東京Vの谷口栄斗が明治大との練習試合で実戦復帰! 3バックの感触は「思ったよりも難しい」

2024.06.07 19:38 Fri
明大との練習試合で実戦復帰した谷口栄斗
©超ワールドサッカー
明大との練習試合で実戦復帰した谷口栄斗
東京ヴェルディのDF谷口栄斗が明治大学とのトレーニングマッチで約1カ月ぶりの実戦復帰を果たした。

今シーズンの開幕から8試合連続でスタメン出場を果たし、自身初のJ1の舞台でも奮闘を見せていた谷口。しかし、4月13日に行われた明治安田J1リーグ第8節のFC東京とのダービーで筋肉系のトラブルに見舞われ、約1カ月の戦線離脱を強いられると、先月12日に行われた第13節の鹿島アントラーズ戦の途中出場で復帰を果たしたが、今度は右ヒザの負傷によって再離脱を余儀なくされた。
以降はメディカルスタッフ、コーチングスタッフと共に慎重にリハビリ、コンディション調整に励んできた中、徐々にトレーニングの負荷を上げて状態を上げると、7日に行われた明治大とのトレーニングマッチ(40分×3)で戦列に復帰。

3-1で勝利した1本目(1-0)では3バックの左と、味方のアクシデントによるボランチでのスクランブル起用を含め40分ほどプレーし、公式戦復帰に一歩近づいた。

その谷口について城福浩監督は「正直、様子を見ながらですけど、今日あれぐらいやってリバウンドがなければ、もっと追い込めると思いますし、さらに試合に近くなると思います」と慎重を期して送り出した主力DFの復帰に安堵の様子を見せた。
さらに、「試合勘はやらないと戻らないところもあると思うので、できれば天皇杯も少し経験をさせてやりたいし、その次のJリーグに向けても、コンディショニングはしっかり様子を見ながら、整えさせたいと思います」と、今後の状態次第では12日に行われる天皇杯2回戦のAC長野パルセイロ戦での起用を検討していることを明かした。

谷口は試合後の囲み取材で、疲労と共に充実感を窺わせる表情で「ケガは大丈夫。コンディションは上がりました」と久々の実戦を振り返った。

自身の離脱時にチームは[3-4-2-1]の新布陣を採用し、以降はレアル・ソシエダとの親善試合、今回の試合を含め4試合連続で同じ布陣を継続している。その3バックの感触については「思ったよりも難しい」と率直な思いを語った。

「思ったよりも難しいというか、ボールを持つ時にすごく難しさを感じていて、真ん中のセンターバックからボールを受けるタイミングだったり、ウイングバックに出た時に、どういうタイミングで出ていくのかというのは、自分の中でまだ難しい部分かなと思います」

「(ラインコントロールの際の)目線のキープの仕方というか、視野の確保という部分で難しさを感じていますが、そこはコミュニケーションでどうにかなると思いますし、あとは準備のところでより良い準備をすることで、そういう難しさを少しは軽減できるかなと思います」

一方で、「選手として幅が広がると思いますし、そこはプラスに捉えている」と前向きな姿勢を示す背番号3は、そのポイントと改善点を意識しながら早期フィットを目指す。

「より人にいくので運動量が必要になり、守備的になった時は5人並ぶので、ボールにハッキリ行かないと、逆にリスクを負う形になってしまうので、そこはしっかりボールホルダーに寄せることが大事になってくるかなと思います」

「攻撃ではワイドに1枚置けているという利点があるので、そこをうまく使うことができれば相手を揺さぶることができると思うので、そこは常に意識しています。そこは4バックでも3バックでも意識しているところなので、そんなに変わりはしないです」

「(左ウイングバックの)ヒジくん(翁長)とかに渡してランニングすることも大事になってくると思いますし、そこは状況を見ながらより幅を広げられると思うので、相手を見ながらやっていきたいです」

なお、昨季は同じタイミングの天皇杯で戦列に復帰していた谷口だが、今季も天皇杯での実戦復帰を足がかりに状態を上げて、上り調子のチームの流れに乗ることはできるか。

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Eピースでの古巣戦に臨む東京Vの城福監督「臆せずチャレンジングな試合をしたい」…「特別」と語る広島への思いにも触れる

東京ヴェルディの城福浩監督が、2021年以来となる広島の地での古巣対戦への思いを語った。 ヴィッセル神戸、北海道コンサドーレ札幌相手に今シーズン2度目の連勝を達成し、11位に浮上した東京V。さらに、12日に行われた天皇杯2回戦ではAC長野パルセイロを相手に5-0の完勝を収め、公式戦3連勝とした。 [3-4-2-1]へのシステム変更を機にトップハーフ浮上も見えてきた上り調子の昇格チームは、15日にエディオンピースウイング広島で行われる明治安田J1第18節で5位のサンフレッチェ広島と対戦する。 13日、クラブハウスで行われた会見で城福監督は、前日に行われた天皇杯で得た手応えと課題に言及。 ややバタついた前半の入りに関しては「ちょっと足元、足元でプレーしている選手が多く、相手の嫌なところを突いてゲームに入っていくということができなかった」と課題を口にしたが、後半については「入りもよかったですし、クローズのところは本当に後から入った選手も最初から出た選手も、隙を見せないという姿勢を見せてくれた。何よりも山田剛綺の動きがシャドーで入った時のあのハードワークの姿勢というのは、みんなに伝わった。非常に集中力の高いクローズができたと思います」とコメント。 「矢印を自分たちに向けて成長していくプロセスの1試合」で、下位カテゴリー相手にしっかりとした心構えで臨んだ選手たちの姿勢。試合終盤に決死の3度追いを見せたストライカーを名指しで称賛するなど、札幌戦で出た課題を克服したチームのパフォーマンスに満足感を示した。 直近の公式戦2試合でいずれも5ゴールを挙げた攻撃面では、システム変更や相手の戦い方の影響もあったものの、より背後や縦パスの意識が高まった印象だ。城福監督は中盤から短い縦パス3本を繋いで奪った長野戦の先制点を例に挙げつつ、「相手の嫌がること」、「バランス」をキーワードに、「よりムラのない試合運び」をチームに求める。 「これは我々が志向するサッカーでいうと、いわゆるへそと言われている部分をうまくアンカーに入った選手が、ボールを触りながら機能させながら、相手を中に締めさせておいて外を使う。相手が広がったら中を使う、前から来れば裏を使うというところのバランスが大事なんですけれども、天皇杯の昨日の試合で言えば、最初の15分ぐらいは本当に中ばっかりだった。みんながいいことしようとしたというか、相手が嫌なことをしているかというと、本当にいいバランスで入れたかというと、そこはまだちょっとムラがあるいうところは否めないかなと思います」 「ただ、あの1点目というのは最後染野のスルーパスに山田剛綺が反応しましたが、時間で言えばその15秒、20秒ぐらい前というのは相手を広げて最終ラインに戻して最終ラインで回してるうちに、染野ともう一人が裏を取りに行っている。そのボールを相手がギリギリでクリアしたセカンドを拾って、そこからまたスタートしてあのスルーパスでした」 「そこの映像は僕らもハーフタイムに見せました。『間違えるな』と、綺麗なサッカーをやろうとしてやれるほど簡単ではないし、我々が目指すのは相手の嫌がるところ、ゴールに近いところをまず見て、そこからへそを使ったりワイドを使ったり、バランスを取っていくのであって、自分たちにとって何か心地いいというか、気持ちいいコンビネーションのところから入ったら、本当にカウンターも食らいますし、相手も組みやすくなるので、特に裏を取る選手が得意な選手が多いので、ここのバランスを取りながら、しっかりと繋いでいくというところは、昨日の試合だけではなくJリーグ含めてみんながいいバランスで状況を見ながら、いいバランスが取れるような、もっとムラのないような試合運びというのはやっていきたいです」 また、ここにきて徐々に離脱者が増え始める中、長野戦で戦列復帰を果たしたDF谷口栄斗に関しては「彼が離脱している間にチームの立ち位置というか、システムを変えてやっていた中、公式戦でレギュラー陣のセンターバックと一緒にやれたということは、すごく意義がある」、「身体的には全く問題ないと思います。あの時間であれば、我々は離脱した理由である箇所のところのリバウンドが一番心配だったので、そこさえ問題なければ、昨日ぐらいの時間であれば、中2日は全く問題ないと思っています」と、中2日でのリーグ戦での起用を示唆した。 5月22日に行われたJリーグYBCルヴァンカップではほぼベストメンバーを起用した広島に対して、控え中心の布陣で臨んだ結果、2-3の敗戦で古巣初対戦を終えた城福監督は、その敗戦から約1カ月の期間を経てリベンジマッチに臨む。 その前回対戦を経て改めて対戦相手の印象について問われた指揮官は、「ルヴァンで対戦してみても、強度という意味で、やっぱりトップレベルだなと。今まで対戦した中で言えば、それこそ町田と同じぐらいのレベルがあり、広島が今のJリーグを牽引するチームであることは間違いない」、「ボールを奪ってからのスピード感であったり、湧き出てくる人数であったり、局面の強さであったり、カウンターの精度というのは、本当にこういうチームが優勝候補と言われるチームなんだろうなと。観察していても対戦してみても改めて思います」と、称賛の言葉を並べた。 さらに「Jリーグでトップレベル、優勝を争うようなチームというのがどのレベルなのかというのは、ここまで経験してきているので、そこに打ち勝つためのポジションの準備だったり、バトルの準備だったり、セカンドの準備だったり、あるいは予測だったり、カバーの意識だったりというところを、もうワンランク上げないと、勝ち点を持ち帰ってくるというのは難しいと思っています」と、前回対戦を踏まえた上でのチームの改善点を指摘。 ただ、野心的な指揮官は「こういうチームに対して、互角以上の戦いをすること。勝ち点3を取ることというのが、おそらく我々のチームを新しいステージに導いていくことになるんだろうなと思っているので、我々が志向するサッカーで、アウェイではありますけど、勝ち点3を取りにいくという姿勢を見せることが、このチームの今の現在地というのを測れるいい機会だと思うので、臆せずチャレンジングな試合をしたい」と、J1残留以上のサプライズを目指す中で強豪撃破へ意気込む。 広島の元指揮官で、日本代表を率いる森保一監督が先日のシリア代表戦で広島念願のサッカー専用スタジアム“Eピース”への思いを語ったことが記憶に新しいが、同じく2018年から2021年途中まで4年に渡ってクラブを率いた城福監督にとっても、新スタジアムで戦う一戦は特別な思いをもっての試合になる。 新スタジアムで戦う広島の地での古巣対戦について63歳の指揮官は「僕は4年いましたけど、自分が就任した時には、スタジアムができるかどうかわからなかったです。非常に難しい時期でした。その機運は高まってましたけれども、『作りたい』、『でも実現するのか』というところと、場所はいくつかの候補があって、そこが絞り込まれていくプロセスにあったというふうに思います。本当に先人の方の思い、苦労や成果があって、スタジアムが中央公園という本当に町の中心部のところにできるということが決まったのが、ちょうどコロナ禍だったんですけど、それはクラブにとって、あるいは広島にとってものすごく大きなことでした。僕はその時インサイドにいましたけど、みんながそこの近い将来に向けての期待感のある中で、自分は目の前の現実と戦っていた。そんな思い出もあります」と、感慨深げに当時を回想。 また、この一戦の目標として「いい試合をして勝ち点を持ち帰ること」と共に、試合後に改めて古巣のファン・サポーターに挨拶をしたいと、自身にとって「特別」なクラブへの思いを語った。 「4年間いたので、やはり広島への思いは特別ですし、選手とスタッフ、ファン・サポーターに4年間いて、ちゃんとした挨拶ができずに、東京に戻ってきたので、この前のルヴァンの時に何人かの選手とは会えて、あれ以来ぶりに話ができたことはよかったですけど、何よりもファン・サポーターに挨拶できていないというのが、自分はすごく心残りなので、自分のやれることはあのスタジアムでいい試合をすること。それとその後でしっかりファン・サポーターに挨拶をすること。これは自分の中で強い思いがあります。ただ、それは自分の思いなので、とにかくチームが最大値を出して、選手を躍動させて悔いのない戦いをする。これに集中したいなと思います」 2024.06.14 19:30 Fri

