セビージャ初勝利にリール勝利で大混戦グループGは全チームに勝ち抜けチャンスで最終節へ《CL》

2021.11.24 07:19 Wed
Getty Images
チャンピオンズリーグ(CL)のグループG第5節、セビージャvsヴォルフスブルクが23日にサンチェス・ピスフアンで行われ、ホームのセビージャが2-0で勝利した。

ここまで4戦未勝利で最下位に沈むセビージャ(勝ち点3)が、前節コーフェルト新体制でのCL初陣を制した3位のヴォルフスブルクを迎えた一戦。
試合は逆転突破に向けて勝利しかない崖っぷちのホームチームがアグレッシブな入りを見せる。序盤から相手を押し込むと、パプ・ゴメス、クンデとセットプレーから続けて枠内シュートを浴びせていく。

そして、12分には相手陣内右のハーフスペースでボールを持ったラキティッチからの高精度のクロスに複数の味方が反応すると、ファーに飛び込んだジョルダンが気迫のダイビングヘッドを叩き込んだ。
幸先よくリードを手にしたセビージャは以降も危なげなくゲームをコントロール。だが、20分を過ぎた辺りからカウンターを起点に深い位置まで侵攻を許すと、23分にはペナルティアーク付近でフリーにしたルーカス・エンメチャに強烈なミドルシュートを打たれる。だが、GKブヌが何とか右手で触ったボールはクロスバーを叩き事なきを得た。

前半半ばから終盤にかけてはボールを握るセビージャ、カウンターを狙うヴォルフスブルクと互いの狙いとする形からゴールへ迫る場面もあったが、相手の集中した守備を上回ることができず。ホームチームの1点リードでハーフタイムを迎えた。
後半も優勢に試合を運ぶセビージャはボールの主導権をガッチリと握った中、パプ・ゴメス、オカンポス、モンティエルとアルゼンチン代表選手が果敢に足を振って相手ゴールを脅かす。

一方、前線になかなかボールが収まらずに苦戦が続くヴォルフスブルクは、両サイドバックや中盤を入れ替えて攻撃の活性化を図るが、この選手交代も即効性を発揮できず。

その後、80分を過ぎてようやく交代カードを切って逃げ切り態勢に入ったセビージャは相手のパワープレー気味の攻撃を冷静に撥ね返す。すると、試合終了間際の97分には中盤でのフェルナンドのボール奪取からカウンターを発動。右サイドを個人技でこじ開けたオカンポスからの正確な折り返しを、途中出場のラファ・ミルが冷静に流し込み、試合を決定づける2点目とした。

そして、今グループステージ初勝利のセビージャがヴォルフスブルクを抜き3位に浮上した。

また、同日行われたリールvsレッドブル・ザルツブルクは、ホームのリールが1-0で勝利した。

前節、セビージャを敵地で撃破して2位に浮上したリール(勝ち点5)と、ヴォルフスブルク相手に初黒星を喫して前節での突破を逃した首位ザルツブルク(勝ち点7)による首位攻防戦。

試合の入りはアウェイのザルツブルクが前からのプレス、2トップを背後に走らせる形で押し込む形を作り出したが、決定機まで持ち込むことができない。

対して時間の経過と共にブラク・ユルマズが前線でボールを収めて全体を押し上げるリールが、相手陣内でのプレータイムを増やす。すると、31分には左サイドで大きな展開を受けたユルマズが強引なドリブルでボックス内に侵入すると、DFウルマーの足に当たってゴール前にこぼれたボールをデイビッドが冷静に左足で蹴り込んだ。

リールの1点リードで折り返した試合は、後半も一進一退の攻防を見せたが、互いに決め手を欠き最少得点差のまま試合終盤に突入。何とか勝ち点1でも持ち帰りたいアウェイチームは攻勢を仕掛けたものの、最後まで集中したリールの守備をこじ開けられず。連勝のリールがザルツブルクを抜き首位に浮上している。

なお、今節の結果、大混戦のグループGでは最終節で首位のリールと最下位のヴォルフスブルク、2位のザルツブルクと3位のセビージャが直接対決に臨むことになり、全チームに突破の可能性が残っている。

セビージャ 2-0 ヴォルフスブルク
【セビージャ】
ジョルダン(12分)
ラファ・ミル(90分+7)

リール 1-0 ザルツブルク
【リール】
デイビッド(31分)

セビージャの関連記事

ファン・サポーターの行き過ぎた行動が、選手たちをさらに苦しめることになっていたようだ。 セビージャは10日、ラ・リーガ第35節でアウェイでセルタと対戦した。今シーズンは近年にない低迷ぶりとなっており、セルタにも3-2で敗戦。勝ち点38となり残り4試合で降格圏との勝ち点差は「8」の16位に位置している。 そん 2025.05.11 22:45 Sun
セビージャは13日、ホアキン・カパロス氏(69)の新監督就任を発表した。契約期間は今シーズン終了までとなる。 今シーズンここまでラ・リーガ31試合9勝9分け13敗の13位と不振に陥っていたセビージャは13日にガルシア・ピミエンタ監督(50)の解任を発表。クラブは直近で宿敵ベティスとのエル・グラン・デルビでの敗戦を 2025.04.13 22:15 Sun
セビージャは13日、ガルシア・ピミエンタ監督(50)の解任を発表した。 バルセロナ出身でバルセロナのカンテラで指導者キャリアをスタートしたピミエンタ監督は、2022年1月にペペ・メル前監督の後任としてラス・パルマスの新指揮官に就任。クラブをプリメーラ昇格に導く手腕を発揮すると、昇格1年目の昨シーズンは後半戦に失速 2025.04.13 20:11 Sun
セビージャは10日、U-21スペイン代表DFフアンル・サンチェス(21)との契約延長を発表した。新契約は2029年夏までとなる。 2018年7月にセビージャの下部組織に加入したフアンルは、2022年7月にファーストチームに昇格。同シーズンはミランデスにレンタル移籍を経験するも、1年で復帰していた。 フアンル 2025.04.10 18:20 Thu
アトレティコ・マドリーは6日、ラ・リーガ第30節でセビージャとのアウェイ戦に臨み、2-1で逆転勝利した。 前節エスパニョールに引き分けた3位アトレティコ(勝ち点57)は、4日前のコパ・デル・レイ準決勝2ndレグではバルセロナの前にウノセロ敗戦で決勝進出はならなかった。公式戦6試合勝ちがない中、バルセロナ戦のスタメ 2025.04.07 06:30 Mon

UEFAチャンピオンズリーグの関連記事

UEFA(欧州サッカー連盟)は28日、UEFAチャンピオンズリーグ2025-26のリーグフェーズ組み合わせを発表した。 昨シーズンから1つのリーグで争うフォーマットに変更されたUCLは、36チームが出場。異なる8チームとホームとアウェイに分かれて4試合ずつを戦う。上位8チームは決勝トーナメントにストレートインとな 2025.08.29 11:05 Fri
欧州サッカー連盟(UEFA)は12日、チャンピオンズリーグ(CL)の決勝戦を裁く審判団を発表した。 9月17日に開幕し白熱の戦いが繰り広げられた今大会も残すところフースバル・アレーナ・ミュンヘンで行われる決勝戦のみに。日本時間31日28時に行われる決勝戦に駒を進めたのが、初優勝を目指すパリ・サンジェルマン(PSG 2025.05.13 10:00 Tue
WOWOWは12日、独占放送するUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)の決勝でもライブビューイングを開催することを発表した。 白熱のUCLは決勝まで進んでおり、インテルとパリ・サンジェルマン(PSG)が勝ち残り。インテルは3年ぶり、PSGは5年ぶりの決勝となる 15年ぶりの優勝を目指すインテルと、初優勝を目 2025.05.12 14:15 Mon
パリ・サンジェルマン(PSG)のルイス・エンリケ監督が、チャンピオンズリーグ(CL)決勝進出に際し、プレミアリーグチームとの相性の良さを冗談まじりに語った。 7日、CL準決勝2ndレグが行われ、PSGはアーセナルと対戦した。 アウェイでの1stレグで1-0と先勝していたPSG。2ndレグは序盤からアーセナル 2025.05.08 19:40 Thu
アーセナルのイングランド代表MFデクラン・ライスが、パリ・サンジェルマン(PSG)戦を振り返った。 7日、チャンピオンズリーグ(CL)準決勝2ndレグが行われ、アーセナルはアウェイでPSGと対戦。ホームでの1stレグで1-0と敗れており、突破のためには最低でも90分間での勝利が必要だった。 そのアーセナルは 2025.05.08 12:55 Thu

セビージャの人気記事ランキング

1

宙に浮くラファ・ミルの去就…東京五輪スペイン代表の肉体派ストライカー

スペイン人FWラファ・ミル(27)の去就が宙に浮いている。スペイン『Relevo』が伝えている。 U-24スペイン代表として東京五輪出場のラファ・ミル。当時ウォルバーハンプトンからウエスカへレンタル移籍していた191cmの肉体派ストライカーは、あれから3年、クラブキャリアが徐々に停滞し、A代表には縁がない。 五輪直後の21-22シーズンにセビージャへ完全移籍。1年目はラ・リーガ10得点も序列が低く、先発起用が増えた2年目の昨季は公式戦36試合8得点、3年目の今季は1月移籍を拒否して構想外となり、終盤戦の出番はゼロだった。 現在プロデビュー時の古巣・バレンシアへの移籍話が進行中。セビージャはラファ・ミル側と「どう転んでも来季は給与を支払いません」という内容の協定を結んだという。 一方、ピーター・リム体制のバレンシアは、買い取りオプション付きのレンタル獲得を希望。ラファ・ミルの年俸はクラブの給与体系を上回っており、三者揃って交渉成立を願っていても、すぐに決着するものではないようだ。 この点で今週一週間は大事なクラブ間協議が行われるとのこと。バレンシアはラファ・ミルの代替案もあり、セビージャと合意できないとみれば、ターゲットを変更するものとされる。 2024.06.24 20:00 Mon
2

