ELマスターのセビージャが3季ぶり最多7度目の優勝! PK戦の末に欧州大会決勝初黒星のモウリーニョのローマは初制覇ならず…《EL》
2023.06.01 07:17 Thu
ヨーロッパリーグ(EL)決勝、セビージャvsローマが5月31日にブダペストのプスカシュ・アレーナで行われ、120分間の激闘は1-1で終了。その後、PK戦を4-1で制したセビージャが3シーズンぶり最多7度目の優勝を果たした。
2019-20シーズン以来、最多7度目の優勝を目指すセビージャは、チャンピオンズリーグ(CL)のグループステージ3位敗退組として決勝トーナメントのプレーオフから参戦。準々決勝で優勝候補筆頭のマンチェスター・ユナイテッドを破ると、準決勝では延長戦までもつれ込んだユベントスとの激闘を2戦合計3-2で制し、ブダペスト行きの切符を掴んだ。
今シーズンのラ・リーガでは11位に低迷も、3月下旬に就任したメンディリバル監督の下で安定した戦績を残すアンダルシアの雄は、6戦全勝と圧倒的な勝負強さを誇るELファイナルで更なる記録更新を狙った。メンディリバル監督はユベントス戦から先発1人を変更。同試合で退場したアクーニャの代役にテレスを起用し、それ以外ではヘスス・ナバスやラキティッチ、オカンポス、エン=ネシリといった主力が並んだ。
一方、大会初優勝を目指すローマは昨シーズンのヨーロッパ・カンファレンスリーグ(ECL)王者として、今大会にグループステージから参戦。決勝トーナメントではレアル・ソシエダ、フェイエノールトを連破すると、レバークーゼンとの準決勝では持ち味の堅守を武器に、シャビ・アロンソ監督との師弟対決を2戦合計1-0で勝利。名将モウリーニョの面目躍如で2シーズン連続の欧州大会決勝進出を決めた。
野戦病院化の影響によって直近リーグ戦7試合未勝利でトップ4フィニッシュを逃したセリエA6位のチームは、欧州大会決勝5戦全勝のポルトガル人指揮官の下で来季CL出場権確保に向け運命の一戦に臨んだ。モウリーニョ監督はレバークーゼン戦から先発2人を変更。ボーヴェとベロッティに代えてスモーリングと負傷明けのディバラを起用。マティッチやスピナッツォーラ、ペッレグリーニ、エイブラハムとこちらも主力がスタートからピッチに立った。
セビージャのプレスに揺さぶりをかけつつミドルレンジのパスで局面を打開すると、11分には右サイドでのディバラとの連携でポケットを取ったチェリクが正確なグラウンダーの折り返しを供給。これをボックス左でドフリーのスピナッツォーラが右足ダイレクトで合わすが、惜しくもGKボノの正面を突いた。
以降もしばらくはローマの時間帯が続いたが、セビージャも決定機まで持ち込ませずに盛り返していく。すると、前半20分を過ぎた辺りからボールの主導権はメンディリバルのチームに。中央を固める相手に対して外回りの攻撃でチャンスを窺うと、右サイドのヘスス・ナバスから幾度か際どいクロスが入るが、相手の守備陣にはじき出される。
接触プレーでプレーが切れる場面が多く試合は膠着状態に陥ったが、一瞬の隙を見逃さないしたたかなモウリーニョのチームが先手を奪う。35分、ハーフウェイライン付近での競り合いでラキティッチ相手にクリスタンテが粘ってボールを残すと、これに反応した前向きのマンチーニが前線で走り出したディバラへ完璧なスルーパスを供給。絶妙なファーストタッチでボックス内に運んだアルゼンチン代表FWがGKボノの右を抜く左足のシュートを流し込んだ。
堅守を誇る相手に先制を許す厳しい流れとなったセビージャは前半の内に同点に追い付こうと、ここからギアを上げて前に出ていく。引き続きサイドを起点としながらもラキティッチがより高い位置でボールに絡んでいく。
