サプライズ候補デンマークは白星発進ならず…チュニジアの堅守に苦戦でドロースタート《カタールW杯》
2022.11.23 00:05 Wed
カタール・ワールドカップ(W杯)のグループD第1節、デンマーク代表vsチュニジア代表が22日に行われ、0-0のドローに終わった。
欧州予選、UEFAネーションズリーグでの好パフォーマンスによって今大会のサプライズ候補に挙がるデンマーク。躍進を占う重要な初戦では北アフリカの難敵と対戦した。ヒュルマンド監督はこの試合で[3-5-2]を採用。GKにシュマイケル、3バックにアンデルセン、ケアー、アンドレアス・クリステンセン、ウイングバックにラスムス・クリステンセン、メーレを起用。中盤はデラネイとホイビュア、エリクセンという絶対的な主力が並び、2トップはスコフ・オルセンとドルベリとなった。
一方、2大会連続出場のチュニジアは悲願のグループリーグ突破を目指す。その初陣ではハズリやハンニバル、スリティといったテクニシャンタイプがベンチスタートとなったものの、メリアーやブロン、スクヒリ、ムサクニといった主力が先発に名を連ねた。
カタールに大挙したサポーターの熱狂的な声援を後押しにチュニジアがアグレッシブな入りを見せる。序盤は球際のデュエル、切り替えの速さでデンマークを上回り、ボックス付近からムサクニやドレーガーが積極的に足を振って“事故”を起こすような仕掛けを見せる。
これに対して序盤の守勢を凌いだデンマークは、相手とマッチアップがかみ合うことで、なかなかウイングバックの攻撃参加というストロングが出せず、最前線に入るドルベリらも相手のソリッドな守備に苦戦。エリクセンの正確なプレースキックやラストパスでチャンスを窺うにとどまる。
一方のチュニジアは攻撃の回数は少ないものの、幾度か相手のディフェンスラインの背後を突き決定機を創出。43分にはムサクニのスルーパスに抜け出したジェバリがGKと一対一の絶好機も、チップキックはGKシュマイケルの見事な反応にはじき出された。
ゴールレスで折り返した後半はキックオフ直後こそチュニジアのペースとなったが、時間の経過と共にデンマークが押し返して拮抗。
そういった中、より動きが求められるデンマークは65分に3枚替えを敢行。ケアーとドルベリ、スコフ・オルセンを下げてイェンセン、コーネリウス、リンドストロームを投入。この交代で並びを[4-2-3-1]の形に変更した。
すると、69分にはボックス手前で前を向いたエリクセンが強烈な左足のミドルシュートでGKダーメンにファインセーブを強いると、直後の右CKではエリクセンのクロスをアンドレアス・クリステンセンがヘディングシュート。このこぼれをコーネリウスが押し込みにかかるが、惜しくも右ポストを叩いた。
この連続攻撃で先制点奪取はならずも、デンマークが攻勢を強めていくかに思われたが、チュニジアもスリティやハンニバルの投入など積極的なメンバー交代でプレー強度を維持。徐々にデンマークのイージーミスが増え始めたことで、完全にイーブンの状況に戻した。
その後、試合は消耗戦の様相色濃く最終盤に突入。より勝ち点3がほしいデンマークがリスクを冒して前に出ると、5分が加えられたアディショナルタイムに攻勢を仕掛ける。だが、リンドストロームの無回転ミドルシュートはGKダーメンの好守、ハンドを巡るオンフィールド・レビューはお咎めなしの判定でゴールに繋がらず。
そして、試合はこのまま0-0でタイムアップを迎え、チュニジアの堅守に苦戦したデンマークは白星スタートを逃した。
なお、デンマークは26日にフランス代表と、チュニジアはオーストラリア代表と対戦する。
デンマーク代表 0-0 チュニジア代表
欧州予選、UEFAネーションズリーグでの好パフォーマンスによって今大会のサプライズ候補に挙がるデンマーク。躍進を占う重要な初戦では北アフリカの難敵と対戦した。ヒュルマンド監督はこの試合で[3-5-2]を採用。GKにシュマイケル、3バックにアンデルセン、ケアー、アンドレアス・クリステンセン、ウイングバックにラスムス・クリステンセン、メーレを起用。中盤はデラネイとホイビュア、エリクセンという絶対的な主力が並び、2トップはスコフ・オルセンとドルベリとなった。