アクーニャ退団のセビージャ、左SBにはバルサを離れた元スペイン代表DFを狙う?

左サイドバックの補強を目指すセビージャだが、新たなターゲットが浮上している。 セビージャは20日、アルゼンチン代表DFマルコス・アクーニャが退団し、リーベル・プレートに移籍することを発表。チームを支えてきた選手が開幕早々に去ることとなった。 左サイドバックの補強が必要なセビージャだが、スペイン『マルカ』によればバルセロナを退団した元スペイン代表DFマルコス・アロンソ(33)の獲得に興味を持っているという。 2022年9月にチェルシーからフリーでバルセロナに加入したマルコス・アロンソ。バルセロナでは45試合に出場し3ゴールを記録していたが、契約満了により昨シーズン限りで退団。現在はフリーの状態が続いている。 マルコス・アロンソにはオファーがあるものの、金銭的に興味深いオファーを拒否。プロジェクトを重視しているとされ、セビージャはうってつけのクラブ。ただ、サラリーの問題が浮上しており、バルセロナ時代に比べて大幅な減給を受け入れる必要があるという。 センターバックでもプレーできるマルコス・アロンソは、ガルシア・ピミエンタ監督が求めるビルドアップ能力も兼ね備えており、個人条件で合意すれば加入も大きく近づくことになりそうだ。 2024.08.21 12:58 Wed
3

得点力不足に悩むセビージャ、昨季アゼルバイジャンリーグ得点王獲得へ

得点力不足にあえぐセビージャがカラバフのブラジル人FWジュニーニョ(28)への関心を強めているようだ。スペイン『レレボ』が報じている。 現在、ラ・リーガで11位に低迷するセビージャは17試合で18得点と深刻な得点力不足に悩まされる。チーム内ではウイングのFWドディ・ルケバキオが7得点とひとり気を吐いているが、センターフォワードのFWイサーク・ロメロ、FWケレチ・イヘアナチョの2選手が合わせて1ゴールと期待外れの状態にある。 そのため、今冬の移籍市場ではストライカー補強を優先事項に定めており、クラブはアゼルバイジャン王者でゴールを量産するブラジル人FWに関心を示しているという。 アトレチコ・パラナエンセでプロキャリアをスタートしたジュニーニョは、ブラジル国内の複数クラブやポルトガルのポルティモネンセ、エストリル、チャヴェスといったクラブでプレー。2023年夏からはカラバフでプレーしている。 昨シーズンのリーグ戦では35試合20ゴールを記録し、得点王に輝くとともにクラブの国内2冠に大きく貢献。今シーズンもここまで公式戦25試合10ゴール3アシストの数字を残している。 報道によると、セビージャは179㎝のストライカーの獲得へ300万ユーロ(約4億8000万円)のオファーを掲示。500万ユーロ(約8億1000万円)を要求するカラバフとの間に若干の溝はあるものの、選手自身はセビージャ行きを熱望しているという。 実際、カラバフのグルバン・グルバノフ監督は「セビージャのオファーに非常に喜んでいる」と、エースストライカーの移籍希望を認めている。 2024.12.20 17:20 Fri
4

セビージャが今季就任のピミエンタ監督を解任…直近4連敗で13位に低迷

セビージャは13日、ガルシア・ピミエンタ監督(50)の解任を発表した。 バルセロナ出身でバルセロナのカンテラで指導者キャリアをスタートしたピミエンタ監督は、2022年1月にペペ・メル前監督の後任としてラス・パルマスの新指揮官に就任。クラブをプリメーラ昇格に導く手腕を発揮すると、昇格1年目の昨シーズンは後半戦に失速も、最終節を前に15位で残留を確定させていた。 そんななか、昨シーズン限りで退任したキケ・サンチェス・フローレス前監督の後任として今シーズンからセビージャの指揮官に就任。開幕7試合で2勝2分け3敗と微妙なスタートではあったが、その手腕を評価した首脳陣は昨年9月に就任時に結んでいた2年契約を1年延長していた。 だが、2025年に入って失速のチームは宿敵ベティスとのエル・グラン・デルビでの敗戦を含め直近は4連敗中。ラ・リーガ31試合9勝9分け13敗の13位という戦績を受け、クラブは解任を決断した。 なお、スペイン『レレボ』など複数国内メディアによれば、後任はすでにホアキン・カパロス氏(69)に決定しているという。 2000年から2005年まで長期体制を築き、2017-18、2018-19の2シーズンではシーズン終盤に暫定指揮官を務めた経験豊富な指揮官は残り7試合で降格圏と7ポイント差のチームを残留させる役目が託される。 2025.04.13 20:11 Sun
5