そして、43分には左CKの場面でラキティッチの正確なクロスに対して中央でうまくマークを外したフェルナンドがヘディングシュートを狙うが、これは枠の上に外れる。さらに、押し込んだ前半アディショナルタイム6分にはペナルティアーク付近でオリベル・トーレスの横パスを受けたラキティッチが抑えの利いた左足のミドルシュートを枠の右隅へ飛ばすが、これは惜しくもポストの内側を叩いた。
ローマの1点リードも内容ではほぼイーブンで折り返した試合。前半終盤は良い形で攻撃を仕掛けていたセビージャだが、オリベルとブライアン・ヒルを下げてハーフタイム明けにスソとラメラを同時投入。ユベントス撃破の立役者2人に攻撃の活性化を託した。
この2枚替えに加え、リスクを冒して前に出たセビージャが後半立ち上がりは完全にローマを押し込んでいく。そして、幾度か際どい形でフィニッシュまで持ち込むと、その流れのままゴールをこじ開ける。55分、スソのボールキープから右サイドのヘスス・ナバスにボールが展開される。ここで強引に縦に仕掛けたヘスス・ナバスからの正確なクロスに対して、オカンポスがタイミングよくゴール前に入っていくと、手前のDFスモーリングがブラインドになったか、オカンポスのマークに付いていたDFマンチーニの身体に当ったボールがゴールネットに吸い込まれた。
記録上はオウンゴールも自分たちの狙いとする攻撃から試合を振り出しに戻したセビージャは、畳みかける攻めで一気に逆転を目指す。
これに対してローマは後手の対応が目立ち、自陣ゴール前で何とか相手の攻撃を撥ね返すのが精いっぱいの苦しい状況が続く。それでも、相手の攻勢を凌いだ後半半ばから徐々に押し返す。67分には相手陣内右サイドで得たFKの場面でゴール前の混戦を作り、エイブラハム、イバニェスの連続シュートでゴールに迫るが、ここはGKボノの身体を張ったセーブに阻まれた。
急場は凌いだものの、セビージャの途中出場コンビに翻弄されて苦しいジャッロロッシは、ぶっつけ本番での先発起用となったディバラを下げてワイナルドゥム、75分にはエイブラハムを諦めてベロッティを投入。前線を代えて前からの守備の修正と共にカウンターの脅威を増そうとする。
引き続きセビージャペースも緊迫感のある攻防が続く中、試合の行方を左右する際どい判定が続く。まずは76分、ボックス内で馬力のある仕掛けを見せたオカンポスがDFイバニェスと交錯。一度はPKが与えられたが、オンフィールド・レビューの結果、先にボールにチャレンジしていたとの判定で取り消しに。この直後にはローマの攻撃でマティッチのクロスがボックス内のフェルナンドの左腕に直撃。ハンド、ノーファウルのいずれにも取れる微妙なプレーとなったが、VAR介入もこちらもお咎めなしとなった。
結局、1-1のイーブンのまま後半最終盤に突入。何とか90分間で決着を付けたいセビージャが、攻撃の枚数をかけてゴールに迫ったが、ローマの集中した守備を前に最後の後押しが足りない。ラストプレーでは波状攻撃からスソ、フェルナンドのシュートでゴールへ迫ったが、いずれも劇的決勝点とはならなかった。
タイトルを懸けた運命の延長戦では互いに消耗が激しいサイドの選手を入れ替えて最後の勝負に出る。延長前半の立ち上がりこそローマも押し返したが、以降はボールを握って攻めるセビージャが相手陣内でハーフコートゲームを展開。だが、最後のところでこじ開けられない焦れる状況が続く。
その後、延長後半に入ってローマはペッレグリーニとスピナッツォーラを諦めて、温存していたエル・シャーラウィと共にディエゴ・ジョレンテを同時投入。ただ、並びは変えずにPK戦を意識した戦い方を強調する形に。
攻め続けたセビージャもさすがに運動量が落ちて完全に消耗戦の様相を呈した試合は、延長後半の土壇場でローマにセットプレーから続けて見せ場が訪れたものの、GKボノを中心に粘った最多王者はゴールを割らせず。そして、まさに死闘と呼ぶべき一戦の決着はPK戦に委ねられることになった。
