にカウンターも食らいますし、相手も組みやすくなるので、特に裏を取る選手が得意な選手が多いので、ここのバランスを取りながら、しっかりと繋いでいくというところは、昨日の試合だけではなくJリーグ含めてみんながいいバランスで状況を見ながら、いいバランスが取れるような、もっとムラのないような試合運びというのはやっていきたいです」 また、ここにきて徐々に離脱者が増え始める中、長野戦で戦列復帰を果たしたDF谷口栄斗に関しては「彼が離脱している間にチームの立ち位置というか、システムを変えてやっていた中、公式戦でレギュラー陣のセンターバックと一緒にやれたということは、すごく意義がある」、「身体的には全く問題ないと思います。あの時間であれば、我々は離脱した理由である箇所のところのリバウンドが一番心配だったので、そこさえ問題なければ、昨日ぐらいの時間であれば、中2日は全く問題ないと思っています」と、中2日でのリーグ戦での起用を示唆した。 5月22日に行われたJリーグYBCルヴァンカップではほぼベストメンバーを起用した広島に対して、控え中心の布陣で臨んだ結果、2-3の敗戦で古巣初対戦を終えた城福監督は、その敗戦から約1カ月の期間を経てリベンジマッチに臨む。 その前回対戦を経て改めて対戦相手の印象について問われた指揮官は、「ルヴァンで対戦してみても、強度という意味で、やっぱりトップレベルだなと。今まで対戦した中で言えば、それこそ町田と同じぐらいのレベルがあり、広島が今のJリーグを牽引するチームであることは間違いない」、「ボールを奪ってからのスピード感であったり、湧き出てくる人数であったり、局面の強さであったり、カウンターの精度というのは、本当にこういうチームが優勝候補と言われるチームなんだろうなと。観察していても対戦してみても改めて思います」と、称賛の言葉を並べた。 さらに「Jリーグでトップレベル、優勝を争うようなチームというのがどのレベルなのかというのは、ここまで経験してきているので、そこに打ち勝つためのポジションの準備だったり、バトルの準備だったり、セカンドの準備だったり、あるいは予測だったり、カバーの意識だったりというところを、もうワンランク上げないと、勝ち点を持ち帰ってくるというのは難しいと思っています」と、前回対戦を踏まえた上でのチームの改善点を指摘。 ただ、野心的な指揮官は「こういうチームに対して、互角以上の戦いをすること。勝ち点3を取ることというのが、おそらく我々のチームを新しいステージに導いていくことになるんだろうなと思っているので、我々が志向するサッカーで、アウェイではありますけど、勝ち点3を取りにいくという姿勢を見せることが、このチームの今の現在地というのを測れるいい機会だと思うので、臆せずチャレンジングな試合をしたい」と、J1残留以上のサプライズを目指す中で強豪撃破へ意気込む。 広島の元指揮官で、日本代表を率いる森保一監督が先日のシリア代表戦で広島念願のサッカー専用スタジアム“Eピース”への思いを語ったことが記憶に新しいが、同じく2018年から2021年途中まで4年に渡ってクラブを率いた城福監督にとっても、新スタジアムで戦う一戦は特別な思いをもっての試合になる。 新スタジアムで戦う広島の地での古巣対戦について63歳の指揮官は「僕は4年いましたけど、自分が就任した時には、スタジアムができるかどうかわからなかったです。非常に難しい時期でした。その機運は高まってましたけれども、『作りたい』、『でも実現するのか』というところと、場所はいくつかの候補があって、そこが絞り込まれていくプロセスにあったというふうに思います。本当に先人の方の思い、苦労や成果があって、スタジアムが中央公園という本当に町の中心部のところにできるということが決まったのが、ちょうどコロナ禍だったんですけど、それはクラブにとって、あるいは広島にとってものすごく大きなことでした。僕はその時インサイドにいましたけど、みんながそこの近い将来に向けての期待感のある中で、自分は目の前の現実と戦っていた。そんな思い出もあります」と、感慨深げに当時を回想。 また、この一戦の目標として「いい試合をして勝ち点を持ち帰ること」と共に、試合後に改めて古巣のファン・サポーターに挨拶をしたいと、自身にとって「特別」なクラブへの思いを語った。 「4年間いたので、やはり広島への思いは特別ですし、選手とスタッフ、ファン・サポーターに4年間いて、ちゃんとした挨拶ができずに、東京に戻ってきたので、この前のルヴァンの時に何人かの選手とは会えて、あれ以来ぶりに話ができたことはよかったですけど、何よりもファン・サポーターに挨拶できていないというのが、自分はすごく心残りなので、自分のやれることはあのスタジアムでいい試合をすること。それとその後でしっかりファン・サポーターに挨拶をすること。これは自分の中で強い思いがあります。ただ、それは自分の思いなので、とにかくチームが最大値を出して、選手を躍動させて悔いのない戦いをする。これに集中したいなと思います」 2024.06.14 19:30 Fri
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今季初リーグ3連勝狙う東京Vの齋藤功佑…難敵・広島戦へ「いかに組織として連動しながらプレーできるか」

東京ヴェルディのMF齋藤功佑が、今シーズン初のリーグ3連勝を狙うサンフレッチェ広島戦への意気込みを語った。 ヴィッセル神戸、北海道コンサドーレ札幌相手に今シーズン2度目の連勝を達成し、11位に浮上した東京V。さらに、12日に行われた天皇杯2回戦ではAC長野パルセイロを相手に5-0の完勝を収め、公式戦3連勝とした。 [3-4-2-1]へのシステム変更を機にトップハーフ浮上も見えてきた上り調子の昇格チームは、15日にエディオンピースウイング広島で行われる明治安田J1第18節で5位に位置する広島と対戦する。 今シーズンここまでは試合途中に流れを変える“ゲームチェンジャー”の役割を担いつつ、前節の札幌戦ではボランチの一角でスタメン出場し、今季最多5ゴールを挙げての勝利に貢献した中盤のオーガナイザー。 開幕前からのファンダメンタルの積み上げに加え、布陣変更という新たなチャレンジによる変化を経験しながらの現状について齋藤は「リーグ戦2連勝してる中での天皇杯での勝利。3バックに変えてからずっと勝っているという意味で自信はついてると思いますし、しっかりと勝ちながら課題と向き合えているという意味では、すごくいい状態にある」と、ポジティブに捉える。 [4-4-2]では両サイドハーフでのプレーが多かったが、この新布陣で2ボランチの一角が主戦場となっている背番号8は、「毎試合、選手同士でコミュニケーションを取りながら課題と向き合っているので、そのシステムのメリットとデメリット、優位性の使い方だったりというのを、お互い話しながら高められている」とトライ&エラーを繰り返しながらチームとしてフィットし始めていると感じている。 個人の部分では「ビルドアップの起点」、「守備時の強度の出しどころ」を意識したプレーがより増えているという。 「攻撃の時はビルドアップを助ける役割が大きくなるので、そこでうまく前進できるように、やっていきたいと思っています。守備のところでは、ポジションを守るというよりかは、ポジションから積極的に動いて、相手の最終ラインにプレッシャーをかける時もあれば、相手が最終ラインを抜けた時についていったりとか、結構縦横無尽に動くことになるので、強度の出しどころという部分で整理はちょっとずつできてきているので、その出す時に出せるかというのが大事かなと思います」 5月22日に行われ、2-3のスコアで敗れたJリーグYBCルヴァンカップでの前回対戦でフル出場し、ほぼベストメンバーの広島を体感している齋藤は、約1カ月ぶりのリベンジマッチに向けて改めて相手の印象に言及。最大のストロングであるプレー強度の高さに加え、「全員の能力が高い」と評価する相手に対して、一対一の勝負、攻守両面での組織的なプレーと、チームとしての総合力が試される一戦になるとみている。 「強度が高い中でも、それぞれがしっかりしとした技術と判断ができる選手が多い。あとは守備のところでは、後ろの3枚が個で守れたりするので、強度の部分がストロングなので、そこで負けないようにすることが大事」 「全員やっぱり能力が高い。ただ、攻撃では個で何とかするという選手は、そこまで感じなかったです。それぞれが巧いし、その場の判断だったり、駆け引きとかが巧かったりするので、誰というよりかは組織として攻撃してくる中で、ウチも組織として守れるかが大事になる」 「守備の時はマンツーマンぽくなりますし、攻撃の時もマンツーマンぽくなるので、いかに組織として連動しながらプレーできるかが大事かなというふうに思います」 さらに、その前回対戦では前半の15分経たずにFW大橋祐紀に2ゴールを決められるなど圧倒された前半の入りが敗因となっただけに、「ゲームの入り方は非常に重要になる。相手陣地でプレーできるかというのが、すごく大事だと思います」と、普段の試合以上に立ち上がりの攻防を重要視。 また、相手の堅守攻略に向けては、「(木村)勇大に選択肢を与えることが、よりチームとして攻撃しやすくなる方法。そこは周りの選手がどんなサポートをするかというのが大事になる」と、得点ランキング4位タイの8ゴールを挙げるFW木村勇大の活かし方がポイントのひとつになると語った。 2024.06.14 20:00 Fri
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「洗練されている」「世界に誇れるぞ」16年ぶりのJ1を戦う東京Vの新ユニフォームが発表! ファンもデザイン性の高さに歓喜「今年はいつも以上にカッコ良い」

東京ヴェルディは14日、2024シーズンのユニフォームを発表した。 2023シーズンは明治安田生命J2リーグを戦っていた東京V。城福浩監督の下でレギュラーシーズンを3位で終えると、J1昇格プレーオフではジェフユナイテッド千葉、清水エスパルスに勝利し、16年ぶりのJ1昇格を掴んだ。 そのJ1で戦うユニフォーム。「Athleta(アスレタ)」がサプライヤーを務める中、1stユニフォームのデザインのコンセプトは「V PROGRESS」。ヴェルディの誇りと勝利への執念を連続するVで表現した “V PROGRESS” グラフィック。着用する選手やサポーター自身から見ると前向きの矢印になり、どんな時でも一丸となって挑戦し、前に進み続けるスピリットを表現した。 中央の矢印は正面から見ると下向きだが、着用してみた場合には前向きな矢印に変化するというものになっている。 首の中央にはV形状のリブでヴェルディのアイデンティティを表現。背中上部と枠はグリーンの濃淡が映える無地の切替えでオーセンティックなスタイルを演出。袖口は太いゴールドのリブでアクセントを効かせたデザインとなっている。なお、FP1stはクラブカラーのグリーン、GK1stはブラックとなる。 2ndユニフォームは「VICTORY FUSION」がコンセプト。ブランドカラーのシャインホワイトを採用し、東京の多様性を幅の異なるシルバーグレーラインで表現。その結集によって生まれる勝利を“V”のゴールドでデザインした。 なお、背番号とネームにはヴェルディのアイデンティティを高めるブランドフォントが復活。統一カラーで一体感のあるマーキングデザインとなっている。 ファンは「Vがたくさんある」、「今年はいつも以上にカッコ良い」、「細部までこだわられている」、「今シーズンも最高にカッコ良い」、「洗練されている」、「スタイリッシュだなぁ」、「このデザインめっちゃ好き」、「カッコ良すぎる」、「世界に誇れるぞ」とコメントしている。 <span class="paragraph-title">【写真】東京Vが16年ぶりにJ1で戦うユニフォームが発表!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">//<br>(@TokyoVerdySTAFF) <a href="https://twitter.com/TokyoVerdySTAFF/status/1746430497834799428?ref_src=twsrc%5Etfw">January 14, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.01.14 21:40 Sun

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