「浮いていた感があった」5度目のW杯へ長友佑都、熱さが伝わらなかった後輩たちの変化に言及「彼らは、色々な意味でバケモノたちと過ごしている」
2025.03.17 22:35 Mon
長友佑都の熱さは後輩たちにも伝わっていく
日本代表のDF長友佑都(FC東京)が、自身5度目となるワールドカップ(W杯)行きを決める戦いへ意気込みを語った。
17日、日本代表は2026年北中米W杯アジア最終予選に向けて活動を開始した。初日から合流した長友は今回も招集。試合での出番はないが、最終予選で好調を維持するチームを陰から支えている。
これまで多くの苦しみを最終予選で味わってきた長友。今の日本代表はW杯での優勝を目標に歩みを進めており、選手たちにもその意識が強く芽生え始めている。
長友は史上最速でのW杯出場が決まる20日のバーレーン代表戦に向けて「決めます。それだけです」と、短く力強い言葉。自身5度目の出場が懸かるが「5回目もそれぞれ違います」と語り、「順調に最終予選が来ています。こういう時に足元を掬われることがあるので、気を引き締めないと。当たり前のことを言っているんですが、当たり前がなかなかできない。足元を掬われることがあるので、しっかり気を引き締めたいです」と、気の緩みは良くないとした。
埼玉スタジアム2002での戦いとなり、すでにチケットは完売。ホームでW杯出場を決めることもできる中で、大きな後押しがスタンドからはあるはずだ。
「スタジアムというよりも、やっぱり代表のユニフォーム、日の丸を背負って、ユニフォームに袖を通して国を代表してピッチに立つことは心が震えます」
「最近はそれで試合に出ていないので悔しい思いをしているんですが、噛み締める思いでユニフォームを着ています」
出番はない中で、後輩たちにしっかりと喝を入れている長友。これまでの先輩やチームメイトが持っていた熱い思いを伝承する長友は、後輩たちの意識の変化を感じているという。
「これまでも(本田)圭佑であったり、(香川)真司であったり、長谷部(誠)さん、(川島)永嗣さんも熱い話をしてくれていました。最初は熱すぎて引かれるというか、自分が取り残される感覚にあったんですが、今は食事の席でもそういう話をして、自分のエネルギーや熱いものを後輩たちが受け入れてくれる感覚があります」
「今日もそういった話にたまたまなって、みんなが俺のこのエネルギーを受け止めてくれて、すごく居心地が良いという話をちょうどしていました。浮いていた感があったので、馴染み始めたというのは、自分にとっては非常に嬉しい部分があって、暑苦しい話ができる後輩の仲間ができたことは非常に嬉しいです」
5回目の挑戦となれば、経験も思いも誰よりも多くのものを持っている。「(伝わっている感じが)あると思ってくれたら嬉しいですし、伝えることも1つの任務というか、与えられた役割かなと思います」と語る長友。「意識はしていないですが、ここに来ると熱い思いが込み上げてきて、多少空回り感も出ますが、それでもそういった気持ちになれるというのは、日本代表ならでは、戦うということを感じています」と、日本代表への情熱は留まるところを知らない。
また、そうした意識の変化については、選手たちの日常が大きく変わっていることも1つだと長友は語った。
「日々彼らは、色々な意味でバケモノたちと過ごしていると、僕が普通になるのかなと。日本の中ではぶっとんでいて、浮いているかもしれないですが、世界に出るともっとぶっとんでいる人もいっぱいいます」
「彼らはそれに慣れている、そういう生物に慣れているので、長友佑都という生物にも慣れたというのは、世界にもそれだけぶっとんでいる選手がいるということだと思います」
ワールドクラスを知り、今まで以上にハイレベルの経験を日々積んでいる集団になっている日本代表。20日の試合で史上最速で決めることができるのか注目だ。
17日、日本代表は2026年北中米W杯アジア最終予選に向けて活動を開始した。初日から合流した長友は今回も招集。試合での出番はないが、最終予選で好調を維持するチームを陰から支えている。
これまで多くの苦しみを最終予選で味わってきた長友。今の日本代表はW杯での優勝を目標に歩みを進めており、選手たちにもその意識が強く芽生え始めている。
埼玉スタジアム2002での戦いとなり、すでにチケットは完売。ホームでW杯出場を決めることもできる中で、大きな後押しがスタンドからはあるはずだ。
