64年ぶりのW杯/六川亨の日本サッカー見聞録
2022.06.11 16:45 Sat
カタールW杯のプレーオフが始まり、ヨーロッパ予選プレーオフはウェールズがウクライナを1-0で下し、実に64年ぶりの本大会進出を果たした。
アジア予選プレーオフではオーストラリア(グループB3位)がUAE(グループA3位)を2-1で下し、南米5位のペルーとの大陸間プレーオフ(6月13日)に進出。オセアニアを制したニュージーランドと北中米カリブ海4位のコスタリカとの大陸間プレーオフも含め(6月14日)、残る出場枠は2チームになった。
ウェールズはエースのガレス・ベイルのFKがOGを誘い、これが決勝点となった。戦禍にあえぐウクライナを応援するファンも多かったようだが、残念ながら祖国で待つ国民に吉報を届けることはできなかった。
それにしても、64年ぶりである。昨年のEUROでの活躍が頭に残っていたせいか、W杯にも出ていたようなイメージを持っていたが、半世紀以上の時を経てのW杯出場である。
かつてはイアン・ラッシュ(リバプールで活躍してトヨタカップにも来日)やライアン・ギグス(マンチェスター・ユナイテッドで99年にトヨタカップで優勝)といった名選手を擁しながらも、ウェールズはW杯予選を突破することはできなかった。
ウェールズが初めてW杯に出場したのは1958年のスウェーデン大会ということになる。奇しくも北アイルランドがW杯に初出場したのもこのスウェーデン大会だった。ウェールズは初戦でハンガリーに1-1で引き分けると(4年前に準優勝したハンガリーの主力だったプスカシュやチボールらは56年のハンガリー動乱でスペインへ亡命していた)、GKアントニオ・カルバハル(その後3大会連続してW杯に出場し、通算5大会連続出場)擁するメキシコとも1-1、さらに開催国のスウェーデンとも0-0で引き分けて、グループリーグで3位に食い込んだ。
同様に北アイルランドも初戦でチェコスロバキアに1-0で勝つと、2戦目はアルゼンチンに1-3と敗れたものの、最終戦で前回優勝国の西ドイツと2-2で引き分けてグループリーグ3位でフィニッシュした。
そしてウェールズも北アイルランドもプレーオフを勝ち抜いて、ベスト8による決勝トーナメントに進出。不運にもグループリーグ2位だったイングランドはプレーオフでソ連に敗れ、スコットランドはグループリーグ最下位でスウェーデンを後にした(英国4協会が揃って出場した初めての大会でもあった)。
決勝トーナメントでは、ウェールズは優勝するブラジルに0-1で敗れる。ブラジルの得点者は17歳と239日というW杯最年少で初ゴールを決めたペレだった。そして北アイルランドはフランスに0-4で完敗する。この試合で2ゴールを決めたジュスト・フォンテーヌは1大会で13ゴールをマークして、いまでも通算得点ランキングの4位に輝いている。
サッカー王国ブラジルが初めてW杯を制し、“キング"ペレが最年少でデビューを飾る(フランスとの準決勝ではハットトリックを達成)一方、レイモン・コパ(フランス)やフリッツ・ワルター(西ドイツ)、リードホルム(スウェーデン)ら名手が揃った大会でもあった。
私事で恐縮だが、筆者が生まれたのは1957年、つまりスウェーデン大会の前年だった。もちろん大会の様子は日本に報道はされていないだろうし、記憶にあるわけもない。しかし64年前の大会を見ているウェールズのファンもいることだろう。彼らはどんな思いで11月に開催されるW杯で母国の雄姿を見守るのか。それもまたカタールW杯の楽しみの1つである。
アジア予選プレーオフではオーストラリア(グループB3位)がUAE(グループA3位)を2-1で下し、南米5位のペルーとの大陸間プレーオフ(6月13日)に進出。オセアニアを制したニュージーランドと北中米カリブ海4位のコスタリカとの大陸間プレーオフも含め(6月14日)、残る出場枠は2チームになった。
ウェールズはエースのガレス・ベイルのFKがOGを誘い、これが決勝点となった。戦禍にあえぐウクライナを応援するファンも多かったようだが、残念ながら祖国で待つ国民に吉報を届けることはできなかった。
かつてはイアン・ラッシュ(リバプールで活躍してトヨタカップにも来日)やライアン・ギグス(マンチェスター・ユナイテッドで99年にトヨタカップで優勝)といった名選手を擁しながらも、ウェールズはW杯予選を突破することはできなかった。
伝説的なドリブラー、ジョージ・ベストを擁した北アイルランドもなかなかW杯に出られなかったように、英国4協会にとってもW杯に出場すること、ヨーロッパ予選を突破することがいかに難しいかわかる。
