退場者3人を出した荒れ模様のセビージャダービーは白熱ドロー《ラ・リーガ》

2022.11.07 07:05 Mon
Getty Images
ラ・リーガ第13節、ベティスvsセビージャが6日にエスタディオ・ベニート・ビジャマリンで行われ、1-1のドローに終わった。

4位のベティスと、18位のセビージャによる今季最初のエル・グラン・デルビー。

ベティスは前節、レアル・ソシエダとの拮抗した上位対決を試合終盤の2ゴールによって2-0の勝利。ラ・リーガ3試合ぶりの白星を奪取し、トップ圏内に再浮上した。また、直近のヨーロッパリーグ(EL)ではすでに首位通過を決定していた中、多くの主力を温存したもののヘルシンキに3-0の快勝を飾り、ホーム開催のダービーに弾みを付ける結果を手にした。今季最初のデルビーではフェキルやカナーレスら主力が先発に名を連ねた一方、ホームでのラストデルビーと目されるホアキンは筋肉系のケガで無念のベンチ外となった。
対するセビージャはサンパオリ新体制移行後、パフォーマンスに若干の改善は見受けられるものの、公式戦7試合で2勝3分け2敗と結果が出ない。前節はホームでラージョに競り負け、直近のチャンピオンズリーグ(CL)では主力温存のマンチェスター・シティに1-3の完敗と、新体制で初の連敗となった。デルビーでのバウンスバックを図るチームは、シティ戦で温存した一部主力をスタメンに戻し、ラキティッチやラメラ、パプ・ゴメスらが起用された。

ホームサポーターが荘厳なコレオグラフィ、熱狂的な声援でチームを後押しする中、ベティスが立ち上がりから攻勢を仕掛けていく。6分にギド・ロドリゲスのミドルシュートで最初のシュートを放つと、直後にはフェキルのFKがあわや不ラファ・ミルのオウンゴールという際どいシーンを創出する。
以降はセビージャが盛り返してほぼイーブンの展開となり、球際での攻防が激しさを増していく。

ベティスはフェキルやカナーレスの個人技を軸に多彩な崩しをみせ、フィニッシュまで持ち込むが決定機まであと一歩。対するアウェイチームはサイドを起点にクロスでチャンスを窺うと、バックパスのミスからラファ・ミルがGKをかわして無人のゴールへシュートを放つが、これはDFエドガル・ゴンサレスの冷静なゴールカバーに遭う。

前半半ばから終盤にかけては中盤での睨み合いが続くが、デルビーに付き物の退場者が出てしまう。36分、サイドでアレックス・モレノに突破を許したモンティエルが足裏を見せた危険なアフターチャージを見舞うと、当初の判定はイエローカードもオンフィールド・レビューの結果、カードの色が赤に変わった。

この退場を受け、サンパオリ監督はラファ・ミルを下げてヘスス・ナバスを投入。だが、この交代策が不運な形で試合を動かすことに。

45分、ウィリアム・カルヴァーリョが浮き球で入れたボールをボックス内のカナーレスが収める。ただ、ボールが足元から離れた際にDFグデリがクリアを試みると、これが味方のヘスス・ナバスに当たってゴールへ向かう。そして、GKボノもはじき出せずにゴールネットが揺れた。

退場にオウンゴールで優位に試合を進めるベティスだが、相手にお付き合いするようにこちらも退場者を出してしまう。前半アディショナルタイム3分、パプ・ゴメスに後ろから当たられた際にフェキルが振った肘が顔面に当たると、オンフィールド・レビューの結果、フェキルが退場となった。

互いに退場者を1人ずつ出し合う荒れ模様のデルビーは後半に突入。キックオフ直後にはルイバルのスルーパスに抜け出したアレックス・モレノに決定機も、ここはセビージャの守護神ボノが前半終了間際のビッグセーブに続きチームを救う。

すると、この直後にはベティスに2度目のアクシデントが発生。49分、ジョルダンからボールを奪おうとしたボルハ・イグレシアスの出した足がアキレス腱付近を踏みつける形となると、オンフィールド・レビューの結果、この試合3枚目のレッドカードに。

依然として1点ビハインドも数的優位を手にしたセビージャは直後に折ベル・トーレスを下げてストライカーのエン=ネシリを投入。ここから初めて相手を押し込む展開に持ち込む。

ラメラを起点に幾度か良い形でフィニッシュを見せるものの、専守防衛の構えのベティスの堅守に手を焼くサンパオリのチーム。78分にはジョルダンを下げてドルベリを投入し、前線に2人のターゲットマンを置く形に。すると、この交代から数分後に待望の同点ゴールが生まれる。

82分、ベティスを押し込んで左右に揺さぶりをかけた末、ペナルティアーク付近でレキクから横パスを受けたフリーのグデリが右足を一閃。無回転気味の鋭いシュートがゴール左上隅の完璧なコースを射抜いた。

