「調子は良い」サウジ戦圧巻パフォーマンスの守田英正、アジア杯の悔しさも糧に「数字に少しこだわり始めた」
2024.10.14 00:23 Mon
オーストラリア戦の活躍も期待される守田英正
日本代表のMF守田英正(スポルティングCP)が敵地で勝利したサウジアラビア代表戦や15日にホームで戦うオーストラリア代表戦についてコメントした。
2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予戦を戦う日本。鬼門となっていたアウェイのサウジアラビア戦を完封勝利で終えたなか、13日には、オーストラリア戦の舞台となる埼玉スタジアム2002で帰国後2日目のトレーニングをこなした。
サウジアラビア戦では圧巻のパフォーマンスを披露し、ファンが選ぶ「Player of the Match」にも輝いた守田。「ファンの目が肥えてきたんじゃないかなと思います」と笑いを誘いつつ、好調を自分でも自覚していると明かした。
「調子良いですし、今まであまり数字に貢献できてなかったですけど、そういったところも今は2試合連続、立て続けに貢献できていますし。そうじゃなくても、ボランチとしてやるべきことをしっかり今はできているかなと自分でも思える部分はあるんで、調子は良いですね」
また、1月から2月にかけて戦い、準々決勝敗退に終わったAFCアジアカップからも大きな変化が。課題をクラブに持ち帰り、改善に努めたという。
さらに、先日のサウジアラビア戦のプレーにも言及。より効果的なやり方もあったと振り返っている。
「もっとはっきり(最終ラインに)落ちきって4枚になった方が、もっと前向きに相手をおびき寄せたなかで、有効的にスペースも時間も使えたなと」
「半分降りてるけど、降りきらないから相手もついてこれるし、相手の足が止まってなかったかなと思うんで。降りきるなら降りきって、もっとディフェンスラインを深く保てれば」
「無駄に高いとバックパスが全部後ろ向きになってしまって、(GK鈴木)彩艶が蹴るだけになってしまっていた。下がるなら思いきって深みを作って、前向きでもう一回やり直すというか」
「相手にへそを向けて相手の足を止めるとか、そういうのが必要かなと。リリースが早すぎたりとかもあったし、1枚引きつけてリリースするとかそういうのがないと。どこかで爆発するというか、奪われてしまうのかなと思います」
「前まではフリーマンが見えたらそこにすぐ出すみたいなものを心がけてサッカーしていたのが、ここ数年というか、ヨーロッパに行ったくらいからそういうものじゃないなみたいなものは感じていて」
「遊びのパスとかすごく簡単に言っていたんですけど、無駄なパスになりうる可能性があるというか、それがスイッチになったりすることがすごくあるんで、必要以上に無駄なパスをしないようには心がけていますかね。悩んでいるところですけど」
今度は4連勝が懸かるホームでのオーストラリア戦。サポーターの後押しを背に、引き続きの無失点を誓っている。
「ホームでできることはありがたいですし、アウェイですごい歓声のなか、彼ら(サウジアラビア)が羨ましいというか、すごい良い雰囲気だなって思いながらのアウェイでした。今回は僕らがそういう恩恵を受けると思いますし、サウジアラビア戦を経て楽しみに待っているサポーターの方々が多いと思っています。あと地上波で放送されると思うので、がんばりたいなと思います」
「(サウジアラビア戦の)課題を挙げれば守備の部分も結構あったんですけど、それでも結果的に決められなかったっていうのは、大枠で捉えたら良いことだと思います。なので、苦しい時間もあるでしょうけど、耐えて0でとりあえずいきたいですかね」
2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予戦を戦う日本。鬼門となっていたアウェイのサウジアラビア戦を完封勝利で終えたなか、13日には、オーストラリア戦の舞台となる埼玉スタジアム2002で帰国後2日目のトレーニングをこなした。
サウジアラビア戦では圧巻のパフォーマンスを披露し、ファンが選ぶ「Player of the Match」にも輝いた守田。「ファンの目が肥えてきたんじゃないかなと思います」と笑いを誘いつつ、好調を自分でも自覚していると明かした。
