開幕戦完敗で「どうする浦和」/六川亨の日本サッカーの歩み

2023.02.21 14:00 Tue
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浦和にとってFC東京は“お得意さん”のはずだった。直近の2シーズンは2勝2分けと負け知らず。過去の対戦成績でも22勝11分け9敗とホーム(13勝4分け4敗)はもちろんアウェイ(9勝7分け5敗)でも勝ち越してきた。そんな浦和が開幕戦でFC東京に完敗したのだから“ただ事”ではない。

前半こそ前線からの献身的で連動したプレスと、アンカーの東慶悟を潰すことでFC東京のビルドアップを封じた。開始4分には東にイエローカードが出され、シュートも1本に抑え込んだ。ここまでは、これまでのパターン通りと言えた。
ところが後半、アルベル監督は警告を受けた東に代えて安部柊斗をトップ下に起用し、新加入の小泉慶と松木玖生をボランチに下げる[4-2-3-1]に変更。すると試合はFC東京のワンサイドゲームになった。

FC東京の攻撃がスムーズになったのは、松木がボールに触る回数が増えたのと、小泉が状況に応じて最善のプレーを選択してリスクヘッジしたからだ。さらに仲川輝人に代えて渡邊凌磨を昨シーズンまでの右サイドではなく、左サイドに投入したのも効果的だった。

とはいえ、FC東京の選手がそこまでスーパーなプレーをしたわけでもない。前半のオーバーワークが影響したのか、明らかにペースダウンした後半でもあった。

浦和はダヴィド・モーベルグの動きが緩慢で、シュートもスローモーで簡単にブロックされるなど調整不足は明らか。このため後半11分にはベンチに下がった。昨シーズンはケガで長期欠場を余儀なくされたブライアン・リンセンもシュートは1本も放てず後半24分に交代した。

名古屋へレンタル移籍したキャスパー・ユンカーが開幕戦で先制ゴールを決めたのとは対照的な結果である。

チームには昨シーズンからの継続性があるのは強みかもしれない。しかし左SB明本考浩、ボランチの伊藤敦樹と岩尾憲、トップ下の小泉佳穂と左FWに起用された大久保智明は、確かに“仕事人”と言っていい選手たちである。しかし、浦和というビッグクラブのリーダーとして“顔”となる選手かと問われれば首を捻らざるを得ない。

唯一存在感を発揮したのは、アダイウトンのドリブル突破を身体で弾き飛ばしてボールを奪い、そのまま持ち上がってカウンターを仕掛けた酒井宏樹くらいだ。

補強にしても、レンタルバックの興梠慎三は別にして、主力クラスはCBマリウス・ホイブラーテンの1人だけ。これでは江坂任の抜けた穴を埋められたとは到底思えない。ビッグクラブを自認するには寂しい補強である。果たしてさらなる外国人選手の獲得はあるのかどうか。「どうする」のか注目したい。

次節はディフェンディング・チャンピオンで開幕戦を白星スタートの横浜FM、さらには大型補強のC大阪と難敵が続く。マチェイ・スコルジャ監督には「待ったなし」の連続だが、無事に乗り切れるのかどうか、こちらも他人事ながら心配である。

それでも試合後、帰路を一緒にした浦和担当記者は、「こういう試合をした後にマリノスに勝つのが浦和なんですよ」と胸を張っていた。これが“レッズ愛”なんだろうと実感した次第である。

【文・六川亨】
1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた


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ネルシーニョ氏の足跡を振り返る/六川亨の日本サッカーの歩み