「今日得た収穫は大きい」、東京Vにとって神戸戦勝利は勝ち点3以上の価値となるか…

東京ヴェルディにとってヴィッセル神戸戦の勝利は、単なる勝ち点3以上の価値を持つものになるかもしれない。 東京Vは26日、ノエビアスタジアム神戸で行われた明治安田J1リーグ第16節で神戸と対戦し、後半の65分にMF翁長聖が誘発したオウンゴールを守り抜いて1-0の勝利を収めた。 前節、FC町田ゼルビアとの東京クラシックで0-5の惨敗を喫し、城福浩監督は「今日変われないと、たぶん今シーズンは変われない」と強い口調で、チームに対してここからの再起を促した。 その大敗を「ターニングポイント」にすべく臨んだ今回の一戦だったが、直近のルヴァンカップのサンフレッチェ広島戦(2-3●)で退場したDF林尚輝をサスペンションで、DF谷口栄斗、DF山田裕翔がいずれも負傷と、主力クラスのセンターバック3枚が不在に。そういった中、FW大迫勇也、FW武藤嘉紀らリーグ屈指の攻撃陣を擁する昨季J1王者とのアウェイゲームに臨んだ。 その苦しい台所事情において城福監督は開幕からメインシステムとして採用した[4-4-2]から[3-5-2]へのシステム変更を選択。ただ、ウォームアップ中は4バックでロングボールを撥ね返すトレーニングを行い、前半の入りの部分も一見すると、[4-4-2]に見える形で少し“煙幕”を張るような形となった。 普段はJリーグチーム同士のトレーニングマッチやトレーニングの公開に積極的で、手の内を明かすことを厭わないオープンマインドな指揮官だが、「基本的に自分たちはそういった駆け引きをすることはないですが、今回に関しては3バックというのが初めてなので、わざわざそれを見せる必要はないかなという考えでした」と、負傷者の状況を含めてルヴァンカップ後に急遽システム変更を決断した中、少しでも自分たちに有利に働くように普段と異なるアプローチを行ったことを認めた。 また、DF千田海人も試合後のミックスゾーンで「3バック、ばれてました(笑)」と、入りの部分はぼかしながら戦っていたことを仄めかした。 ただ、「ほとんど映像でしか3バックの準備ができなかった」と指揮官が明かしたように、相手の虚を突くことも期待した前半の序盤は攻守両面で急造ゆえの不具合が見受けられ、神戸にハーフコートゲームを許す展開に。 城福監督は「前半押し込まれることは想定していた」と織り込み済みの展開であったとしながらも、ディフェンスラインを統率した千田は「前半はマッチアップの部分でうまくいかないとか、急造で試合ではやっていないので、難しかったところはありました」、「マークのところが曖昧だった部分とか、セカンドが全然拾えていなかった」と、その想定以上に難しい戦いを強いられたと振り返る。 そうなると、直近の公式戦2試合同様に前半の失点も不可避かに思われたが、「前半さえ耐えれば、必ず後半我々の時間になる」と語る指揮官を含め、「前半はしっかりとゼロで終える」と意思統一が図られていたチームは、町田戦を教訓に、最後の局面ではしっかりと身体を張って失点を許さず。 さらに、流血と脳震とうによるMF松橋優安の治療、交代となった前後では[3-5-2]から[5-4-1]への布陣変更、守備時のミスマッチとビルドアップの改善のため、3バックの綱島悠斗、宮原和也のサイドの入れ替えといった修正策が見事に機能。前半終盤から盛り返すと、後半は神戸の攻撃をシュート2本に抑え込んだ。 前半の劣勢や攻撃面を含め、当然のことながら課題も多く出たが、百戦錬磨の指揮官は「ずっと4バックでやってきたチームが初めて3バックをやったわりには、よく機能したなと。全員が意識高くやってくれたなと思います。(翁長)聖のクロスを含めてみんなが魂のこもったプレーを、ひとつひとつやってくれて、最後は本当に危なげなくクローズできたと思います」と、昨年の段階から温めてきた上で、王者相手にぶっつけ本番で機能させた3バックでの勝利への手応えを口にした。 千田も「うまくコミュニケーションを取りながら、ミスマッチのところを徐々に合わせていけるようになって、今日はみんな集中して最後まで守り切れました。本当に今日の試合で得た収穫は勝ち点3以上に大きいかなと思います。負けたところからしっかり自分たちで学び、今日はこういうゲームをできたことが本当によかった」と、指揮官同様にシステム変更、課題の前半途中での修正も含めたプラス材料も多い勝利をポジティブに受け止めた。 最前線で攻守に奮闘したFW木村勇大も、「2連敗で終わるのか、アウェイですけど勝ち点3を取って、もう1回盛り返すのかというのは、チームとして問われる場面だった。この勝ち点3がこれからに繋がるという意味では勝ち点だけでなく、チームの自信にもなってくる」と、ターニングポイントでの勝利に大きな価値を見いだす。 さらに、「3バックになって立ち位置が変わるところでは自分に求められる守備の役割も変わってくるところもあるので、これからまたその戦術をチームとしても、ひとつのオプションになったと思うので、そこの精度は自分のところもそうですけど高めていきたい」と、新たなオプションの成熟へ前向きな姿勢も示している。 「今回の3バックで勝てたことというのは、前回の0-5の大敗を打ち消してくれるものではないので、しっかりと積み上げて、ここから先は我々の目指すものにもっと邁進していきたい」と、勝って兜の緒を締めた城福監督だが、限られたリソースの中で多くの選手が複数のポジションにチャレンジし、プレーの幅を広げる中、現行の[4-4-2]に加えて3バックを確固たるオプションにできれば、今後対戦相手の対策が進む2巡目の戦いに向けてチームとして大きな武器にできるはずだ。 2024.05.27 06:30 Mon

「もっと相手が怖いと思うサッカーが必要」…3戦ぶり無失点評価も東京V千田海人は攻撃面を反省

東京ヴェルディのDF千田海人が、ゴールレスドローに終わったガンバ大阪戦を振り返った。 東京Vは15日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第14節のG大阪戦を0-0のドローで終えた。 直近2試合で複数失点を喫していた中、前半から堅く入ったホームチームは、強度の高さに加えて狙いを持った守備でアウェイチームに自由を与えず。決定機はおろか前半に1本の枠内シュートも許さず。 ただ、よりオープンとなった後半は中盤の攻撃的なカードを使いながらも、リーグ最少タイのG大阪の堅守を前に効果的な攻めを繰り出せず。また、中3日の相手に対して、中2日という日程面のディスアドバンテージによって、3試合連続ゴールを挙げていた後半アディショナルタイムにも見せ場を作れずにやや消化不良のゴールレスドローとなった。 第9節の川崎フロンターレ戦でのJ1デビューから6試合連続フル出場し、4試合でクリーンシートに貢献するなど、ここにきてディフェンスラインの主軸として存在感を示す千田。 デビュー時には「ゼロで抑えられたことは収穫。それこそ僕が出ている意味」と、開幕からの失点の多さもあって守備面にフォーカスした発言が目立っていたが、ここ数試合ではより攻撃面やチーム全体に関わる発言が増えている印象だ。 G大阪戦では3試合ぶりのクリーンシートを記録し、守備においては評価に値する試合となったが、千田は「ゲームの入りから終わりまでしっかりゼロで、その集中を途切れさせることなくゼロで終えられたというのは、ひとつプラス」と手応えを口にしながらも、攻撃面の課題を含め勝ち切れなかったことを反省する言葉が目立った。 「攻撃は外回りばっかりになって、相手が守りやすい攻撃だったのではないかなと。そこはもう少し自分たちのアイデアもそうですけど、しっかり次節に向けて改善しなければいけないです」 「カウンターもそうですけど、自分たちが握る時間も多くあったので、その中でもっとゴール前に、相手が怖いと思うようなサッカー、ゴールに向かうサッカーをしないといけない」 「相手もそんなにチャンスを作っていないと思いますし、ここ数試合難しいゲームですけど負けてない中で、勝ちを拾いたいと思っていたので、今日の内容を考えても勝てるゲームだったと思うので、悔しいですね」 昨季の加入時から明確な課題として取り組むビルドアップの部分では視野の確保、立ち位置、パス精度と見違えるような進化を見せ、この試合でも局面を変える鋭い縦パスを通すシーンもあった。 そのプレーに関しては、「あれは(谷口)栄斗から勉強させてもらっています。持ち運びのところは、栄斗を見て、吸収させてもらっています。あいつから盗まなければいけないところがいっぱいあるので、まだまだ盗みたいです。もっと前に、もっと中につけていきたい」と、ポジション争いのライバルであり、J1初挑戦ながらクオリティの高さを示すチームメイトのDF谷口栄斗を手本に日々研鑽を積んでいるものだと明かした。 一方、元々のストロングとして持っている守備では川崎フロンターレのFWエリソン、アビスパ福岡のFWシャハブ・ザヘディ、サガン鳥栖のFWマルセロ・ヒアンといった強烈な個性を持つ外国人FW、鹿島アントラーズのFW鈴木優磨、今回のFW宇佐美貴史といった日本代表クラスのアタッカーとJ1の舞台で多士済々のアタッカーと対峙。 その猛者との対戦を通じて“守備者”としての引き出しも増やしている。 「面白いですね。いろんなセンターフォワードがいるし、ここ数試合は久しぶりに日本人のセンターフォワードでしたが、いろいろ自分も考えてやれるし、それでしっかりゼロに抑えられたのは大きいです」 「いろいろ考えながら、どうやらせないかというところは昔よりも考えていて、その場しのぎではなくしっかり考えて、攻撃もそうですけど、いい準備に勝るものはないと思うので、そこは引き続きやっていきたいです」 19日に町田GIONスタジアムで行われる次節のFC町田ゼルビア戦では、FWオ・セフン、FWエリキ、FW藤尾翔太ら同じく強烈な個性を持つアタッカー陣に加え、ロングスローへの対応と“守備者”としての幅広い対応力が求められるだけに、29歳ながら攻守両面で著しい進化を見せる緑の背番号15のさらなる奮闘が求められるところだ。 2024.05.16 08:50 Thu

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【Jリーグ出場停止情報】J1では5選手が出場停止、広島DF佐々木翔はミッドウィークの横浜FM戦が出場停止に

Jリーグは17日、明治安田Jリーグの出場停止選手を発表した。 J1では、FC東京のDFエンリケ・トレヴィザン、東京ヴェルディのMF見木友哉、川崎フロンターレのMF橘田健人、サンフレッチェ広島のDF佐々木翔、アビスパ福岡のMF紺野和也が出場停止となる。 J2では、ブラウブリッツ秋田の小野原和哉、藤枝MYFCの内山圭、J3ではガイナーレ鳥取の温井駿斗、FC琉球の佐藤祐太が出場停止となる。 内山に関しては、15日に行われた明治安田J2リーグ第20節の横浜FC戦で一発退場。Jリーグは「ペナルティーエリア外で、ドリブルをしていた相手競技者に対し、ボールにプレーできず反則で止めた行為は、「相手チームの決定的得点機会の阻止」に該当する」と判断。「DOGSO」で1試合の出場停止となった。 【明治安田J1リーグ】 DFエンリケ・トレヴィザン(FC東京) 第19節 vs湘南ベルマーレ(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF見木友哉(東京ヴェルディ) 第19節 vs名古屋グランパス(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF橘田健人(川崎フロンターレ) 第19節 vsアルビレックス新潟(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 DF佐々木翔 (サンフレッチェ広島) 第13節 vs横浜F・マリノス(6/19) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF紺野和也(アビスパ福岡) 第19節 vsFC町田ゼルビア(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 【明治安田J2リーグ】 MF小野原和哉(ブラウブリッツ秋田) 第21節 vs清水エルパルス(6/23) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 GK内山圭(藤枝MYFC) 第21節 vsV・ファーレン長崎(6/22) 今回の停止:1試合停止 【明治安田J3リーグ】 DF温井駿斗(ガイナーレ鳥取) 第18節 vsFC岐阜(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF佐藤祐太(FC琉球) 第18節 vs大宮アルディージャ(6/22) 今回の停止:1試合停止 2024.06.17 23:05 Mon