現役時代のシメオネ監督はどんな人物だった? かつての同僚が明かす

アトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督について、現役時代のチームメイトたちが振り返った。スペイン『マルカ』が伝えている。 現役時代セビージャやアトレティコ、そしてインテルなどで活躍したシメオネ氏。特に現在監督を務めるアトレティコには1994年から1997年までの3年間と2003年から2005年1月までの1年半の2度在籍し、公式戦155試合出場29ゴールを記録した。 <div id="cws_ad"><div class="dugout-video dugout-embed-eyJrZXkiOiJKcDZqR25nZCIsInAiOiJ1bHRyYXNvY2NlciIsInBsIjoiIn0="></div><script type="text/javascript" src="https://embed.dugout.com/v3.1/ultrasoccer.js"></script></div> 監督としてピッチサイドで感情を全面に出したスタイルでチームを鼓舞するシメオネ氏だが、現役時代からこの情熱的なスタイルは一貫したもので、共にプレーした多くの選手たちに大きな印象を与えていたようだ。 アトレティコでのチームメイトだった元スペイン代表DFトニ・ムニョス氏は、選手時代のシメオネ氏の情熱を振り返っている。 「彼は全てにおいて情熱的で、ピッチ上でも自分が感じたことを表現していた。苦しむことを楽しんでいたし、全員に対して高い要求を持っていて、強いパーソナリティのある選手だった」 またムニョス氏は、シメオネ氏の優れた戦術眼が得点に繋がっていたと話す。 「戦術的にもとても優れていた。常に1シーズンで8から14ゴールくらいを決めていたが、それは彼がフリーキックや攻撃参加が上手かっただけでなく、試合を読む力に非常に長けていたからだ」 「彼のフットボールに対する思いはとても大きかった。私にシエスタすらさせてくれなかったよ。常にフットボールについて話していて、寝ていても起こされたものだ」 「彼のウォーミングアップは試合前のホテルから始まっていた。チームメイトに指示をして人を集めて、ランチやディナーの時、気付いたら相手がどういう風にプレーするのかという話をしていた」 またセビージャ時代のチームメイトである元スペイン代表DFマノーロ・ヒメネス氏も、シメオネ氏がピッチ上で見せる姿に感嘆していたと明かし、選手時代から名監督としての片鱗を見せていたと語った。 「彼は熱量に溢れていた。失敗した時には怒り、野心と高い要求を求める選手だった。彼はチームのみんなのリスペクトを勝ち取った。なぜなら、失敗しても自分の足でもう一度立ち上がることのできる、勇気ある選手だったからだ」 「彼はハードワーカーで、自分の持つ全てをピッチで出し尽くし、全てのボールを200%の力で追う、今で言うBox to Box タイプのMFだった」 「アグレッシブさとクオリティを兼ね備え、前線への攻撃参加もできた、完全な選手だった。彼が監督になる姿は容易に想像できた」 「選手の時も監督の時も、エル・チョロ(シメオネ愛称)は誇張して大袈裟に行動したりしない。あれが彼のそのままの生き方なんだ」 「彼はベンチで静かに座っているようなタイプではない。自分のメンタルの強さやウイニング・スピリットを常に示してきた人物で、それは彼のDNAの中にあるものなんだ」 また、同じくセビージャ時代の同僚でチームのCBであったホセ・ミゲル・プリエト氏も、シメオネ氏は選手時代からリーダシップを発揮していたと明かした。 「彼はよく試合の前、失敗はピッチに持ち込まずロッカールームに置いていけと私たちに言ったよ」 「常にフットボールのことを考えていて、その執着にも似た思いは今でも増していると思う」 「試合中は全てのプレーに関わっていたし、サッカーというものを理解していた。優れたMFがいれば、CBの力を引き出すことができる。私たちが活躍できたのは彼のおかげだ」 しかし、そんな情熱的なシメオネ氏だが、抜けている部分もあったとプリエト氏は語る。 「私たちはトレーニングに彼の車に乗って行ったことがあったが、車のタイヤがパンクしていたのにずっと変えていなかったんだ。だから私がタイヤの買い方を教えてやったんだ」 2020.06.10 12:45 Wed

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly