「サッカーを好きなままでいたいと思い決断」東京Vを昨季限りで退団のDF宮本優が25歳で現役引退…昨季在籍ヴェルスパ大分のフロントスタッフに
2025.01.23 10:28 Thu
昨季在籍のV大分でフロントスタッフに
東京ヴェルディは23日、昨シーズン限りで退団となったDF宮本優(25)の現役引退を報告した。
宮本は引退に際して、東京V、V大分を通じて以下のコメントを残している。
◆東京ヴェルディ
「2024シーズンでサッカー選手を引退する運びとなりました。先日の満了のコメントではここから這い上がろうと意気込んでいたにも関わらず、突然のご報告で裏切るような形になってしまい、応援していただいていた方々には本当に申し訳なく思っています。
両親に関しては感謝してもしきれません。両親の顔を思い浮かべて踏ん張れたからこそ今があります。
そして今までサッカーを通して出会えた全ての皆様に心から感謝申し上げます。本当に今までの出会いを振り返ってみると、人と運に恵まれたサッカー人生でした。
少しの努力とこれらの出会いが僕をプロサッカー選手へ導いてくれたのだと改めて思います。このコメントだけでは伝えきれないのでぜひ直接お会いした時に気持ちを伝えさせてください。
サッカー選手という職業は、輝かしい舞台の裏で常に自分と闘っています。そしてその背景があるからこそ、それをピッチで表現している姿を見て心を動かされ多くの感動や熱狂が生まれるのだと思います。そんな世界で戦い続ける選手たちを僕は本気でリスペクトできます。
サッカーが僕の人生に彩りを与えてくれて、出会うべき人に出会わせてくれて、未熟でどうしようもない僕にたくさんの経験を与えてくれました。
今後は昨年ご縁のあったヴェルスパ大分でクラブスタッフとして働かせていただくことになりました。また新しい形でサッカーに携われることに今は嬉しさと高揚感で溢れています。一年一年に人生をかけてクラブを選んでいることがわかる自分だからこそ、それに携われるこのクラブスタッフという職業を通して選手、クラブを最大限にサポートし、価値を最大化していきたいと思います。そして関わる選手一人一人が良し悪し関係なく、良い一年だった、自分の人生において重要な一年だったと思ってもらえるように自分の力を全てぶつけていきたいと思います。
サッカーを始めて20年間、そして3年間のプロサッカー選手生活には終止符を打ちますが、この経験は必ず今後に還元していきたいと思います。
僕にサッカーの楽しさを教えてくれたUKI -C.FC、サッカーをする前に人としての未熟さを徹底的に教えていただいたアカデミー熊本宇城、サッカー王国としてのプライドを叩き込んでくれた清水エスパルス、優秀な人たちとの出会いと、日本一の経験、サッカー選手も社会人の一つの職業だと教えてくれた法政大学、歴史と伝統があるクラブを背負う覚悟を熱量で伝えてくれた東京ヴェルディ、高知という地域愛でクラブはいくらでも成長していけるということを教えていただいた高知ユナイテッドSC、温泉県として温かい人柄と地域の優しさに伸び伸びとサッカーに打ち込めたヴェルスパ大分。
最後に、、、
サッカー界にはいますのでまた再会できることを楽しみにしています。本当に今までお世話になりました。これからの宮本優もよろしくお願いいたします。また会いましょう!」
◆ヴェルスパ大分
「選手は引退して、ヴェルスパのフロントスタッフという形でまた一緒に闘わせてもらえる運びとなりました。違う立場にはなりますが目指す方向、そのための情熱は変わりません。僕の選手としての3年間はすごく過酷な時間でした。しかしその経験で得られたものはとても大きなものがあります。だからこそぼくが今1番選手を理解して接することのできる人材だと思っています。選手が苦しい時に足が一歩動くように、本来の力が発揮できている時に軌道に乗せられるように全面的にサポートしていきたいと思います。そして自分の力で周りの方々の協力を得ながら、この素晴らしいクラブにいる素晴らしい選手達の価値をより多くの人に、地域に広めていきます。改めてヴェルスパ大分のみなさん、引き続きよろしくお願いいたします!」
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宮本は熊本県出身で、清水エスパルスユース、法政大学を経て2022年に東京V入り。ルーキーイヤーはJ2リーグ9試合に出場し、2023シーズンは日本フットボールリーグ(JFL)の高知ユナイテッドSC、2024シーズンは同じくJFLのヴェルスパ大分へと期限付き移籍していた。昨シーズン限りで東京V、期限付き移籍先のV大分との契約が終了したなか、JPFAトライアウトにも参加し、現役続行の道を探っていたが、最終的に25歳でスパイクを脱ぐ決断を下した。◆東京ヴェルディ