「多くの差を感じた」、古巣相手の完敗認める東京Vの城福浩監督…「その差を受け入れ、這い上がっていく」

東京ヴェルディの城福浩監督が、完敗に終わった古巣対戦を振り返った。 東京Vは15日、エディオンピースウイング広島で行われた明治安田J1第18節のサンフレッチェ広島に1-4で敗戦した。 リーグ連勝で勢いにのる11位のチームは、勝ち点2差で5位の広島相手に今季初の3連勝での上位進出を目指した。しかし、前後半の立ち上がりに与えたセットプレーからFW加藤陸次樹、FWピエロス・ソティリウにゴールを奪われて苦しい展開を強いられると、62分にソティリウ、82分には古巣対戦のFWドウグラス・ヴィエイラに連続ゴールを許した。 その後、後半アディショナルタイムにFW木村勇大の公式戦3試合連続ゴールで一矢を報いたが、先月のルヴァンカップの敗戦(2-3●)に続く広島相手の黒星となった。 古巣対戦が期待されたDF宮原和也、キャプテンのMF森田晃樹ら主力数名を欠く厳しい台所事情に加え、ほぼ主力を起用した天皇杯から中2日のアウェイゲームというエクスキューズはあったが、試合後の会見で城福監督は、「今現在の実力通りの差かなと思います」と、真摯に1-4の敗戦を受け入れた。 「今現在の実力通りの差かなと思います。もちろん5点目が入ってもおかしくない状況というのはあったと認識していますし、我々が前にかかっていたなかで、相手のカウンターの精度が高いなというのも認識していますけど、今現在でベストなメンバーを組めた状態での差は受け入れざるを得ない」 「一番を上げるのが難しいぐらい多くの差を感じました。一対一の力の出しどころ、もちろん絶対的なパワーとスピードも多少の差はあると思いますけど、いつ相手に寄せるのか、いつボールハンティングをして、それをした瞬間に、もう攻撃のスイッチを入れるという判断の速さも含めて、ここは我々がまだまだだなと思いますし、じゃあ失わなければいいじゃないかというアプローチと、我々もそういうやり方でカウンターをできるチームにならなければいけない」 「フィジカル的なところと、バトルのなかでというか、スピードが上がったなかでの精度、スキルの精度というのは、多少我々も差があることを覚悟して入った」と戦前から広島の強度、クオリティを警戒していた中、「それをチームとしてどう防いでいきながら、多少オープンになったときに、我々が我々らしくプレーできるかというところが勝負どころだった」と、試合後に改めてゲームプランを語った指揮官。 ただ、「開始の最初のフリーキックでやられ、後半も最初のコーナーキックでやられてしまっては、自分たちが個の力の差を埋めるにはなかなか難しい状況になった」と、やはり前後半の入りで喫したセットプレーからの失点がチームにとって重い足かせとなったと悔やんだ。 それでも、J1最年少スカッドを率いる上で事あるごとにシーズンを通しての成長をテーマに掲げてきた百戦錬磨の指揮官は「何も諦めず、ひとつずつ解決して前に進んでいくだけ」、「この悔しさというか、J1のトップレベルとの差というのを、我々はしっかりと受け入れて、這い上がっていく。それが我々らしさだと思うので、しっかり次に向けて今日の反省を活かしたい」と、0-5で大敗したFC町田ゼルビア戦に続く、上位相手の厳しい敗戦からのバウンスバックを誓った。 2018年から2021年途中まで指揮した古巣と初めて広島の地での対戦を終えた城福監督。試合前の会見では「いい試合をして勝ち点を持ち帰ること」と共に、試合後に改めて古巣のファン・サポーターに挨拶をしたいと、自身にとって「特別」なクラブへの思いも語っていた。 そして、その言葉通り、試合後には敗戦の悔しさを噛み殺しながら、ゴール裏を中心に古巣のファン・サポーターに一礼し、温かな拍手を浴びていた。 その古巣対戦への思いについて改めて会見で問われた指揮官は、「この場で個人的なことを言うのはあまり相応しくない。しかも大敗した後なので…」と一度は発言を躊躇ったものの、試合後の自身の行動についてこう説明した。 「広島を離れる瞬間から、一緒に戦ってきた選手、スタッフ、フロントスタッフ、ファン・サポーターにとにかく感謝のアクションをしたい。その思いが新幹線を待つホームでずっと思っていました。もちろん今日は勝ってそれができれば一番よかったです。ただ、自分の中でそれは絶対にやらなければいけないことだと思っていました。それがひょっとしたら指導者としてここに立つということが、執念という言葉が正しいのかわかりませんけど、指導者として一歩自分が進まなければいけないと思いました。今日は彼らに感謝の意を込めた一礼しかできないです。それは、ずっと離れる瞬間からそれをやりたいと思っていました」 2024.06.16 00:34 Sun

「もらえるべきPKが…」ホームで快勝の広島、スキッベ監督がジャッジに苦言「これは問題」

サンフレッチェ広島のミヒャエル・スキッベ監督が、東京ヴェルディ戦を振り返った。 15日、明治安田J1リーグ第18節で広島はホームのエディオンピースウイング広島に東京Vを迎えた。 インターナショナル・マッチウィークの関係で中断していたJリーグ。リーグ戦再開初戦となった試合で、広島は躍動する。 開始2分に加藤陸次樹がネットを揺らすと、後半にはピエロス・ソティリウが2ゴール。ドウグラス・ヴィエイラにもゴールが生まれ、4-1で勝利を収めた。 試合後、スキッベ監督は記者会見で勝利に満足感を示した。 「今日は90分以上素晴らしいパフォーマンスを見せた。前半からたくさんチャンスは作れたと思っているし、後半はさらに増えたと思う。全体的なパフォーマンスには非常に満足している」 一方で、ジャッジには苦言も。PKになってもおかしくないファウルが取られていないと語った。 「ここ数試合、自分たちがもらえるべきPKがもらえていないと感じている。シーズン序盤は割ともらえていたファウルだったりが、ここ8試合全くもらえていない。それがなぜかは分からない。これは問題だと思っている」 この試合ではピエロスが2ゴール、途中出場のドウグラス・ヴィエイラもゴールを決め、先制点は加藤とFW3人がゴールを決めた。 攻撃陣の好調ぶりについて「ピエロスとドグはフィットしてきたことが挙げられる。元々素晴らしい才能のあるストライカーで、彼らがフィットしてこういう結果が出たということだ」と、コンディションが整ってきたことが大きいとコメント。また「ムツキ(加藤陸次樹)は、良いチャンスまで作れていたが、点が取れていなかった部分があった。それも時間が経つにつれて解消できているし、調子を上げているのが点を取れるところまで来たということだ」と、結果につながりつつあるとした。 その他にも「マコ(満田誠)も調子を上げてきているし、2人のブラジル人(マルコス・ジュニオール、エゼキエウ)もまたフィットしてきていることから、これからも非常に魅力的な攻撃的サッカーができると思っている」と、戦力が整いつつあると語り、この先の戦いに期待を持てるとした。 4ゴールを奪い快勝したものの、前半は東京Vに支配される時間帯もあった。スキッベ監督は昇格組のチームについて評価。それだけの実力があるとした。 「東京Vにクオリティやポテンシャルがあったということだ。今回昇格してきた3チームともに良いパフォーマンスを見せており、町田に関しては優勝する可能性もあると思う」 「彼らは降格することはないだろうし、そういう良いチームだ。押し込まれることは想定していた」 <span class="paragraph-title">【動画】開始2分で決まった加藤陸次樹のゴラッソ!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr"> <a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> ライブ配信<a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%BA%83%E5%B3%B6%E6%9D%B1%E4%BA%ACV?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#広島東京V</a> <a href="https://t.co/oDtnW1cLDC">pic.twitter.com/oDtnW1cLDC</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1801919937587347736?ref_src=twsrc%5Etfw">June 15, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.06.15 23:08 Sat

ピエロス2戦連続2発など前線躍動の広島が公式戦5連勝! 東京Vは3バック変更後初の敗戦に…【明治安田J1第18節】

明治安田J1第18節のサンフレッチェ広島vs東京ヴェルディが15日にエディオンピースウイング広島で行われ、ホームの広島が4-1で快勝した。 2週間前に行われた前節のジュビロ磐田戦に2-0で快勝し、リーグ2戦ぶりの白星を取り戻した5位の広島。さらに、ルヴァンカップでFC東京に連勝、直近の天皇杯では大幅なターンオーバーを敢行した中、FCバレイン下関に11-2の圧勝を収めて公式戦4連勝を達成した。さらなる連勝を狙う好調のチームは今回の一戦に向け、主力起用のFC東京戦から先発2人を変更。GKに大迫敬介が復帰し、負傷の荒木隼人に代えて日本代表帰りの川村拓夢をボランチで起用。塩谷司を3バックの右に置いた。 一方、北海道コンサドーレ札幌に5-3の勝利を収めて今季2度目のリーグ連勝を飾った11位の東京V。直近の天皇杯ではAC長野パルセイロに5-0の完勝を収めてこちらは公式戦3連勝。先月のルヴァンカップで2-3と敗れた広島相手にリベンジを狙った一戦では前節から先発3人を変更。負傷の宮原和也、綱島悠斗、森田晃樹に代えて林尚輝、谷口栄斗、山田剛綺を起用した。 城福浩監督の2021年以来の広島帰還にも注目が集まった一戦は開始早々に動く。2分、相手陣内中央左でFKを得た広島はキッカーの東俊希がゴール前に供給。DF谷口がヘディングでクリアしたボールをボックス右で収めた加藤陸次樹が右足で狙うと、相手の稲見哲行の背中にディフレクトしたボールがゴール左隅に突き刺さった。 やや不運な形からいきなりのビハインドを背負った東京Vも直後にセットプレーから決定機を創出。6分、相手陣内中央で得たFKの二次攻撃からボックス右で見木友哉が放った右足シュートをゴール前の谷口がワンタッチでコースを変えたが、これは枠を捉え切れず。 立ち上がり以降はミラーゲームの形でがっぷり四つの攻防が繰り広げられる。ボールの主導権を握ったアウェイチームは見木、齋藤功佑の2ボランチ、染野唯月を起点にズレを生み出し、良い形で前進していくが、細かいミスが目立って攻撃をスピードアップできず。決定機まであと一歩という状況が続く。 1点リードの広島はメリハリの利いた守備で相手の攻撃を撥ね返しつつ、チャンスとあらば素早い切り替えと、人数をかけた攻めでチャンスを創出。25分には右CKの場面で新井直人の右足アウトスウィングのクロスにドンピシャのヘッドで合わせたピエロス・ソティリウ、そのこぼれに詰めた川村のゴール至近距離からの左足シュートで2点目に迫るが、いずれもGKマテウスの驚異的なビッグセーブに阻まれた。 その後は木村勇大が圧倒的なフィジカルで相手守備陣を苦しめたものの、攻め切れない東京Vに対して、相手のミスを効果的にフィニッシュに繋げる広島。そして、左右からの精度の高いクロスにソティリウ、大橋とボックス内でマークを外したストライカーが良い形でシュートを放ったが、これを枠に飛ばすことはできなかった。 辛くも1点ビハインドで試合を折り返した東京Vはハーフタイムに2枚替え。いずれも精彩を欠いた稲見、山田剛綺を下げて松橋優安、山見大登を同じポジションに入れた。 一方、後半も同じメンバーで入った広島は前半同様にセットプレーからいきなりゴールをこじ開ける。47分、左CKの場面でキッカーの東俊希が左足アウトスウィングで滞空時間の長いボールを入れると、ゴール前でマークを外したソティリウがピッチに叩きつけるヘディングシュートを流し込んだ。 公式戦2戦連発の加藤に続くソティリウのリーグ2試合連続ゴールによってほしかった2点目を得たホームチームは、相手の動揺を感じ取ったか、全体の強度を上げて畳みかける。すると、鮮やかな崩しからトドメの3点目が生まれる。 62分、最後尾のGK大迫が前線の加藤へ狙いすました鋭いフィードを通すと、絶妙なファーストタッチで収めた加藤がボックス左まで運んでゴール前にフリーで走り込むソティリウにプレゼントパス。これを難なく流し込んだ。 痛恨の3失点目を喫したアウェイチームはこの直後に林尚輝を下げて食野壮磨を投入。より攻撃的な[4-4-2]へのシステム変更で、まずは反撃の狼煙を上げる1点を目指すが、流れを引き寄せるには至らず。 大量リードでも緩みを見せない広島だが、70分を過ぎて一気に交代カードを切っていく。殊勲の前線3枚を下げてドウグラス・ヴィエイラ、満田誠、エゼキエウらをピッチに送り込むと、この交代策が4点目をもたらした。82分、エゼキエウの前線の守備から仕掛けたショートカウンターでボックス左の東が上げた正確なクロスを、ゴール前に走り込んだドウグラス・ヴィエイラがヘディングで合わせ、古巣相手に今季リーグ戦初ゴールを決めた。 その後、後半アディショナルタイムに東京Vのセットプレー流れから木村のゴールで一矢報いられた広島だったが、今季2度目のリーグ連勝と共に公式戦5連勝を達成した。 一方、完封負けは回避したが、城福監督の広島帰還試合で完敗の東京Vは3バック変更後初の黒星となった。 サンフレッチェ広島 4-1 東京ヴェルディ 【広島】 加藤陸次樹(前2) ピエロス・ソティリウ(後2、後17) ドウグラス・ヴィエイラ(後37) 【東京V】 木村勇大(後45+5) 2024.06.15 20:33 Sat

【J1注目プレビュー|第18節:広島vs東京V】混戦状態の中位対決、ミラーゲームを制するのは?