第13節を終えた段階で2勝5分け6敗と低迷していた柏が、ネルシーニョ監督の退任と井原正巳ヘッドコーチの監督昇格を決定。初陣となった第14節の神戸戦では、積極的なプレスからOGを誘い、首位を相手に1-1のドローに持ち込んだ。 72歳のベテラン監督であるネルシーニョ氏が来日したのは1994年のこと。ヴェルディ川崎(現東京V)のヘッドコーチとして、松木安太郎監督と二頭体制でリーグ優勝に貢献した。95年からは監督を務めたが、サントリーチャンピオンシップで横浜マリノスに敗れて連覇はならなかった。Jリーグは今年で30周年を迎えたが、ネルシーニョ氏はヴェルディ川崎だけでなく、名古屋で3年、柏では通算11年、そして神戸でも3年ほど監督を務め、20年もJリーグに関わってきた。 その間にはV川崎の天皇杯やリーグカップ制覇、さらに柏でもJ1リーグ初優勝に貢献したのを始め、天皇杯とリーグカップなどのタイトルをクラブにもたらした。神戸では16年にセカンドステージ2位という好成績を収めてもいる。 同氏は、前日まで控え組だった選手をいきなりレギュラーで起用すると活躍したり、試合中にシステムや戦術を柔軟に変更したりする手腕から「ネルシーニョ・マジック」と言われたこともあった。Jリーグが93年に10チームで開幕した時の監督で、いまなお現役の監督は当然ながら1人もいない。浦和の森孝慈さん、名古屋の平木隆三さん、鹿島の宮本征勝さんらメキシコ銅メダル組の方は、すでに他界している方々もいるくらいだ。 一方、93年当時は現役選手で、現在はJ1リーグの監督を務めている方々もいる。まずは柏の井原監督で、横浜Mでもリーグ優勝に貢献している。名古屋の長谷川健太監督は、現役時代は清水エスパルスのストライカーとしてリーグカップ制覇に貢献した。変わったところでは、アルビレックス新潟の松橋力蔵監督で、日産FCのファーム出身で、日産自動車サッカー部を経て横浜Mの一員になっている。新潟を1年でJ1に復帰させた手腕はダテではないということだ。もう1人、日本代表の森保一監督もサンフレッチェ広島の一員として風間八宏氏や高木琢也氏らとともにチームを支えた。 こうして改めてネルシーニョ氏の足跡を辿ってみると、いかに優れた指導者だったのか理解できるだろう。30周年には1年足りないが、ベスト監督賞を授与してもいいのではないだろうか。 <hr>【文・六川亨】<br/><div id="cws_ad">1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた</div> 2023.05.23 15:30 Tue
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「J30ベストアウォーズ」が決定/六川亨の日本サッカーの歩み

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スコルジャ監督のチーム作りと選手起用がアジア制覇につながる/六川亨の日本サッカーの歩み

変則日程ではあるが、2022年のAFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝は浦和が1-1、1-0の1勝1分けで3度目の戴冠を果たした。敵地での第1戦を1-1で引分けた浦和は、ホームでの第2戦で勝つか0-0の引分けでも優勝というアドバンテージがあった。 とはいえ埼玉スタジアムでの第2戦の立ち上がりは、折からの強風と風下ということもあって、アル・ヒラルの猛攻に防戦一方。GK西川周作の好セーブがなければ前半だけで3失点していてもおかしくなかった。 90分間を通して浦和の枠内シュートはゼロ。後半はカウンターから大久保智明がGKと1対1になりながらシュートを上に外すなど、Jリーグとは違う緊張感の中で選手たちはプレーしていたようだ。そんな浦和の唯一の決定機は前半30分、酒井宏樹のドリブル突破からゴール前の興梠慎三が難しいボレーで狙ったものの、シュートはクロスバーを痛打。決勝点は相手選手のOGという幸運にも恵まれたが、それもガマン強くアル・ヒラルの猛攻に耐えたからに他ならない。 アル・ヒラルのスタメンは、ペルー人のMFカリージョ、ブラジル人のFWミシャエウ、ナイジェリア人のCFイグアロ、元韓国代表でFC東京でもプレーしたCBチャン・ヒョンス以外に現役サウジアラビア代表が5人いる。このため1対1の攻防では余裕を持って浦和の選手をあしらっていた。正直、アル・ヒラルの選手の巧みなキープ力、ドリブル突破の力強さには舌を巻いたものだ。ここらあたり、浦和には現役と元を含めて日本代表はGK西川と酒井、興梠の3人しかいない差だろう。 選手の「海外流出」は避けられず、Jリーグの「空洞化」が指摘されて何年も経つ。そうした中での浦和のアジア制覇、とりわけサウジアラビア勢を下しての優勝は意義深いものがある。マチェイ・スコルジャ監督は、ここまでのチーム作りについてアル・ヒラルを「意識しながら準備をしてきた」と言い、今後は「もっと攻撃的なチームにしたい」と抱負を語った。 日本勢でACLを制したのは浦和とG大阪、鹿島の3チームだけで、複数優勝は浦和だけだ。ところがリーグ優勝となると浦和は06年の1度しかない。そろそろ2度目のリーグ優勝を目標にしてもいいのではないだろうか。そのためにもスコルジャ監督が今後はどのようなチーム作りをするのか興味深い。 この新監督は、決断が早く、迷いがないという印象が強い。アル・ヒラル戦でもMF小泉佳穂がミドルサードで無謀なドリブル突破を試みてボールを失うと、迷わず後半27分にMF安居海渡と交代させた。前線からのチェイスで運動量の落ちた興梠も同様だ。指揮官にとって、DF4人とボランチの岩尾憲は「代えの効かない」不動の選手(ケガがない限り)だが、残りの選手、とりわけ前線の選手にはハードワークを課す一方、5人の交代枠を効果的に使って疲労が蓄積しないよう、連戦を乗り切れるよう計算しているように感じられる。 こうした「やりくり」は、夏場を迎えるこれからが本領を発揮するだろう。スコルジャ監督の選手の起用法にも注目したい。 <hr>【文・六川亨】<br/><div id="cws_ad">1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた</div> 2023.05.09 11:35 Tue
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ACLの歴史からみるアル・ヒラルと浦和の因縁/六川亨の日本サッカーの歩み