「2024シーズンでサッカー選手を引退する運びとなりました。先日の満了のコメントではここから這い上がろうと意気込んでいたにも関わらず、突然のご報告で裏切るような形になってしまい、応援していただいていた方々には本当に申し訳なく思っています。
なかなか思うようにチームが決まらず、何事に対しても逃げるという選択だけはしたくないと思いながら今までの人生を過ごしてきましたが、それ以上にサッカーを好きなままでいたいと思い、この決断をさせていただきました。
両親に関しては感謝してもしきれません。両親の顔を思い浮かべて踏ん張れたからこそ今があります。
そして今までサッカーを通して出会えた全ての皆様に心から感謝申し上げます。本当に今までの出会いを振り返ってみると、人と運に恵まれたサッカー人生でした。
少しの努力とこれらの出会いが僕をプロサッカー選手へ導いてくれたのだと改めて思います。このコメントだけでは伝えきれないのでぜひ直接お会いした時に気持ちを伝えさせてください。
サッカー選手という職業は、輝かしい舞台の裏で常に自分と闘っています。そしてその背景があるからこそ、それをピッチで表現している姿を見て心を動かされ多くの感動や熱狂が生まれるのだと思います。そんな世界で戦い続ける選手たちを僕は本気でリスペクトできます。
サッカーが僕の人生に彩りを与えてくれて、出会うべき人に出会わせてくれて、未熟でどうしようもない僕にたくさんの経験を与えてくれました。
今後は昨年ご縁のあったヴェルスパ大分でクラブスタッフとして働かせていただくことになりました。また新しい形でサッカーに携われることに今は嬉しさと高揚感で溢れています。一年一年に人生をかけてクラブを選んでいることがわかる自分だからこそ、それに携われるこのクラブスタッフという職業を通して選手、クラブを最大限にサポートし、価値を最大化していきたいと思います。そして関わる選手一人一人が良し悪し関係なく、良い一年だった、自分の人生において重要な一年だったと思ってもらえるように自分の力を全てぶつけていきたいと思います。
サッカーを始めて20年間、そして3年間のプロサッカー選手生活には終止符を打ちますが、この経験は必ず今後に還元していきたいと思います。
僕にサッカーの楽しさを教えてくれたUKI -C.FC、サッカーをする前に人としての未熟さを徹底的に教えていただいたアカデミー熊本宇城、サッカー王国としてのプライドを叩き込んでくれた清水エスパルス、優秀な人たちとの出会いと、日本一の経験、サッカー選手も社会人の一つの職業だと教えてくれた法政大学、歴史と伝統があるクラブを背負う覚悟を熱量で伝えてくれた東京ヴェルディ、高知という地域愛でクラブはいくらでも成長していけるということを教えていただいた高知ユナイテッドSC、温泉県として温かい人柄と地域の優しさに伸び伸びとサッカーに打ち込めたヴェルスパ大分。
最後に、、、
サッカー界にはいますのでまた再会できることを楽しみにしています。本当に今までお世話になりました。これからの宮本優もよろしくお願いいたします。また会いましょう!」
◆ヴェルスパ大分
「選手は引退して、ヴェルスパのフロントスタッフという形でまた一緒に闘わせてもらえる運びとなりました。違う立場にはなりますが目指す方向、そのための情熱は変わりません。僕の選手としての3年間はすごく過酷な時間でした。しかしその経験で得られたものはとても大きなものがあります。だからこそぼくが今1番選手を理解して接することのできる人材だと思っています。選手が苦しい時に足が一歩動くように、本来の力が発揮できている時に軌道に乗せられるように全面的にサポートしていきたいと思います。そして自分の力で周りの方々の協力を得ながら、この素晴らしいクラブにいる素晴らしい選手達の価値をより多くの人に、地域に広めていきます。改めてヴェルスパ大分のみなさん、引き続きよろしくお願いいたします!」
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東京Vが名古屋とのTMで3-3ドロー…ともに主力起用の1本目で手応えも城福監督「あのインテンシティを60分よりも長くしていきたい」