【明治安田J1リーグ第18節】 2024年6月15日(土) 18:30キックオフ サンフレッチェ広島(5位/26pt) vs 東京ヴェルディ(11位/24pt) [エディオンピースウイング広島] <span class="paragraph-subtitle">◆上昇気流に乗り続けられるか【サンフレッチェ広島】</span> 6月に入ってから既に4試合の公式戦を戦っている広島。全勝とチームは勢いに乗っている。 ミッドウィークの天皇杯では、中国リーグのFCバレイン下関を相手に11ゴールを奪う圧勝。控え選手がプレーした中で、格下相手にしっかりと勝利を収めた。 チームとしても良い流れができつつある中、FWマルコス・ジュニオールも復帰。攻撃陣は充実している部分もあるが、守備陣はDF荒木隼人が足首を痛め、欠場の可能性が高い。攻撃陣とは裏腹に、不安材料を抱えている。 とはいえチームとしての良い流れをしっかりと継続したいところ。日本代表戦では熱気を感じさせたEピースで、2人の代表選手も再びピッチに立つことは濃厚。かつての指揮官を前に立ちはだかりたい。 ★予想スタメン[3-4-2-1] GK:大迫敬介 DF:塩谷司、中野就斗、佐々木翔 MF:新井直人、川村拓夢、松本泰志、東俊希 MF:大橋祐紀、加藤陸次樹 FW:ピエロス・ソティリウ 監督:ミヒャエル・スキッベ <span class="paragraph-subtitle">◆勝ち点差は「2」、勝って上回りたい 【東京ヴェルディ】</span> 2日に行われた北海道コンサドーレ札幌戦では、今季最多の5ゴールを奪い快勝。ミッドウィークのAC長野パルセイロ戦も5ゴールを奪った。 チームとして[3-4-2-1]のシステムが機能し始めており、FW木村勇大とFW染野唯月も好調を維持。団子状態の中位を抜け出すためにも、勝ち点差「2」の広島をしっかりと叩きたい。 今シーズンは既にルヴァンカップ3回戦で敗れており、今回はミラーゲームで挑むことに。かつての指揮官である城福浩監督は、古巣相手にリベンジを果たしたいところだろう。 守備陣では複数の負傷者が出ているが、しっかりと3バックを形成して押さえていきたいところ。攻守のバランスを見つつ、屈強な相手3バックを攻略していきたい。 ★予想スタメン[3-4-2-1] GK:マテウス DF:林尚輝、千田海人、谷口栄斗 MF:翁長聖、齋藤功佑、見木友哉、稲見哲行 FW:染野唯月、木村勇大、山見大登 監督:城福浩 2024.06.15 12:55 Sat

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FC東京がポーランドの名門レギア・ワルシャワと提携…チーム強化の情報交換など

FC東京は18日、エクストラクラサに属するレギア・ワルシャワとの提携を発表した。 レギア・ワルシャワは1916年創設のポーランド1部クラブ。15回のリーグ優勝、20回の国内カップ優勝を誇るポーランド屈指の名門で、トップチームの強化を目的とした情報交換とアカデミー所属選手の育成が提携内容になる。 FC東京の代表取締役社長を務める川岸滋也氏とレギア・ワルシャワのオーナーであるダリウス・ミオドゥスキー氏は次のようにコメントしている。 ◆川岸滋也氏 「今回、このような形でレギア・ワルシャワとの提携を発表できることをとても嬉しく思っています。私たちにとって、チームを作っていくこと、若い選手を育てて活躍の場を作っていくという部分は非常に重要な取り組みだと思っております」 「また、ヨーロッパに様々なタレントの選手がおり、レギア・ワルシャワと提携することで、色々な情報を交換して取り組みができるチャンスだと思っています。様々な取り組みや成果が出てくると良いと思っています。日本の首都の東京のクラブとして、様々なことを発信していくうえでの最初の取り組みと位置付けております」 ◆ダリウス・ミオドゥスキー氏 「日本の強豪クラブであるFC東京と我々レギア・ワルシャワがこのような提携を結ぶことができて、とても誇らしく思っています。重要なのは、第一にFC東京は日本の首都のクラブであり、またレギア・ワルシャワも同じくポーランドの首都のクラブであるということです。二つのクラブのパートナーシップだけでなく、二つの国の首都のパートナーシップとして意味あるものだと感じています」 「FC東京に限らず、Jリーグはポーランドやヨーロッパにおいて高い関心を持たれています。この提携が、両者にとって大きな一歩になると思います。第二に、若い選手を育成していくことです。我々は、若い選手の育成に自信を持っています。FC東京も若い選手を育てることに長けています。選手育成に関する経験や知識を交換することは、お互いにとって素晴らしい成果につながると思います」 2024.06.18 17:50 Tue

湘南のMF平岡大陽が右長内転筋損傷…トレーニング中に負傷

湘南ベルマーレは18日、MF平岡大陽の負傷を報告した。 平岡は9日に行われたトレーニング中に負傷。検査の結果、右長内転筋損傷と診断されたとのことだ。なお、離脱期間については明らかにされていない。 平岡は2021年に履正社高校から湘南に加入。主力の一人に定着すると、今シーズンもここまで明治安田J1リーグで17試合1ゴール1アシスト、YBCルヴァンカップで1試合1アシストの成績を残していた。 2024.06.18 10:40 Tue

【Jリーグ出場停止情報】J1では5選手が出場停止、広島DF佐々木翔はミッドウィークの横浜FM戦が出場停止に

Jリーグは17日、明治安田Jリーグの出場停止選手を発表した。 J1では、FC東京のDFエンリケ・トレヴィザン、東京ヴェルディのMF見木友哉、川崎フロンターレのMF橘田健人、サンフレッチェ広島のDF佐々木翔、アビスパ福岡のMF紺野和也が出場停止となる。 J2では、ブラウブリッツ秋田の小野原和哉、藤枝MYFCの内山圭、J3ではガイナーレ鳥取の温井駿斗、FC琉球の佐藤祐太が出場停止となる。 内山に関しては、15日に行われた明治安田J2リーグ第20節の横浜FC戦で一発退場。Jリーグは「ペナルティーエリア外で、ドリブルをしていた相手競技者に対し、ボールにプレーできず反則で止めた行為は、「相手チームの決定的得点機会の阻止」に該当する」と判断。「DOGSO」で1試合の出場停止となった。 【明治安田J1リーグ】 DFエンリケ・トレヴィザン(FC東京) 第19節 vs湘南ベルマーレ(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF見木友哉(東京ヴェルディ) 第19節 vs名古屋グランパス(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF橘田健人(川崎フロンターレ) 第19節 vsアルビレックス新潟(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 DF佐々木翔 (サンフレッチェ広島) 第13節 vs横浜F・マリノス(6/19) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF紺野和也(アビスパ福岡) 第19節 vsFC町田ゼルビア(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 【明治安田J2リーグ】 MF小野原和哉(ブラウブリッツ秋田) 第21節 vs清水エルパルス(6/23) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 GK内山圭(藤枝MYFC) 第21節 vsV・ファーレン長崎(6/22) 今回の停止:1試合停止 【明治安田J3リーグ】 DF温井駿斗(ガイナーレ鳥取) 第18節 vsFC岐阜(6/22) 今回の停止:警告の累積による1試合停止 MF佐藤祐太(FC琉球) 第18節 vs大宮アルディージャ(6/22) 今回の停止:1試合停止 2024.06.17 23:05 Mon

町田・黒田剛監督の怒り「町田は決して悪ではない」/六川亨の日本サッカーの歩み

先週土曜のJ1リーグ、横浜FM対町田戦は町田が今シーズン初の逆転勝ちを収めて首位を守った。試合後の黒田剛監督は「天皇杯ではいろいろありましたけど、町田は決して悪ではないし、我々が正義だとしっかり貫いていく」と12日の天皇杯2回戦、筑波大戦を振り返って抗議のコメントを出した。 PK戦とはいえJ1の首位チームが大学生に負けるという大波乱の結果もさることながら、開始8分にチャン・ミンギュが左鎖骨を骨折、同点ゴールを決めた安井拓也が右脛骨骨幹部の骨折。さらにナ・サンホは左足関節靱帯損傷、前距腓靭帯損傷、三角靭帯損傷、ミッチェル・デュークは左大腿二頭筋の肉離れと診断された。黒田監督ならずとも、筑波大のプレーを非難したくなるだろう。 この試合をフルタイムで見たわけではないが、安井の同点ゴールはマイナスの折り返しをゴール中央から豪快に決めたもの。守備に入ったDFはシュートブロックに行くのではなくボールにアタックしたため安井は重傷を負った。『過剰な力による足裏での危険なプレー』は一発レッドでもおかしくなかった。 いつも町田の試合を見ているわけではないが、シーズン序盤はアフタータックルが目についた。その点を昨シーズンから町田の試合や練習を取材している同業者に聞くと、「J1のスピードに慣れていないため、アフターになりやすい。故意にファウルをしているわけではない」と教えてくれた。ただ、球際の激しさは町田の武器だし、それが1試合の平均ファウル数がJ1で3番目に多い結果につながっているのだろう。 そんなチームスタイルだけに、筑波大戦後に対戦相手を批判した黒田監督のコメントは物議を醸した。ネットでの記事を読んでみて、やはり多かったのは主審のゲームコントロールに関しての書き込みだった。イエローカードは筑波大に2枚、町田に1枚だが、それが妥当だったのかどうか。天皇杯は対象外だろうが、DAZNが放送していた『Jリーグジャッジリプレイ』が昨シーズンで終了したのは残念でならない。 横浜FM戦後、黒田監督は「負傷した4名の無念の気持ち、選手は魂のこもった試合をしてくれた」と労いつつ、「言いたいことをしっかりと言いながら、またダメなものはダメと訴えながら貫いていく。これがいまの日本のサッカー界に必要なパワーだと思う」と言葉に力をこめた。激しいプレーと、選手生命を脅かすプレーは違うということ、そして選手を守るのは、指導者はもちろん審判だということを訴えたかったのだろう。 5月19日のJ1リーグ第15節、FC東京対横浜FMの試合はドイツ人のザシャ・ステーゲマンが主審を務めたが、ラフプレーには躊躇わずにイエローカードを出し、両チーム合わせて7枚のカードが出たが、試合が荒れることはなかった。一方、6月1日の第17節、鹿島対横浜FMは200試合以上の主審を務めた国際主審が務めたものの、判定基準が一定ではないため両チームの監督がジャッジに不満を述べていた。 ここ数年、日本人主審の技術はレベルダウンしているのだろうか。レフェリーブリーフィングで町田対筑波大の試合が取り上げられるのか、次回の開催が楽しみである。 <hr>【文・六川亨】<br/><div id="cws_ad">1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた</div> 2024.06.17 11:45 Mon

苦しむ川崎Fに痛手…ここまで14戦5発のエリソンが左大腿二頭筋肉離れ

川崎フロンターレは16日、FWエリソンの負傷を報告した。 今季から川崎FでJリーグ初挑戦のエリソン。ここまで出場した公式戦14試合で5ゴールのストライカーだが、2日に行われた第17節の名古屋グランパス戦に続いて、16日に行われた第18節のヴィッセル神戸戦でもメンバー外だった。 クラブによると、9日のトレーニング中に負傷したといい、左大腿二頭筋肉離れと診断。全治は明らかにされていないが、しばらくの離脱となりそうだ。 今節の川崎Fは9試合ぶり無得点で3試合ぶりの黒星。ここまで5勝5分け8敗の14位となっている。 2024.06.16 20:57 Sun

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Eピースでの古巣戦に臨む東京Vの城福監督「臆せずチャレンジングな試合をしたい」…「特別」と語る広島への思いにも触れる