パトリシオとボノといずれも経験豊富な守護神が対峙する形となったPK戦では先攻のセビージャが3人連続で成功。一方、後攻のローマは2人目のマンチーニと3人目のイバニェスがいずれもボノのビッグセーブに阻まれる。そして、セビージャの4人目のキッカーは、カタールW杯でアルゼンチン代表の優勝を決めるPKを決めたモンティエル。最初のシュートはパトリシオに止められたが、パトリシオが先にゴールラインを越えていたとの判定で蹴り直しに。そして、蹴り直しとなったシュートを今度は左隅に突き刺した。
そして、120分間では決着を付けられずもモウリーニョに欧州大会初の敗戦を与えたELマイスターのセビージャが、3シーズンぶり最多7度目の優勝を飾り、来シーズンのCL出場権を手にした。
2019-20シーズン以来、最多7度目の優勝を目指すセビージャは、チャンピオンズリーグ(CL)のグループステージ3位敗退組として決勝トーナメントのプレーオフから参戦。準々決勝で優勝候補筆頭のマンチェスター・ユナイテッドを破ると、準決勝では延長戦までもつれ込んだユベントスとの激闘を2戦合計3-2で制し、ブダペスト行きの切符を掴んだ。
今シーズンのラ・リーガでは11位に低迷も、3月下旬に就任したメンディリバル監督の下で安定した戦績を残すアンダルシアの雄は、6戦全勝と圧倒的な勝負強さを誇るELファイナルで更なる記録更新を狙った。メンディリバル監督はユベントス戦から先発1人を変更。同試合で退場したアクーニャの代役にテレスを起用し、それ以外ではヘスス・ナバスやラキティッチ、オカンポス、エン=ネシリといった主力が並んだ。
野戦病院化の影響によって直近リーグ戦7試合未勝利でトップ4フィニッシュを逃したセリエA6位のチームは、欧州大会決勝5戦全勝のポルトガル人指揮官の下で来季CL出場権確保に向け運命の一戦に臨んだ。モウリーニョ監督はレバークーゼン戦から先発2人を変更。ボーヴェとベロッティに代えてスモーリングと負傷明けのディバラを起用。マティッチやスピナッツォーラ、ペッレグリーニ、エイブラハムとこちらも主力がスタートからピッチに立った。
トーナメント決勝特有の緊迫した空気感の中で試合はスタート。互いに慎重に入るも、時間の経過と共にローマがボールを保持する展開に。
セビージャのプレスに揺さぶりをかけつつミドルレンジのパスで局面を打開すると、11分には右サイドでのディバラとの連携でポケットを取ったチェリクが正確なグラウンダーの折り返しを供給。これをボックス左でドフリーのスピナッツォーラが右足ダイレクトで合わすが、惜しくもGKボノの正面を突いた。
以降もしばらくはローマの時間帯が続いたが、セビージャも決定機まで持ち込ませずに盛り返していく。すると、前半20分を過ぎた辺りからボールの主導権はメンディリバルのチームに。中央を固める相手に対して外回りの攻撃でチャンスを窺うと、右サイドのヘスス・ナバスから幾度か際どいクロスが入るが、相手の守備陣にはじき出される。
接触プレーでプレーが切れる場面が多く試合は膠着状態に陥ったが、一瞬の隙を見逃さないしたたかなモウリーニョのチームが先手を奪う。35分、ハーフウェイライン付近での競り合いでラキティッチ相手にクリスタンテが粘ってボールを残すと、これに反応した前向きのマンチーニが前線で走り出したディバラへ完璧なスルーパスを供給。絶妙なファーストタッチでボックス内に運んだアルゼンチン代表FWがGKボノの右を抜く左足のシュートを流し込んだ。
堅守を誇る相手に先制を許す厳しい流れとなったセビージャは前半の内に同点に追い付こうと、ここからギアを上げて前に出ていく。引き続きサイドを起点としながらもラキティッチがより高い位置でボールに絡んでいく。
そして、43分には左CKの場面でラキティッチの正確なクロスに対して中央でうまくマークを外したフェルナンドがヘディングシュートを狙うが、これは枠の上に外れる。さらに、押し込んだ前半アディショナルタイム6分にはペナルティアーク付近でオリベル・トーレスの横パスを受けたラキティッチが抑えの利いた左足のミドルシュートを枠の右隅へ飛ばすが、これは惜しくもポストの内側を叩いた。