また、1月から2月にかけて戦い、準々決勝敗退に終わったAFCアジアカップからも大きな変化が。課題をクラブに持ち帰り、改善に努めたという。
「あれ以降、本当にいろいろ悩んだし、自分のこともう一回見つめ直したなかで、結局一対一の個の部分がまだまだ弱いなと感じました。それでクラブに帰ってからも、目に見えるデュエルの勝率だったりとか、数字に少しこだわり始めたんで、そこは今ここに来て、良くなってきている部分かなと思います」
さらに、先日のサウジアラビア戦のプレーにも言及。より効果的なやり方もあったと振り返っている。
「もっとはっきり(最終ラインに)落ちきって4枚になった方が、もっと前向きに相手をおびき寄せたなかで、有効的にスペースも時間も使えたなと」
「半分降りてるけど、降りきらないから相手もついてこれるし、相手の足が止まってなかったかなと思うんで。降りきるなら降りきって、もっとディフェンスラインを深く保てれば」
「無駄に高いとバックパスが全部後ろ向きになってしまって、(GK鈴木)彩艶が蹴るだけになってしまっていた。下がるなら思いきって深みを作って、前向きでもう一回やり直すというか」
「相手にへそを向けて相手の足を止めるとか、そういうのが必要かなと。リリースが早すぎたりとかもあったし、1枚引きつけてリリースするとかそういうのがないと。どこかで爆発するというか、奪われてしまうのかなと思います」
「前まではフリーマンが見えたらそこにすぐ出すみたいなものを心がけてサッカーしていたのが、ここ数年というか、ヨーロッパに行ったくらいからそういうものじゃないなみたいなものは感じていて」
「遊びのパスとかすごく簡単に言っていたんですけど、無駄なパスになりうる可能性があるというか、それがスイッチになったりすることがすごくあるんで、必要以上に無駄なパスをしないようには心がけていますかね。悩んでいるところですけど」
今度は4連勝が懸かるホームでのオーストラリア戦。サポーターの後押しを背に、引き続きの無失点を誓っている。
「ホームでできることはありがたいですし、アウェイですごい歓声のなか、彼ら(サウジアラビア)が羨ましいというか、すごい良い雰囲気だなって思いながらのアウェイでした。今回は僕らがそういう恩恵を受けると思いますし、サウジアラビア戦を経て楽しみに待っているサポーターの方々が多いと思っています。あと地上波で放送されると思うので、がんばりたいなと思います」
「(サウジアラビア戦の)課題を挙げれば守備の部分も結構あったんですけど、それでも結果的に決められなかったっていうのは、大枠で捉えたら良いことだと思います。なので、苦しい時間もあるでしょうけど、耐えて0でとりあえずいきたいですかね」
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日本代表MF守田英正(スポルティングCP)が日本代表MF久保建英(レアル・ソシエダ)のオフの姿を公開している。 20日に行われたキリンチャレンジカップ2023にてペルー代表と対戦し、4-1で勝利した日本。15日のエルサルバドル代表戦(6-0)に続く大量得点で勝利を収めた。 海外組の選手たちにはこれでシーズンが終了しオフシーズンへと入ることとなるが、さすがにお疲れの選手もいるようだ。 守田が21日に自身のSNSを更新。「22/23シーズン終了1年間一緒に戦ってくれてありがとうございました。23/24は飛躍の年にします」と新シーズンへの意気込みが綴られているが、おまけで「※可愛い久保を置いときます」とも記されている。 守田はチームバスの中で隠し撮りした1枚の写真を投稿。隣の座席に座った久保が、守田の肩に寄りかかるようにして寝ている。 その姿にはファンも「ナイスすぎる」、「可愛い」、「タケ可愛すぎる」、「タケの弟感好き」と反応。チームメイトにしか撮ることができないような姿に注目している。ただ、久保本人は「愛してるけどこれはダメよ!ブロー」と冗談交じりに怒っていた。 ポルトガルとスペインで充実のシーズンを過ごした2人。まずはオフ期間にしっかりと体を休めてもらいたい。 <span class="paragraph-title">【写真】守田が激写した久保の寝顔</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">22/23シーズン終了<br>1年間一緒に戦ってくれてありがとうございました。