東京ヴェルディの城福浩監督が、2021年以来となる広島の地での古巣対戦への思いを語った。 ヴィッセル神戸、北海道コンサドーレ札幌相手に今シーズン2度目の連勝を達成し、11位に浮上した東京V。さらに、12日に行われた天皇杯2回戦ではAC長野パルセイロを相手に5-0の完勝を収め、公式戦3連勝とした。 [3-4-2-1]へのシステム変更を機にトップハーフ浮上も見えてきた上り調子の昇格チームは、15日にエディオンピースウイング広島で行われる明治安田J1第18節で5位のサンフレッチェ広島と対戦する。 13日、クラブハウスで行われた会見で城福監督は、前日に行われた天皇杯で得た手応えと課題に言及。 ややバタついた前半の入りに関しては「ちょっと足元、足元でプレーしている選手が多く、相手の嫌なところを突いてゲームに入っていくということができなかった」と課題を口にしたが、後半については「入りもよかったですし、クローズのところは本当に後から入った選手も最初から出た選手も、隙を見せないという姿勢を見せてくれた。何よりも山田剛綺の動きがシャドーで入った時のあのハードワークの姿勢というのは、みんなに伝わった。非常に集中力の高いクローズができたと思います」とコメント。 「矢印を自分たちに向けて成長していくプロセスの1試合」で、下位カテゴリー相手にしっかりとした心構えで臨んだ選手たちの姿勢。試合終盤に決死の3度追いを見せたストライカーを名指しで称賛するなど、札幌戦で出た課題を克服したチームのパフォーマンスに満足感を示した。 直近の公式戦2試合でいずれも5ゴールを挙げた攻撃面では、システム変更や相手の戦い方の影響もあったものの、より背後や縦パスの意識が高まった印象だ。城福監督は中盤から短い縦パス3本を繋いで奪った長野戦の先制点を例に挙げつつ、「相手の嫌がること」、「バランス」をキーワードに、「よりムラのない試合運び」をチームに求める。 「これは我々が志向するサッカーでいうと、いわゆるへそと言われている部分をうまくアンカーに入った選手が、ボールを触りながら機能させながら、相手を中に締めさせておいて外を使う。相手が広がったら中を使う、前から来れば裏を使うというところのバランスが大事なんですけれども、天皇杯の昨日の試合で言えば、最初の15分ぐらいは本当に中ばっかりだった。みんながいいことしようとしたというか、相手が嫌なことをしているかというと、本当にいいバランスで入れたかというと、そこはまだちょっとムラがあるいうところは否めないかなと思います」 「ただ、あの1点目というのは最後染野のスルーパスに山田剛綺が反応しましたが、時間で言えばその15秒、20秒ぐらい前というのは相手を広げて最終ラインに戻して最終ラインで回してるうちに、染野ともう一人が裏を取りに行っている。そのボールを相手がギリギリでクリアしたセカンドを拾って、そこからまたスタートしてあのスルーパスでした」 「そこの映像は僕らもハーフタイムに見せました。『間違えるな』と、綺麗なサッカーをやろうとしてやれるほど簡単ではないし、我々が目指すのは相手の嫌がるところ、ゴールに近いところをまず見て、そこからへそを使ったりワイドを使ったり、バランスを取っていくのであって、自分たちにとって何か心地いいというか、気持ちいいコンビネーションのところから入ったら、本当にカウンターも食らいますし、相手も組みやすくなるので、特に裏を取る選手が得意な選手が多いので、ここのバランスを取りながら、しっかりと繋いでいくというところは、昨日の試合だけではなくJリーグ含めてみんながいいバランスで状況を見ながら、いいバランスが取れるような、もっとムラのないような試合運びというのはやっていきたいです」 また、ここにきて徐々に離脱者が増え始める中、長野戦で戦列復帰を果たしたDF谷口栄斗に関しては「彼が離脱している間にチームの立ち位置というか、システムを変えてやっていた中、公式戦でレギュラー陣のセンターバックと一緒にやれたということは、すごく意義がある」、「身体的には全く問題ないと思います。あの時間であれば、我々は離脱した理由である箇所のところのリバウンドが一番心配だったので、そこさえ問題なければ、昨日ぐらいの時間であれば、中2日は全く問題ないと思っています」と、中2日でのリーグ戦での起用を示唆した。 5月22日に行われたJリーグYBCルヴァンカップではほぼベストメンバーを起用した広島に対して、控え中心の布陣で臨んだ結果、2-3の敗戦で古巣初対戦を終えた城福監督は、その敗戦から約1カ月の期間を経てリベンジマッチに臨む。 その前回対戦を経て改めて対戦相手の印象について問われた指揮官は、「ルヴァンで対戦してみても、強度という意味で、やっぱりトップレベルだなと。今まで対戦した中で言えば、それこそ町田と同じぐらいのレベルがあり、広島が今のJリーグを牽引するチームであることは間違いない」、「ボールを奪ってからのスピード感であったり、湧き出てくる人数であったり、局面の強さであったり、カウンターの精度というのは、本当にこういうチームが優勝候補と言われるチームなんだろうなと。観察していても対戦してみても改めて思います」と、称賛の言葉を並べた。 さらに「Jリーグでトップレベル、優勝を争うようなチームというのがどのレベルなのかというのは、ここまで経験してきているので、そこに打ち勝つためのポジションの準備だったり、バトルの準備だったり、セカンドの準備だったり、あるいは予測だったり、カバーの意識だったりというところを、もうワンランク上げないと、勝ち点を持ち帰ってくるというのは難しいと思っています」と、前回対戦を踏まえた上でのチームの改善点を指摘。 ただ、野心的な指揮官は「こういうチームに対して、互角以上の戦いをすること。勝ち点3を取ることというのが、おそらく我々のチームを新しいステージに導いていくことになるんだろうなと思っているので、我々が志向するサッカーで、アウェイではありますけど、勝ち点3を取りにいくという姿勢を見せることが、このチームの今の現在地というのを測れるいい機会だと思うので、臆せずチャレンジングな試合をしたい」と、J1残留以上のサプライズを目指す中で強豪撃破へ意気込む。 広島の元指揮官で、日本代表を率いる森保一監督が先日のシリア代表戦で広島念願のサッカー専用スタジアム“Eピース”への思いを語ったことが記憶に新しいが、同じく2018年から2021年途中まで4年に渡ってクラブを率いた城福監督にとっても、新スタジアムで戦う一戦は特別な思いをもっての試合になる。 新スタジアムで戦う広島の地での古巣対戦について63歳の指揮官は「僕は4年いましたけど、自分が就任した時には、スタジアムができるかどうかわからなかったです。非常に難しい時期でした。その機運は高まってましたけれども、『作りたい』、『でも実現するのか』というところと、場所はいくつかの候補があって、そこが絞り込まれていくプロセスにあったというふうに思います。本当に先人の方の思い、苦労や成果があって、スタジアムが中央公園という本当に町の中心部のところにできるということが決まったのが、ちょうどコロナ禍だったんですけど、それはクラブにとって、あるいは広島にとってものすごく大きなことでした。僕はその時インサイドにいましたけど、みんながそこの近い将来に向けての期待感のある中で、自分は目の前の現実と戦っていた。そんな思い出もあります」と、感慨深げに当時を回想。 また、この一戦の目標として「いい試合をして勝ち点を持ち帰ること」と共に、試合後に改めて古巣のファン・サポーターに挨拶をしたいと、自身にとって「特別」なクラブへの思いを語った。 「4年間いたので、やはり広島への思いは特別ですし、選手とスタッフ、ファン・サポーターに4年間いて、ちゃんとした挨拶ができずに、東京に戻ってきたので、この前のルヴァンの時に何人かの選手とは会えて、あれ以来ぶりに話ができたことはよかったですけど、何よりもファン・サポーターに挨拶できていないというのが、自分はすごく心残りなので、自分のやれることはあのスタジアムでいい試合をすること。それとその後でしっかりファン・サポーターに挨拶をすること。これは自分の中で強い思いがあります。ただ、それは自分の思いなので、とにかくチームが最大値を出して、選手を躍動させて悔いのない戦いをする。これに集中したいなと思います」 2024.06.14 19:30 Fri
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ピエロス2戦連続2発など前線躍動の広島が公式戦5連勝! 東京Vは3バック変更後初の敗戦に…【明治安田J1第18節】

明治安田J1第18節のサンフレッチェ広島vs東京ヴェルディが15日にエディオンピースウイング広島で行われ、ホームの広島が4-1で快勝した。 2週間前に行われた前節のジュビロ磐田戦に2-0で快勝し、リーグ2戦ぶりの白星を取り戻した5位の広島。さらに、ルヴァンカップでFC東京に連勝、直近の天皇杯では大幅なターンオーバーを敢行した中、FCバレイン下関に11-2の圧勝を収めて公式戦4連勝を達成した。さらなる連勝を狙う好調のチームは今回の一戦に向け、主力起用のFC東京戦から先発2人を変更。GKに大迫敬介が復帰し、負傷の荒木隼人に代えて日本代表帰りの川村拓夢をボランチで起用。塩谷司を3バックの右に置いた。 一方、北海道コンサドーレ札幌に5-3の勝利を収めて今季2度目のリーグ連勝を飾った11位の東京V。直近の天皇杯ではAC長野パルセイロに5-0の完勝を収めてこちらは公式戦3連勝。先月のルヴァンカップで2-3と敗れた広島相手にリベンジを狙った一戦では前節から先発3人を変更。負傷の宮原和也、綱島悠斗、森田晃樹に代えて林尚輝、谷口栄斗、山田剛綺を起用した。 城福浩監督の2021年以来の広島帰還にも注目が集まった一戦は開始早々に動く。2分、相手陣内中央左でFKを得た広島はキッカーの東俊希がゴール前に供給。DF谷口がヘディングでクリアしたボールをボックス右で収めた加藤陸次樹が右足で狙うと、相手の稲見哲行の背中にディフレクトしたボールがゴール左隅に突き刺さった。 やや不運な形からいきなりのビハインドを背負った東京Vも直後にセットプレーから決定機を創出。6分、相手陣内中央で得たFKの二次攻撃からボックス右で見木友哉が放った右足シュートをゴール前の谷口がワンタッチでコースを変えたが、これは枠を捉え切れず。 立ち上がり以降はミラーゲームの形でがっぷり四つの攻防が繰り広げられる。ボールの主導権を握ったアウェイチームは見木、齋藤功佑の2ボランチ、染野唯月を起点にズレを生み出し、良い形で前進していくが、細かいミスが目立って攻撃をスピードアップできず。決定機まであと一歩という状況が続く。 1点リードの広島はメリハリの利いた守備で相手の攻撃を撥ね返しつつ、チャンスとあらば素早い切り替えと、人数をかけた攻めでチャンスを創出。25分には右CKの場面で新井直人の右足アウトスウィングのクロスにドンピシャのヘッドで合わせたピエロス・ソティリウ、そのこぼれに詰めた川村のゴール至近距離からの左足シュートで2点目に迫るが、いずれもGKマテウスの驚異的なビッグセーブに阻まれた。 その後は木村勇大が圧倒的なフィジカルで相手守備陣を苦しめたものの、攻め切れない東京Vに対して、相手のミスを効果的にフィニッシュに繋げる広島。そして、左右からの精度の高いクロスにソティリウ、大橋とボックス内でマークを外したストライカーが良い形でシュートを放ったが、これを枠に飛ばすことはできなかった。 辛くも1点ビハインドで試合を折り返した東京Vはハーフタイムに2枚替え。いずれも精彩を欠いた稲見、山田剛綺を下げて松橋優安、山見大登を同じポジションに入れた。 一方、後半も同じメンバーで入った広島は前半同様にセットプレーからいきなりゴールをこじ開ける。47分、左CKの場面でキッカーの東俊希が左足アウトスウィングで滞空時間の長いボールを入れると、ゴール前でマークを外したソティリウがピッチに叩きつけるヘディングシュートを流し込んだ。 公式戦2戦連発の加藤に続くソティリウのリーグ2試合連続ゴールによってほしかった2点目を得たホームチームは、相手の動揺を感じ取ったか、全体の強度を上げて畳みかける。すると、鮮やかな崩しからトドメの3点目が生まれる。 62分、最後尾のGK大迫が前線の加藤へ狙いすました鋭いフィードを通すと、絶妙なファーストタッチで収めた加藤がボックス左まで運んでゴール前にフリーで走り込むソティリウにプレゼントパス。これを難なく流し込んだ。 痛恨の3失点目を喫したアウェイチームはこの直後に林尚輝を下げて食野壮磨を投入。より攻撃的な[4-4-2]へのシステム変更で、まずは反撃の狼煙を上げる1点を目指すが、流れを引き寄せるには至らず。 大量リードでも緩みを見せない広島だが、70分を過ぎて一気に交代カードを切っていく。殊勲の前線3枚を下げてドウグラス・ヴィエイラ、満田誠、エゼキエウらをピッチに送り込むと、この交代策が4点目をもたらした。82分、エゼキエウの前線の守備から仕掛けたショートカウンターでボックス左の東が上げた正確なクロスを、ゴール前に走り込んだドウグラス・ヴィエイラがヘディングで合わせ、古巣相手に今季リーグ戦初ゴールを決めた。 その後、後半アディショナルタイムに東京Vのセットプレー流れから木村のゴールで一矢報いられた広島だったが、今季2度目のリーグ連勝と共に公式戦5連勝を達成した。 一方、完封負けは回避したが、城福監督の広島帰還試合で完敗の東京Vは3バック変更後初の黒星となった。 サンフレッチェ広島 4-1 東京ヴェルディ 【広島】 加藤陸次樹(前2) ピエロス・ソティリウ(後2、後17) ドウグラス・ヴィエイラ(後37) 【東京V】 木村勇大(後45+5) 2024.06.15 20:33 Sat
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東京Vの谷口栄斗が明治大との練習試合で実戦復帰! 3バックの感触は「思ったよりも難しい」

