サラーの一撃に守備陣圧巻のリバプールが2連覇王者に会心の勝利! シティは10戦目にして今季リーグ初黒星…《プレミアリーグ》

2022.10.17 02:37 Mon
Getty Images
プレミアリーグ第11節、リバプールvsマンチェスター・シティが16日にアンフィールドで行われ、ホームのリバプールが1-0で勝利した。
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ここまで2勝4分け2敗の10位に低迷するリバプール(勝ち点10)。エバートン、ブライトンに連続ドローゲームを演じた中、前節のアーセナル戦では首位チームに敵地で2-3のスコアで競り負けて今季2敗目を喫した。それでも、チャンピオンズリーグ(CL)では直近のレンジャーズ戦を途中出場サラーのCL最速ハットトリックなどで7-1の圧勝を収めてバウンスバックに成功。グループリーグ3連勝を飾った。そのCLの勢いを持ち込みたいクロップ監督は、2連覇王者とのビッグマッチに向けレンジャーズ戦から先発5人を変更。サラー、ジョタ、チアゴ、負傷明けのロバートソンを復帰させた一方、コナテの負傷離脱によってミルナーを右サイドバックに置き、ジョー・ゴメスをファン・ダイクの相棒に起用した。
一方、3連覇を目指すシティはここまで7勝2分けと唯一の無敗を継続し、首位と1ポイント差の2位(勝ち点23)と好スタート。とりわけ、直近の3試合はウォルバーハンプトン、マンチェスター・ユナイテッド、サウサンプトン相手にいずれも3ゴール以上を奪っての快勝を収めている。

直近のCLでは格下コペンハーゲン相手に0-0のドローに終わりグループリーグ4連勝を逃したが、2節を残しての決勝トーナメント進出が決定。良い形で敵地アンフィールドへ乗り込んだ。リーグ前節からはマフレズに代えてギュンドアンを起用した以外同じメンバーを起用した。
開幕から苦戦が続くレッズと、唯一無敗を維持する好調シチズンズによる、優勝候補筆頭同士の今季初対決。ホームのリバプールはサラーを最前線、セカンドトップにフィルミノを置く[4-2-3-1]でスタート。これに対してシティは両ウイングバックにカンセロ、フォーデンを配置した[3-4-2-1]に近い可変式の布陣でプレー。

互いに相手の立ち位置や戦い方を確認しつつ、立ち上がりからハイインテンシティの攻防を見せていく。ボールの主導権は予想通りアウェイチームが握る形となるが、リバプールはコンパクト且つ強度の高い守備で相手に自由なボール回しは許さない。

一方、攻撃の局面では流動的な2トップを軸にサイドのスペースへの長いボールやポジティブトランジションから一気に局面を進めようとするホームチームの狙いをアウェイチームの守備陣がソリッドな対応で未然に防いでいく。

球際の攻防や立ち位置の駆け引きと局面で見応えのあるプレーを見せる両チームだが、決定機はおろかなかなかフィニッシュの場面を作り出せない。そういった中、21分にはリバプールがセットプレーの二次攻撃からエリオットの浮き球クロスをゴール前のジョタが頭で合わすがこれはGK正面。さらに、24分には右サイドを破ってのクロスのこぼれ球に反応したロバートソンに決定機も、ここはシュートを枠に飛ばせない。

前半終盤にかけてはシティがベルナルド・シウバ、デ・ブライネの2シャドーを起点に前向きな形での仕掛けを増やすと、35分と40分にはそのデ・ブライネとホットラインを築くハーランドにボックス内で続けて決定機が訪れるが、いずれのヘディングシュートもゴールには至らず。結局、中盤での攻防と戦術的な駆け引きが目立った前半はゴールレスで終了した。

両指揮官のハーフタイムの修正、戦術眼に長けたピッチ上の司令塔のアレンジ力に注目が集まる中で後半の戦いがスタート。その後半は立ち上がりから互いにビッグチャンスが舞い込むオープンな展開となる。

まずは50分、エリオット、フィルミノのパス交換に3人目の動き出しで完璧に背後を取ったサラーがボックス付近まで一気に持ち上がる。だが、後方から決死の戻りを見せたDFアケのプレッシャーにGKエデルソンの完璧な飛び出しによってコースを消されたリバプールエースのシュートはわずかに枠の左へ外れる。

このピンチを凌いだシティは直後の53分にゴールネットを揺らす。ハーランドがファビーニョとの競り合いで残したボールをベルナルド・シウバが回収。すかさずボールを引き取ったデ・ブライネのスルーパスに反応したハーランドがボックス内でGKアリソンと交錯。このこぼれを回収したフォーデンがゴール左で放ったシュートがゴールカバーに入ったDFジョー・ゴメスの足に当たってゴールネットが揺れる。だが、オンフィールド・レビューの結果、ハーランドがファビーニョと競った際のファウルが取られてゴールは取り消しとなった。

互いに一度ずつビッグチャンスを作り合ったことで、よりヒートアップしたアンフィールドの雰囲気に触発されるように両チームは、前半に比べてよりリスクを冒したプレーでゴールを目指す。