<br>23/24は飛躍の年にします。<br><br>※可愛い久保を置いときます <a href="https://t.co/ovlT7Hx7UC">pic.twitter.com/ovlT7Hx7UC</a></p>— Hidemasa Morita/守田英正 (@mrt_510) <a href="https://twitter.com/mrt_510/status/1671180143740727304?ref_src=twsrc%5Etfw">June 20, 2023</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2023.06.21 12:35 Wed4
ベストイレブン発表!最強王者川崎Fから史上最多9名が選出!《2020Jリーグアウォーズ》
22日に行われた2020Jリーグアウォーズにおいてベストイレブンが発表された。 新型コロナウイルスの影響で多分に漏れず一時中断を強いられたJリーグも無事閉幕。例外的な過密スケージュールとなった中、2年ぶり3度目の王者に輝いた川崎フロンターレはまさに圧巻だった。 J1新記録の12連勝や最速優勝をはじめ、史上最多勝ち点(83)や史上最多得点(88)、史上最多得失点(57)など数々の記録を塗り替え、まさに完全優勝。 そして、そんな川崎Fを締めくくったのは、ベストイレブン最多選出だ。これまで1チームあたりの最多選出は、2018年の川崎Fと2002年のジュビロ磐田、1994年のヴェルディ川崎の7人だったが、今季はなんと9人が選出。GKからMFまで全て川崎Fの選手が並んだ。 2トップには、得点王で今季MVPを受賞した柏レイソルFWオルンガと、そのオルンガに次ぐ18得点を挙げた鹿島アントラーズFWエヴェラウドが選ばれた。 なお、2度目の選出となるチョン・ソンリョン、谷口彰悟、家長昭博を除く8名は初選出となった。 <span style="font-weight:700;">◆ベストイレブン</span> ※<I>カッコ内は受賞数</I> GK <span style="font-weight:700;">チョン・ソンリョン</span>(川崎フロンターレ/2回目) DF <span style="font-weight:700;">山根視来</span>(川崎フロンターレ/初) <span style="font-weight:700;">ジェジエウ</span>(川崎フロンターレ/初) <span style="font-weight:700;">谷口彰悟</span>(川崎フロンターレ/2回目) <span style="font-weight:700;">登里享平</span>(川崎フロンターレ/初) MF <span style="font-weight:700;">家長昭博</span>(川崎フロンターレ/2回目) <span style="font-weight:700;">守田英正</span>(川崎フロンターレ/初) <span style="font-weight:700;">田中碧</span>(川崎フロンターレ/初) <span style="font-weight:700;">三笘薫</span>(川崎フロンターレ/初) FW <span style="font-weight:700;">オルンガ</span>(柏レイソル/初) <span style="font-weight:700;">エヴェラウド</span>(鹿島アントラーズ/初) 2020.12.22 21:02 Tue5
守田英正にライバル出現! スポルティングCPが20歳のギリシャ代表MFアレクサンドロプーロスを完全移籍で獲得