ローマの1点リードも内容ではほぼイーブンで折り返した試合。前半終盤は良い形で攻撃を仕掛けていたセビージャだが、オリベルとブライアン・ヒルを下げてハーフタイム明けにスソとラメラを同時投入。ユベントス撃破の立役者2人に攻撃の活性化を託した。
この2枚替えに加え、リスクを冒して前に出たセビージャが後半立ち上がりは完全にローマを押し込んでいく。そして、幾度か際どい形でフィニッシュまで持ち込むと、その流れのままゴールをこじ開ける。55分、スソのボールキープから右サイドのヘスス・ナバスにボールが展開される。ここで強引に縦に仕掛けたヘスス・ナバスからの正確なクロスに対して、オカンポスがタイミングよくゴール前に入っていくと、手前のDFスモーリングがブラインドになったか、オカンポスのマークに付いていたDFマンチーニの身体に当ったボールがゴールネットに吸い込まれた。
記録上はオウンゴールも自分たちの狙いとする攻撃から試合を振り出しに戻したセビージャは、畳みかける攻めで一気に逆転を目指す。
これに対してローマは後手の対応が目立ち、自陣ゴール前で何とか相手の攻撃を撥ね返すのが精いっぱいの苦しい状況が続く。それでも、相手の攻勢を凌いだ後半半ばから徐々に押し返す。67分には相手陣内右サイドで得たFKの場面でゴール前の混戦を作り、エイブラハム、イバニェスの連続シュートでゴールに迫るが、ここはGKボノの身体を張ったセーブに阻まれた。
急場は凌いだものの、セビージャの途中出場コンビに翻弄されて苦しいジャッロロッシは、ぶっつけ本番での先発起用となったディバラを下げてワイナルドゥム、75分にはエイブラハムを諦めてベロッティを投入。前線を代えて前からの守備の修正と共にカウンターの脅威を増そうとする。
引き続きセビージャペースも緊迫感のある攻防が続く中、試合の行方を左右する際どい判定が続く。まずは76分、ボックス内で馬力のある仕掛けを見せたオカンポスがDFイバニェスと交錯。一度はPKが与えられたが、オンフィールド・レビューの結果、先にボールにチャレンジしていたとの判定で取り消しに。この直後にはローマの攻撃でマティッチのクロスがボックス内のフェルナンドの左腕に直撃。ハンド、ノーファウルのいずれにも取れる微妙なプレーとなったが、VAR介入もこちらもお咎めなしとなった。
結局、1-1のイーブンのまま後半最終盤に突入。何とか90分間で決着を付けたいセビージャが、攻撃の枚数をかけてゴールに迫ったが、ローマの集中した守備を前に最後の後押しが足りない。ラストプレーでは波状攻撃からスソ、フェルナンドのシュートでゴールへ迫ったが、いずれも劇的決勝点とはならなかった。
タイトルを懸けた運命の延長戦では互いに消耗が激しいサイドの選手を入れ替えて最後の勝負に出る。延長前半の立ち上がりこそローマも押し返したが、以降はボールを握って攻めるセビージャが相手陣内でハーフコートゲームを展開。だが、最後のところでこじ開けられない焦れる状況が続く。
その後、延長後半に入ってローマはペッレグリーニとスピナッツォーラを諦めて、温存していたエル・シャーラウィと共にディエゴ・ジョレンテを同時投入。ただ、並びは変えずにPK戦を意識した戦い方を強調する形に。
攻め続けたセビージャもさすがに運動量が落ちて完全に消耗戦の様相を呈した試合は、延長後半の土壇場でローマにセットプレーから続けて見せ場が訪れたものの、GKボノを中心に粘った最多王者はゴールを割らせず。そして、まさに死闘と呼ぶべき一戦の決着はPK戦に委ねられることになった。
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