【ECL決勝プレビュー】イタリアとイングランドの名門が2代目王者懸けて激突!《フィオレンティーナvsウェストハム》

2023.06.07 12:00 Wed
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ヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)決勝、フィオレンティーナvsウェストハムが、日本時間7日28:00にプラハのシュタディオン・エデンでキックオフされる。共にUEFAカップウィナーズカップ優勝経験のある両雄が2代目王者を懸けて激突する、運命のファイナルだ。前述のUEFAカップウィナーズカップの初代王者(1960-61)として知られるイタリアの名門フィオレンティーナは、2000-01シーズンのコッパ・イタリア以来の22年ぶりのタイトル獲得を目指す。
初出場となった今大会のグループステージでイスタンブール・バシャクシェヒルに次ぐ2位通過を決めると、プレーオフを含む決勝トーナメントではブラガ、スィヴァススポル、レフ・ポズナン相手に自慢の攻撃力を遺憾なく発揮。順当にベスト4進出を果たした。そして、スイスの名門バーゼルとの準決勝ではホームでの1stレグを1-2で落とすも、敵地での2ndレグではFWニコラス・ゴンサレスの2ゴールで2-1のイーブンスコアとすると、延長戦ではPK戦突入直前にMFバラクが決めた土壇場の決勝点によって劇的な形でファイナル進出を決めた。

今シーズンのセリエAでは長らく中位に甘んじていたが、後半戦での巻き返しによって最終的に8位フィニッシュ。ミランやインテル、ローマ相手にも勝利を収めるなど多士済々なアタッカーを生かすイタリアーノ監督の手腕光る好チームだ。2週間前に行われたコッパ決勝ではインテルに屈して無念の準優勝となっただけに、今季2度目のファイナルでは是が非でも悲願を達成したい。

一方、UEFAカップウィナーズカップを制した1964-65シーズン以来の欧州主要タイトル獲得を目指すイングランドの古豪ウェストハム。1979-80シーズンのFAカップ以来遠ざかる主要タイトル獲得を狙うモイーズのチームは、アンデルレヒトらと同居したグループステージを全勝で突破した。
また、決勝トーナメントにおいてもその強さは変わらず、準々決勝のヘントとの1stレグで今大会11戦目にして初のドローとなったが、2ndレグでは4-1の圧勝を収めて4強入り。難敵AZとの準決勝では2戦共に接戦となったが、1stレグを2-1、2ndレグを1-0で連勝。昨シーズンのヨーロッパリーグ(EL)ではフランクフルトに阻まれたベスト4の壁を越えて見事にファイナル進出を決めた。

フィオレンティーナとは異なり、群雄割拠のプレミアリーグでは上位争いはおろかシーズンを通じて残留争いに巻き込まれたが、最終的に降格圏と6ポイント差の14位で残留を決定。今回の決勝を制して来季EL出場権を獲得できれば、厳しいシーズンを素晴らしいシーズンに変えられる。

なお、共にヨーロッパの名門クラブとして知られる両チームだが、今回が初対戦となる。ちなみにフィオレンティーナはイングランド勢相手に7勝3分け2敗と好成績を収めているのに対し、ウェストハムは2006-07シーズンのUEFAカップ(現EL)で対峙したパレルモに連敗とイタリア勢から勝利を挙げたことがない。

◆フィオレンティーナ◆
【4-2-3-1】
▽予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:テラッチアーノ
DF:ドゥドゥ、ミレンコビッチ、イゴール、ビラギ
MF:アムラバト、マンドラゴラ
MF:ニコラス・ゴンサレス、ボナヴェントゥーラ、イコネ
FW:カブラウ

負傷者:GKシリグ
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関しては控えGKシリグが起用不可も、それ以外の全主力が起用可能だ。

システムに関しては対戦相手や起用選手に応じて[4-2-3-1]と[4-3-3]を併用しているが、この大一番ではより守備を重視した前者を予想する。スタメンは前述の11人の起用が濃厚だが、DFクアルタやMFカストロヴィッリ、かつての本拠地帰還となるバラク、FWヨビッチらのオプションも有する。

◆ウェストハム◆
【4-2-3-1】
▽予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.

GK:アレオラ
DF:ケーラー、ズマ、アゲルド、クレスウェル
MF:ソウチェク、ライス
MF:ボーウェン、パケタ、ベンラーマ
FW:アントニオ

負傷者:FWスカマッカ
出場停止者:なし

出場停止者はいない。負傷者に関してはヒザの手術を受けたスカマッカが唯一の欠場者となる。

システムに関してはフィオレンティーナ同様に、対戦相手や起用選手に応じて[4-2-3-1]と[4-3-3]を併用。こちらもより守備を重視した前者を予想する。

スタメンは前述のベストメンバーの起用を予想。変更点があるとすれば、ソウチェクと共にかつての本拠地帰還となるツォウファルを右サイドバック、好調フォルナルスを左ウイングに配するぐらいか。

★注目選手
◆フィオレンティーナ:MFソフィアン・アムラバト
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カタールW杯に続くビッグマッチでの躍動期す。エールディビジやセリエAファンにはお馴染みの存在も、先のカタールW杯でモロッコ代表の4位躍進の立役者となったことで世界的な知名度を獲得した26歳MFが大一番の注目プレーヤーだ。

185cmの屈強な守備的MFは驚異的な運動量、球際の強さ、ボールを運ぶ能力を武器に中盤のデュエルを優位に進める上でのキーマン。W杯のようにピッチの至る所に顔を出してボールを刈り取り、攻撃時は強靭なフィジカルを生かした局面打開や、正確なパスで攻撃の起点となる攻守両面での仕事が期待される。

今夏の移籍市場においては引き続きバルセロナやマンチェスター・ユナイテッド、アトレティコ・マドリーらの関心も伝えられており、ステップアップが有力視される。そういった中、ヴィオラにタイトルという最高の置き土産を残せるか。

◆ウェストハム:MFデクラン・ライス
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ハマーズでのラストマッチを最高の形で終えられるか。ウェストハムの注目プレーヤーは、アムラバトと同じく今夏のステップアップが決定的とされるイングランド代表MFだ。

チェルシーアカデミー出身も親友マウントらと共に上のカテゴリーに昇格できず、ウェストハムで再起を図ってワールドクラスのタレントに成長した24歳。当初は昨夏にステップアップが見込まれたが、愛するクラブとの紳士協定で1年間の残留を決断。しかし、有終の美を飾るべくモチベーション高く臨んだ今シーズンはリーグ戦で残留争いを強いられる厳しいものに。それでも、最低限のノルマを達成したハマーズのキャプテンは、最後の恩返しとして43年ぶりのタイトル獲得を狙う。

キャリア初期はセンターバックと守備的MFでの併用が続いたものの、昨シーズン辺りからボックス・トゥ・ボックスの新境地を開いた万能型MFは、この大一番でハマーズでの集大成となるハイパフォーマンスを期待したい。
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3試合が延長&PK戦突入の激戦…アストン・ビラや本間至恩のC・ブルージュがベスト4進出【ECL】

ヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)準々決勝の2ndレグが18日に行われた。 今ラウンド屈指の好カードとなったリールvsアストン・ビラは、2戦合計3-3で並んだ中、PK戦を3-4で制したアストン・ビラが準決勝進出を決めた。 アストン・ビラが1stレグを2-1で制していた中、この2ndレグではホームのリールが圧倒。前半の15分に左サイドのスペースへ抜け出したグズムンドソンからの折り返しをゴール前のヤズジュが左足ワンタッチで合わせて先制に成功する。 これで2戦合計スコアでイーブンになると、後半に入っても攻勢を継続するホームチームが、67分に左CKからハラルドソンのクロスをキャプテンのアンドレが頭で合わせたボールがクロスバーの内側を掠めてゴールネットを揺らした。 以降もリールが危なげなく時計を進めたが、アストン・ビラが相手のミスを突いて土壇場で追いつく。87分、ハイボールに対して味方と交錯したGKシュヴァリエがファンブルしたボールをキャッシュが冷静にゴールネットへ流し込んだ。 その後、一進一退の延長戦では決着が付かず、準決勝進出の行方はPK戦に委ねられると、互いに1人ずつ失敗した中で迎えた5人目で先攻のアストン・ビラのドウグラス・ルイスが決めたのに対して、後攻リヨンのアンドレのシュートはGKマルティネスが見事にストップ。この結果、激闘を制したアストン・ビラの4強入りが決定した。 昨季準優勝のフィオレンティーナはビクトリア・プルゼニと対戦し、2試合共に90分間ではゴールレスに終わったが、延長戦を2-0で制して準決勝進出を決めた。 ホームで立ち上がりから攻勢を仕掛けたものの、クアメらが再三の決定機を仕留め切れずにゴールレスで試合を折り返す。後半半ばにはカジュが一発退場となり数的優位を得たが、専守防衛のチェコの強豪の堅守に手を焼いた。 それでも、延長戦に入った直後のセットプレーの流れからゴール前の混戦でニコラス・ゴンサレスが利き足とは逆の右足の強烈なシュートでゴールをこじ開けると、延長後半にもカウンターからキャプテンのビラーギがダメ押しのゴールを記録。苦しみながらも2シーズン連続でのベスト4進出を決めた。 MF本間至恩を擁するクラブ・ブルージュはPAOKと対戦し、敵地で0-2の勝利。この結果、2戦合計0-3でべスト4進出を決めた。なお、本間はベンチ入りも出場機会はなかった。 ホームでの1stレグを1-0で先勝したクラブ・ブルージュは、敵地でのリターンレグでも試合の主導権を掌握。前半の33分と45分にジュグラが続けてゴールネットを揺らした。後半は相手に押し返されてなかなか決定機を作れなかったが、きっちりクリーンシートでリードを守り抜いた。 フェネルバフチェとオリンピアコスのUEFA主催大会常連対決は、2戦合計3-3で並んだ中、PK戦を2-3で制したオリンピアコスが準決勝進出を決めた。 オリンピアコスがホームでの1stレグを3-2で先勝した中、フェネルバフチェホームの2ndレグではホームチームが前半序盤にイルファンの2試合連続ゴールで早々に先制した。 これで2戦合計スコアでイーブンとなった試合はホームチームが主導権を握ったものの、なかなか決定機まで持ち込むことができず。後半と延長戦ではオリンピアコスが押し返したが、こちらも決め手を欠いた。 そして、延長戦終了間際にはノトイの退場でオリンピアコスが数的不利を背負ったものの、準決勝への切符はPK戦に委ねられることになった。 そのPK戦ではカタールW杯の日本代表戦でクロアチア代表の守護神として圧巻のパフォーマンスを見せたフェネルバフチェGKリヴァコビッチが2本のPKをストップする活躍を見せたが、オリンピアコスの守護神ツォラキスがそれを上回る3本のPKストップ。この結果、名門対決を制したオリンピアコスが準決勝進出を決めた。 ◆ECL準々決勝2ndレグ結果 リール 2-1(AGG:3-3[PK3-4]) アストン・ビラ フィオレンティーナ 2-0(AGG:2-0) ビクトリア・プルゼニ PAOK 0-2(AGG:0-3) クラブ・ブルージュ フェネルバフチェ 1-0(AGG:3-3[PK2-3]) オリンピアコス ◆ECL準決勝対戦カード アストン・ビラ vs オリンピアコス フィオレンティーナ vs クラブ・ブルージュ 2024.04.19 06:58 Fri

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