東京ヴェルディは28日、沖縄の黄金森公園陸上競技場で行われた名古屋グランパスとのトレーニングマッチ(45分×4)を戦い、3-3で引き分けた。 昨シーズンのJ1で6位の東京Vは沖縄キャンプのトレーニングマッチ4試合目で2024シーズンのルヴァンカップ王者でJ1リーグ13位の名古屋と対戦した。 1本目と2本目は共に主力を起用。[3-4-2-1]の東京VはGKにマテウス、ディフェンスラインに林尚輝、千田海人、谷口栄斗。ウイングバックに宮原和也、松橋優安、2セントラルMFに齋藤功佑、平川怜。2シャドーに山見大登、福田湧矢、1トップに木村勇大が入った。 対した同じく[3-4-2-1]の名古屋はGKにピサノアレックス幸冬堀尾、原輝綺、三國ケネディエブス、河面旺成。ウイングバックに中山克広、徳元悠平、2セントラルMFに加藤玄、稲垣祥。2シャドーにマテウス・カストロ、和泉竜司 、1トップにキャスパー・ユンカーが入った。 1本目は互いに立ち上がりからボールの前進に苦戦し、なかなかフィニッシュまで持ち込めないクローズな展開に。それでも、球際の強度、切り替えの速さで上回る東京Vが前半半ばを過ぎて主導権を握った。決定機まであと一歩という場面が続いたが、前半終了間際には後方からのフィードを絶妙なファーストタッチで収めた齋藤を起点に、前線の木村が丁寧にボックス右のスペースに流したボールを宮原がGKの右の肩口を射抜く鋭いシュートで突き刺し、東京Vが0-1のスコアで終えた。 2本目もほぼ同じメンバーで臨んだが、1本目から一転して序盤から名古屋の攻勢を受けた。5分、ボックス内で仕掛けた原を福田が倒してPK献上。これをキッカーの稲垣に決められると、以降も名古屋優勢の時間が続く。そして、28分にボックス左へ抜け出した永井謙佑に角度のないところからグラウンダーシュート、42分には波状攻撃から中山、山岸祐也の連続シュートはGKマテウスが連続セーブも、こぼれ球を加藤に押し込まれ、0-3で終了。 3本目は2本目で途中出場した選手、3本目からの出場となった選手同士の対戦になると、東京Vが畳みかける攻めでゴールを重ねた。3分、左サイドに流れてうまく背後を取った染野唯月の正確な折り返しを、ゴール前にフリーで走り込んだ白井亮丞がスライディングシュートで合わせる。 直後の10分には3バックの右に入った内田陽介の好判断を起点に、翁長聖の背後を狙った絶妙なダイレクトスルーパスに反応した染野が飛び出したGKの頭上を抜く見事なミドルループシュートを流し込んだ。以降は名古屋に決定機を許す場面もあったが、最終的に0-2のスコアとなった。 練習生や若手がメインとなった4本目は本来のポジションではない選手の起用法の影響などもあり、行ったり来たりの落ち着かない展開となったが、0-0のスコアで終了。4本合計の最終スコアは3-3となった。 同試合後、城福浩監督は「1本目はすごくよかった」と相手に決定機らしい決定機を作らせず、狙い通りの形で得点まで奪った1本目の戦いを評価。 「ゲームごとに課題を抽出し共有してトレーニングをしてという意味では、攻守において一つひとつがかなり課題をクリアしていったようなゲームだったと思いますし、前半(1本目)最後の得点も、まさに昨日の(練習の)最後に我々が狙っていたようなビルドアップから点を取れたので、そこは本当によかった」 一方で、終始相手のペースとなった2本目に関して失点場面は「(戦術)ボードを見ていて確認できなかった」としながらも、強度の高いキャンプ中のトレーニングの影響は感じながらも、守備やプレー強度の部分で物足りなさがあったことを課題に挙げた。 「印象的には中盤のところのボールホルダーに対しての距離が少し離れ気味だった。60分ぐらいまでにもう1回立て直しましたが、アプローチの距離が長くなってしまって、それこそみんなが本当に靴1足分遠くなったというか、その間合いのなかでは、相手もどんどんいいところにボールを差し込んで、ペナ周辺まで運んで走り込まれますし、相手にはそういう精度の高さがある。あのインテンシティを60分よりも長くしていきたい」 「あとは交代選手のところの入り方というのは、今日は全くダメだった。そういうところをまた1個ずつ潰せればいいかなと思います」 また、3本目と4本目で最前線に入り、1ゴール1アシストに加えて前線で抜群の収まり、ボールのオン・オフに関わらず、質の高いプレーを見せた染野については「今日は1トップで起用しましたが、本当に自分のストロングをすごく意識してプレーしてくれたなと思います」と、シャドーとの併用が続くなか、1トップで印象的な活躍を見せた背番号9を評価した。 練習試合ではあるものの、古巣相手にヴェルディ加入後では初となるゴールを挙げた宮原は「背後に抜け出そうと思っていいタイミングでもらえたことがよかったです。