スポルティングCPは29日、パナシナイコスのギリシャ代表MFソティリス・アレクサンドロプーロス(20)を完全移籍で獲得したことを発表した。 契約期間は2027年夏までの5年間、契約解除金として6000万ユーロ(約83億円)が設定されている。 アレクサンドロプーロスはパナシナイコスの下部組織育ち。2019年7月にファーストチームに昇格を果たした。 これまで公式戦77試合に出場し2ゴール4アシストを記録。2021-22シーズンはギリシャ・スーパーリーグで22試合に出場し1ゴール3アシストを記録していた。 主戦場はディフェンシブなセントラルミッドフィルダー。186cmの長身で、運動量も豊富。ボックス・トゥ・ボックスのプレーヤーで、攻守にわたって幅広くプレーし、今夏加入した日本代表MF守田英正にとっては強力なライバル出現となった。 ギリシャ代表としても2021年3月にデビューし5試合に出場。ウォルバーハンプトンへ移籍したポルトガル代表MFマテウス・ヌネス(23)の後釜として期待が寄せられている。 <span class="paragraph-title">【写真】守田英正のライバルとなるアレクサンドロプーロス</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"> <a href="https://t.co/Kk6FZkazRd">https://t.co/Kk6FZkazRd</a><a href="https://twitter.com/hashtag/EuSouSporting?src=hash&ref_src=twsrc%5Etfw">#EuSouSporting</a> <a href="https://t.co/SA451TM9Hg">pic.twitter.com/SA451TM9Hg</a></p>— Sporting Clube de Portugal (@Sporting_CP) <a href="https://twitter.com/Sporting_CP/status/1564338113647968258?ref_src=twsrc%5Etfw">August 29, 2022</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2022.08.30 11:47 Tue日本代表の人気記事ランキング
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J3から日本代表へ 苦労人・安藤智哉、突きつけられた“現実”から手にした日本代表に生き残るための“クローザー”起用
J3からJ2、そしてJ1へ。段階を踏むように成長してきたDF安藤智哉は、2025年の日本代表活動でついに日の丸を背負った。だが、そこでは手応えと同じだけ、国際基準の厳しさも突きつけられた。残念ながら出番を与えられなかった11月18日のボリビア代表戦後、ミックスゾーンを通った安藤に声をかけると「もっと日常を変えないとこの先はない」と課題を口にする。 それでも怪我人が続出する最終ラインにおいて、190cmの高さ、3バックのどこでも対応できる柔軟性は確かな武器。ワールドカップを見据えて重要なオプションになり得るだろう。そんな遅咲きのセンターバックは、日の丸を背負って改めて何を感じたのか。 ■国際基準の前で実感した“成長の必然性”と向き合う課題 年内の代表活動を終えた安藤の最初の言葉は、喜びではなく厳しい自己評価だった。 「もっと日常を変えていかないとこの先はない。自分との戦いですし、これまで以上にもっと成長が必要。アビスパでの活躍が大事になってくる」 国内組で構成されたメンバーで臨んだ7月のEAFF E-1サッカー選手権2025で、日本代表デビューを飾り、2試合に出場して2大会連続3度目となる優勝に貢献した。怪我による辞退となったが、海外組も交えた9月のアメリカ遠征のメンバーにも選出されるなど一気に評価を高めた。 その後も継続してメンバー入りすると、11月14日のガーナ代表戦、75分からピッチに立つ。限られた出場時間の中で手応えもあった。「高さでは負けない」。これは安藤が国内外の相手に通用する確信として得たものだ。一方で、同時に浮き彫りになったのは“1対1の局面”における国際水準とのギャップだった。 「剥がされないこと、中を切ること、奪った後のパスを前につけるところ。ついていく、一歩寄せる、寄せた後のドリブルへの対応……まだまだ挙げればキリがない」 言葉のひとつひとつに、試合に出られなかったもどかしさと、より高い基準に近づく必要性が滲む。 「試合に出られないからというのもあるけど、一番はもっとレベルアップしたいという思い。海外組とは差がある」 E-1でのデビュー、そしてフル代表での招集。階段は確かに上った。しかし、その先を望むなら、日常の基準ごと変えなくてはいけない。