【2023-24ブンデスリーガ前半戦総括】超WS選出の最優秀選手はケイン
2024.01.15 18:00 Mon
例年であればバイエルンが独走しているブンデスリーガだが、今季はレバークーゼン、ライプツィヒ、シュツットガルトの奮闘により目の離せない上位戦線となっている。
◆シャビ・アロンソの手腕~レバークーゼン~
昨季途中就任のシャビ・アロンソ監督が見事な手腕を発揮している。観る者を魅了する攻撃スタイルのサッカーで毎試合ゴールを挙げ、バイエルンに次ぐ47ゴールを挙げた。前半戦を負けなしで終え、1試合消化の少ない2位バイエルンと4ポイント差の首位ターンとした。将来性豊かなタレントの宝庫を、今季加入の経験豊富なMFジャカが中盤を締め、バランスの取れたチームに仕上がっている。代えの利かない存在であるMFヴィルツが後半戦もしっかり稼働できれば十分バイエルンと優勝を張り合えるだけのチーム力を擁していると言えそうだ。
◆12連覇狙える戦いぶり~バイエルン~

目玉補強のFWケインが期待通りに働きバイエルンを牽引した。22ゴールを挙げ、得点王争いを快走。フランクフルトに5失点惨敗という事故はあったものの、トゥヘル監督のマネージメントもここまでは安定しており、十分12連覇を狙える戦いぶりを見せている。
◆主力引き抜きも新戦力躍動~ライプツィヒ~

MFエンクンク、MFソボスライ、MFライマー、DFグヴァルディオルとセンターラインを引き抜かれたライプツィヒだったが、MFシャビ・シモンズとFWオペンダの両新戦力が大当たりで攻撃の軸となった。ディフェンスもDFルケバが問題なくフィットし、攻守両面で昨季と何ら変わりのないチームをローゼ監督は作り上げている。
◆驚きの飛躍~シュツットガルト~

例年、残留争いに巻き込まれていたチームがヘーネス監督の下、飛躍を遂げた。昨季途中から積み上げたものが見事に花開き、攻守に隙の少ないチームに変貌した。とりわけFWギラシーが爆発し、出る試合出る試合でゴールと止まらなかった。そんな中でDF伊藤も守備の軸として十分な存在感を示した。安定した守備と正確なキックで攻撃の起点にもなっており、欠かせない存在となっている。

昨季優勝まであと一歩に迫ったドルトムントだが、チャンピオンズリーグで死の組に入ってしまったことに加え、至宝ベリンガムが去った穴が予想以上に大きかった。司令塔を失ったチームは攻撃の形を作ることすらままならない試合も多くなり、安定しない試合運びが続いた。テルジッチ監督の手腕に疑問が持たれつつあるが、FWサンチョが復帰したシーズン後半に巻き返しなるか。
◆浅野が早くも5G、伊藤&板倉は惜しい負傷~7人の日本人ブンデスリーガー~

一昨季、昨季といずれも3ゴールのボーフムFW浅野がシーズン前半終了時で5ゴールと、自身のブンデスゴール記録を早くも抜いてしまった。ゴール以外のチャンスメーク、守備の面でも貢献度が高く、ボーフムの前線には欠かせない存在となった。
DF伊藤は躍進したシュツットガルトの守備の軸として大いに存在感を示した。左サイドバック、センターバックと常に安定感あるプレーで昨季まで残留を争っていたチームの守備の立て直しに貢献。11月下旬に負傷して欠場となったのは惜しかったが、それでも十分な働きぶりだった。
伊藤と共に日本代表で主軸のDF板倉もボルシアMGでレギュラーセンターバックを維持。数試合、ビルドアップミスから失点に絡むこともあったが、全体を通せば安定したプレーを続けていた印象だ。板倉も10月下旬に負傷して欠場が続いたのは痛かったが、ブンデスで十分に通用することを昨季から示し続けている。
MF堂安はヨーロッパリーグとの掛け持ちでブンデスの方ではやや苦戦した印象だったが、それでもレギュラーの座を渡さなかった。1ゴール1アシストとスタッツは納得できないだろうが、後半戦の爆発に期待したい。
フランクフルトのDF長谷部はカンファレンスリーグでは出番があったものの、ブンデスではほぼ出番がない状況だったが、それでも外国籍選手におけるクラブ歴代最多出場記録を更新と、レジェンドにまた新たな称号が加わった。
アウグスブルクに個人昇格したMF奥川だったが、ケガで出遅れ、そのまま構想外に。MF原口は躍進シュツットガルトの中で存在感を示せなかった。
【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆FWハリー・ケイン(バイエルン)