一方、2大会連続出場のチュニジアは悲願のグループリーグ突破を目指す。その初陣ではハズリやハンニバル、スリティといったテクニシャンタイプがベンチスタートとなったものの、メリアーやブロン、スクヒリ、ムサクニといった主力が先発に名を連ねた。
これに対して序盤の守勢を凌いだデンマークは、相手とマッチアップがかみ合うことで、なかなかウイングバックの攻撃参加というストロングが出せず、最前線に入るドルベリらも相手のソリッドな守備に苦戦。エリクセンの正確なプレースキックやラストパスでチャンスを窺うにとどまる。
前半半ばから終盤にかけて試合は膠着。ボールの主導権を握るものの、相手の組織的な守備に苦戦するデンマークは、アンデルセンやホイビュアがミドルレンジのシュートを枠に飛ばすが、相手GKに難なく対応される。
一方のチュニジアは攻撃の回数は少ないものの、幾度か相手のディフェンスラインの背後を突き決定機を創出。43分にはムサクニのスルーパスに抜け出したジェバリがGKと一対一の絶好機も、チップキックはGKシュマイケルの見事な反応にはじき出された。
ゴールレスで折り返した後半はキックオフ直後こそチュニジアのペースとなったが、時間の経過と共にデンマークが押し返して拮抗。
そういった中、より動きが求められるデンマークは65分に3枚替えを敢行。ケアーとドルベリ、スコフ・オルセンを下げてイェンセン、コーネリウス、リンドストロームを投入。この交代で並びを[4-2-3-1]の形に変更した。
すると、69分にはボックス手前で前を向いたエリクセンが強烈な左足のミドルシュートでGKダーメンにファインセーブを強いると、直後の右CKではエリクセンのクロスをアンドレアス・クリステンセンがヘディングシュート。このこぼれをコーネリウスが押し込みにかかるが、惜しくも右ポストを叩いた。
この連続攻撃で先制点奪取はならずも、デンマークが攻勢を強めていくかに思われたが、チュニジアもスリティやハンニバルの投入など積極的なメンバー交代でプレー強度を維持。徐々にデンマークのイージーミスが増え始めたことで、完全にイーブンの状況に戻した。
その後、試合は消耗戦の様相色濃く最終盤に突入。より勝ち点3がほしいデンマークがリスクを冒して前に出ると、5分が加えられたアディショナルタイムに攻勢を仕掛ける。だが、リンドストロームの無回転ミドルシュートはGKダーメンの好守、ハンドを巡るオンフィールド・レビューはお咎めなしの判定でゴールに繋がらず。
そして、試合はこのまま0-0でタイムアップを迎え、チュニジアの堅守に苦戦したデンマークは白星スタートを逃した。
なお、デンマークは26日にフランス代表と、チュニジアはオーストラリア代表と対戦する。
デンマーク代表 0-0 チュニジア代表
デンマークの関連記事
ワールドカップの関連記事
|
デンマークの人気記事ランキング
1
EUROデンマークの快進撃で思い出すユーゴの悲劇/六川亨の日本サッカーの歩み
7月22日の東京五輪初戦、対南アフリカ戦に備えてU-24日本代表が5日から静岡県でキャンプに入った。今後は現地で調整後、12日のホンジュラス戦、17日のスペイン戦を経て開幕戦に臨む。 そして海外ではEUROの準々決勝が終わり、ベルギーを撃破したイタリア、世界王者フランスを倒したスペイン、ライバルのドイツを粉砕したイングランド、そしてダークホースのデンマークがベスト4進出を果たした。 サッカーの母国であるイングランドは、ワールドカップで1回の優勝を記録しているが、それも66年に自国で開催した1回のみ。それ以外はワールドカップでもEUROでも華々しい結果は残していない。今回は決勝戦が11日にロンドンで開催されるだけに、千載一遇のチャンスと言っていいだろう。 