そう気づかせた1年だった。 「自分次第で変われる、自分次第で掴めるというのをこの1年で感じた。まだまだ上に行きたい思いが強くなった」 国際舞台で痛感した課題は、安藤の中で確かな危機感へと変わっている。 ■求められた役割を“こなしてきた”強み──代表に必要な高さと柔軟性 では、課題がある中でなぜ安藤は代表で呼ばれ続けるのか──。それは、彼がキャリアを通して示してきた“適応力”に理由がある。 J3今治ではフィジカルと空中戦の強さを磨き、J2大分では守備構造の理解と3バックの経験を積んだ。福岡ではJ1の強度に適応しつつ、3バックの左だけでなく中央でもプレー。求められるタスクを遂行し、役割が変わっても結果を出してきた。 「アビスパでは3バックのどこでも使ってもらっていますが、それは代表でも生きている。どこがやりやすいとかはない。出られればどこでも。その立場ではない」 この柔軟性は、今の代表にとって大きな価値を持つ。 森保ジャパンはDF冨安健洋(無所属)、DF伊藤洋輝(バイエルン/ドイツ)、DF町田浩樹(ホッフェンハイム/ドイツ)、DF高井幸大(トッテナム/イングランド)ら、コアメンバーに負傷者が続き、試合ごとに構造や最終ラインの組み合わせが変わる状況が続いた。ワールドカップを見据えても、彼らが万全の状態で臨めるかは未知数だ。そこで、190cmの高さを持ちながら、右・中央・左のすべてをこなせるCBは希少だ。 さらに、安藤自身も日本代表での役割を「クローザー」として自覚している。 「スタメンの機会はなかったが、逆にクローズの部分でチョイスされるように。安藤が入ったら守り切る安心感を持たせたい」 リードを守り切る終盤、セットプレーの局面、相手のロングボールが増える時間帯。日本代表の“最終ライン”を支えるピースとして、安藤の役割は明確だ。 そして、本人はその立場に甘んじるつもりはない。 「これからの自分の取り組み次第。福岡に帰ってアピールしていくだけ」 高さ、適応力、実直な成長曲線。代表で求められる要素と、安藤が積み上げてきたキャリアは確かに接続している。 取材・文=川嶋正隆 2025.11.28 19:00 Fri2
6番+8番+10番。鎌田大地がボリビア戦で示した“シン・ボランチ像”
ゴール前で輝く決定力と、中盤を支える戦術眼。その両方を併せ持つ“新しいボランチ像”を、日本代表のMF鎌田大地がボリビア代表戦で体現した。開始4分、MF久保建英のクロスを胸で収め、左足で冷静に流し込んだ先制点。ボランチでありながらペナルティエリアへ侵入し、フィニッシュまで持ち込む――。クリスタルパレスと日本代表では求められる役割は異なる。それでも鎌田は、6番・8番・10番をひとつに束ねた“自分だけのポジション”を研ぎ澄ませている。 ■“6番”の位置から、ペナルティエリアへ ボリビア戦の開始4分。試合は、MF鎌田大地が切り拓いた。 MF久保建英が右サイドで深くえぐる。相手がゴール前へ引き寄せられる一瞬の隙を、鎌田は逃さなかった。ペナルティーエリアにスッと入っていき、浮き球のクロスを胸でコントロールすると、左足で逆サイドネットへ流し込んだ。 「チームとして、あそこが空くっていうのは分析でもやっていた。ボランチですけど、ああいうところに何回か入っていくことが大事だと思っていたので。ボールが来てシュートチャンスができたのは良かったかなと」 クリスタルパレスではリスク管理が徹底され、センターラインより前に踏み込む回数は限られる。しかし日本代表では、森保一監督の戦術が鎌田に自由度を与えている。 「自分がある程度自由に前に行けるような、6番だけじゃなくて8番や10番くらいの役割までできる方が、やっていて躍動感はある。そっちの方が自分には合っていると思いますし」 相手の守備ラインが一歩下がった瞬間、鎌田は3列目の位置からスッと前へ出ていき、いつの間にか最前線に顔を出す。ボランチでありながらフィニッシュまで関与できる稀有な才能が、日本の攻撃に奥行きをもたらす。先制点は、その象徴だった。 ■自由と責任の狭間で描く“シン・ボランチ像” 鎌田のプレーは、単なる攻撃的ボランチではない。試合の状況に応じて6番(ボランチ)にも8番(インサイドハーフ)にも10番(トップ下)にもなる。 「パレスはボランチがリスク管理で、余ってる選手を捕まえたり、後ろ5枚で守る形。