「埼玉スタジアムの場所で満員で戦うということは自分たちにとってもモチベーションになりますし、負ける気はしません。すごい後押しを感じているので、自分たちのモチベーションと強い気持ちを出しやすい舞台は整っていると思います」
「スタジアムというよりも、やっぱり代表のユニフォーム、日の丸を背負って、ユニフォームに袖を通して国を代表してピッチに立つことは心が震えます」
「最近はそれで試合に出ていないので悔しい思いをしているんですが、噛み締める思いでユニフォームを着ています」
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「これまでも(本田)圭佑であったり、(香川)真司であったり、長谷部(誠)さん、(川島)永嗣さんも熱い話をしてくれていました。最初は熱すぎて引かれるというか、自分が取り残される感覚にあったんですが、今は食事の席でもそういう話をして、自分のエネルギーや熱いものを後輩たちが受け入れてくれる感覚があります」
「今日もそういった話にたまたまなって、みんなが俺のこのエネルギーを受け止めてくれて、すごく居心地が良いという話をちょうどしていました。浮いていた感があったので、馴染み始めたというのは、自分にとっては非常に嬉しい部分があって、暑苦しい話ができる後輩の仲間ができたことは非常に嬉しいです」
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また、そうした意識の変化については、選手たちの日常が大きく変わっていることも1つだと長友は語った。
「日々彼らは、色々な意味でバケモノたちと過ごしていると、僕が普通になるのかなと。日本の中ではぶっとんでいて、浮いているかもしれないですが、世界に出るともっとぶっとんでいる人もいっぱいいます」
「彼らはそれに慣れている、そういう生物に慣れているので、長友佑都という生物にも慣れたというのは、世界にもそれだけぶっとんでいる選手がいるということだと思います」
ワールドクラスを知り、今まで以上にハイレベルの経験を日々積んでいる集団になっている日本代表。20日の試合で史上最速で決めることができるのか注目だ。
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ゴール前で輝く決定力と、中盤を支える戦術眼。その両方を併せ持つ“新しいボランチ像”を、日本代表のMF鎌田大地がボリビア代表戦で体現した。開始4分、MF久保建英のクロスを胸で収め、左足で冷静に流し込んだ先制点。ボランチでありながらペナルティエリアへ侵入し、フィニッシュまで持ち込む――。クリスタルパレスと日本代表では求められる役割は異なる。それでも鎌田は、6番・8番・10番をひとつに束ねた“自分だけのポジション”を研ぎ澄ませている。 ■“6番”の位置から、ペナルティエリアへ ボリビア戦の開始4分。試合は、MF鎌田大地が切り拓いた。 MF久保建英が右サイドで深くえぐる。相手がゴール前へ引き寄せられる一瞬の隙を、鎌田は逃さなかった。ペナルティーエリアにスッと入っていき、浮き球のクロスを胸でコントロールすると、左足で逆サイドネットへ流し込んだ。 「チームとして、あそこが空くっていうのは分析でもやっていた。ボランチですけど、ああいうところに何回か入っていくことが大事だと思っていたので。ボールが来てシュートチャンスができたのは良かったかなと」 クリスタルパレスではリスク管理が徹底され、センターラインより前に踏み込む回数は限られる。しかし日本代表では、森保一監督の戦術が鎌田に自由度を与えている。 「自分がある程度自由に前に行けるような、6番だけじゃなくて8番や10番くらいの役割までできる方が、やっていて躍動感はある。そっちの方が自分には合っていると思いますし」 相手の守備ラインが一歩下がった瞬間、鎌田は3列目の位置からスッと前へ出ていき、いつの間にか最前線に顔を出す。ボランチでありながらフィニッシュまで関与できる稀有な才能が、日本の攻撃に奥行きをもたらす。先制点は、その象徴だった。 ■自由と責任の狭間で描く“シン・ボランチ像” 鎌田のプレーは、単なる攻撃的ボランチではない。試合の状況に応じて6番(ボランチ)にも8番(インサイドハーフ)にも10番(トップ下)にもなる。 「パレスはボランチがリスク管理で、余ってる選手を捕まえたり、後ろ5枚で守る形。こっち(日本代表)はもっと攻撃に関われる。やり方の違いが大きいと思います」 その言葉通り、ボリビア戦では攻撃でも守備でも表情を変えた。後半、相手のカウンターを鎌田がつぶした場面は象徴的だった。厳しいプレスを受け続けた前半の疲労が残る中でも、最後のところで身体を投げ出し、相手の芽を摘んだ。 ガーナ戦をコンディション不良で欠場したものの、ボリビア戦で本来の実力を示した。 「しっかりプレーできるレベルには戻ってきているので、そこは問題なかったと思います」 守備強度とゲームメイク、そして得点力。これらを同時に要求されるのは酷にも思えるが、鎌田はその領域に自ら踏み込んでいる。 この日のミックスゾーンでは、鎌田らしい“脱力感”ある一幕も。 「ゴールの後に森保さんのところに行こうとチームで話していたそうですが?」という質問を受けた時のこと。 それまで淡々と話していた鎌田の表情がゆるむ。 「僕は聞いてなかったんで。集中していたので、全然頭になくて。(森保監督に)申し訳ないというか……(笑)」 周囲に笑いが起きる。プレッシャーの中にあっても自然体でいられること。それもまた、鎌田の強みだろう。 チーム内のポジション争いは激しい。MF佐野海舟をはじめ、鎌田の主戦場にもライバルが台頭し、代表チームは新しいフェーズへと進んでいる。ただ、鎌田には慢心も不安もない。 「日本人選手は頭が良くて、どのポジションでもある程度できる選手が育っている。監督にとっても理想的じゃないですかね」 6番+8番+10番。ボランチの概念を超えた鎌田が、森保ジャパンをさらなる高みへ導いていく。 取材・文=北健一郎 2025.11.19 00:45 Wed3
大怪我から復活した“最終ラインの司令塔”。33歳・谷口彰悟が示したDFリーダーの価値
ガーナ代表戦、ボリビア代表戦と続いた11月シリーズを、日本代表は2試合連続の無失点で締めくくった。その中心にいたのが、フィールドプレーヤーで唯一2試合フル出場を果たした33歳――谷口彰悟だ。2024年11月にアキレス腱を断裂。大怪我から戻ってきた男は、再び日本代表の最終ラインで存在感を放っている。2026年北中米ワールドカップ、その真ん中を任されるのは彼なのかもしれない。 ■1年ぶりの復帰で見せた安定感 ボリビア戦後、ミックスゾーンに姿を見せたDF谷口彰悟は、どこか晴れやかな表情だった。 チームは11月シリーズを2試合連続の完封で終え、自身はフィールドプレーヤーで唯一の2試合フル出場。数字だけを見れば、十分すぎる結果だ。 「まずはゼロで終われたこと。苦しい時間もありましたけど、こういう難しいゲームを勝ち切るのは本大会でもあり得る。勝って終われたのは非常に良かったと思います」 言葉の端々からは「代表に帰ってこられた」という安堵よりも、すでに次を見据えている姿勢のほうが強く伝わってくる。 10月のブラジル戦で約1年ぶりに復帰し、歴史的勝利に貢献した。そこからクラブでコンスタントに試合に出続け、11月の代表活動を迎えると、再び最終ラインの中心に収まった。 「3枚の真ん中はめちゃくちゃ大事なポジション。簡単には譲りたくないですし、リーダーシップを取っていかないといけない」 両脇の選手が変わっても、谷口を中心としたDFラインの安定感は変わらない。そこには、ベテランらしい“気遣い”がある。 「気遣い、してなさそうに見えて結構してるんですよ(笑)。特徴は理解してますし、いい形で受けてもらうためのパスのタイミングとか、右か左かの判断は真ん中だからこそ見える。できるだけ“ハメパス”にならないようにというのはこだわってます」 周りの選手が思い切って前に出られるように、背後のカバーは責任を持って引き受ける。 「広範囲は僕がカバーして、目の前の選手にはバトルしてもらう。後ろに保障があると前に行きやすいので」 谷口がいると、両サイドのDFが伸び伸びとプレーできる――。それこそがクリーンシートでの2連勝につながったのは間違いない。 ■33歳はアップデートし続ける ただし、全てがよかったわけではない。むしろ、完封だからこそ課題が際立つと語る。 「相手のプレッシャーもあって、打開しきれないところや、ショートカウンターを食らったり、イージーなミスもあった。次のレベルでは致命的になるので減らしていかないといけない」 象徴的だったのが、MF鎌田大地との縦パスのリターンが相手に狙われて、シュートを放たれた場面だ。 「日本の選手が(最終ラインに)落ちてきた時に、そのまま食いついてくる相手だったので、そこをもっと利用しながらスペースを見つけられれば。