土壇場で追いついたアウェイチームは試合終盤にかけて一気呵成の攻めを見せる。90分にはボックス手前で浮き球を胸でコントロールしたグデリが抑えの利いた見事なボレーシュートを放つが、これは惜しくもクロスバーを叩く。さらに、後半ラストプレーでは右サイド深くでヘスス・ナバスがグラウンダーで折り返したボールをボックス中央のグデリが渾身のダイレクトシュートで枠に飛ばすが、これはGKブラーボの圧巻のファインセーブに阻まれた。

この直後に試合はタイムアップを迎え、3人の退場者を出した熱狂のエル・グラン・デルビーでは1-1のドロー決着となった。

レアル・ベティスの関連記事

フィオレンティーナのラッファエレ・パッラディーノ監督が、レアル・ベティス戦を振り返った。 8日、UEFAカンファレンスリーグ(ECL)の準決勝2ndレグでフィオレンティーナはベティスと対戦。1stレグを2-1で敗れていたフィオレンティーナは、アントニーのゴールで失点し苦しい状況に。それでもロビン・ゴセンスの2ゴー 2025.05.09 16:55 Fri
レアル・ベティスのブラジル代表FWアントニーがUEFAカンファレンスリーグ(ECL)決勝進出を喜んだ。スペイン『マルカ』が伝えた。 8日、ECL準決勝2ndレグが行われ、ベティスはフィオレンティーナとアウェイで対戦した。 1stレグはホームで2-1と勝利していたベティス。試合は30分にアントニーが直接FKを 2025.05.09 10:45 Fri
UEFAカンファレンスリーグ(ECL)準決勝2ndレグのフィオレンティーナvsレアル・ベティスが8日にスタディオ・アルテミオ・フランキで行われ、2-1でフィオレンティーナが勝利。2戦合計でタイスコアのため行われた延長戦を0-1で制したベティスが、2戦合計スコア4-3で決勝進出を決めた。 1週間前にアウェイでの1s 2025.05.09 06:45 Fri
レアル・ベティスのマヌエル・ペジェグリーニ監督が、フィオレンティーナ戦へ意気込みを語った。『UEFA.com』が伝えた。 8日、UEFAカンファレンスリーグ(ECL)準決勝2ndレグでベティスはアウェイでフィオレンティーナと対戦する。 ホームでの1stレグを2-1で勝利しているベティス。ラ・リーガでも3連勝 2025.05.08 16:55 Thu
フィオレンティーナのラッファエレ・パッラディーノ監督が、レアル・ベティス戦へ意気込んだ。『UEFA.com』が伝えた。 8日、UEFAカンファレンスリーグ(ECL)準決勝2ndレグでフィオレンティーナはホームにベティスを迎える。 1stレグはアウェイで2-1と敗れたフィオレンティーナ。決勝進出には逆転勝利が 2025.05.08 16:30 Thu

レアル・ベティスの人気記事ランキング

1

ベティスが逸材FWルイス・エンヒキ獲得へ! フルミネンセ会長が合意明かす

ベティスがフルミネンセに所属するブラジル人FWルイス・エンヒキ(21)を完全移籍で獲得することが決定的となった。ブラジル『UOL』など複数メディアが伝えている。 フルミネンセの下部組織出身で2020シーズンにトップチームデビューを飾ったルイス・エンヒキは、右ウイングを主戦場とする左利きのアタッカー。昨シーズンのカンピオナート・ブラジレイロ・セリエAでは33試合に出場し、6ゴール2アシストの数字を残していた。 どこかサンバのリズムを感じさせるトリッキーなドリブルを最大の特長とし、左足のパワフルなシュートからゴールも陥れる伸びしろ豊かな大器は、U-20ブラジル代表にも招集されていた。 過去にはミランやレアル・マドリーも関心を示した182cmのレフティーだが、新天地はベティスになるという。 フルミネンセのマリオ・ビッテンコート会長は先日、「ルイス・エンヒキの85%の保有権を1300万ユーロ(約16億8000万円)で販売する事前契約にサインした。クラブの経済状況により、レアル・ベティスのオファーを受け入れる必要があった」と、同選手のベティス行き合意を認めた。 ベティスで左利きのブラジル人アタッカーと言えば、2000年代初期に活躍した元ブラジル代表FWデニウソンが印象的だが、ルイス・エンヒキは来シーズンからその偉大なる先達のような輝きを放てるか。 2022.03.15 23:16 Tue
2