64分にはペナルティアーク付近でギュンドアンから足元にパスを受けたハーランドが左足の反転シュートを枠の左に飛ばすが、これはGKアリソンの好守に阻まれる。対するリバプールも69分にサラーがボックス右得意の角度からファーポストを狙うが、わずかに枠の左へ外れる。

後半半ばを過ぎて先に動いたのはホームのリバプール。73分、ファビーニョ、フィルミノ、エリオットをベンチに下げてヘンダーソン、ヌニェス、カルヴァーリョを投入。この交代で[4-4-2]の形に変更した。すると、この交代直後にホームチームがゴールをこじ開ける。

76分、シティのFKの場面でキッカーのデ・ブライネが浮き球のボールをゴール前に入れると、これをGKアリソンが直接キャッチ。ブラジル代表GKはすかさず最前線で背後を狙うサラーを目がけて鋭いパントキック。ボールの落下地点にはカンセロが先に到達も、ダイレクトでクリアできず。ここで完璧に入れ替わったサラーはそのままボックス付近まで独走すると、エデルソンとの2度目の一対一を今度は完璧にモノにした。

エースの価千金の一撃で先制に成功したリバプールは、より前に出てきたシティの攻撃を冷静に受け止めながらヌニェスの強さと推進力を生かしたカウンターで引っくり返すシーンを作り出す。時間の経過と共に球際での攻防が激化する中、86分にはサラーとベルナルド・シウバの接触プレーを巡る判定に激高したクロップ監督が主審への執拗な抗議で退席処分に。

残り時間を闘将不在の中で戦うことになったホームチームだが、以降もファン・ダイクやヘンダーソンを中心に熱さと冷静さを兼ね備えたプレーでアウェイチームに付け入る隙を与えない。ヌニェスが幾度かのカウンターチャンスをフイにしてしまいトドメの2点目を奪い切ることはできなかったが、出場した公式戦10試合連発中のハーランドら強力攻撃陣を最後まで抑え込んで会心の1-0の勝利。ここからの巻き返しの大きなキッカケになり得るリーグ戦4試合ぶりの白星とした。