こっち(日本代表)はもっと攻撃に関われる。やり方の違いが大きいと思います」 その言葉通り、ボリビア戦では攻撃でも守備でも表情を変えた。後半、相手のカウンターを鎌田がつぶした場面は象徴的だった。厳しいプレスを受け続けた前半の疲労が残る中でも、最後のところで身体を投げ出し、相手の芽を摘んだ。 ガーナ戦をコンディション不良で欠場したものの、ボリビア戦で本来の実力を示した。 「しっかりプレーできるレベルには戻ってきているので、そこは問題なかったと思います」 守備強度とゲームメイク、そして得点力。これらを同時に要求されるのは酷にも思えるが、鎌田はその領域に自ら踏み込んでいる。 この日のミックスゾーンでは、鎌田らしい“脱力感”ある一幕も。 「ゴールの後に森保さんのところに行こうとチームで話していたそうですが?」という質問を受けた時のこと。 それまで淡々と話していた鎌田の表情がゆるむ。 「僕は聞いてなかったんで。集中していたので、全然頭になくて。(森保監督に)申し訳ないというか……(笑)」 周囲に笑いが起きる。プレッシャーの中にあっても自然体でいられること。それもまた、鎌田の強みだろう。 チーム内のポジション争いは激しい。MF佐野海舟をはじめ、鎌田の主戦場にもライバルが台頭し、代表チームは新しいフェーズへと進んでいる。ただ、鎌田には慢心も不安もない。 「日本人選手は頭が良くて、どのポジションでもある程度できる選手が育っている。監督にとっても理想的じゃないですかね」 6番+8番+10番。ボランチの概念を超えた鎌田が、森保ジャパンをさらなる高みへ導いていく。 取材・文=北健一郎 2025.11.19 00:45 Wed3
菅原由勢はアピールに“失敗”したのか?右のスペシャリストが45分で表現したもの
キックオフ直後から、気合という燃料を積んでいることは明らかだった。このチャンスを、モノにしてやるんだ。攻守両面でのアグレッシブなプレーから、この試合に懸ける思いは全身から溢れ出ていた。タフに右サイドを守りながら、同学年のMF久保建英と一緒に決定機も演出した。サイドバックを本職とする選手が生み出すハーモニーが顔を覗かせていたからこそ、後半開始のピッチに背番号2の姿がなかったことに驚き、ガッカリしてしまった。 誰よりも落胆していたのは本人だろう。もっとプレーしたかった。まだまだアピールしたかった。あの時、ああいう選択をしていれば──。後悔に似た気持ちは、自分の中を隅々まで探せばキリがないかもしれない。 それでも、試合後のミックスゾーンで悔しさに引っ張られている様子はあまり感じられなかった。下を向いて言葉を探す場面も少なくはなかったが、要所要所で顔を上げ、成長や向上を誓っていた。その瞳は真っ直ぐで、力強いものだった。 DF菅原由勢が日本代表の先発に名を連ねたのは、約8カ月ぶりのことだった。前回は2025年3月25日に行われたW杯アジア最終予選の第8節サウジアラビア代表戦まで遡る。その後は代表の常連とは言えない時期を過ごした。9月の北米遠征では招集されるも、プレータイムはアメリカ代表戦で後半から途中出場した18分のみ。ブラジル代表を撃破した10月シリーズでは招集されなかった。今回の11月シリーズでは、初戦のガーナ代表戦で出場機会を得るも、68分からのプレーであり、すでに2-0と勝負が決まっている状況だった。 失意のベスト8に終わったAFCアジアカップ2024以降、システムが4バックから3バックに変更した影響もあり、明らかに出場機会を減らしていた。カタールW杯後の第二次森保ジャパン発足時、右サイドバックという本職のポジション自体がなくなることを想像していただろうか。敵地でのドイツ代表撃破にもアシストで貢献していただけに、、まさか「当落線上」という言葉が付き纏うことになるとは……。 生き物のように変化が目まぐるしい代表チームで、もう一度、自分の居場所を確保するために──。5万人以上が駆けつけた国立競技場でのボリビア代表戦、キックオフの笛がピッチ内にいる自身の心臓を震わせた。 ■先制点を生んだ堅守 開始直後に左サイドでボールの奪い合いが発生する中、右サイドのタッチライン沿いに立ち、両手を広げてボールを呼び込む。GK早川友基からのハイボールに対し、フルパワーで落下地点に向かって走る。目の前の相手に構うことなくジャンピングヘッドを狙う。