シュートは駆け引きしながらという感じでした」と、自身のゴールを振り返った。 指揮官同様に1本目の出来に手ごたえを感じた一方、劣勢となった2本目に関しては体力面のキツさを踏まえても、もっとやりようがあったと反省している。 「やっぱりキャンプで追い込んでいるなかで、きついと思いますけど、試合の入りのところとかは、みんなで試合(公式戦)をイメージしようと話していました。1本目はセカンドも含めていい意識でやれたと思います」 「もちろん体力的な部分もありますが、それを含めても自分たちは立て続けに失点してしまったので、そこはもう少し何とかできたと思いますし、そこ課題かなと思います」 チーム2点目を記録した白井は「ソメくんのクロスのおかげ」と謙遜しながらも、状況を冷静に判断できたことが自身のゴールに繋がったと語った。 「いい形でソメくん(染野)が前を向けたので、1個前のタイミングで背後に抜けてボールをもらう意識でしたが、ディフェンダーもいい対応していたので、そのままソメくんはああいう形でキーパーとディフェンスラインの間にクロスを上げる人なので、そこを狙って走り込みました。本当に当てるだけだったので、ソメくんのクロスのおかげです」 それ以外のプレーでもユースから昇格2年目で成長を示した生え抜きFWは「名古屋がガッツリとマンツーマンだったので、自分のやるべきことが明確で、やりやすいというか、目的を持ってプレーできました」、「今日はヒジくん(翁長)と同サイドで、たくさん声をかけてもらって、守備のやり方的には今日でだいぶ理解できてきたと思っているので、それをここから学んだことを生かしていきたいです」と攻守両面で課題とともに手応えを実感している。 トップチームデビュー戦となった天皇杯のFC東京戦の鮮烈なデビューゴールなど、以前からトレーニングマッチで結果を残している点については「何か点を取るというのか、(目に見える)結果を出すというのが、自分の強みだと思っているので、そこは自分の感覚に頼って動いています」とその秘訣を明かした。 新加入組では福田とともに1本目、2本目の主力組でプレーした平川が攻守両面で印象を残した。 個人としては「攻撃の部分も守備の部分もチームとしてのやるべきことに対して、自分もフィットしてきている。まだまだたくさんやるべきことはあると思いますが、だんだんこういう試合を重ねるごとによくなってきています」と手応えを口に。 一方、チームとしてはここまでPK戦勝利のFC琉球戦を含めて2敗2分けの未勝利と結果が出ていない部分に関しては「やっぱり前半と後半で違うゲームにしてしまったのが一番の原因」とその要因を指摘。 それでも、「ただ、前半にああいうプレーができるというのも自分たちの力だと思いますし、やっていることの正しさを証明している。あとはその時間を増やしたり、練習試合ですけど、もっと細かいところにこだわる必要があるのかなと感じています」とポジティブな捉え方をしている。 ◆トレーニングマッチ結果 名古屋グランパス 3-3 東京ヴェルディ ▽1本目 0-1 得点者 45分+1 宮原和也(東京V) ▽2本目 3-0 得点者 5分 稲垣祥(名古屋) 28分 永井謙佑(名古屋) 42分 加藤玄(名古屋) ▽3本目 0-2 得点者 3分 白井亮丞(東京V) 10分 染野唯月(東京V) ▽4本目 0-0 2025.01.28 19:31 Tue3
新天地で早くも存在感示すMF福田湧矢…「間違いなくヴェルディのプラスになる」G大阪時代からの恩師も期待
東京ヴェルディに今シーズンから加入したMF福田湧矢が、新天地で順調なスタートを切っている。 生まれは福岡県北九州市ながら幼少期からガンバ大阪のファンだった福田は、東福岡高校で背番号10を背負った高体連屈指のアタッカーとして、2018年に憧れのクラブでプロキャリアをスタート。 同シーズンのリーグ開幕節でいきなりスタメンデビューとなる華々しいスタートを切ったが、以降は度重なるケガの影響でメインキャストを担うまでには至らず。2024シーズンはJ1第35節の名古屋グランパス戦で復活のゴールを記録したが、リーグ戦7試合1得点、天皇杯2試合の出場にとどまった。 そんななか、今冬の移籍市場では7年間を過ごしたG大阪を離れる大きな決断を下し、「ヴェルディのために自分のサッカー人生の全てをかけて戦います」という強い覚悟とともに自身初の移籍を果たした。 初の移籍とはなったものの、同い年でG大阪のチームメイトだったFW山見大登、短期間ながらガンバ大阪U-23でともにプレーしたMF食野壮磨の旧知の2人に加え、同世代や若手の多いチームへ馴染むのに時間はかからず。 