【ELプレビュー】ユナイテッドvsバルサの結末は? 守田&南野突破懸かるPO第2戦
2023.02.23 18:00 Thu
ヨーロッパリーグ(EL)決勝トーナメントのプレーオフ2ndレグが23日に開催される。ELグループステージ2位通過8チームと、チャンピオンズリーグ(CL)の3位敗退8チームで争われるプレーオフ第2戦の展望を、注目カードを中心に紹介していく。
◆ELプレーオフ2ndレグ
▽2/23(木)
《26:45》
モナコ vs(AGG:3-2) レバークーゼン
ミッティラン vs(AGG:1-1) スポルティングCP
ナント vs(AGG:1-1) ユベントス
PSV vs(AGG:0-3) セビージャ
《29:00》
ウニオン・ベルリン vs(AGG:0-0) アヤックス
ローマ vs(AGG:0-1) ザルツブルク
マンチェスター・ユナイテッド vs(AGG:2-2) バルセロナ
スタッド・レンヌ vs(AGG:1-2) シャフタール
◆白熱のユナイテッドvsバルサの結末は?

昨季のレギュレーション変更によって外れカードなしのプレーオフだが、今季はマンチェスター・ユナイテッドとバルセロナというフットボール界屈指の名門対決が実現。
1週間前にカンプ・ノウで行われた1stレグでは、今大会の優勝候補対決に相応しいハイレベルの攻防が繰り広げられた結果、2-2のドロー決着となった。
試合を通じてはバルセロナのハイプレス、アタッキングサードでの流麗なパスワーク、絶好調のFWラッシュフォードが牽引するユナイテッドの鋭いカウンターと互いの持ち味を出し合う展開に。
逃げ切りに失敗したものの、敵地で最低限のドローでホームに帰還したユナイテッドは、前節のリーグ戦ではレスター・シティ相手に3-0の完勝。前半は守護神デ・ヘアにだいぶ助けられたものの、絶好調のラッシュフォードが2ゴールを挙げて自身のシーズンキャリアハイを更新する公式戦24ゴールに到達。さらに、途中投入のFWサンチョのゴールでダメを押して余力を残しての勝利となった。今週末には2016-17シーズン以来のタイトルを懸けたニューカッスルとのEFLカップ決勝という重要な一戦を控えるが、まずは今回のバルセロナ戦に全力を注ぎたい。
1stレグからはサスペンション明けのDFマルティネス、MFザビッツァーの2選手に加え、レスター戦で戦列復帰したMFマクトミネイに負傷明けのDFマグワイア、FWアントニーの復帰が確実に。初戦からの変更はDFマラシアに代わってマルティネスが復帰する1点のみとなりそうだが、延長戦までもつれ込む可能性もある中でテン・ハグ監督が使える駒が増えた点は大きなプラス材料だ。
一方、初戦の敗戦を免れたものの、微妙な初戦となったバルセロナは、前節のリーグ戦で下位のカディスに2-0で快勝。相手の堅守速攻にやや手を焼いたが、MFセルジ・ロベルトの1ゴール1アシストの活躍によってきっちり勝ち切った。とりわけ、その生え抜きMFを抑えてMOMに輝いたFWフェラン・トーレスの復調は今回の大一番に向けたプラス材料となった。
敵地での2ndレグに向けてはFWデンベレに加え、1stレグでハムストリングを痛めたMFペドリ、累積警告のMFガビという3人の主力の欠場が確定。その一方で、初戦を欠場したMFブスケッツがカディス戦でベンチに戻ってきて今回の遠征メンバーに入った点は朗報だ。カディス戦サスペンションで休養十分のDFアラウホ、ペドリとガビの代役を担うセルジ・ロベルト、フェラン・トーレスらの奮起に期待しつつ、主砲レヴァンドフスキの決定的な仕事が突破のカギを握る。
◆守田&南野、自らの力で16強への扉開けるか

今回のプレーオフにはスポルティングCPのMF守田英正、モナコのFW南野拓実の日本人2選手が参戦。共に初戦をまずまずの結果で終えており、ベスト16進出が期待されるところだ。