4月29日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第1戦で、アル・ヒラル(サウジアラビア)と対戦した浦和はFW興梠慎三の同点ゴールで貴重な勝点1とアウェイゴールを手にした。1点のリードを許した浦和だったが、後半8分、MF大久保智明のスルーパスは相手DFに阻止されたものの、ボールはアル・ヒラルのゴールへと向かい、飛び出したGKと入れ替わるような格好で左ポストに当たる。これを諦めずに詰めていた興梠が冷静に押し込んで同点とした。 これで浦和は5月6日のホーム・ゲームで、勝てばもちろん0-0のドローでもアウェイゴールの差で3度目の優勝が決まる。優勝3回はもちろん日本のクラブにとって最多だし、歴代記録でもアル・ヒラルの4回に次ぐ2位の成績だ(韓国の浦項スティーラースも優勝3回)。 このACL、UEFAチャンピオンズリーグから遅れること11年、1967年にスタートし、当時は「アジアクラブ選手権」と言われていた。初代王者はイスラエルのハポエル・テル・アビブで、第2回大会はマッカビ・テル・アビブとイスラエル勢の強さが目立った。当時のJSL勢は、遠征費用がかかるのと、日程が重なることなどから日本リーグで優勝しても参加を見送ることが多かった。 しかし1986年、西ドイツから奥寺康彦が帰国し、日本でも圧倒的な強さで優勝した古河電工(現ジェフ千葉)が、天皇杯の参加を辞退して出場し、見事初優勝を果たした。さらに翌年は読売クラブ(現東京V)が連覇を達成する。読売クラブは不戦勝での優勝だったが、86年と87年に準優勝だったのはいずれもアル・ヒラルだった。89-90シーズンは日産自動車(現横浜FM)が決勝まで勝ち上がったものの、中国の遼寧東葯にホーム・アンド・アウェーは1分け1敗で初優勝を逃した。しかし98-99シーズン、全盛期を誇っていた磐田がテヘランのアザディ・スタジアムに乗り込み、エステグラルを2-1で下して日本勢3チーム目の優勝を果たした。 そして当時は「アジアクラブ選手権」と並行して、もう1つの大会が開催されていた。各国のカップ戦王者が集う「アジアカップウィナーズカップ」である。こちらも欧州カップウィナーズカップをマネして創設された大会であることは言うまでもない。さらに欧州にはリーグ戦の2位以下のチームが集うUEFAカップ(現EL)もあったが、残念ながらアジアには2つのカップ戦しかなかった。 この「アジアカップウィナーズカップ」で91-92シーズンに日産自動車が、翌92-93シーズンは横浜マリノスが連覇を達成。さらに94-95シーズンは横浜フリューゲルス、95年はベルマーレ平塚(現湘南ベルマーレ)、99-00年は清水エスパルスと日本の4チームが優勝5回を達成している。これはアル・ヒラルらサウジアラビア勢5チームによる優勝6回に次ぐ成績だ(96-97シーズンの名古屋は決勝でアル・ヒラルに1-3で敗れて準優勝)。 こうした2つの大会が統合されてACLとリニューアルされたのが02-03シーズンのこと。Jリーグ勢は07年と17年に浦和が、08年にG大阪が、そして18年に鹿島がアジアの頂点に立った。しかし19年の浦和はアル・ヒラルにホーム、アウェーとも0-1、0-2で完敗。アル・ヒラルはこれがACL初優勝で(14年と17年は準優勝)、昨シーズンも2度目の優勝を飾っている。 アジアクラブ選手権を含めると、アル・ヒラルの優勝4回、準優勝4回は群を抜いている。そんな強豪相手に、17年の浦和は敵地で1-1と引分け、ホームで1-0の勝利を収めて2度目の優勝を遂げている。果たしてその再現から3度目のアジア王者に就任できるのか。6日の埼玉スタジアムはファン・サポーターの熱気に包まれることは間違いないだろう。 <hr>【文・六川亨】<br/><div id="cws_ad">1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた</div> 2023.05.03 08:30 Wed
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J30周年記念ベストイレブンを一足先に予想/六川亨の日本サッカーの歩み