沖縄キャンプでは日々のトレーニング、トレーニングマッチでも城福浩監督が志向するスタイルにすぐさま順応し、新加入選手のなかではアピールに成功している選手の筆頭だ。 左のウイングバックを主戦場に、1月28日に行われた名古屋グランパスとのトレーニングマッチでは2シャドーの一角でもプレー。最大の持ち味である推進力や切れ味鋭いドリブル突破でチャンスに絡みつつ、守備においても素早い切り替え、イーブンボールに対するアグレッシブなチャレンジと城福監督が志向するスタイルを体現した。 その名古屋戦について福田は「シャドーでのプレーはいつぶりかわからないぐらい久々で、感覚を思い出しながらのプレーでした」と個人として試行錯誤の一戦だったと振り返る。 「元々、ガンバのときにウイングバックもサイドバックをやっている時期もありましたし、その辺では困るようなことはないですね。逆に、シャドーの方がちょっと考えることが多い印象です」。 「昨日は芝の影響も多少ありましたが、まだ合わせるというところでは、もうちょっと時間がかかるかなとは思います」と、アタッキングサードでの連携面を課題として語った。 一方、ここまで新チームへの順応に関しては手応えを感じている。とりわけ、ガンバ大阪U-23でプロのイロハを叩きこまれ、東京V移籍に際しても決断の大きな要因のひとつにもなった森下仁志コーチ仕込みの守備面やハードワークへの自信を語る。 「守備のところはガンバ時代に仁志さん(森下コーチ)にかなりしごかれたので、めちゃめちゃできるようになって、逆にそれが強みになったという感じです。だからこそ、そこまでヴェルディに入ったから何かを変えることもなく、今までの自分のレベルを上げていったらすぐ馴染めるなと思っていました。ただ、それにプラスして意識は上がっているので、それがより速くなっている印象です」 その福田と東京Vで再会することになった森下コーチは、改めて教え子の人となりについて語ってくれた。 出会った当時はプロとして自身の特徴を出すことに苦労していたものの、高い向上心と物おじしないメンタリティによって、一人の指導者としても必ず伸びるタイプの選手だと感じていたという。 「僕が湧矢と出会ったときは、彼がプロに入って2年目。そのときに湧矢は1年目の開幕戦で高卒デビューして、その後はチームも彼もうまくいかずになかなか試合にも出られず。僕とは2年目の最初に出会って、そのときは自分の特徴というか、自分がどうやってこの世界で生きていくかで迷っている状況でした」 「その頃(のガンバ大阪U-23)はみんなが生きるか死ぬか。当時、僕が見させてもらっていた選手はそういう状況の選手たちだったので、やっぱりこの世界でいかに生きていけるか、生き抜いていくかというところで、それに何が必要かを常に練習から問いかけていました。彼は一番そういう部分(前述のハードワーク)が得意なところだった。すごく純粋で素直で、なんでも一生懸命にやる子なので、飲み込みというか、そういうのはすごく早かったです」 「ここ1、2年はケガが続いて心配して見ていた」と語るようにG大阪で不完全燃焼の日々が続いていたが、森下コーチは強い覚悟を持って東京Vへの移籍を決断した愛弟子の復活、さらなる躍進を確信している。 「(昨季終盤戦で)ケガから回復してだんだん状態も上がってきているなと。それでヴェルディから話があるということでした。彼もプロでの経験を積んできただけに、すごく覚悟を決めて、ここが勝負だと考えて来たと思います。昨日の試合(名古屋戦)を見ても、だいぶ僕が以前から知っている最高の湧矢に近づいている。やればやるほど良くなっていくと思います」 「元々とてもサッカーが上手な子ですし、ボールを持てるというか、ドリブルが得意な選手なので、ましてやメンタル的にもプレーを怖がらないですし、本当に体の状態だけ。間違いなくヴェルディのプラスになってくれると思いますし、だんだん習慣が上がっていけば、もう一回盛り返すというか、もう一度インパクトを残せる選手になると思います」 恩師の期待を受けながら捲土重来を期す新シーズンに向け福田は「一番はケガなく」とシーズンを通してのフル稼働を目標に掲げつつ、「一度去年のことは忘れて、また新しい1年と捉えて、去年以上の結果を出せるように、みんなで努力していきたい」と意気込む。 また、個人としては「ドリブルや局面を打開するところだったり、相手を剥がすところだったりで違う色を出していけたらなと思います」と、昨季J1リーグ6位に躍進したチームに新たな武器をもたらしたいとの決意を示した。 2025.02.02 16:00 Sun4