「正直本番はこんなもんじゃない」ブラジルに善戦も気を引き締める吉田麻也「もっと突き詰めて、精度も強度も上げなければ」

日本代表のDF吉田麻也(サンプドリア/イタリア)がブラジル代表との一戦を振り返った。

6日、日本はキリンチャレンジカップ2022でブラジルと対戦した。
大雨の降るなか、日本代表としては初となる新国立競技場での初陣。ほぼベストメンバーの相手に開始早々に決定機を作られるなどしたが、粘り強く戦った。

この日の日本はブロックを引いて守備を固めるだけでなく、アグレッシブにボールを奪いに行き、攻撃的にもプレー。その中でも、局面を打開してくるブラジルに手を焼き、簡単にボックス内に侵入される回数が増えていった。

ゴールレスで粘り強く戦っていた日本だったが、後半にビルドアップのミスからPKを与えることに。ネイマールにまたしてもゴールを決められると、そのまま0-1で敗れてしまった。試合後、吉田はブラジルとの差について「課題と収穫は両方あると思います。実力差は点差以上にあるとも思います」とコメント。「プラン通り、守備のハメ方などできることもありました」と一定の手応えを語りながらも、「正直本番はこんなもんじゃないだろうなということで、0-1という結果に慢心することなく、もっと突き詰めて、精度も強度も上げなければいけないと思います」と、よりレベルアップが必要だと感じたようだ。

また、「本戦であれば0-0で終えなければいけないと思いますし、0-1になったときに1-1になんとかするサッカーをしなければいけない」と語り、「サイドに良いボールを配給してもっと良いプレーをさせる必要があったと思いますし、(三笘)薫が最後2回ぐらい仕掛けましたが、もっとそういうシーンを作らせられればと思いました」と、ただ負けるのではなく、リードされても追いつけるような力をつける必要があるとした。

この試合は守備はPKの1失点だった一方で、攻撃陣は枠内シュートが「0」と振るわなかった。吉田は攻撃については「崩し方はいくつか持っていた方が良いのと、セットプレーは確実に改善しなければいけないです」とコメント。「シンプルに真ん中にあげても相当強く、ドイツ、スペイン、仮にニュージーランドでも同じだと思います」とW杯本大会を考えても、パターンを持つ必要があるとし、「多くのデザインしたものを持たなければいけないと思いました」と、更なる改善を語った。

また、サイドアタックも上手くいかない場面が多く、ゴール前での決定機を作れない状況に。「正直真ん中硬いなと思いました」と語った吉田は、「古橋選手、前田選手に良いボールを供給できず、良さを生かしてあげられなかったです」とコメント。「サイドで伊東選手や南野選手、三笘選手がスペースある中でボールを持てるシーンを何度も作ることが大事になる」と、いかに後ろがそういう場面を作り出すかが大事だとし、「今日は相手のサイドバックにどれだけボールを持っていけるかが鍵でしたが、そこへの持って行き方を改善しないといけないです」と、狙いどころはあっても、そこにボールを出せないことを悔やんだ。

またビルドアップについては「今日やらないともっとできないですし、今日はトライしようということでたくさんやりました」と語り、「相手の出方も研究して、いろいろ対応していました」と、ブラジルの守り方も考えながら、難しい場面でも繋ごうとしたとコメント。「何度か奪われた所もありました。勇気と謙虚さのバランスはこれからも大事で、そこの見定めが非常に大事になると思います」と、消極的になるのではなく、冷静な判断力を身につける必要があると語った。