オシムヘン鮮烈弾でローマの堅守こじ開ける! ナポリがデルビー・デル・ソーレ勝利でクラブ記録の公式戦11連勝!《セリエA》

セリエA第11節、ローマvsナポリが23日にスタディオ・オリンピコで行われ、アウェイのナポリが0-1で勝利した。

前節、サンプドリアを相手に7試合ぶりのクリーンシートで3連勝を飾った4位のローマ(勝ち点22)。今季未だ無敗の絶好調のチームを迎え撃ったビッグマッチでは前節から先発3人を変更。ウイングバックをザレフスキとエル・シャーラウィのセットからカルスドルプとスピナッツォーラに入れ替えたほか、ベロッティに代えてザニオーロをトリデンテの一角で起用した。

一方、目下公式戦10連勝中でセリエA首位に立つナポリ(勝ち点26)は、打ち合いとなった前節のボローニャ戦を3-2で勝利。苦しみながらも攻撃の爆発力、勝負強さを証明した。指揮官の古巣であり、リーグ屈指の堅守を誇る難敵とのアウェイゲームではその試合から先発3人を変更。マリオ・ルイ、ラスパドーリ、ポリターノに代えてオリベラ、オシムヘン、ロサーノを起用した。
いずれも好調を維持して臨んだ今季最初のデルビー・デル・ソーレ。立ち上がりは互いに前から相手のビルドアップに圧力をかけるアグレッシブな形を取る。9分にはマディ・カマラがエンドンベレを潰したショートカウンターからボックス左のエイブラハムに決定機も、この右足のシュートは枠の右へ外れる。

ローマは[3-4-2-1]、ナポリは[4-3-3]と並びは異なるものの、比較的マッチアップが明確となった中で球際の勝負で優位に立つローマが優勢に試合を進めていく。ザニオーロの背後へのランニングを生かしてチャンスを窺う中、得意のセットプレーから幾度か相手ゴールへ迫るが、ナポリの集中した守備に撥ね返される。一方、ディフェンスラインではボールを持てるナポリだが、そこから人への意識が強いローマの守備に苦戦を強いられてなかなか効果的にボールを前進させられない。ライン間や中盤に落ちてくるオシムヘンらトリデンテも3バックやウイングバックの徹底監視にあって前を向けない。

それでも、27分にはボックス手前で一瞬浮いたジエリンスキが最初の枠内シュートを放つと、34分にはカウンターから左サイドを持ち上がったクワラツヘリアが早いタイミングで入れたクロスをボックス右に走り込んだロサーノがジャンピングボレーで合わすが、これは枠を捉え切れない。

その後、前半終盤の38分にはボックス内で仕掛けたナポリのエンドンベレがGKルイ・パトリシオと交錯。このプレーに対して主審はPKを与える。しかし、オンフィールド・レビューの結果、パトリシオが先にボールにアタックした後の交錯と判定が覆りPKは取り消しに。ボール支配率、枠内シュートの数でナポリが上回るも、ローマが相手の長所をうまく消した印象もあり、ほぼイーブンな形で試合は折り返した。

互いに交代なしで臨んだ後半、先に決定機を作ったのは前半終盤から攻撃のリズムを掴み始めたナポリ。49分、左サイドでタメを作ったクワラツヘリアをインナーラップでサポートしたオリベラからラストパアスを受けたロサーノがボックス右からニア上を狙った鋭いシュートを放つ。だが、これはGKパトリシオの好守に遭う。

さらに、サイドバックのインナーラップやポジショニングの修正で中盤の選手がボールを受けられるようになったナポリは、54分にもジエリンスキの中央突破からボックス手前左で前向きに仕掛けたクワラツヘリアが深い切り返しでDFマンチーニをかわしてシュートに持ち込むが、ここはDFスモーリングの見事なシュートブロックに阻まれる。

以降もナポリペースで試合が進む中、アウェイチームはエンドンベレを下げてエルマスを投入。対するローマはエイブラハムを下げてベロッティを最初の交代カードとして切る。

ローマの守備が持ち直して試合は徐々に膠着するが、70分には互いに決定機。まずはザニオーロのボックス右での仕掛けからのクロスをGKメレト弾くと、ボックス中央のペッレグリーニがキープしてマイナスに落とす。これをマディ・カマラがシュートするが、相手DFの決死のブロックに遭う。直後にはこの撥ね返りを拾ったロサーノが中央を持ち上がって絶妙なタイミングで右のオシムヘンへのスルーパスを供給。だが、ナポリのエースはGKパトリシオにうまくコースを消されてシュートを枠の左へ外してしまう。

デルビーらしい熱さと緊迫感が維持されたまま試合は終盤に突入すると、ナポリのエースがついに均衡を破る。80分、ポリターノからのダイレクトスルーパスに反応したオシムヘンが快足を飛ばしてDFスモーリングとの走り合いで一瞬前に入ると、ボックス右角度のないところから見事な右足の反転シュートをゴール左隅に突き刺した。

粘り強く守りながらも相手のエースの圧倒的な個の力に屈したローマは、直後にエル・シャーラウィやビーニャ、ショムロドフら攻撃的な選手を続けてピッチへ送り込みゴールを目指す。そして、終盤はパワープレーでゴールを目指したものの、キム・ミンジェらを中心にソリッドな対応を続けるナポリの堅守を前に決定機はおろか、最後まで枠内シュートを放つことができなかった。

そして、試合はこのままタイムアップを迎え、好調ローマとの敵地でのデルビー・デル・ソーレをウノセロで制した首位ナポリがクラブ記録タイの公式戦11連勝を達成した。