できた時は前に運べていたので、意図的にやれたら良かった」 ボランチの組み合わせが変わる中で、ラインのスライドや立ち位置の整理にも改善点はある。 「ワタル(遠藤航)が落ちるのか、自分たちで4枚っぽく回すのかはやりながらのところが多かった。前半の中で修正できればもっとスムーズにやれた。こういうゲームはワールドカップでもあり得るので、焦れずにゼロで進めることは大事」 自身の年齢について問われると、照れ笑いを浮かべながらも自信は揺らがない。 「年取ったのに(笑)。でも、フィジカルが衰えてても感じさせないメンタリティでやれている。まだまだ伸びている自信はあります。おじさん、まだまだ頑張ります」 アキレス腱断裂という選手生命を揺るがす大怪我から1年。本来ならキャリアの下降線に入っていても不思議ではない33歳が今、代表で一段階上の存在感を放っている。 「自分が出るからにはゼロで終わらせてチームを勝たせる。それは毎試合こだわってます」 2026年――日本代表の最終ラインを束ねるのは誰か。「谷口彰悟」という答えは、確かに現実味を帯び始めている。 取材・文=北健一郎 2025.11.19 01:35 Wed4
「チームに求められていることしか考えていない」。後藤啓介、20歳が見せた献身と野心
11月14日、ガーナ戦で日本代表デビューを果たしたFW後藤啓介。ジュビロ磐田でクラブ史上最年少得点者となり、2024年にベルギーへ渡った20歳は、限られた時間の中でチームのために走り続けた。ストライカーとして結果を追いながらも、まずは求められた役割を遂行する。そこには、後藤が抱く「献身」と「野心」が確かにあった。 ■「まず守備から」。後藤が体現したチームファースト 森保監督から告げられたのは、シンプルなひと言だった。 「まず守備から。ゼロで抑えるためにハードワークしてほしい」 26番を背負った191cmのストライカーがピッチに入ったのは後半31分。ファーストプレーで相手DFを背負った状態でボールを収めると、その後は相手のパス回しを全力で追いかけた。 後半40分、ゴール前でMF佐野海舟からの縦パスを受けると、走り込んできたMF佐藤龍之介へワンタッチで落とす。 「龍が勢いを持って入ってきたのが見えてたので。自分はゴールに背を向けていたし、前向きの選手をシンプルに使いました」 その1分後には右サイドからのクロスに飛び込んだ。惜しくも相手のクリアに阻まれたが、動き出しの質には手応えがあった。 「昨日の練習で(菅原)由勢くんがいいクロスを上げてたので、来るなと思ってました。ああいう形は続けていきたい」 ストライカーである以上、“結果”は常に求められる。だが後藤は、チームの秩序の中で自分を活かす選択をした。 「結果を出すこと、チームに求められること、どんなバランスでプレーしていましたか?」と聞くと、後藤は迷うことなく答えた。 「チームに求められていることしか考えていないです。それをやった結果、ゴールはついてくると思っています」 限られた時間の中で、ストライカーとしての嗅覚とチームプレーのバランスを見せた。 ■黒髪に戻して、もう一度スタートラインへ 日本代表に合流した時は金髪だった後藤だが、豊田スタジアムのピッチには黒髪で現れた。シント=トロイデンVVのチームメート・谷口彰悟と一緒に美容室に行って黒に染め直したと明かした。 「初代表ですし、もう一回スタートだなと思って。プロになった時の気持ちを思い出したかった」 デビューの夜に合わせて、自分自身をリセットする。そこには、本気でW杯に出場するという決意が滲んでいた。 森保ジャパンでは、センターフォワード争いが熾烈だ。FW上田綺世、FW小川航基、FW町野修斗らがしのぎを削る中で、後藤はサプライズ選出を狙う。 「次は国立。今日よりお客さんも入ると思うので、その中で結果を残したい。森保(一)さんに“使いたい”と思わせるプレーをしたい」 チームファーストでありながら、ストライカーとしての本能を隠さない。 そして、同世代の仲間たち——佐藤、MF北野颯太と共にピッチに立った時間も、新しい刺激を与えた。 「急にすごく若くなったので、アンダー世代(の代表)なのかと思ったぐらいですけど、自分たちが引っ張っていかないといけない」 20歳のFWは言葉を選びながら、確かな責任感を見せた。ガーナ戦での数分間は、単なる“デビュー”ではない。チームの中でエゴを磨き、大舞台へ感覚を研ぎ澄ませる、若きストライカーの“始まり”だった。 取材・文=北健一郎 2025.11.15 12:30 Sat5