東京ヴェルディのDF谷口栄斗が明治大学とのトレーニングマッチで約1カ月ぶりの実戦復帰を果たした。 今シーズンの開幕から8試合連続でスタメン出場を果たし、自身初のJ1の舞台でも奮闘を見せていた谷口。しかし、4月13日に行われた明治安田J1リーグ第8節のFC東京とのダービーで筋肉系のトラブルに見舞われ、約1カ月の戦線離脱を強いられると、先月12日に行われた第13節の鹿島アントラーズ戦の途中出場で復帰を果たしたが、今度は右ヒザの負傷によって再離脱を余儀なくされた。 以降はメディカルスタッフ、コーチングスタッフと共に慎重にリハビリ、コンディション調整に励んできた中、徐々にトレーニングの負荷を上げて状態を上げると、7日に行われた明治大とのトレーニングマッチ(40分×3)で戦列に復帰。 3-1で勝利した1本目(1-0)では3バックの左と、味方のアクシデントによるボランチでのスクランブル起用を含め40分ほどプレーし、公式戦復帰に一歩近づいた。 その谷口について城福浩監督は「正直、様子を見ながらですけど、今日あれぐらいやってリバウンドがなければ、もっと追い込めると思いますし、さらに試合に近くなると思います」と慎重を期して送り出した主力DFの復帰に安堵の様子を見せた。 さらに、「試合勘はやらないと戻らないところもあると思うので、できれば天皇杯も少し経験をさせてやりたいし、その次のJリーグに向けても、コンディショニングはしっかり様子を見ながら、整えさせたいと思います」と、今後の状態次第では12日に行われる天皇杯2回戦のAC長野パルセイロ戦での起用を検討していることを明かした。 谷口は試合後の囲み取材で、疲労と共に充実感を窺わせる表情で「ケガは大丈夫。コンディションは上がりました」と久々の実戦を振り返った。 自身の離脱時にチームは[3-4-2-1]の新布陣を採用し、以降はレアル・ソシエダとの親善試合、今回の試合を含め4試合連続で同じ布陣を継続している。その3バックの感触については「思ったよりも難しい」と率直な思いを語った。 「思ったよりも難しいというか、ボールを持つ時にすごく難しさを感じていて、真ん中のセンターバックからボールを受けるタイミングだったり、ウイングバックに出た時に、どういうタイミングで出ていくのかというのは、自分の中でまだ難しい部分かなと思います」 「(ラインコントロールの際の)目線のキープの仕方というか、視野の確保という部分で難しさを感じていますが、そこはコミュニケーションでどうにかなると思いますし、あとは準備のところでより良い準備をすることで、そういう難しさを少しは軽減できるかなと思います」 一方で、「選手として幅が広がると思いますし、そこはプラスに捉えている」と前向きな姿勢を示す背番号3は、そのポイントと改善点を意識しながら早期フィットを目指す。 「より人にいくので運動量が必要になり、守備的になった時は5人並ぶので、ボールにハッキリ行かないと、逆にリスクを負う形になってしまうので、そこはしっかりボールホルダーに寄せることが大事になってくるかなと思います」 「攻撃ではワイドに1枚置けているという利点があるので、そこをうまく使うことができれば相手を揺さぶることができると思うので、そこは常に意識しています。そこは4バックでも3バックでも意識しているところなので、そんなに変わりはしないです」 「(左ウイングバックの)ヒジくん(翁長)とかに渡してランニングすることも大事になってくると思いますし、そこは状況を見ながらより幅を広げられると思うので、相手を見ながらやっていきたいです」 なお、昨季は同じタイミングの天皇杯で戦列に復帰していた谷口だが、今季も天皇杯での実戦復帰を足がかりに状態を上げて、上り調子のチームの流れに乗ることはできるか。 2024.06.07 19:38 Fri
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ディエゴ・オリヴェイラの変化で生まれ変わったFC東京/六川亨の日本サッカーの歩み

昨日カシマスタジアムで行われた鹿島対東京V戦、後半5分に右CKからCB植田直通がヘッドで3点目を突き刺し3-0とした時点で勝負は決まったかと思った。多くのチームがカシマスタジアムを“鬼門”としているし、東京Vの選手にとっては初めてプレーする選手も多かったからだ。 ところがここから東京Vの反撃が始まった。今シーズンの東京Vは、後半アディショナルタイムに劇的なゴールを決めることもあれば決められることもあった。そしてこの日は前者のパターン。まず後半24分に途中出場のMF齋藤功佑が1点を返すと、36分にはファーサイドで詰めたFW木村勇大が押し込んで1点差に詰め寄る。交代出場のSB翁長聖のクロスも効果的だった。 そして後半アディショナルタイム45+3分、翁長のFKをCB谷口栄斗が頭で落とすと木村がシュート。これは当たり損ねだったものの、走り込んだMF見木友哉が押し込んでついに3-3の同点に追いついた。今シーズン4得点のFW染野唯月とCB林尚輝が鹿島からのレンタル移籍のため出場できないというハンデをものともせずに演じた同点劇。城福浩監督も「辛抱強くボールを回し、崩して点を取る。鹿島から勝点1を取れたのは自信になる」と選手を称えた。 これで東京Vは10戦負けなし。引分けは8と多いものの、「勝点2を失った」というよりは「勝点1を積み重ねている」と前向きにとらえるべきだろう。なぜなら確実に順位を上げており、勝点3を獲得すれば大きく順位を上げることもできるからだ。 今シーズンは昇格組の町田がクローズアップされているが、「負けない」東京Vもダークホース的な存在になってくるかもしれない。 土曜日のJ1は同じく3-3で引分けたFC東京対柏戦を取材した。前半でMF松木玖生のスーパーボレーが決まり3-1と逆転したFC東京だったが、前半アディショナルタイム45+2分にGK波多野豪がFW細谷真大を倒して退場処分となったことが後半に響き、同点に追いつかれてしまった。 ただ、ケガから復帰したFWディエゴ・オリヴェイラが4試合連続ゴールを決めただけでなく、彼の加入により攻撃に連動性が生まれたことの方が驚きだった。昨シーズンまでのディエゴ・オリヴェイラは、ボールを持つと強引なドリブル突破を仕掛けていた。それでフィニッシュまで持ち込めればいいが、2~3人がかりのマークにストップされることも多かった。 彼やアダイウトンがボールを持つと相手にとって脅威だが、チームとしての攻撃は陰を潜めていた。 ところが今シーズンは、ワンタッチでの落としが飛躍的に増えた。トップ下の仲川輝人や松木、右サイドではSB白井康介がフォローしていることも大きいが、加えて右サイドは白井、FW安斎颯馬、MF高宇洋、左サイドはSBバングーナガンデ佳史扶、松木、FW俵積田晃太のトライアングルが1~2タッチでパスをつないで柏のサイドを切り崩していた。 昨シーズン途中に就任したピーター・クラモフスキー監督だったが、「攻撃の推進力」が目に見えて改善されたとは言い難かった。しかし今シーズン、ディエゴ・オリヴェイラの復帰により「ゴールを目ざす魅力的なフットボール」は現実のものになりつつある。名古屋、横浜FM、G大阪との3連戦を乗り越えれば、一気に視界は広がるかもしれない。 <hr>【文・六川亨】<br/><div id="cws_ad">1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた</div> <span class="paragraph-title">【動画】粘りの東京Vがアウェイで鹿島に3点差を追いつく劇的同点劇!</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="pXf3mcmFlhw";var video_start = 297;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.05.13 20:35 Mon
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「今日得た収穫は大きい」、東京Vにとって神戸戦勝利は勝ち点3以上の価値となるか…

東京ヴェルディにとってヴィッセル神戸戦の勝利は、単なる勝ち点3以上の価値を持つものになるかもしれない。 東京Vは26日、ノエビアスタジアム神戸で行われた明治安田J1リーグ第16節で神戸と対戦し、後半の65分にMF翁長聖が誘発したオウンゴールを守り抜いて1-0の勝利を収めた。 前節、FC町田ゼルビアとの東京クラシックで0-5の惨敗を喫し、城福浩監督は「今日変われないと、たぶん今シーズンは変われない」と強い口調で、チームに対してここからの再起を促した。 その大敗を「ターニングポイント」にすべく臨んだ今回の一戦だったが、直近のルヴァンカップのサンフレッチェ広島戦(2-3●)で退場したDF林尚輝をサスペンションで、DF谷口栄斗、DF山田裕翔がいずれも負傷と、主力クラスのセンターバック3枚が不在に。そういった中、FW大迫勇也、FW武藤嘉紀らリーグ屈指の攻撃陣を擁する昨季J1王者とのアウェイゲームに臨んだ。 その苦しい台所事情において城福監督は開幕からメインシステムとして採用した[4-4-2]から[3-5-2]へのシステム変更を選択。ただ、ウォームアップ中は4バックでロングボールを撥ね返すトレーニングを行い、前半の入りの部分も一見すると、[4-4-2]に見える形で少し“煙幕”を張るような形となった。 普段はJリーグチーム同士のトレーニングマッチやトレーニングの公開に積極的で、手の内を明かすことを厭わないオープンマインドな指揮官だが、「基本的に自分たちはそういった駆け引きをすることはないですが、今回に関しては3バックというのが初めてなので、わざわざそれを見せる必要はないかなという考えでした」と、負傷者の状況を含めてルヴァンカップ後に急遽システム変更を決断した中、少しでも自分たちに有利に働くように普段と異なるアプローチを行ったことを認めた。 また、DF千田海人も試合後のミックスゾーンで「3バック、ばれてました(笑)」と、入りの部分はぼかしながら戦っていたことを仄めかした。 ただ、「ほとんど映像でしか3バックの準備ができなかった」と指揮官が明かしたように、相手の虚を突くことも期待した前半の序盤は攻守両面で急造ゆえの不具合が見受けられ、神戸にハーフコートゲームを許す展開に。 城福監督は「前半押し込まれることは想定していた」と織り込み済みの展開であったとしながらも、ディフェンスラインを統率した千田は「前半はマッチアップの部分でうまくいかないとか、急造で試合ではやっていないので、難しかったところはありました」、「マークのところが曖昧だった部分とか、セカンドが全然拾えていなかった」と、その想定以上に難しい戦いを強いられたと振り返る。 そうなると、直近の公式戦2試合同様に前半の失点も不可避かに思われたが、「前半さえ耐えれば、必ず後半我々の時間になる」と語る指揮官を含め、「前半はしっかりとゼロで終える」と意思統一が図られていたチームは、町田戦を教訓に、最後の局面ではしっかりと身体を張って失点を許さず。 さらに、流血と脳震とうによるMF松橋優安の治療、交代となった前後では[3-5-2]から[5-4-1]への布陣変更、守備時のミスマッチとビルドアップの改善のため、3バックの綱島悠斗、宮原和也のサイドの入れ替えといった修正策が見事に機能。前半終盤から盛り返すと、後半は神戸の攻撃をシュート2本に抑え込んだ。 前半の劣勢や攻撃面を含め、当然のことながら課題も多く出たが、百戦錬磨の指揮官は「ずっと4バックでやってきたチームが初めて3バックをやったわりには、よく機能したなと。全員が意識高くやってくれたなと思います。(翁長)聖のクロスを含めてみんなが魂のこもったプレーを、ひとつひとつやってくれて、最後は本当に危なげなくクローズできたと思います」と、昨年の段階から温めてきた上で、王者相手にぶっつけ本番で機能させた3バックでの勝利への手応えを口にした。 千田も「うまくコミュニケーションを取りながら、ミスマッチのところを徐々に合わせていけるようになって、今日はみんな集中して最後まで守り切れました。本当に今日の試合で得た収穫は勝ち点3以上に大きいかなと思います。負けたところからしっかり自分たちで学び、今日はこういうゲームをできたことが本当によかった」と、指揮官同様にシステム変更、課題の前半途中での修正も含めたプラス材料も多い勝利をポジティブに受け止めた。 最前線で攻守に奮闘したFW木村勇大も、「2連敗で終わるのか、アウェイですけど勝ち点3を取って、もう1回盛り返すのかというのは、チームとして問われる場面だった。この勝ち点3がこれからに繋がるという意味では勝ち点だけでなく、チームの自信にもなってくる」と、ターニングポイントでの勝利に大きな価値を見いだす。 さらに、「3バックになって立ち位置が変わるところでは自分に求められる守備の役割も変わってくるところもあるので、これからまたその戦術をチームとしても、ひとつのオプションになったと思うので、そこの精度は自分のところもそうですけど高めていきたい」と、新たなオプションの成熟へ前向きな姿勢も示している。 「今回の3バックで勝てたことというのは、前回の0-5の大敗を打ち消してくれるものではないので、しっかりと積み上げて、ここから先は我々の目指すものにもっと邁進していきたい」と、勝って兜の緒を締めた城福監督だが、限られたリソースの中で多くの選手が複数のポジションにチャレンジし、プレーの幅を広げる中、現行の[4-4-2]に加えて3バックを確固たるオプションにできれば、今後対戦相手の対策が進む2巡目の戦いに向けてチームとして大きな武器にできるはずだ。 2024.05.27 06:30 Mon

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「もらえるべきPKが…」ホームで快勝の広島、スキッベ監督がジャッジに苦言「これは問題」

サンフレッチェ広島のミヒャエル・スキッベ監督が、東京ヴェルディ戦を振り返った。 15日、明治安田J1リーグ第18節で広島はホームのエディオンピースウイング広島に東京Vを迎えた。 インターナショナル・マッチウィークの関係で中断していたJリーグ。リーグ戦再開初戦となった試合で、広島は躍動する。 開始2分に加藤陸次樹がネットを揺らすと、後半にはピエロス・ソティリウが2ゴール。ドウグラス・ヴィエイラにもゴールが生まれ、4-1で勝利を収めた。 試合後、スキッベ監督は記者会見で勝利に満足感を示した。 「今日は90分以上素晴らしいパフォーマンスを見せた。前半からたくさんチャンスは作れたと思っているし、後半はさらに増えたと思う。全体的なパフォーマンスには非常に満足している」 一方で、ジャッジには苦言も。PKになってもおかしくないファウルが取られていないと語った。 「ここ数試合、自分たちがもらえるべきPKがもらえていないと感じている。シーズン序盤は割ともらえていたファウルだったりが、ここ8試合全くもらえていない。それがなぜかは分からない。これは問題だと思っている」 この試合ではピエロスが2ゴール、途中出場のドウグラス・ヴィエイラもゴールを決め、先制点は加藤とFW3人がゴールを決めた。 攻撃陣の好調ぶりについて「ピエロスとドグはフィットしてきたことが挙げられる。元々素晴らしい才能のあるストライカーで、彼らがフィットしてこういう結果が出たということだ」と、コンディションが整ってきたことが大きいとコメント。また「ムツキ(加藤陸次樹)は、良いチャンスまで作れていたが、点が取れていなかった部分があった。それも時間が経つにつれて解消できているし、調子を上げているのが点を取れるところまで来たということだ」と、結果につながりつつあるとした。 その他にも「マコ(満田誠)も調子を上げてきているし、2人のブラジル人(マルコス・ジュニオール、エゼキエウ)もまたフィットしてきていることから、これからも非常に魅力的な攻撃的サッカーができると思っている」と、戦力が整いつつあると語り、この先の戦いに期待を持てるとした。 4ゴールを奪い快勝したものの、前半は東京Vに支配される時間帯もあった。スキッベ監督は昇格組のチームについて評価。それだけの実力があるとした。 「東京Vにクオリティやポテンシャルがあったということだ。今回昇格してきた3チームともに良いパフォーマンスを見せており、町田に関しては優勝する可能性もあると思う」 「彼らは降格することはないだろうし、そういう良いチームだ。押し込まれることは想定していた」 <span class="paragraph-title">【動画】開始2分で決まった加藤陸次樹のゴラッソ!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet" data-media-max-width="560"><p lang="ja" dir="ltr"> <a href="https://twitter.com/hashtag/DAZN?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#DAZN</a> ライブ配信<a href="https://twitter.com/hashtag/%E5%BA%83%E5%B3%B6%E6%9D%B1%E4%BA%ACV?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#広島東京V</a> <a href="https://t.co/oDtnW1cLDC">pic.twitter.com/oDtnW1cLDC</a></p>&mdash; DAZN Japan (@DAZN_JPN) <a href="https://twitter.com/DAZN_JPN/status/1801919937587347736?ref_src=twsrc%5Etfw">June 15, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.06.15 23:08 Sat
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「多くの差を感じた」、古巣相手の完敗認める東京Vの城福浩監督…「その差を受け入れ、這い上がっていく」

東京ヴェルディの城福浩監督が、完敗に終わった古巣対戦を振り返った。 東京Vは15日、エディオンピースウイング広島で行われた明治安田J1第18節のサンフレッチェ広島に1-4で敗戦した。 リーグ連勝で勢いにのる11位のチームは、勝ち点2差で5位の広島相手に今季初の3連勝での上位進出を目指した。しかし、前後半の立ち上がりに与えたセットプレーからFW加藤陸次樹、FWピエロス・ソティリウにゴールを奪われて苦しい展開を強いられると、62分にソティリウ、82分には古巣対戦のFWドウグラス・ヴィエイラに連続ゴールを許した。 その後、後半アディショナルタイムにFW木村勇大の公式戦3試合連続ゴールで一矢を報いたが、先月のルヴァンカップの敗戦(2-3●)に続く広島相手の黒星となった。 古巣対戦が期待されたDF宮原和也、キャプテンのMF森田晃樹ら主力数名を欠く厳しい台所事情に加え、ほぼ主力を起用した天皇杯から中2日のアウェイゲームというエクスキューズはあったが、試合後の会見で城福監督は、「今現在の実力通りの差かなと思います」と、真摯に1-4の敗戦を受け入れた。 「今現在の実力通りの差かなと思います。もちろん5点目が入ってもおかしくない状況というのはあったと認識していますし、我々が前にかかっていたなかで、相手のカウンターの精度が高いなというのも認識していますけど、今現在でベストなメンバーを組めた状態での差は受け入れざるを得ない」 「一番を上げるのが難しいぐらい多くの差を感じました。一対一の力の出しどころ、もちろん絶対的なパワーとスピードも多少の差はあると思いますけど、いつ相手に寄せるのか、いつボールハンティングをして、それをした瞬間に、もう攻撃のスイッチを入れるという判断の速さも含めて、ここは我々がまだまだだなと思いますし、じゃあ失わなければいいじゃないかというアプローチと、我々もそういうやり方でカウンターをできるチームにならなければいけない」 「フィジカル的なところと、バトルのなかでというか、スピードが上がったなかでの精度、スキルの精度というのは、多少我々も差があることを覚悟して入った」と戦前から広島の強度、クオリティを警戒していた中、「それをチームとしてどう防いでいきながら、多少オープンになったときに、我々が我々らしくプレーできるかというところが勝負どころだった」と、試合後に改めてゲームプランを語った指揮官。 ただ、「開始の最初のフリーキックでやられ、後半も最初のコーナーキックでやられてしまっては、自分たちが個の力の差を埋めるにはなかなか難しい状況になった」と、やはり前後半の入りで喫したセットプレーからの失点がチームにとって重い足かせとなったと悔やんだ。 それでも、J1最年少スカッドを率いる上で事あるごとにシーズンを通しての成長をテーマに掲げてきた百戦錬磨の指揮官は「何も諦めず、ひとつずつ解決して前に進んでいくだけ」、「この悔しさというか、J1のトップレベルとの差というのを、我々はしっかりと受け入れて、這い上がっていく。それが我々らしさだと思うので、しっかり次に向けて今日の反省を活かしたい」と、0-5で大敗したFC町田ゼルビア戦に続く、上位相手の厳しい敗戦からのバウンスバックを誓った。 2018年から2021年途中まで指揮した古巣と初めて広島の地での対戦を終えた城福監督。試合前の会見では「いい試合をして勝ち点を持ち帰ること」と共に、試合後に改めて古巣のファン・サポーターに挨拶をしたいと、自身にとって「特別」なクラブへの思いも語っていた。 そして、その言葉通り、試合後には敗戦の悔しさを噛み殺しながら、ゴール裏を中心に古巣のファン・サポーターに一礼し、温かな拍手を浴びていた。 その古巣対戦への思いについて改めて会見で問われた指揮官は、「この場で個人的なことを言うのはあまり相応しくない。しかも大敗した後なので…」と一度は発言を躊躇ったものの、試合後の自身の行動についてこう説明した。 「広島を離れる瞬間から、一緒に戦ってきた選手、スタッフ、フロントスタッフ、ファン・サポーターにとにかく感謝のアクションをしたい。その思いが新幹線を待つホームでずっと思っていました。もちろん今日は勝ってそれができれば一番よかったです。ただ、自分の中でそれは絶対にやらなければいけないことだと思っていました。それがひょっとしたら指導者としてここに立つということが、執念という言葉が正しいのかわかりませんけど、指導者として一歩自分が進まなければいけないと思いました。今日は彼らに感謝の意を込めた一礼しかできないです。それは、ずっと離れる瞬間からそれをやりたいと思っていました」 2024.06.16 00:34 Sun
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Eピースでの古巣戦に臨む東京Vの城福監督「臆せずチャレンジングな試合をしたい」…「特別」と語る広島への思いにも触れる

東京ヴェルディの城福浩監督が、2021年以来となる広島の地での古巣対戦への思いを語った。 ヴィッセル神戸、北海道コンサドーレ札幌相手に今シーズン2度目の連勝を達成し、11位に浮上した東京V。さらに、12日に行われた天皇杯2回戦ではAC長野パルセイロを相手に5-0の完勝を収め、公式戦3連勝とした。 [3-4-2-1]へのシステム変更を機にトップハーフ浮上も見えてきた上り調子の昇格チームは、15日にエディオンピースウイング広島で行われる明治安田J1第18節で5位のサンフレッチェ広島と対戦する。 13日、クラブハウスで行われた会見で城福監督は、前日に行われた天皇杯で得た手応えと課題に言及。 ややバタついた前半の入りに関しては「ちょっと足元、足元でプレーしている選手が多く、相手の嫌なところを突いてゲームに入っていくということができなかった」と課題を口にしたが、後半については「入りもよかったですし、クローズのところは本当に後から入った選手も最初から出た選手も、隙を見せないという姿勢を見せてくれた。何よりも山田剛綺の動きがシャドーで入った時のあのハードワークの姿勢というのは、みんなに伝わった。非常に集中力の高いクローズができたと思います」とコメント。 「矢印を自分たちに向けて成長していくプロセスの1試合」で、下位カテゴリー相手にしっかりとした心構えで臨んだ選手たちの姿勢。試合終盤に決死の3度追いを見せたストライカーを名指しで称賛するなど、札幌戦で出た課題を克服したチームのパフォーマンスに満足感を示した。 直近の公式戦2試合でいずれも5ゴールを挙げた攻撃面では、システム変更や相手の戦い方の影響もあったものの、より背後や縦パスの意識が高まった印象だ。城福監督は中盤から短い縦パス3本を繋いで奪った長野戦の先制点を例に挙げつつ、「相手の嫌がること」、「バランス」をキーワードに、「よりムラのない試合運び」をチームに求める。 「これは我々が志向するサッカーでいうと、いわゆるへそと言われている部分をうまくアンカーに入った選手が、ボールを触りながら機能させながら、相手を中に締めさせておいて外を使う。相手が広がったら中を使う、前から来れば裏を使うというところのバランスが大事なんですけれども、天皇杯の昨日の試合で言えば、最初の15分ぐらいは本当に中ばっかりだった。みんながいいことしようとしたというか、相手が嫌なことをしているかというと、本当にいいバランスで入れたかというと、そこはまだちょっとムラがあるいうところは否めないかなと思います」 「ただ、あの1点目というのは最後染野のスルーパスに山田剛綺が反応しましたが、時間で言えばその15秒、20秒ぐらい前というのは相手を広げて最終ラインに戻して最終ラインで回してるうちに、染野ともう一人が裏を取りに行っている。そのボールを相手がギリギリでクリアしたセカンドを拾って、そこからまたスタートしてあのスルーパスでした」 「そこの映像は僕らもハーフタイムに見せました。『間違えるな』と、綺麗なサッカーをやろうとしてやれるほど簡単ではないし、我々が目指すのは相手の嫌がるところ、ゴールに近いところをまず見て、そこからへそを使ったりワイドを使ったり、バランスを取っていくのであって、自分たちにとって何か心地いいというか、気持ちいいコンビネーションのところから入ったら、本当にカウンターも食らいますし、相手も組みやすくなるので、特に裏を取る選手が得意な選手が多いので、ここのバランスを取りながら、しっかりと繋いでいくというところは、昨日の試合だけではなくJリーグ含めてみんながいいバランスで状況を見ながら、いいバランスが取れるような、もっとムラのないような試合運びというのはやっていきたいです」 また、ここにきて徐々に離脱者が増え始める中、長野戦で戦列復帰を果たしたDF谷口栄斗に関しては「彼が離脱している間にチームの立ち位置というか、システムを変えてやっていた中、公式戦でレギュラー陣のセンターバックと一緒にやれたということは、すごく意義がある」、「身体的には全く問題ないと思います。あの時間であれば、我々は離脱した理由である箇所のところのリバウンドが一番心配だったので、そこさえ問題なければ、昨日ぐらいの時間であれば、中2日は全く問題ないと思っています」と、中2日でのリーグ戦での起用を示唆した。 5月22日に行われたJリーグYBCルヴァンカップではほぼベストメンバーを起用した広島に対して、控え中心の布陣で臨んだ結果、2-3の敗戦で古巣初対戦を終えた城福監督は、その敗戦から約1カ月の期間を経てリベンジマッチに臨む。 その前回対戦を経て改めて対戦相手の印象について問われた指揮官は、「ルヴァンで対戦してみても、強度という意味で、やっぱりトップレベルだなと。今まで対戦した中で言えば、それこそ町田と同じぐらいのレベルがあり、広島が今のJリーグを牽引するチームであることは間違いない」、「ボールを奪ってからのスピード感であったり、湧き出てくる人数であったり、局面の強さであったり、カウンターの精度というのは、本当にこういうチームが優勝候補と言われるチームなんだろうなと。観察していても対戦してみても改めて思います」と、称賛の言葉を並べた。 さらに「Jリーグでトップレベル、優勝を争うようなチームというのがどのレベルなのかというのは、ここまで経験してきているので、そこに打ち勝つためのポジションの準備だったり、バトルの準備だったり、セカンドの準備だったり、あるいは予測だったり、カバーの意識だったりというところを、もうワンランク上げないと、勝ち点を持ち帰ってくるというのは難しいと思っています」と、前回対戦を踏まえた上でのチームの改善点を指摘。 ただ、野心的な指揮官は「こういうチームに対して、互角以上の戦いをすること。勝ち点3を取ることというのが、おそらく我々のチームを新しいステージに導いていくことになるんだろうなと思っているので、我々が志向するサッカーで、アウェイではありますけど、勝ち点3を取りにいくという姿勢を見せることが、このチームの今の現在地というのを測れるいい機会だと思うので、臆せずチャレンジングな試合をしたい」と、J1残留以上のサプライズを目指す中で強豪撃破へ意気込む。 広島の元指揮官で、日本代表を率いる森保一監督が先日のシリア代表戦で広島念願のサッカー専用スタジアム“Eピース”への思いを語ったことが記憶に新しいが、同じく2018年から2021年途中まで4年に渡ってクラブを率いた城福監督にとっても、新スタジアムで戦う一戦は特別な思いをもっての試合になる。 新スタジアムで戦う広島の地での古巣対戦について63歳の指揮官は「僕は4年いましたけど、自分が就任した時には、スタジアムができるかどうかわからなかったです。非常に難しい時期でした。その機運は高まってましたけれども、『作りたい』、『でも実現するのか』というところと、場所はいくつかの候補があって、そこが絞り込まれていくプロセスにあったというふうに思います。本当に先人の方の思い、苦労や成果があって、スタジアムが中央公園という本当に町の中心部のところにできるということが決まったのが、ちょうどコロナ禍だったんですけど、それはクラブにとって、あるいは広島にとってものすごく大きなことでした。僕はその時インサイドにいましたけど、みんながそこの近い将来に向けての期待感のある中で、自分は目の前の現実と戦っていた。そんな思い出もあります」と、感慨深げに当時を回想。 また、この一戦の目標として「いい試合をして勝ち点を持ち帰ること」と共に、試合後に改めて古巣のファン・サポーターに挨拶をしたいと、自身にとって「特別」なクラブへの思いを語った。 「4年間いたので、やはり広島への思いは特別ですし、選手とスタッフ、ファン・サポーターに4年間いて、ちゃんとした挨拶ができずに、東京に戻ってきたので、この前のルヴァンの時に何人かの選手とは会えて、あれ以来ぶりに話ができたことはよかったですけど、何よりもファン・サポーターに挨拶できていないというのが、自分はすごく心残りなので、自分のやれることはあのスタジアムでいい試合をすること。それとその後でしっかりファン・サポーターに挨拶をすること。これは自分の中で強い思いがあります。ただ、それは自分の思いなので、とにかくチームが最大値を出して、選手を躍動させて悔いのない戦いをする。これに集中したいなと思います」 2024.06.14 19:30 Fri
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今季初リーグ3連勝狙う東京Vの齋藤功佑…難敵・広島戦へ「いかに組織として連動しながらプレーできるか」

東京ヴェルディのMF齋藤功佑が、今シーズン初のリーグ3連勝を狙うサンフレッチェ広島戦への意気込みを語った。 ヴィッセル神戸、北海道コンサドーレ札幌相手に今シーズン2度目の連勝を達成し、11位に浮上した東京V。さらに、12日に行われた天皇杯2回戦ではAC長野パルセイロを相手に5-0の完勝を収め、公式戦3連勝とした。 [3-4-2-1]へのシステム変更を機にトップハーフ浮上も見えてきた上り調子の昇格チームは、15日にエディオンピースウイング広島で行われる明治安田J1第18節で5位に位置する広島と対戦する。 今シーズンここまでは試合途中に流れを変える“ゲームチェンジャー”の役割を担いつつ、前節の札幌戦ではボランチの一角でスタメン出場し、今季最多5ゴールを挙げての勝利に貢献した中盤のオーガナイザー。 開幕前からのファンダメンタルの積み上げに加え、布陣変更という新たなチャレンジによる変化を経験しながらの現状について齋藤は「リーグ戦2連勝してる中での天皇杯での勝利。3バックに変えてからずっと勝っているという意味で自信はついてると思いますし、しっかりと勝ちながら課題と向き合えているという意味では、すごくいい状態にある」と、ポジティブに捉える。 [4-4-2]では両サイドハーフでのプレーが多かったが、この新布陣で2ボランチの一角が主戦場となっている背番号8は、「毎試合、選手同士でコミュニケーションを取りながら課題と向き合っているので、そのシステムのメリットとデメリット、優位性の使い方だったりというのを、お互い話しながら高められている」とトライ&エラーを繰り返しながらチームとしてフィットし始めていると感じている。 個人の部分では「ビルドアップの起点」、「守備時の強度の出しどころ」を意識したプレーがより増えているという。 「攻撃の時はビルドアップを助ける役割が大きくなるので、そこでうまく前進できるように、やっていきたいと思っています。守備のところでは、ポジションを守るというよりかは、ポジションから積極的に動いて、相手の最終ラインにプレッシャーをかける時もあれば、相手が最終ラインを抜けた時についていったりとか、結構縦横無尽に動くことになるので、強度の出しどころという部分で整理はちょっとずつできてきているので、その出す時に出せるかというのが大事かなと思います」 5月22日に行われ、2-3のスコアで敗れたJリーグYBCルヴァンカップでの前回対戦でフル出場し、ほぼベストメンバーの広島を体感している齋藤は、約1カ月ぶりのリベンジマッチに向けて改めて相手の印象に言及。最大のストロングであるプレー強度の高さに加え、「全員の能力が高い」と評価する相手に対して、一対一の勝負、攻守両面での組織的なプレーと、チームとしての総合力が試される一戦になるとみている。 「強度が高い中でも、それぞれがしっかりしとした技術と判断ができる選手が多い。あとは守備のところでは、後ろの3枚が個で守れたりするので、強度の部分がストロングなので、そこで負けないようにすることが大事」 「全員やっぱり能力が高い。ただ、攻撃では個で何とかするという選手は、そこまで感じなかったです。それぞれが巧いし、その場の判断だったり、駆け引きとかが巧かったりするので、誰というよりかは組織として攻撃してくる中で、ウチも組織として守れるかが大事になる」 「守備の時はマンツーマンぽくなりますし、攻撃の時もマンツーマンぽくなるので、いかに組織として連動しながらプレーできるかが大事かなというふうに思います」 さらに、その前回対戦では前半の15分経たずにFW大橋祐紀に2ゴールを決められるなど圧倒された前半の入りが敗因となっただけに、「ゲームの入り方は非常に重要になる。相手陣地でプレーできるかというのが、すごく大事だと思います」と、普段の試合以上に立ち上がりの攻防を重要視。 また、相手の堅守攻略に向けては、「(木村)勇大に選択肢を与えることが、よりチームとして攻撃しやすくなる方法。そこは周りの選手がどんなサポートをするかというのが大事になる」と、得点ランキング4位タイの8ゴールを挙げるFW木村勇大の活かし方がポイントのひとつになると語った。 2024.06.14 20:00 Fri
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「洗練されている」「世界に誇れるぞ」16年ぶりのJ1を戦う東京Vの新ユニフォームが発表! ファンもデザイン性の高さに歓喜「今年はいつも以上にカッコ良い」

東京ヴェルディは14日、2024シーズンのユニフォームを発表した。 2023シーズンは明治安田生命J2リーグを戦っていた東京V。城福浩監督の下でレギュラーシーズンを3位で終えると、J1昇格プレーオフではジェフユナイテッド千葉、清水エスパルスに勝利し、16年ぶりのJ1昇格を掴んだ。 そのJ1で戦うユニフォーム。「Athleta(アスレタ)」がサプライヤーを務める中、1stユニフォームのデザインのコンセプトは「V PROGRESS」。ヴェルディの誇りと勝利への執念を連続するVで表現した “V PROGRESS” グラフィック。着用する選手やサポーター自身から見ると前向きの矢印になり、どんな時でも一丸となって挑戦し、前に進み続けるスピリットを表現した。 中央の矢印は正面から見ると下向きだが、着用してみた場合には前向きな矢印に変化するというものになっている。 首の中央にはV形状のリブでヴェルディのアイデンティティを表現。背中上部と枠はグリーンの濃淡が映える無地の切替えでオーセンティックなスタイルを演出。袖口は太いゴールドのリブでアクセントを効かせたデザインとなっている。なお、FP1stはクラブカラーのグリーン、GK1stはブラックとなる。 2ndユニフォームは「VICTORY FUSION」がコンセプト。ブランドカラーのシャインホワイトを採用し、東京の多様性を幅の異なるシルバーグレーラインで表現。その結集によって生まれる勝利を“V”のゴールドでデザインした。 なお、背番号とネームにはヴェルディのアイデンティティを高めるブランドフォントが復活。統一カラーで一体感のあるマーキングデザインとなっている。 ファンは「Vがたくさんある」、「今年はいつも以上にカッコ良い」、「細部までこだわられている」、「今シーズンも最高にカッコ良い」、「洗練されている」、「スタイリッシュだなぁ」、「このデザインめっちゃ好き」、「カッコ良すぎる」、「世界に誇れるぞ」とコメントしている。 <span class="paragraph-title">【写真】東京Vが16年ぶりにJ1で戦うユニフォームが発表!</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">//<br>(@TokyoVerdySTAFF) <a href="https://twitter.com/TokyoVerdySTAFF/status/1746430497834799428?ref_src=twsrc%5Etfw">January 14, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.01.14 21:40 Sun

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