一方、試合内容はほぼ互角も勝負の際で劣ったシティは今季リーグ10戦目にして初黒星を喫し、首位アーセナルとの勝ち点差が4ポイントに広がった。

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2025-24シーズンのプレミアリーグ前半戦が終了。本稿では今シーズンの前半戦ベストイレブンを超ワールドサッカー編集部が独自に選定した。※成績は第19節終了時点 ◆プレミアリーグ前半戦ベストイレブン GK:ピックフォード DF:アレクサンダー=アーノルド、ファン・ダイク、ムリージョ、ロビンソン MF:グラフェンベルフ、カイセド MF:サカ、パーマー、クーニャ FW:サラー GK ジョーダン・ピックフォード(30歳/エバートン) 出場試合数:18(先発:18)/失点数:24 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_101_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 今季も残留争うチームで奮闘。アーセナルのラヤやフォレストのセルスの活躍も素晴らしかったが、リーグワースト2位の15得点ながらチームを残留圏内の16位にとどめる堅守の中心を担うイングランド代表GKを選出。後ろ重心の戦いのなかで7度のクリーンシートに、セーブ数でも上位にランクイン。年末のアーセナル、チェルシー、マンチェスター・シティとの3連戦では再三のビッグセーブで3戦連続ドローに貢献した。 DF アレクサンダー=アーノルド(26歳/リバプール) 出場試合数:17(先発:17)/得点数:1 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_101_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> リーグ最高の攻撃的SB。昨季は純粋なサイドバックというよりも、中盤的な色合いが強い形で素晴らしい活躍を見せたが、新指揮官の下では偽SB的な要素を引き続き見せつつも、サイドバックとして総合力をレベルアップした印象だ。ここまで1ゴール4アシストと例年に比べ数字面では見劣りも、ビルドアップでの貢献、ミドルレンジの正確なパスでの局面打開に、守備面での集中力や粘りも出てきている。 DF ヴィルヒル・ファン・ダイク(33歳/リバプール) 出場試合数:18(先発:18)/得点数:1 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_101_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 前半戦のベストDF。一時の限界説を完全に払しょくし、世界最高峰のセンターバックの座を取り戻した新生レッズのディフェンスリーダーは昨季以上の安定したプレーでリーグ最少失点の守備を牽引。相棒やGKが試合によって入れ替わりながらも、圧倒的な対人能力に傑出したプレーリードを活かしたカバーリング、ライン統率と、芸術的と言えるディフェンスで抜群の存在感を示す。 DF ムリージョ(22歳/ノッティンガム・フォレスト) 出場試合数:18(先発:18)/得点数:1 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_101_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 躍進フォレストを牽引。サリバとガブリエウも捨てがたいが、リーグ3位となる19失点の堅守を支える注目の左利きDFを選出。4バックを基本に3バックも併用するなか、新加入のミレンコビッチや右サイドのアイナ、守護神セルスと鉄壁の守備を築く。184cmとサイズはないものの、筋骨隆々のフィジカルとスピードを武器に対人戦で無類の強さを誇り、攻撃面でも正確なフィードに的確なドライブと元FWとしての攻撃センスを遺憾なく発揮している。 DF アントニー・ロビンソン(27歳/フルアム) 出場試合数:19(先発:19)/得点数:0 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_101_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> ステップアップ確実なアメリカ代表DF。フォレストやボーンマスとともに前半戦で躍進したフルアムのベストプレーヤー。すでにプレミア屈指の左サイドバックとの評価を得ていたが、今季の前半戦はさらにスケールアップした姿を披露。無尽蔵のスタミナと推進力を武器に、上下動を繰り返してDFとしては最多の7アシストを記録。守備でも一線級のアタッカーをきっちり封殺するなど、ハイレベルのプレーを見せ続けている。すでにリバプール、シティ辺りの関心を集める。 MF ライアン・グラフェンベルフ(22歳/リバプール) 出場試合数:18(先発:18)/得点数:0 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_101_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 同胞指揮官の下で完全覚醒。10代から名門アヤックスで活躍し、“NEXTポグバ”とも称された逸材だが、バイエルン、昨季のリバプールでは中盤のバックアッパーに甘んじた。しかし、オランダ時代からその才能に注目してきたスロット新監督の下でプレシーズンから出場機会を与えられると、新生レッズの中盤のキープレーヤーに成長。元々定評があるアスリート能力に規律・献身性を加えた守備でフィルター役を完璧にこなし、攻撃面ではサイズを感じさせないターンの巧さ、懐深いボールキープ、推進力、パスセンスを遺憾なく発揮。質の高いボックス・トゥ・ボックスのプレーで躍動した。 MF モイセス・カイセド(23歳/チェルシー) 出場試合数:19(先発:19)/得点数:1 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_101_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 新生ブルーズの中盤に君臨。英国史上最高額の移籍金という色眼鏡もあり、加入2年目も周囲から高い要求を求められるエクアドル代表MFだが、今季前半戦のパフォーマンスはハードルが上がったなかでも称賛に値するパフォーマンスだ。前線に攻撃的なタイプを並べ、可変式のサイドバックにもより攻撃的なタスクを与えるマレスカ新監督のスタイルにおいて序盤戦はラヴィア、現在はエンソ・フェルナンデスとともにバランサーとしてのマルチタスクを担う。幅広いカバーエリア、ボールハントに加え、攻撃でも1ゴール3アシストと決定的な仕事をこなした。 MF ブカヨ・サカ(23歳/アーセナル) 出場試合数:16(先発:16)/得点数:5 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_101_tw8.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> ガナーズの絶対的エース。リーグ最少失点の堅守とセットプレーを武器に優勝争いの主役の一角を担うアーセナルだが、司令塔ウーデゴールを欠いた苦しい時期に孤軍奮闘の活躍を見せたエースの活躍は非常に大きかった。流れのなかでは「サカさえ抑えれば」」という対応を受けながらも、圧倒的な打開力を武器に5ゴール10アシストを記録した。それだけに12月末に負ったハムストリングのケガからいかに早く復帰できるかが、2位チームの後半戦のカギを握る。 MF コール・パーマー(22歳/チェルシー) 出場試合数:19(先発:19)/得点数:12 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_101_tw9.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 加入2年目で凄み増す超万能アタッカー。22ゴール11アシストを記録した加入1年目の大ブレイクによって今季は対戦相手からの徹底マークに遭うなか、ここまで12ゴール6アシストとキャリアハイ更新へ上々の滑り出しを見せている。新体制では昨季主戦場の右ウイングからトップ下と少し役割が変わっているが、今季もアタッキングサードで抜群の存在感を示す。前半戦ハイライトはプレミア史上初となる前半4ゴールを記録したブライトン戦。後半戦もその爆発力にも期待だ。 MF マテウス・クーニャ(25歳/ウォルバーハンプトン) 出場試合数:19(先発:18)/得点数:10 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_101_tw10.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 残留争うウルブスで孤軍奮闘。イサクやウッド、エンベウモの活躍も素晴らしかったが、下位に低迷するチームで素晴らしい前半戦を過ごしたブラジル代表FWを選出。12ゴール7アシストの昨季活躍を経て、今季から背番号10を託されると、ここまで10ゴール4アシストを記録。[3-4-2-1]のシャドーの一角を主戦場に、攻撃のマルチタスクを担いながらボールのオン・オフに関わらず、ハイレベルのプレーを披露。献身的な守備も高い評価を得ており、今冬の移籍市場ではビッグクラブの注目も集める。だが、現状ではクラブとの新契約にサインする可能性が高い。 FW モハメド・サラー(32歳/リバプール) 出場試合数:18(先発:18)/得点数:17 <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2025/get20250109_101_tw11.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 前半戦のMVP。攻守両面で異次元のパフォーマンスを披露し、リバプールの首位快走の立役者に。前半戦では2試合を除きすべての試合でゴールかアシストを記録し、得点ランキングとアシストランキングでいずれも首位に。圧倒的な決定力に加え、芸術的なアシストが印象的だった。 2025.01.09 22:25 Thu

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