Jリーグは今年で30周年という節目の年を迎える。そこで、これまでの30年を回顧する「J30ベストアウォーズ」を開催することを発表。30年の歴史の中から「MVP」、「ベストイレブン」、「ベストマッチ」、「部門別ベストゴール」、「ベストシーン」などをファン・サポーターの投票をもとに決める。すでに投票は4月21日に締め切られ、結果発表は5月15日(月)のJリーグの日を予定している。 そこで今週は、一足早く「ベストイレブン」を個人的に予想してみた。規定によるとGK1名、DF3名、MF3名、FW1名の8名で、その他として3名に、外国籍選手は5名までとなっている。 参考までに10年前の2013年の20周年記念では、次の11名が歴代ベストイレブンに選出されている。GK川口能活、DF松田直樹、中澤佑二、井原正巳、MF遠藤保仁、中田英寿、中村俊輔、名波浩、FW三浦知良、中山雅史、ドラガン・ストイコビッチである。まあ順当な結果と言っていいだろう。 さて30周年である。GKは631試合出場と歴代2位の記録を持つ楢﨑正剛(横浜F、名古屋)にした。川口とは代表でもライバル関係だったが、出場試合数の多さで楢﨑を選出した。空中戦に強く、冷静沈着なGKだった。 DFは3BKということで、強さと高さを基準に選んだ。中澤(横浜FM)はJ1通算593試合出場(歴代3位)という“鉄人”でもある。彼とコンビを組むのはベストイレブン選出9回の田中マルクス闘莉王(浦和など)だ。この2人なら、敵の攻撃を跳ね返す強さがある。そしてもう1人は、危機察知が高くカバーリングに優れている井原(横浜Mなど)を選出した。この3人なら、守備はもちろんセットプレーでも得点力を期待できるだろう。 MFは3人という狭き門である。やはりJ1リーグ672試合出場でベストイレブンにも12回選出されている遠藤(G大阪など)は外せない。そして中村は中村でも憲剛を推薦したい。川崎F一筋でチームを牽引し、数々のタイトルをもたらした。ベストイレブンにも11回選出されている。最後の1人は悩んだ。ベストイレブン選出6回で、通算525試合出場(歴代7位)の小笠原満男(鹿島)か、ベストイレブン選出4回ながら通算590試合出場(歴代4位)の阿部勇樹(浦和など)にするか。2人ともチームにタイトルをもたらしたし、守備的なポジションでもプレーできる。そこで“高さ”という武器のある阿部を選択した。 FWは1名ということで選択肢は限られるが、歴代最多191ゴールの大久保嘉人(川崎Fなど)を選出した。そして「その他3名枠」でFWとして、いまなお現役のレジェンド三浦知良(V川崎など)、選手として天皇杯、監督としてJ1リーグのタイトルをもたらしたピクシーことストイコビッチを推薦したい。左FWにカズ、右FWにピクシーが入り、中央に大久保という布陣で、中盤には中村憲剛や遠藤というパサーもいるだけに、攻撃力はかなり高いのではないだろうか。 その他3名枠がもう1枠あるが、小笠原でもいいし、中山雅史(磐田など)やジーコ(鹿島)でも、それぞれが好みの選手を選べばいいだろう。今年の柏戦で17年連続J1ゴールを記録して小笠原と並んだ興梠慎三(浦和など)は現在165ゴールで歴代2位の記録を更新中だ。あと26ゴールで大久保と並ぶが、彼も「記録に残る選手」になることは間違いないだろう。 <hr>【文・六川亨】<br/><div id="cws_ad">1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた</div> 2023.04.24 17:00 Mon
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