守田が負傷欠場したスポルティングのミッティランとの初戦はホームで1-1のドロー。カタールW杯後初めての公式戦となったデンマークの新興クラブを相手に終始試合をコントロールしたホームチームだったが、アタッキングサードでの連携、質を欠いてゴールが遠かった。すると、後半半ば過ぎの77分にはGKアダンのパスミスから途中出場のMFアシュールに鋭いミドルシュートを叩き込まれて先制点を献上。以降は何とか相手のカウンターを撥ね返して勝ち点の望みを繋ぐと、後半ラストプレーのセットプレーから闘将コアテスに劇的な同点ゴールが生まれ、辛くも敗戦を回避した。
直近の国内リーグでは中位のシャヴェス相手に思わぬ苦戦を強いられたが、MFゴンサウヴェスの2ゴールの活躍などで3-2の勝利。また、守田も後半半ばから30分ほどのプレータイムを得て今回の2ndレグに向けて状態を上げてきている。スタメンか途中出場かは不明だが、敵地での勝利に貢献してほしいところだ。
一方、南野はブンデスリーガの名門レバークーゼンとの初戦にトップ下で先発出場。個人としては可もなく不可もない出来となり、前半のみの出場に終わったが、チームは壮絶な打ち合いを制して3-2の先勝を収めた。
前半序盤にFWエンボロが誘発した相手GKのオウンゴールで先制に成功したモナコは前半は優勢に試合を運んだが、後半立ち上がりにFWデイアビ、MFヴィルツという対戦相手が誇る若手逸材アタッカーに圧巻の個人技で連続ゴールを奪われて試合を引っくり返される。それでも、後半半ばにMFディアタ、試合終了間際にDFディザジとこちらもミドルレンジからの見事な2つのミドルシュートを叩き込み、敵地での打ち合いを制した。また、好調を維持するリーグ戦でも直近のスタッド・ブレスト戦に2-1で勝利し、良い形でホームでのリターンレグを迎えることになった。なお、そのブレスト戦で出番がなかった南野だが、今回の大一番のための温存なのか、単純なメンバー落ちなのか微妙なところだ。
優勝候補の一角に挙がるイタリア勢ではユベントス、ローマ共に難しい初戦となった。
格下ナントをホームで迎え撃ったユベントスは、昨季までフランスの地で活躍したMFディ・マリアが輝きを放ち、FWヴラホビッチのゴールで先制に成功。だが、なかなか追加点を奪えずにいると、相手の見事なロングカウンター一発で試合を振り出しに戻される。さらに、試合最終盤のセットプレーでは相手のボックス内での微妙なハンドがオンフィールド・レビューの末にお咎めなしとジャッジされる不運もあって1-1のドローに終わった。普段通りのパフォーマンスを出せば、敵地といえども問題なく勝ち切れると思われるが、CLグループステージでの失態もあり、気を引き締めて臨みたい。
一方、ローマはレッドブル・ザルツブルクとの敵地での初戦を0-1で落とした。試合序盤以降は自分たちの流れで試合を進めてより多くの決定機を作ったが、決め切るまでには至らず。すると、ゴールレスドローが濃厚と思われた試合終了間際にMFカパルドにゴールを決められて痛恨の敗戦に。先週末のリーグ戦ではEL登録外のFWソルバッケンの加入後初ゴールでウノゼロ勝利を収めたが、筋肉の過負荷を抱えるFWディバラに加え、この試合ではFWエイブラハムがまぶたを切って手術を受けるアクシデントに見舞われており、逆転突破へゴールが必要な中で前線の陣容に不安を抱える。その中でFWエル・シャーラウィ、FWベロッティの活躍が必須だ。
その他のカードではPSVとの初戦を3-0で完勝した最多優勝クラブ、セビージャの突破は堅い。一方、初戦をゴールレスドローで終えたウニオン・ベルリンvsアヤックス、スタッド・レンヌvsシャフタールの2試合は引き続き拮抗した戦いが予想される。
◆ELプレーオフ2ndレグ
▽2/23(木)
《26:45》
モナコ vs(AGG:3-2) レバークーゼン
ミッティラン vs(AGG:1-1) スポルティングCP
ナント vs(AGG:1-1) ユベントス
PSV vs(AGG:0-3) セビージャ
《29:00》
ウニオン・ベルリン vs(AGG:0-0) アヤックス
ローマ vs(AGG:0-1) ザルツブルク
マンチェスター・ユナイテッド vs(AGG:2-2) バルセロナ
スタッド・レンヌ vs(AGG:1-2) シャフタール
◆白熱のユナイテッドvsバルサの結末は?

Getty Images
昨季のレギュレーション変更によって外れカードなしのプレーオフだが、今季はマンチェスター・ユナイテッドとバルセロナというフットボール界屈指の名門対決が実現。
試合を通じてはバルセロナのハイプレス、アタッキングサードでの流麗なパスワーク、絶好調のFWラッシュフォードが牽引するユナイテッドの鋭いカウンターと互いの持ち味を出し合う展開に。
ゴールレスで折り返した後半立ち上がりにセットプレーからDFマルコス・アロンソのゴールでホームチームが先制したが、その直後にはラッシュフォードの2つの個人技からDFクンデのオウンゴールを含む連続がゴールが生まれてユナイテッドが逆転。だが、バルセロナもFWハフィーニャのクロスがそのまま決まるやや幸運なゴールでスコアをタイに戻し、初戦は白熱のドロー決着となった。
逃げ切りに失敗したものの、敵地で最低限のドローでホームに帰還したユナイテッドは、前節のリーグ戦ではレスター・シティ相手に3-0の完勝。前半は守護神デ・ヘアにだいぶ助けられたものの、絶好調のラッシュフォードが2ゴールを挙げて自身のシーズンキャリアハイを更新する公式戦24ゴールに到達。さらに、途中投入のFWサンチョのゴールでダメを押して余力を残しての勝利となった。今週末には2016-17シーズン以来のタイトルを懸けたニューカッスルとのEFLカップ決勝という重要な一戦を控えるが、まずは今回のバルセロナ戦に全力を注ぎたい。
1stレグからはサスペンション明けのDFマルティネス、MFザビッツァーの2選手に加え、レスター戦で戦列復帰したMFマクトミネイに負傷明けのDFマグワイア、FWアントニーの復帰が確実に。初戦からの変更はDFマラシアに代わってマルティネスが復帰する1点のみとなりそうだが、延長戦までもつれ込む可能性もある中でテン・ハグ監督が使える駒が増えた点は大きなプラス材料だ。
一方、初戦の敗戦を免れたものの、微妙な初戦となったバルセロナは、前節のリーグ戦で下位のカディスに2-0で快勝。相手の堅守速攻にやや手を焼いたが、MFセルジ・ロベルトの1ゴール1アシストの活躍によってきっちり勝ち切った。とりわけ、その生え抜きMFを抑えてMOMに輝いたFWフェラン・トーレスの復調は今回の大一番に向けたプラス材料となった。
敵地での2ndレグに向けてはFWデンベレに加え、1stレグでハムストリングを痛めたMFペドリ、累積警告のMFガビという3人の主力の欠場が確定。その一方で、初戦を欠場したMFブスケッツがカディス戦でベンチに戻ってきて今回の遠征メンバーに入った点は朗報だ。カディス戦サスペンションで休養十分のDFアラウホ、ペドリとガビの代役を担うセルジ・ロベルト、フェラン・トーレスらの奮起に期待しつつ、主砲レヴァンドフスキの決定的な仕事が突破のカギを握る。
◆守田&南野、自らの力で16強への扉開けるか

Getty Images
今回のプレーオフにはスポルティングCPのMF守田英正、モナコのFW南野拓実の日本人2選手が参戦。共に初戦をまずまずの結果で終えており、ベスト16進出が期待されるところだ。
守田が負傷欠場したスポルティングのミッティランとの初戦はホームで1-1のドロー。カタールW杯後初めての公式戦となったデンマークの新興クラブを相手に終始試合をコントロールしたホームチームだったが、アタッキングサードでの連携、質を欠いてゴールが遠かった。すると、後半半ば過ぎの77分にはGKアダンのパスミスから途中出場のMFアシュールに鋭いミドルシュートを叩き込まれて先制点を献上。以降は何とか相手のカウンターを撥ね返して勝ち点の望みを繋ぐと、後半ラストプレーのセットプレーから闘将コアテスに劇的な同点ゴールが生まれ、辛くも敗戦を回避した。
直近の国内リーグでは中位のシャヴェス相手に思わぬ苦戦を強いられたが、MFゴンサウヴェスの2ゴールの活躍などで3-2の勝利。また、守田も後半半ばから30分ほどのプレータイムを得て今回の2ndレグに向けて状態を上げてきている。スタメンか途中出場かは不明だが、敵地での勝利に貢献してほしいところだ。
一方、南野はブンデスリーガの名門レバークーゼンとの初戦にトップ下で先発出場。個人としては可もなく不可もない出来となり、前半のみの出場に終わったが、チームは壮絶な打ち合いを制して3-2の先勝を収めた。
前半序盤にFWエンボロが誘発した相手GKのオウンゴールで先制に成功したモナコは前半は優勢に試合を運んだが、後半立ち上がりにFWデイアビ、MFヴィルツという対戦相手が誇る若手逸材アタッカーに圧巻の個人技で連続ゴールを奪われて試合を引っくり返される。それでも、後半半ばにMFディアタ、試合終了間際にDFディザジとこちらもミドルレンジからの見事な2つのミドルシュートを叩き込み、敵地での打ち合いを制した。また、好調を維持するリーグ戦でも直近のスタッド・ブレスト戦に2-1で勝利し、良い形でホームでのリターンレグを迎えることになった。なお、そのブレスト戦で出番がなかった南野だが、今回の大一番のための温存なのか、単純なメンバー落ちなのか微妙なところだ。
優勝候補の一角に挙がるイタリア勢ではユベントス、ローマ共に難しい初戦となった。
格下ナントをホームで迎え撃ったユベントスは、昨季までフランスの地で活躍したMFディ・マリアが輝きを放ち、FWヴラホビッチのゴールで先制に成功。だが、なかなか追加点を奪えずにいると、相手の見事なロングカウンター一発で試合を振り出しに戻される。さらに、試合最終盤のセットプレーでは相手のボックス内での微妙なハンドがオンフィールド・レビューの末にお咎めなしとジャッジされる不運もあって1-1のドローに終わった。普段通りのパフォーマンスを出せば、敵地といえども問題なく勝ち切れると思われるが、CLグループステージでの失態もあり、気を引き締めて臨みたい。
一方、ローマはレッドブル・ザルツブルクとの敵地での初戦を0-1で落とした。試合序盤以降は自分たちの流れで試合を進めてより多くの決定機を作ったが、決め切るまでには至らず。すると、ゴールレスドローが濃厚と思われた試合終了間際にMFカパルドにゴールを決められて痛恨の敗戦に。先週末のリーグ戦ではEL登録外のFWソルバッケンの加入後初ゴールでウノゼロ勝利を収めたが、筋肉の過負荷を抱えるFWディバラに加え、この試合ではFWエイブラハムがまぶたを切って手術を受けるアクシデントに見舞われており、逆転突破へゴールが必要な中で前線の陣容に不安を抱える。その中でFWエル・シャーラウィ、FWベロッティの活躍が必須だ。
その他のカードではPSVとの初戦を3-0で完勝した最多優勝クラブ、セビージャの突破は堅い。一方、初戦をゴールレスドローで終えたウニオン・ベルリンvsアヤックス、スタッド・レンヌvsシャフタールの2試合は引き続き拮抗した戦いが予想される。
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