わずかにボールに当たらなかったが、最後尾に向かって親指を立てた。 意気軒昂と右サイドを走ると、開始早々の4分のことだった。 FW小川航基からのパスを目の前で相手選手にカットされたが、すぐさま右足を踏ん張り、一気に寄せた。持ち上がりを阻むだけでなく、左半身側からの密着マークで中央へ誘導。その先にいたMF遠藤航がボールを回収した。そしてMF久保建英に縦パスが入り、MF鎌田大地の先制点が生まれた。 「相手がけっこう縦に蹴ってくるという分析があったので、縦の選択肢を切った。そうなった時、中にもドリブルするという癖もあったので。誘いながら、うまく来てくれて、(遠藤)航くんとの距離感も良かったので、良い形で守備はできたのかなと思います」 電光石火の先制点を生み出す舞台を整えた狙い通りの守備は、横のスライドを駆使し味方と連携して守るサイドバック本職の選手らしいプレーでもあった。 「まずは個人で勝っていくところが大前提ですけど、ハメに行く中では素晴らしい相手だった。組織で守ることも同時にやっていかなきゃいけない中では、良い距離感でやれたと思います」 5バック時のウイングバックは、縦スライドを駆使して目の前の相手の突破を阻むという個人での守備力を求められる場面が多い。しかし、4バック時のサイドバック経験が豊富な菅原だからこそ、攻撃に出ようとしたところからの守備対応にもかかわらず、臨機応変に賢く守ることができた。 ■クロス光るも、前半45分で無念の交代 幸先よくチームに貢献した後も、積極的なプレーを続けた。切磋琢磨し共闘してきた同世代の久保と一緒に、プレッシャーを掛けていく。苦し紛れのロングボールを蹴らせた時には、テクニカルエリアの森保監督も拍手を送っていた。15分には縦パスを受ける相手選手のトラップ際にガツンとアプローチ。ファウルと判定されたが、指揮官の目の前でファイトした。 「サイドバックの選手なので、そこでやられていたら、自分の存在価値はないと思っていたので。そこはしっかりやろうとは思ってました」 そして、23分には真骨頂を発揮する。同学年のDF瀬古歩夢からのサイドチェンジに反応すると、久保の落としを収め、右サイドのスペースに抜け出す久保へ絶妙なスルーパスを出す。そのまま久保を猛然と追いかけ、外側から追い越してリターンパスを受け、ワンタッチでクロス。ニアに飛び込んだ小川の頭にピタリと届けた。惜しくもシュートはクロスバーを叩いたが、座席から身体が浮くような決定機を作り出した。 しかし、その2分後には後ろから相手選手を倒してイエローカードを提示された。「ヨーロッパの試合でもそうだし、ああいう部分でカウンターを防ぐとか、前に運ばれて相手が勢いづくというのを考えたら、止める判断をして、僕は今良かったと思っています」と口にしていたが、その直前のプレスを掻い潜られた場面では背中と正面に相手選手が1人ずついる中で後ろのサイドハーフを捨てて前に出る選択をしていた。一瞬の迷いやプレスのオーガナイズの部分で後手に周り、ワンタッチで剥がされ、ボールは一度捨てたサイドハーフの選手のもとへ。プレスバックして追いかけたのは集中していたが、自分のけつを自分で拭くことは回避できたかもしれない。 警告が理由だったかどうかは断言できないものの、前半45分のみで交代となった理由に結びつけることもできてしまう。本大会では勝利のために汚れ仕事を請け負わなければならない状況があるかもしれないが、少しでも多くアピールしたい現状において適切だったとは言い切れない。 「(交代の理由は)監督に聞いてみないとわからない。もちろん試合に勝つためにオーガナイズしていかなきゃいけないというところで、いろいろな理由はあると思いますけど、自分がもっと良いパフォーマンスをしていたらもう少し出れたなというのはあるので、まずはしっかりと試合を見て振り返って反省したいなと思います」と冷静に自分を見つめていた。 「クロスまで行けてるシーンもありましたし、あんまりネガティブじゃないかなと思っています」と45分を振り返ったように、自分のプレーを出せていた感覚はあったはず。その中で、ハーフタイムに唯一の交代。不完全燃焼という言葉がよぎるし、後半にもっとギアを上げてアピールしたかったに違いない。立場を想像すれば、唇を噛みちぎりたくなってしまう。 ■自問自答の連続で、本大会へ しかし、菅原はヤワではない。