バイエルン史上最高額となる移籍金1億ユーロ(約160億円)と、プレッシャーのかかる加入だったと思われたが何のその。ケインの実力を持ってすれば大した障壁ではなかった。プレミア通算213ゴールの経歴は伊達ではなかった。
★最優秀監督
◆シャビ・アロンソ(レバークーゼン)

早くも名将の風格を漂わせている。披露しているサッカーのスタイル、伸び盛りの選手たちを生かす起用法と、文句のつけようがない。スペインからまた一人、偉大な戦略家が生まれた。
【期待以上】
★チーム
◆シュツットガルト

近年、残留争い常連に落ちぶれていたチームが飛躍を遂げたことで選出。今季のブンデス前半戦を大いに盛り上げる存在となった。
★選手
FWセール・ギラシー(シュツットガルト)

これまでのキャリアでは二桁ゴールがやっとだった27歳FWが突如ブレイク。身体能力の高さとフィニッシュワークの冷静さが際立ち、ゴールを量産した。開幕5試合で10ゴールと異次元の活躍だった。
【期待外れ】
★チーム
◆ウニオン・ベルリン

ドルトムントと迷ったが、9連敗で一時最下位に転落したウニオンを選出。弱小クラブだったウニオンをここまで育て上げてきたフィッシャー監督が退任に追い込まれる事態に陥ってしまった。
★選手
◆DFレオナルド・ボヌッチ(ウニオン・ベルリン)

いくら国外初挑戦だったとはいえ、あまりにもチームにフィットできなさ過ぎた。ウニオンが低迷した要因のやり玉に挙げられても致し方ない。わずか半年でドイツを離れ、トルコに新天地を求める結果に。
◆シャビ・アロンソの手腕~レバークーゼン~
昨季途中就任のシャビ・アロンソ監督が見事な手腕を発揮している。観る者を魅了する攻撃スタイルのサッカーで毎試合ゴールを挙げ、バイエルンに次ぐ47ゴールを挙げた。前半戦を負けなしで終え、1試合消化の少ない2位バイエルンと4ポイント差の首位ターンとした。将来性豊かなタレントの宝庫を、今季加入の経験豊富なMFジャカが中盤を締め、バランスの取れたチームに仕上がっている。代えの利かない存在であるMFヴィルツが後半戦もしっかり稼働できれば十分バイエルンと優勝を張り合えるだけのチーム力を擁していると言えそうだ。
◆12連覇狙える戦いぶり~バイエルン~

Getty Images
目玉補強のFWケインが期待通りに働きバイエルンを牽引した。22ゴールを挙げ、得点王争いを快走。フランクフルトに5失点惨敗という事故はあったものの、トゥヘル監督のマネージメントもここまでは安定しており、十分12連覇を狙える戦いぶりを見せている。

Getty Images
MFエンクンク、MFソボスライ、MFライマー、DFグヴァルディオルとセンターラインを引き抜かれたライプツィヒだったが、MFシャビ・シモンズとFWオペンダの両新戦力が大当たりで攻撃の軸となった。ディフェンスもDFルケバが問題なくフィットし、攻守両面で昨季と何ら変わりのないチームをローゼ監督は作り上げている。
◆驚きの飛躍~シュツットガルト~

Getty Images
例年、残留争いに巻き込まれていたチームがヘーネス監督の下、飛躍を遂げた。昨季途中から積み上げたものが見事に花開き、攻守に隙の少ないチームに変貌した。とりわけFWギラシーが爆発し、出る試合出る試合でゴールと止まらなかった。そんな中でDF伊藤も守備の軸として十分な存在感を示した。安定した守備と正確なキックで攻撃の起点にもなっており、欠かせない存在となっている。
◆ベリンガム流出で苦戦~ドルトムント~

Getty Images
昨季優勝まであと一歩に迫ったドルトムントだが、チャンピオンズリーグで死の組に入ってしまったことに加え、至宝ベリンガムが去った穴が予想以上に大きかった。司令塔を失ったチームは攻撃の形を作ることすらままならない試合も多くなり、安定しない試合運びが続いた。テルジッチ監督の手腕に疑問が持たれつつあるが、FWサンチョが復帰したシーズン後半に巻き返しなるか。
◆浅野が早くも5G、伊藤&板倉は惜しい負傷~7人の日本人ブンデスリーガー~

Getty Images
一昨季、昨季といずれも3ゴールのボーフムFW浅野がシーズン前半終了時で5ゴールと、自身のブンデスゴール記録を早くも抜いてしまった。ゴール以外のチャンスメーク、守備の面でも貢献度が高く、ボーフムの前線には欠かせない存在となった。
DF伊藤は躍進したシュツットガルトの守備の軸として大いに存在感を示した。左サイドバック、センターバックと常に安定感あるプレーで昨季まで残留を争っていたチームの守備の立て直しに貢献。11月下旬に負傷して欠場となったのは惜しかったが、それでも十分な働きぶりだった。
伊藤と共に日本代表で主軸のDF板倉もボルシアMGでレギュラーセンターバックを維持。数試合、ビルドアップミスから失点に絡むこともあったが、全体を通せば安定したプレーを続けていた印象だ。板倉も10月下旬に負傷して欠場が続いたのは痛かったが、ブンデスで十分に通用することを昨季から示し続けている。
MF堂安はヨーロッパリーグとの掛け持ちでブンデスの方ではやや苦戦した印象だったが、それでもレギュラーの座を渡さなかった。1ゴール1アシストとスタッツは納得できないだろうが、後半戦の爆発に期待したい。
フランクフルトのDF長谷部はカンファレンスリーグでは出番があったものの、ブンデスではほぼ出番がない状況だったが、それでも外国籍選手におけるクラブ歴代最多出場記録を更新と、レジェンドにまた新たな称号が加わった。
アウグスブルクに個人昇格したMF奥川だったが、ケガで出遅れ、そのまま構想外に。MF原口は躍進シュツットガルトの中で存在感を示せなかった。
【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆FWハリー・ケイン(バイエルン)

Getty Images
バイエルン史上最高額となる移籍金1億ユーロ(約160億円)と、プレッシャーのかかる加入だったと思われたが何のその。ケインの実力を持ってすれば大した障壁ではなかった。プレミア通算213ゴールの経歴は伊達ではなかった。
★最優秀監督
◆シャビ・アロンソ(レバークーゼン)

Getty Images
早くも名将の風格を漂わせている。披露しているサッカーのスタイル、伸び盛りの選手たちを生かす起用法と、文句のつけようがない。スペインからまた一人、偉大な戦略家が生まれた。
【期待以上】
★チーム
◆シュツットガルト

Getty Images
近年、残留争い常連に落ちぶれていたチームが飛躍を遂げたことで選出。今季のブンデス前半戦を大いに盛り上げる存在となった。
★選手
FWセール・ギラシー(シュツットガルト)

Getty Images
これまでのキャリアでは二桁ゴールがやっとだった27歳FWが突如ブレイク。身体能力の高さとフィニッシュワークの冷静さが際立ち、ゴールを量産した。開幕5試合で10ゴールと異次元の活躍だった。
【期待外れ】
★チーム
◆ウニオン・ベルリン

Getty Images
ドルトムントと迷ったが、9連敗で一時最下位に転落したウニオンを選出。弱小クラブだったウニオンをここまで育て上げてきたフィッシャー監督が退任に追い込まれる事態に陥ってしまった。
★選手
◆DFレオナルド・ボヌッチ(ウニオン・ベルリン)

Getty Images
いくら国外初挑戦だったとはいえ、あまりにもチームにフィットできなさ過ぎた。ウニオンが低迷した要因のやり玉に挙げられても致し方ない。わずか半年でドイツを離れ、トルコに新天地を求める結果に。
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