ジダン家4男エリアスがベティスのカンテラに移籍へ…

レアル・マドリーのカンテラに在籍するU-19フランス代表DFエリアス・ジダン(18)が、レアル・ベティスに移籍する見込みだ。スペイン『レレボ』が報じている。 マドリーで選手、監督として輝かしいキャリアを築いたジネディーヌ・ジダン氏を父親に持つエリアスは、ジダン家4兄弟の末っ子。現在はレアル・マドリー・カスティージャに在籍するMFテオ・ジダンと共にエル・ブランコのカンテラに在籍している。 194㎝の左利きの大型DFはフベニールA(U-19チーム)で左サイドバック、センターバックを主戦場にプレー。恵まれた体躯に強靭なフィジカル、攻撃性能を有する18歳DFはU-19フランス代表に招集されているように、その才能を評価されている。 しかし、フベニールAを率いるアルバロ・アルベロア監督からの評価は今一つなようで、今後に向けて世界屈指の名門でのファーストチーム昇格は厳しい模様だ。 そういった事情もあり、エリアスはベティスのカンテラに移籍することを決断。よりファーストチーム昇格のハードルが低いアンダルシアの名門でプリメーラデビューを目指すことになる。 2024.01.08 07:00 Mon
3

クリスタル・パレスが補強第1号! バルサの20歳、モロッコ代表DFリアドを完全移籍で獲得…2029年まで契約

クリスタル・パレスは14日、バルセロナのモロッコ代表DFチャディ・リアド(20)を完全移籍で獲得したことを発表した。契約期間は2029年6月までの5年間となる。 リアドは、モロッコ人の両親の下でスペインで誕生。マジョルカのユースでキャリアを始めると、バルセロナのカンテラに所属した。 順調に昇格を続けると、2023年7月にファーストチームに昇格。そのままベティスへとレンタル移籍すると、ラ・リーガで26試合に出場し、守備の要として活躍した。 2024年1月にはモロッコ代表デビューも果たし、6月の北中米ワールドカップ(W杯)アフリカ予選のDRコンゴ代表戦では初ゴールも記録していた。 リアドはクラブを通じてコメントしている。 「クリスタル・パレスに加入できて本当に嬉しい。クラブの歴史とリーグに興味があり、ここにやってきた。今年の彼らのプレーぶりを聞き、僕のプレースタイルにピッタリ合うと思った」 「このクラブには若くレベルの高い選手たちがいる。僕は彼らと同じ道を歩み、同じように成長するためにここにやってきた」 2024.06.14 18:05 Fri
4

メキシコ代表歴代最多182キャップ…38歳グアルダードが今週末での現役引退を発表「感謝と誇りをもって去る」

元メキシコ代表MFアンドレス・グアルダード(38)が現役引退を発表した。 デポルティボ・ラ・コルーニャに始まり、バレンシア、レバークーゼン、PSV、レアル・ベティスと欧州クラブを渡り歩いたグアルダード。豊富な運動量で縁の下の力持ちとなるMFだ。 メキシコ代表は2005年に19歳でデビューし、W杯は2006年、2010年、2014年、2018年、2022年と5大会連続で出場。通算「182」キャップは同国歴代最多である。 現在はメキシコ1部・リーガMXのクラブ・レオンに所属するなか、38歳の今なおフル出場する試合多数。ただ、この度自らのSNSを更新し、今週末のリーグ戦を最後にスパイクを脱ぐと公表した。 「これまで達成できたこと、そして夢を実現できたことに感謝と大きな誇りを持って、ここを去る。グアダラハラ、デポルティボ、バレンシア、レバークーゼン、PSV、ベティス…これまでの全クラブにも感謝したい。応援してくれたみなさんにも感謝しているよ!」 2024.11.08 19:10 Fri
5

ラ・リーガが来季のCL出場5枠を確保! 浅野&久保にもわずかながらチャンス

スペインのラ・リーガが来シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)で出場5枠を確保することになった。 UEFAコンペティションの新フォーマット移行によって2024-25シーズンから36チームに出場枠が拡大されたCL。これに伴い導入された欧州パフォー​​マンススポット(EPS)によって、トップ2カ国にはCLで出場5枠が与えられるなか、首位をキープするイングランドは先日に2位以内を確定させていた。 そんななか、今週のミッドウィークにCLとヨーロッパリーグ(EL)、カンファレンスリーグ(ECL)準々決勝が終了。3位イタリアのラツィオがELベスト8で敗退し、2位スペインのアスレティック・ビルバオがELベスト4進出を決めたことで、スペインの2位以内が確定。イングランドに続いてCL出場5枠を確保することになった。 なお、今シーズンここまでのラ・リーガでは首位バルセロナ(勝ち点70)、2位レアル・マドリー(勝ち点66)、3位アトレティコ・マドリー(勝ち点63)、4位アスレティック(勝ち点57)がほぼ4位以内を確定させている。 5位争いでは1試合未消化のビジャレアル(勝ち点51)、6位レアル・ベティス(勝ち点48)の争いになりそうだが、浅野拓磨所属の8位マジョルカ(勝ち点43)、久保建英所属の9位レアル・ソシエダ(勝ち点41)にもわずかながらチャンスが残っている。 2025.04.18 08:00 Fri

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly