話題の中心は北朝鮮の暴走/六川亨の日本サッカー見聞録
2023.10.05 20:05 Thu
杭州・アジア大会のサッカー男子準決勝は日本が香港に4-0と圧勝したことよりも、決勝は18年に続いて2大会連続して日韓対決になったことよりも、北朝鮮が準々決勝の日本戦で見せたラフプレーや日本スタッフに左拳を突き上げて脅した仕草、さらには試合後の主審への抗議を非難する記事の方が圧倒的に多い。
それだけ許されざる行為であり、当該選手や監督には一定期間の出場停止など厳罰が下されたとしても当然だろう。来年3月には北中米W杯2次予選のアウェー北朝鮮戦が予定されている。こちらのホームゲームも開催されるのかどうか、FIFAやAFCの裁定待ちになるかもしれない。
かつてはアジア最大のスタジアムと言われた8万人収容の金日成競技場。日本がここで初めてプレーしたのは1985年のメキシコW杯1次予選だった。シンガポールとの3か国によるリーグ戦で、予選突破の本命は66年のイングランドW杯に出場経験のある北朝鮮だった。
それというのも日本は過去に北朝鮮に勝ったことは一度もなく、74年にはピョンヤン4・25という単独の軍隊チームにも0-4で完敗を喫していた。ところが85年はホームの国立競技場で、雨でぬかるんだピッチにボールが止まると、「アジアの核弾頭」と言われた原博実が起用に足先で浮かしてDFのタックルをかわし、値千金の決勝点をスライディングしながら流し込んだのだ。このプレーには、観客はもちろんチームメイトも驚かされた。「利き足はヘディング」とも言われたヘッドでのゴールではなく、テクニックを発揮してのゴールだったからだ。
そして約1ヶ月後には平壌へ乗り込む。金日成競技場は人工芝という情報は得ていた。しかし事前に乗り込んでチェックできるわけでもない。取り替え式のスパイクは使えないだろうから、固定式に加えてアップシューズも持参してのアウェー戦だった。日本からの報道陣は記者とカメラマンを合わせて10人で、北京経由での平壌入りだった。
試合は午前中から詰めかけた観衆がゲートを壊して侵入したため、警備員との小競り合いもあったから、8万人以上が詰めかけたかもしれない(85年の韓国との最終予選のアウェー戦でも、ピッチの周りには自動小銃を携えた軍人が観衆の乱入を阻止しようと目を光らせていた)。そして日本はGK松井清隆の活躍もあり0-0でしのいで2次予選進出に王手をかけた。
ところがジーコ・ジャパンで臨んだ05年のW杯予選では、3月に平壌で行われたイラン戦で0-2と敗れると、主審の判定に選手が取り囲んで抗議したことで観衆がエキサイト。ピッチにイスを投げ込むなどしたため審判団は身の危険を感じたほどだった。事態を重く見たFIFAは、6月8日に予平壌で開催が予定されていた日本戦を、第3国であるタイのバンコクで、無観客で開催というペナルティーを科した。
バンコク最大の繁華街であるサイアム・スクウェア(銀座と新宿と上野を合わせたような感じ)近くにある旧ナショナルスタジアム。無観客試合と知りながら、日本からは“ウルトラス"を始め多くのサポーターが訪れ、試合前からスタジアムを囲んで日本に声援を送っていた。そして試合は柳沢敦と大黒将志のゴールで2-0の完勝を収めた。
不思議だったのは、無観客試合にもかかわらず、メインスタンド右側に北朝鮮の観客と思しい一団がいたことだった。役員席や記者席ではなく、一般のスタンドにいて声援を送っている。タイ在住の北朝鮮の関係者なのか不明だが、何があってもおかしくないと思ったものだ。
それを考えると、11年11月のアウェー北朝鮮戦は何事もなく終わった。すでに北朝鮮はアジア3次予選で敗退していたし、試合も日本に1-0の勝利を収めたからだろう。
北朝鮮代表は、85年から『在日朝鮮人枠』を導入し、同年の代表には在日朝鮮蹴球団の大型FWキム・ガンホを、その後も仙台で長く活躍したテクニシャンの梁勇基や、新潟や大宮で献身的にプレーした安英学らが代表選手として日本と対戦してきた。試合後に彼らを取材して感じたのは「礼儀正しさ」と「サッカーへのリスペクト」だった。そうした伝統が、国際舞台から遠ざかることで失われたとしたら、あるいは指導者の経験不足なのか詳細は不明だが、残念に思うのは僕だけではないだろう。
それだけ許されざる行為であり、当該選手や監督には一定期間の出場停止など厳罰が下されたとしても当然だろう。来年3月には北中米W杯2次予選のアウェー北朝鮮戦が予定されている。こちらのホームゲームも開催されるのかどうか、FIFAやAFCの裁定待ちになるかもしれない。
かつてはアジア最大のスタジアムと言われた8万人収容の金日成競技場。日本がここで初めてプレーしたのは1985年のメキシコW杯1次予選だった。シンガポールとの3か国によるリーグ戦で、予選突破の本命は66年のイングランドW杯に出場経験のある北朝鮮だった。
そして約1ヶ月後には平壌へ乗り込む。金日成競技場は人工芝という情報は得ていた。しかし事前に乗り込んでチェックできるわけでもない。取り替え式のスパイクは使えないだろうから、固定式に加えてアップシューズも持参してのアウェー戦だった。日本からの報道陣は記者とカメラマンを合わせて10人で、北京経由での平壌入りだった。
ダイジェストからはカメラマンだけを派遣したが、現地では常にクルマでの移動で、役員がエスコートと至れり尽くせりだったという。裏を返せば、エスコートした場所以外は見せないということで、犬の肉を専門に扱うレストランにも案内されたそうだ。
試合は午前中から詰めかけた観衆がゲートを壊して侵入したため、警備員との小競り合いもあったから、8万人以上が詰めかけたかもしれない(85年の韓国との最終予選のアウェー戦でも、ピッチの周りには自動小銃を携えた軍人が観衆の乱入を阻止しようと目を光らせていた)。そして日本はGK松井清隆の活躍もあり0-0でしのいで2次予選進出に王手をかけた。
ところがジーコ・ジャパンで臨んだ05年のW杯予選では、3月に平壌で行われたイラン戦で0-2と敗れると、主審の判定に選手が取り囲んで抗議したことで観衆がエキサイト。ピッチにイスを投げ込むなどしたため審判団は身の危険を感じたほどだった。事態を重く見たFIFAは、6月8日に予平壌で開催が予定されていた日本戦を、第3国であるタイのバンコクで、無観客で開催というペナルティーを科した。
バンコク最大の繁華街であるサイアム・スクウェア(銀座と新宿と上野を合わせたような感じ)近くにある旧ナショナルスタジアム。無観客試合と知りながら、日本からは“ウルトラス"を始め多くのサポーターが訪れ、試合前からスタジアムを囲んで日本に声援を送っていた。そして試合は柳沢敦と大黒将志のゴールで2-0の完勝を収めた。
不思議だったのは、無観客試合にもかかわらず、メインスタンド右側に北朝鮮の観客と思しい一団がいたことだった。役員席や記者席ではなく、一般のスタンドにいて声援を送っている。タイ在住の北朝鮮の関係者なのか不明だが、何があってもおかしくないと思ったものだ。
それを考えると、11年11月のアウェー北朝鮮戦は何事もなく終わった。すでに北朝鮮はアジア3次予選で敗退していたし、試合も日本に1-0の勝利を収めたからだろう。
北朝鮮代表は、85年から『在日朝鮮人枠』を導入し、同年の代表には在日朝鮮蹴球団の大型FWキム・ガンホを、その後も仙台で長く活躍したテクニシャンの梁勇基や、新潟や大宮で献身的にプレーした安英学らが代表選手として日本と対戦してきた。試合後に彼らを取材して感じたのは「礼儀正しさ」と「サッカーへのリスペクト」だった。そうした伝統が、国際舞台から遠ざかることで失われたとしたら、あるいは指導者の経験不足なのか詳細は不明だが、残念に思うのは僕だけではないだろう。
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「まさかの笑」「アジア進出」ラフプレー続出の北朝鮮撃破、U-22日本代表が見せた「ひき肉です」パフォーマンスが話題に「気持ち良すぎ!」
荒れた試合での決勝ゴールのパフォーマンスが話題を呼んでいる。 1日、U-22日本代表は1日、第19回アジア競技大会(The 19th Asian Games)の準々決勝でU-24北朝鮮代表と対戦し、2-1で勝利した。 13年ぶりの優勝を目指す日本は、前半は北朝鮮に押し込まれる形となり苦しい戦いに。それでもGK藤田和輝(栃木SC)を中心に粘りの守備を見せて得点を許さない。 ゴールレスで迎えた後半、日本は立ち上がりからギアを上げると51分に内野航太郎(筑波大学)のゴールが決まり先制に成功する。 先制したことで少し余裕が出た日本。一方で、北朝鮮のプレーが徐々に荒いものに。疲れも出てきたのか、日本の攻撃を止めるために明らかに危険なタックルを見せ、カードが乱発される。 すると74分にはキム・グクボムがボックス手前から強烈な左足ミドルを叩き込み、北朝鮮が同点に。これで勢いづいたのか、攻勢に出ようとする。 それでも落ち着いて対応した日本は79分に西川潤(サガン鳥栖)がGKに倒されてPKを獲得。MF松村優太(鹿島アントラーズ)が冷静に決めて2-1と勝ち越し、ベスト4にコマを進めた。 北朝鮮のラフプレーにも動じず、しっかりと勝ち切った日本。その中で話題を呼んでいるのが、松村のゴールパフォーマンスだった。 冷静にPKを沈め、勝ち越しに成功。喜びを露わにすると、MF佐藤恵允(ブレーメン)と共に何やら企み、「ひき肉です」のポーズを取って見せた。 このポーズは中学生YouTuberの「ちょんまげ小僧」のメンバーである「ひき肉」さんの独特な挨拶を真似たもの。SNSなどでは大きな話題となっており、TikTokなどでも有名人が真似て盛り上がっている。 日本代表選手もついにパフォーマンスにもしたことで大きな話題に。「ひき肉がアジア進出」、「ここでもやるのか!」、「まさかの笑」、「ひき肉は世界を救う」、「ひき肉が気持ち良すぎ!」、「ここまでくるとは」と驚きの声も上がっている。 <span class="paragraph-title">【動画】北朝鮮撃破のPK弾、決めた松村は佐藤と共に「ひき肉です」ポーズを披露</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="WQXNzDutoz8";var video_start = 477;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2023.10.02 12:05 Mon3
イラン代表が13年ぶりに北朝鮮と対戦…指揮官は警戒心「彼らのサッカーにも計画性が生まれている」「分析に時間をかけた」
イラン代表が14日、北朝鮮代表と中立地ラオスで13年ぶりに対戦する。イラン英字紙『テヘラン・タイムズ』が、アルデシル・アミール・ガレノエイ監督の声を伝えた。 2026年北中米W杯アジア最終予選A組で首位を走るイラン。11月はまず北朝鮮とのアウェイゲームを中立地ラオスでこなし、続いてキルギスとのアウェイゲームを戦う予定だ。 北朝鮮とは、表題の通り、13年ぶりに対戦。 前回はアジアカップ2011のグループステージで対戦し、1-0と勝利。イランは北朝鮮に対し、1972年の初対戦から19試合で13勝6分け0敗と無敗をキープしてきた歴史がある。 ガレノエイ監督は北朝鮮について「かなり分析に時間をかけた。彼らが敗れたウズベキスタン戦、引き分けたUAE戦…勝機はあったとみており、我々としては、十分に注意して立ち向かわなければならない」と警戒感を寄せた。 「最初の1分から90分まで高い集中力を維持したい。幸いにも、我々にケガ人などの不足はない。ラオスまで直行便で来られたのも、イランサッカー連盟に感謝しているよ」 「アジアサッカーの進歩を、この予選を通して感じる。北朝鮮がその代表格と言ってもいい。彼らにもサッカーの『計画性』が生まれており、実際に良いチームだ。これからの2試合は、W杯出場へたいへん重要となる」 2024.11.13 20:40 Wed4
「ヘアバンドをプレゼントしたい」前田大然の娘の理想と言われた南野拓実、過去に敗れた北朝鮮との戦いには「何がなんでも勝つ」と強い気持ちを見せる
20日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選兼2027アジアカップ予選の北朝鮮代表戦に向け、MF南野拓実(モナコ)が意気込みを語った。 21日に控える北朝鮮戦。国立競技場での戦いとなるが、2017年12月に行われたEAFF E-1サッカー選手権以来6年ぶりの対戦となる。 アジアカップ2023では優勝候補筆頭に挙げられながらもベスト8で敗退した日本。一方でW杯予選は2連勝スタートを切っており、ここで連勝を収めれば突破が決まることとなる。 この日が全体で最初で最後のトレーニングとなる中、南野も合流。北朝鮮戦に向けては「簡単な試合ではないと思いますし、個人的にはアンダー世代で北朝鮮に負けて悔しい思いをしているので、そのリベンジではないですけど、そういう意味でも、アジアカップで負けた後の第1戦でホーム、日本としては僕らの強さ、アジアカップがあった上でどういうリアクションを取れるのかを見せなければいけないので、良い試合をするために良い準備をしたいと思います」と意気込みを語った。 2010年に行われたAFC U-16選手権の準決勝で北朝鮮に敗れている。また、2014年のAFC U-19選手権準々決勝ではPK戦で敗れており、U-20W杯出場を逃していた。当時を振り返り「絶対に次北朝鮮とやるときには勝つと、あのときに思ったことは覚えているので、良いモチベーションになるかもしれないです」とコメント。今回はしっかりと勝利したいと語った。 アジアカップではロングボールやフィジカルを生かした戦いに屈した日本。「愚直にロングボール、フィジカル勝負をしてくる相手に対してチームとしてどう対戦するか。そういう意味では、明日のチームもそういうふうにやってくるかもしれないので、上手くやっていければと思います」と、北朝鮮も同様の戦い方をする可能性があると警戒した。 また連戦となることについては「こういう試合は初戦が大事というか、ホームですし、何がなんでも勝つということが大事です」とコメント。「アウェイは不気味というか、サッカーだけに集中できない環境という話もありますし、そういう意味でもまずは2戦トータルで考えても、この一戦を決勝戦だと思って臨むことが大事だと思います」と、情報がない中で不安もあるアウェイゲームのことは今は気にしないとした。 北朝鮮のイメージについては分析も進んでいる中で「ミーティングの映像を見る限り、普通にちゃんとサッカーをやってきますし、自信を持ってプレーされると、アジアカップ初戦のベトナム戦みたいにもなる可能性もある」と警戒。「それ以上の力はあると思うので、リスペクトしすぎずに、しっかりと想定して試合に入ることが重要かなと思います」と、アジアカップの反省をここでも生かしたいとした。 その日本は伊東純也(スタッド・ランス)、三笘薫(ブライトン&ホーヴ・アルビオン)とサイドを支えた2人が不在。左サイドでプレーする可能性もある南野だが「あの2人の特徴は特別で、1人で縦に突破できますし、圧倒的な個というところではそれで戦術になるぐらいです」と語りつつも、「それ以外にも良い選手はいますし、今日の練習でも良いプレーをしている選手が何人もいました。(堂安)律とか、(中村)敬斗とかアジアカップでも一緒にやっている選手もいますし、良い距離感で上手くコンビネーションを出すことは鍵になると思います。チームとして今日しか練習できていないですけど、上手く意思疎通することが鍵になると思います」と語り、個で打開できなくとも、コンビネーションを生かしたいとした。 その厳しい相手と対戦する前に百戦錬磨の長友佑都(FC東京)が復帰。カタールW杯では、クロアチア代表相手にPK戦で敗れた際、失敗した南野を称えてもいた。 久々の再会となった長友については「相変わらずやなと思いました(笑) 良い意味で」と語り、「チームに対して良いエネルギーを与えてくれる選手で、佑都くんの経験は本当に素晴らしいもので、ピッチに立って一対一で負けているのもあまり見たことがないので、頼りになる先輩が帰ってきたなという感じです」と印象を語った。 また、「佑都くんや上の選手は締めるところを分かっていて、アジアの厳しさも分かっている。どういう精神状態で臨むべきかも分かっていて、若い選手に良いタイミングで声をかけたりもできると思いますし、見えないところですけど凄くチームに大きな影響を与えると思います」と、戦力としてもそれ以外でも大きな存在だとした。 そして今回の活動でのもう1つの変化が前田大然(セルティック)の髪の毛。スキンヘッドから娘の要望により坊主になっており、髪を伸ばしている中で、リクエストは南野だと言われたことを明かしていた。 南野は前田と髪の話について「ちょっとしました」と語り、「金髪になってビックリしたというのがあります。髪長くても似合うと思うので、楽しみです」とコメント。娘からのリクエストについては「それぐらいになれば、僕から大然にヘアバンドをプレゼントしたいと思います」と、計画を明かした。 北朝鮮戦は、21日(木)の19時20分に国立競技場でキックオフを迎える。 2024.03.20 23:15 Wed5