「W杯でできていたことをアジアカップでなぜやらないのか」2試合の問題点解消に一役買った堂安律が投げかけた疑問、改めて日本の力を感じる「優勝するべきチーム」

日本代表のMF堂安律(フライブルク)が、インドネシア代表戦について振り返った。24日、アジアカップ2023のグループD最終節が行われ、日本はインドネシアと対戦。互いに勝利すれば2位でのグループ突破が決まる中、試合は日本のペースで進んだ。開始2分、堂安のスルーパスを受けた上田綺世がボックス内で巧みにキープ。相手に倒されるとオン・フィールド・レビュー(OFR)の結果PKとなり、豪快に蹴り込んで先制する。
前半からしっかりと切り替えの早さを出して戦った日本。ゴールこそないものの押し込んでいくと、後半早々には左サイドを崩して上田が2点目を記録。さらに、88分には右サイドの伊東純也からのパスを受けた上田がボックス内で相手をかわして強引にシュートを放ち、オウンゴールで3-0とする。しかし、無失点で終わりたかった中、アディショナルタイムには警戒していたロングスローで失点。それでも3-1で勝利し、ラウンド16進出を決めた。

試合前にはかなり喝を入れ、自分が必要だと語っていた堂安。見事にプレーでその姿を見せたが、試合後のメディア取材では「克服すべきところと、チームとしては良い雰囲気ではない中で1試合目、2試合目に出ていない選手たちにとってはチャンスということで、そういう声かけはピッチ内でしていました。アピールできた選手が多かったと思います」とコメント。意識高く望めたとした。特筆すべきはプレスバックの鋭さと、アグレッシブに守備を続けた強度。「そこはベースだと思います。そこが評価されていた中で、これまでの2試合がどれだけ悪かったかがわかると思います」と語り、特別なことではなく、今までやれていたことをしっかりやっただけだと語った。

また「正直自分が良かったというよりも、今までの2試合が良くなかったということ。全選手が力を出せれば今日の試合はベースにあるべきだと思いますし、出ていない僕たちが起爆剤となるようにピッチで表現できました。改めて途中から入ってくる選手のクオリティの高さとか、純也くんとかができた時はピッチにいる選手からすれば頼もしさしかないです。優勝するべきチームだなと改めて思いました」と、クオリティの高さは持てていると振り返った。

同じカタールの地で約1年前に戦ったワールドカップ(W杯)では世界を驚かせたが、そのプレーがアジアカップでは出せていなかった。堂安は「W杯でできていたことをアジアカップでなぜやらないのか。アジアカップになればよりボールを持った時の攻撃の戦術が必要になるのはわかりますけど、それ以前にW杯で通用した良さは、しつこい守備や奪った後のカウンターで、結局今日も2点目は奪ってから早い攻撃でキツくない人数で攻撃を仕掛けました。ベースを表現した結果、1失点は余計ですけど良い試合だったと思います」と語り、日本が評価された部分を出せたという。

2ゴールに絡んだ堂安。1点目のPK奪取につながるパスについては「まさにあれは綺世と試合に入る前から話していた通りで、それを生かしてあげました」と上田との話し合いでイメージしていたとのこと。「ミャンマー戦でもあのような動きだしでゴールを決めていましたし、アイコンタクトっぽくできていました」と、息が合ったプレーだったという。

また2点目のカウンターからのゴールについては「名波さんがよくチームに落とし込んでいるクロスオーバーというか、選手が追い越して、クロスを上げるというもの」と、準備してきた形でもあるとし、「タケが上手くニアで潰れてくれて、あれがなければ後ろには溢れていないと思います。全選手がするべき仕事をした結果だと思います」と、ニアサイドに飛び込んだ久保建英(レアル・ソシエダ)のプレーが生きた結果の上田のゴールだと振り返った。

一方で、3度あった決定機を逸していた堂安。「あれが決勝ならかなり後悔しています」と振り返り、「このタイミングで良かったと自分に言い聞かせて休みたいですし、練習しなければいけないなと思います」と、ゴールへの意欲を口にした。