そんなイングランドの前に立ちはだかりそうなのが92年の初優勝以来29年ぶりの欧州ナンバー1を狙うデンマークだ。グループステージでは開幕2連敗から決勝トーナメント進出というサプライズを起こした。もしかすると2度目の「おとぎ話」があるかもしれない。 EUROは88年の西ドイツ(当時)大会を取材したことを以前のコラムで書いた。当時は8チームによる、なんとものんびりとした大会だった。そして4年後の92年も8チームによる大会だったが、たった4年でヨーロッパに激震が走った。 まず予選の組分け抽選会はイタリアW杯が開催される前の90年2月に行われた。ところが前年の89年11月に「ベルリンの壁」が崩壊し、東ドイツが西ドイツと統一に向けた交渉が行われ、90年8月には東ドイツが西ドイツに吸収された。 このため90年イタリアW杯の優勝国は西ドイツだが、その後はドイツと表記されるようになり、東ドイツはEUROの予選を辞退することになった。 予選ではソ連がイタリアを抑えて本大会進出を決めたが、こちらも91年12月にソビエト連邦が崩壊。旧ソビエト連邦からなる独立国家共同体(CIS)としてEUROに参加。同年のバルセロナ五輪や94年のリレハンメル五輪までCISの名称で参加することになった。 そしてデンマークである。予選では90年イタリアW杯の準々決勝でアルゼンチンとPK戦の死闘を演じたユーゴスラビアが首位で予選を通過した。監督はその後、日本代表の監督を務めるイビチャ・オシム、主力選手は名古屋でプレーした「ピクシー」ことドラガン・ストイコビッチで、予選の得点王はダルコ・パンチェフ――91年のトヨタカップでレッドスター・ベオグラードの一員として来日し、チリのコロコロを下してクラブ世界一にも輝いた。 しかしユーゴスラビアは内戦の激化により、92年5月30日に国連安全保障理事会決議でスポーツを含めてあらゆる国際交流が禁止されたため、FIFA(国際サッカー連盟)とUEFA(欧州サッカー連盟)もユーゴスラビアのEUROへの出場を取り消し、代わって2位のデンマークに出場権を与えた。 ユーゴスラビア代表はすでに開催地のスウェーデンに入国していたが、そのまま帰国を余儀なくされ、一方バカンス中だったデンマークの選手は急きょ招集されてスウェーデン入りした。 オシム監督も内戦が激化するなかユーゴスラビア代表の監督を辞任。選手にも民族間の対立があったユーゴスラビア代表は、国家の解体に歩調を合わせて崩壊した。 こうして迎えた本大会で、グループAは地元スウェーデンが首位で準決勝に進出。2位はイタリアW杯ベスト4のイングランドが有力視されていたが、1勝もできず2分け1敗の最下位に沈む。代わって2位でベスト4に勝ち進んだのがデンマークだった。 GKピーター・シュマイケルを中心にした堅守でしぶとく勝点を稼いだ。現在行われているEUROでデンマークのゴールを守るGKカスパー・シュマイケルはピーターの息子ということも因縁を感じさせる。 一方グループBではファン・バステン、フランク・ライカールトやデニス・ベルカンプ擁するオランダが首位で通過。ユルゲン・クリンスマン、ステファン・エッフェンベルクら豪華な攻撃陣を誇る世界王者ドイツは2位で勝ち上がった。 地元スウェーデンもトマス・ブロリンら好選手を揃えていたものの準決勝でドイツに2-3と惜敗。そしてデンマークはオランダとの死闘を2-2からのPK戦を5-4で制して決勝戦に進出。すると決勝戦でも2-0の勝利を収め、代替出場で欧州制覇という偉業を達成した。 「もしもユーゴスラビアがそのまま出場していたらEUROで優勝したか」とは、当時の世界中のジャーナリストとファンが考えたテーマだった。もちろん、その問いに答えはない。あるのは、輝かしい才能を持った偉大なチームが崩壊してしまったという事実だけだった。 2021.07.06 15:00 Tue2
エリクセンを救ったデンマークドクター「彼は亡くなっていた」
MFクリスティアン・エリクセンを救ったデンマーク代表のチームドクターを務めるモルテン・ボーセン氏が、エリクセンが倒れた際の状況について改めて振り返った。 エリクセンは12日、ユーロ2020第1節のフィンランド代表戦に先発。43分にスローインのボールを受けにいった際に、そのままピッチへと力なく倒れ込んだ。 この緊急事態を乗り切ったボーセン氏は次のように振り返っている。 「彼が倒れた時、心臓は動いておらず亡くなっていた。心停止状態で、心肺蘇生措置を使うことになった。どの程度の確率で彼を助けられなかったかはわからないが、1度目の措置で心臓が動き出した。かなり早い蘇生だったと思う」 「これまでの検査では問題がない。彼の状態は安定しており、今後も検査を継続する。今朝、クリスティアンと話すことができ、チームメートにも挨拶をしていた」 「昨日の危機的な状況を乗り越えた代表チームとスタッフは今後も寄り添っていく。心の籠もったメッセージをたくさん頂けたことに感謝している」 2021.06.14 01:30 Mon3
カスパーの勇敢な救助活動…父ピーターが率直な思いを吐露
▽マンチェスター・ユナイテッドOBで元デンマーク代表GKのピーター・シュマイケル氏が、息子であるレスター・シティの同代表GKカスパー・シュマイケルの勇敢な行動を称賛すると共に、父親としての率直な思いを吐露した。 ▽その行動とは、レスターオーナーのヴィチャイ・スリヴァッダナプラバ氏ら搭乗者5名の命を奪ったヘリコプター墜落事故の救助活動だ。事故発生当時、シュマイケルはすぐさま現場に駆けつけ、炎で包まれたヘリコプターから人命救助を試み、警察官に制止されたことが明らかになっている。 ▽そのカスパーの父であるピーター・シュマイケル氏は、イギリス『BBC』の『BBC Radio 5 live's Sportsweek』で次のように言及。息子に対して、いち人間としての「誇り」を感じると同時に、父として「怒り」の感情がこみ上げたことを明かした。 「私は息子のリアクションを誇りに思う。真っ先にやろうとしたことが救助活動だったのだからね」 「彼は炎上しているヘリコプターに走って行った。誰の親だって、あんなことは子供にさせたくない」 「私の息子は尊敬の念を欠かさない思いやりのある繊細な男だ。彼はとんでもないことをやった」 「今は難しい状況にある。私も彼の気持ちを読み取ろうとしていて、大きな反動がないことを願う」 2018.11.19 12:45 Mon4
PSG、ユナイテッドが狙うホイルンドにオファー…77.3億円を提示
マンチェスター・ユナイテッドが獲得を目指しているアタランタのデンマーク代表FWラスムス・ホイルンド(20)だが、パリ・サンジェルマン(PSG)がオファーを出したようだ。フランス『レキップ』が伝えた。 2022年8月にシュトゥルム・グラーツからアタランタへと完全移籍したホイルンドは、初挑戦のセリエA32試合で9ゴール4アシストを記録した。 年齢も相まって高く評価されているホイルンドは、マンチェスター・シティのノルウェー代表FWアーリング・ハーランドとも比較されることもある。 ユナイテッドは6000万ポンド(約109億円)を提示したとされているが、アタランタは8600万ポンド(約156億円)を求めているとのこと。両者のせめぎ合いが起こっている中、PSGも獲得レースに名乗り出ている。 PSGは5000万ユーロ(約77億3000万円)のオファーを提示。アタランタが望むただ、これ以上を支払う気もないとされている。 『The Athletic』によれば、ユナイテッドも同様のオファーを出したことに加え、ボーナスが1000万ユーロ()ついているとのこと。さらに、ホイルンド自身がユナイテッド行きを望んでいるということもあり、難しい局面を迎えることになりそうだ。 PSGはフランス代表FWキリアン・ムバッペの去就が不透明な状況。本人に退団の意思はないが、万が一いなくなるとなればストライカー獲得が必要となるが、どういった結末を迎えるだろうか。 2023.07.28 12:40 Fri5