ウェールズが初めてW杯に出場したのは1958年のスウェーデン大会ということになる。奇しくも北アイルランドがW杯に初出場したのもこのスウェーデン大会だった。ウェールズは初戦でハンガリーに1-1で引き分けると(4年前に準優勝したハンガリーの主力だったプスカシュやチボールらは56年のハンガリー動乱でスペインへ亡命していた)、GKアントニオ・カルバハル(その後3大会連続してW杯に出場し、通算5大会連続出場)擁するメキシコとも1-1、さらに開催国のスウェーデンとも0-0で引き分けて、グループリーグで3位に食い込んだ。
同様に北アイルランドも初戦でチェコスロバキアに1-0で勝つと、2戦目はアルゼンチンに1-3と敗れたものの、最終戦で前回優勝国の西ドイツと2-2で引き分けてグループリーグ3位でフィニッシュした。
そしてウェールズも北アイルランドもプレーオフを勝ち抜いて、ベスト8による決勝トーナメントに進出。不運にもグループリーグ2位だったイングランドはプレーオフでソ連に敗れ、スコットランドはグループリーグ最下位でスウェーデンを後にした(英国4協会が揃って出場した初めての大会でもあった)。
決勝トーナメントでは、ウェールズは優勝するブラジルに0-1で敗れる。ブラジルの得点者は17歳と239日というW杯最年少で初ゴールを決めたペレだった。そして北アイルランドはフランスに0-4で完敗する。この試合で2ゴールを決めたジュスト・フォンテーヌは1大会で13ゴールをマークして、いまでも通算得点ランキングの4位に輝いている。
サッカー王国ブラジルが初めてW杯を制し、“キング"ペレが最年少でデビューを飾る(フランスとの準決勝ではハットトリックを達成)一方、レイモン・コパ(フランス)やフリッツ・ワルター(西ドイツ)、リードホルム(スウェーデン)ら名手が揃った大会でもあった。
私事で恐縮だが、筆者が生まれたのは1957年、つまりスウェーデン大会の前年だった。もちろん大会の様子は日本に報道はされていないだろうし、記憶にあるわけもない。しかし64年前の大会を見ているウェールズのファンもいることだろう。彼らはどんな思いで11月に開催されるW杯で母国の雄姿を見守るのか。それもまたカタールW杯の楽しみの1つである。
ウェールズの関連記事
ワールドカップの関連記事
|
|
ウェールズの人気記事ランキング
1
ベイルやウィリアムズ、ジョー・アレンらウェールズ代表メンバー23名が発表!《ロシアW杯欧州予選》
▽ウェールズサッカー協会(FAW)は24日、9月に開幕を迎えるロシア・ワールドカップ欧州予選に臨むウェールズ代表メンバー23名を発表した。 ▽初出場のユーロ2016でベスト4に進出するなど力を見せたウェールズ代表のメンバーには、レアル・マドリーのMFガレス・ベイルやレスター・シティのMFアンディ・キング、ストーク・シティのMFジョー・アレンらユーロ2016で選出されていたメンバーが招集。一方で、アーセナルのMFアーロン・ラムジー、クリスタル・パレスのMFジョナサン・ウィリアムズは負傷のため選外となっている。 ▽また、MFエミール・フース(ウィガン)、MFトム・ローレンス(レスター・シティ)はユーロ2016でメンバーから落選したが、今回は招集された。 ▽ウェールズはオーストリア、セルビア、アイルランド、モルドバ、ジョージアと同じグループDに属し、9月5日にホームでモルドバ代表との初戦を戦う。今回発表されたウェールズ代表メンバー23名は以下のとおり。 <B>◆ウェールズ代表メンバー23名</B> <B>GK</B> <B>ウェイン・ヘネシー</B>(クリスタル・パレス/イングランド) <B>ダニー・ウォード</B>(ハダースフィールド/イングランド) <B>オーウェイン・フォン・ウィリアムズ</B>(インヴァネス/スコットランド) <B>DF</B> <B>アシュリー・ウィリアムズ</B>(エバートン/イングランド) <B>ニール・テイラー</B>(スウォンジー) <B>ジェームズ・チェスター</B>(アストン・ビラ/イングランド) <B>クリス・ガンター</B>(レディング/イングランド) <B>ジェームズ・コリンズ</B>(ウェストハム/イングランド) <B>アシュリー・リチャーズ</B>(カーディフ) <B>ポール・デュメット</B>(ニューカッスル/イングランド) <B>ベン・デイビス</B>(トッテナム/イングランド) <B>MF</B> <B>エミール・フース</B>(カーディフ) <B>デイビッド・エドワーズ</B>(ウォルバーハンプトン/イングランド) <B>ジョー・アレン</B>(ストーク・シティ/イングランド) <B>トム・ローレンス</B>(レスター・シティ/イングランド) <B>ジョー・レドリー</B>(クリスタル・パレス/イングランド) <B>アンディ・キング</B>(レスター・シティ/イングランド) <B>FW</B> <B>ガレス・ベイル</B>(レアル・マドリー/スペイン) <B>ハル・ロブソン=カヌ</B>(無所属) <B>サム・ヴォークス</B>(バーンリー/イングランド) <B>デイビッド・コッテリル</B>(バーミンガム/イングランド) <B>サイモン・チャーチ</B>(ローダ/オランダ) <B>ジョージ・ウィリアムズ</B>(MKドンズ/イングランド) 2016.08.24 20:40 Wed2
東京五輪でのイギリス代表復活に難色示すコールマン「混合チームなど作る必要はない」
▽リオ五輪が閉幕し、次の東京五輪に向けてイギリス代表チーム復活が囁かれる中、ウェールズ代表を率いるクリス・コールマン監督はこの動きに否定的な意見を述べている。イギリス『スカイ・スポーツ』が報じた。 ▽五輪では各オリンピック委員会単位での出場しか認めていない。一方でイギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つが独自にサッカー協会を持っているため、五輪に出場することはできない。 ▽しかし2012年に行われたロンドン五輪ではイギリス代表として出場を果たしている。リオ五輪に向けても同様にイギリス代表として出場しようとイングランドサッカー協会(FA)は提案していたが、ほかの3協会が反対して破談となった。 ▽しかし、イギリスメディアによると、FAは2020年に行われる東京五輪で再びイギリス代表を復活させたい意向を示しており、今後は残りの協会を説得していくと報じられている。 ▽この報道に、コールマン監督は「なんのために合同チームを作る必要があるのか。そもそも五輪に出場するためには、今よりもさらに多くの試合に出場しなければいけない」とコメント。さらに次のように続けた。 「選手たちはアイデンティティを持っている。そして自分たちが着るユニフォームに誇りを持っている。自分の国のエンブレム、ユニフォームに忠誠を誓った選手のプレーを見たいものだ。だからこそ混合チームなど作る必要はない」 2016.08.25 10:48 Thu3
ラムジー復帰も無所属の主将ウィリアムズが招集外…ウェールズ代表メンバーが発表!《ユーロ2020予選》
ウェールズサッカー協会(FAW)は21日、来月のユーロ2020予選に向けた同国代表メンバー26名を発表した。 今回のメンバーではMFガレス・ベイルやMFジョー・アレン、DFベン・デイビス、GKウェイン・ヘネシーらが順当に選出。また、負傷の癒えたMFアーロン・ラムジーも復帰を果たした。さらに、リーグ1(イングランド3部)のリンカーン・シティでプレーする22歳MFジョー・モレルが初招集となった。 その一方で、負傷離脱中のボーンマスMFデイビッド・ブルックスに加え、今夏のエバートン退団以降、無所属の状態が続くキャプテンのDFアシュリー・ウィリアムズが招集外となっている。 ユーロ2020予選でグループEのウェールズ代表は、来月6日にホームでアゼルバイジャン代表戦を戦い、同9日にベラルーシ代表との国際親善試合を戦う予定だ。今回発表されたウェールズ代表メンバーは以下のとおり。 <span style="font-weight:700;">◆ウェールズ代表メンバー26名</span> <span style="font-weight:700;">GK</span> <span style="font-weight:700;">ウェイン・ヘネシー</span>(クリスタル・パレス/イングランド) <span style="font-weight:700;">ダニー・ウォード</span>(レスター・シティ/イングランド) <span style="font-weight:700;">アダム・デイビス</span>(ストーク・シティ/イングランド) <span style="font-weight:700;">DF</span> <span style="font-weight:700;">コナー・ロバーツ</span>(スウォンジー) <span style="font-weight:700;">トム・ロッキャー</span>(チャールトン/イングランド) <span style="font-weight:700;">クリス・メファム</span>(ボーンマス/イングランド) <span style="font-weight:700;">ジョー・ロドン</span>(スウォンジー) <span style="font-weight:700;">ニール・テイラー</span>(アストン・ビラ/イングランド) <span style="font-weight:700;">ベン・デイビス</span>(トッテナム/イングランド) <span style="font-weight:700;">クリス・ガンター</span>(レディング/イングランド) <span style="font-weight:700;">イーサン・アンパドゥ</span>(RBライプツィヒ/ドイツ) <span style="font-weight:700;">ジェームズ・ローレンス</span>(アンデルレヒト/ベルギー) <span style="font-weight:700;">MF</span> <span style="font-weight:700;">アーロン・ラムジー</span>(ユベントス/イタリア) <span style="font-weight:700;">ジョー・アレン</span>(ストーク・シティ/イングランド) <span style="font-weight:700;">ダニエル・ジェームズ</span>(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド) <span style="font-weight:700;">マシュー・スミス</span>(QPR/イングランド) <span style="font-weight:700;">ジョナサン・ウィリアムス</span>(チャールトン/イングランド) <span style="font-weight:700;">ジョー・モレル</span>(リンカーン・シティ/イングランド) <span style="font-weight:700;">ウィル・ヴォークス</span>(カーディフ) <span style="font-weight:700;">ハリー・ウィルソン</span>(ボーンマス/イングランド) <span style="font-weight:700;">FW</span> <span style="font-weight:700;">ガレス・ベイル</span>(レアル・マドリー/スペイン) <span style="font-weight:700;">サム・ヴォークス</span>(ストーク・シティ/イングランド) <span style="font-weight:700;">ベン・ウッドバーン</span>(オックスフォード/イングランド) <span style="font-weight:700;">トム・ローレンス</span>(ダービー/イングランド) <span style="font-weight:700;">キーファー・ムーア(ウィガン/イングランド) <span style="font-weight:700;">ライアン・ヘッジズ</span>(アバディーン/スコットランド) 2019.08.21 17:30 Wed4
D・ジェームズ、同胞ベイルとの比較を望まず…憧れのマタ先輩との逸話も明かす
マンチェスター・ユナイテッドに所属するウェールズ代表FWダニエル・ジェームズが、レアル・マドリーでプレーする偉大なる同胞MFガレス・ベイルとの比較を望んでいないようだ。イギリス『スカイ・スポーツ』が伝えている。 昨夏、スウォンジー・シティからユナイテッドに加入したジェームズは、一時公式戦32戦ノーゴールという深刻なゴール日照りに苦しんだものの、今シーズンここまで公式戦37試合4ゴール7アシストを記録。初のビッグクラブで上々のシーズンを送っている。 フィニッシュの精度など改善点は多いが、爆発的なスプリント能力や勝負度胸といった特長は、利き足は異なるものの、若かりし頃のベイルを彷彿とさせる部分もある。 しかし、ジェームズ自身は“ベイルの後継者”といった周囲からの比較を快く思っていないようだ。 「ウェールズ代表で彼と一緒にプレーできることは本当に素晴らしいことさ」 「彼は本当に素晴らしい人間だし、若手や周りの人たちに対しても本当に良くしてくれるんだ」 「彼がこれまでのキャリアで成し遂げてきたことは本当に凄いよ。左サイドバックから左サイドハーフにポジションを上げ、チャンピオンズリーグまで勝ち取った。本当に偉大な功績だと思うよ」 「だから、彼は僕自身が尊敬しているプレーヤーの1人さ。だけど、現時点で自分が彼と比較されることは少しばかげていると思うよ」 尊敬するベイルとの比較を嫌ったジェームズだが、同じく尊敬する選手の1人である元スペイン代表MFフアン・マタに関しては雄弁な語りを披露。とりわけ、ユナイテッド加入時に受けた気遣いへの感謝を口にしている。 「誰もがリオネル・メッシを尊敬していると思うけど、僕が尊敬しているのはフアン・マタなんだ」 「僕らが初めて会ったとき、彼はロッカールームで僕の隣に座って、『君にとってどれほど重大な移籍かどうかはよくわかっているよ。だから、何か困ったときはこの(電話)番号に連絡してくれよ。もちろん、ロッカールームでもいつでも話しかけてほしい』って言ってくれたんだ。あれは本当に嬉しかったよ」 「それに彼はピッチの上でも本当に優雅だからね。心から尊敬している選手の1人なんだ。彼と同じチームでプレーできるなんて、本当に信じられないよ」 2020.05.02 21:31 Sat5