試合後は同ポジションのライバルであるMF堂安律と抱擁し、健闘を称えていた。その姿に負の感情はないように見えた。W杯本大会まで残すところ5カ月。弱音を吐き、後ろを振り返る時間はない。自分のすべきことは明確だから。 「最終予選からチームとしての形を試してやってきて、素晴らしい結果を手にしているし、その中で自分の立ち位置はわかっている部分もある。ナーバスにならずに、自分の良さを見失わずに、しっかりとチームでやることが大事。自分を良くするために毎日、謙虚に、小さいことも積み重ねながらやっていくことが大事だと思います。代表が、代表がという見方じゃなくて、チームがあっての代表というのは間違いない。今は僕自身もチームで信頼して使ってもらっている部分があるし、自分がやれている部分も課題の部分も試合に出ながら学べている。チームで試合に出ること、出た時にしっかりと自分の存在価値をチームでも見せていくことが代表につながってくると思います。とにかく、自分自身が成長して良い選手になれば、自ずと代表での立ち位置もチームでの立ち位置も変わってくるので、毎日毎日自分と向き合って、自分に負けずにやっていくことが大事だなと思います」 強みのクロスで決定機を作ったという事実に驕るつもりもない。求めているのは、ハッキリとした結果だから。 「入る時もあれば入らない時もあるし、あれを続けていくことが大事だと思う。紙一重のところを合わせていく作業は、自分自身、チームでもやらなきゃいけないし、もっともっとプレーの精度や質は上げられる部分があると思うので。ただ、結果が出る出ないというのは、その時の運もあるんでね。しっかりと日頃から自分を見つめ直して続けていくことが大事だと思います」 右ウイングバックは堂安、伊東純也に加え、望月ヘンリー海輝も成長中で、鈴木淳之介もプレー可能だろう。ライバルとのメンバー争いは熾烈を極めている。もう一度チャンスを得るためには、自問自答を繰り返しながらブンデスリーガの舞台を戦っていくしかない。その先にW杯本大会のピッチがあると信じて。茨の道であっても、菅原由勢は力強く歩み続ける。 取材・文=難波拓未 2025.11.20 21:00 Thu4
完封勝利の裏に「もっとやれた」。早川友基、“第3GK”からW杯へのロードマップ
ガーナ戦のピッチに立った鹿島アントラーズの守護神・早川友基。正GK鈴木彩艶の負傷、第2GK大迫敬介の不在の中で巡ってきたチャンスを、無失点という最高の形で終えた。だが、試合後のミックスゾーンに現れた早川の表情に、満足の色はなかった。代表2戦目にして、“守るだけ”のGKでは終わらない次のステージを見据えていた。 ■ピッチで感じた想像以上の「圧」 先発出場を告げられたのは試合の2日前だったという。 「今まで培ってきたものをピッチで出すだけだと思っていました」 鹿島で見せる特徴は、セービングだけではない。足元の技術と配球判断、そして試合を読む力だ。しかし、この日感じたのは、想像以上の「圧」だった。 「トラップしてからの駆け引きとか、出しどころを消される感覚。持ち運ぼうとした瞬間にプレッシャーがかかる。そのスピード感と背後を狙う走力はすごかった」 それでも、背後の対応では冷静だった。 「足の速い選手が背後を狙ってくると聞いていたので、試合を通じてカバーを意識できました」 早川は身体能力で上回る相手にも、読みとポジショニングで対抗した。後半も集中を切らさず、チームを完封へ導いた。 ■“第3GK”が描く、W杯への道筋 試合後のコメントには、自己評価の厳しさがにじむ。 「欲を言えば、もっとやれた。パスの質、長短の判断、その精度はまだ上げられる」 無失点でも課題を口にするのは、すでに次を見ているからだ。 「みんなとも話したんですけど、代表の試合にでてこそ得られる経験値があるなと。僕自身も今までにない緊張感はありました」 そう語る早川の目には、明確なターゲットがある。 「目指しているのはワールドカップ。そこがぶれることはないです」 ミックスゾーンでは何度も“成長”という言葉を繰り返した。 「こういう経験ができたのは素晴らしいと思いますし、しっかり振り返って、また次の試合につなげていきたい」 無失点という結果の裏にあるのは、静かな決意だ。“第3GK”から、“守護神”へ。そのロードマップは、もう動き始めている。 取材・文=北健一郎 2025.11.18 15:30 Tue5
