第7波の新型コロナ、専門家チームは「不織布マスクをもう一度徹底」と監督やコーチに呼びかけ、さらに「基本的な対策を今一度徹底」と提言

2022.08.01 15:37 Mon
©超ワールドサッカー
1日、第60回新型コロナウイルス対策連絡会議が行われた。

JリーグとNPB(日本野球機構)が専門家チームと行うこの会議。60回目を迎えた。

全国的に新規感染者が爆発的に増え、「第7波」と呼ばれる状況になっている中、Jリーグのクラブでも相次いで感染者が出る事態に。先日は川崎フロンターレがGK3人をベンチ入りにしなければいけないほどの事態に陥っていながら、試合を実施ていた。
またプロ野球では読売ジャイアンツのチーム内で感染が爆発的に広がり、選手が足りない状況に。試合も中止せざるを得ない状況となっていた。

Jリーグ、プロ野球共に感染拡大の影響を受けている中、野々村芳和チェアマンは「どうやって安定的に開催していくかを先生方からアドバイスをいただきました」とコメント。「第7波を乗り切るためにということをアドバイザーの先生からもいただいた」と、今後の対策等を含めたアドバイスを受けたとした。
また「(第7波を)経験したチームと経験していないチームの中で温度差もある。今一度チームの中にコロナを入れない、入ったら広げないということに関しては、ありがたい提言だった」と、クラブごとによっての対応に差がある中で、感染者が出たチーム出ていないチームでの緩みを今一度見つめ直すことになるようだ。

NPBの斉藤惇コミッショナーは「先週はオールスターゲームが福岡と松山で開催させてもらった。なんとか開催できてよかったとは思っています」と、コロナ禍においてオールスターゲームができたことをまずは喜んだ。

ただ、このオールスターもファン投票で選出された多くの選手が感染したために辞退。「せっかく選ばれた選手がかなりコロナにかかり、選手の入れ替え、揃えるのに苦労したということもあったが、そこから参加してきた選手がものすごく活躍し、面白かったという声もいただきました」と、代役の選手がしっかりと盛り上げてくれたとした。

また、球団内での感染拡大については「いくつかの球団で思わぬ集団的な発症があって、野球運営に苦労している。中止が目立っている状況」とコメント。特に巨人については「多くの選手が罹患した場合は2軍から相当数の選手を入れても良いとしていましたが、2軍、1軍の発症は別なんですが、2軍、2軍、投手、野手と別で同時に発生して選手が用意できないとなりました」と、様々な形で感染が広がり、予想外の出来事が起きているとコメントした。

その中で選手たちのコンディション調整についても言及。「選手の復帰の条件。スポーツ選手なので、コロナが治った、時間的に治ったと言ってもすぐに復帰はできません。1週間からそれ以上の復帰期間が必要で、体調に異常がない選手は前準備ができないかということを考えています」と、濃厚接触者や無症状者への対応を考える必要があるのではないかと見解を示した。

現在流行しているのは「BA5」という変異株。感染力が非常に高く、発症までの時間も短くなっている。

専門家チームの賀来満夫氏(東北医科薬科大学医学部・感染症学教室特任教授)は、「以前の株に感染した方も再感染を起こすと言われていて、国全体の免疫力が低下している中で、ワクチンを打ちながらあげていっているが、想像を超えているスピードで感染が拡大している状況」と現在の感染拡大の状況を説明。「BA5はBA1、BA2よりも潜伏期間が早く、早めに発症するということで、どんどん感染が広がっていくという報告をしました」と語った。

また、三鴨廣繁氏(愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学教授)は「今回は急速な感染拡大を受けて、専門家チーム、地域アドバイザーでミーティングを行い、第7波を乗り切るためにという提言を提出させてもらった」と、感染をなるべく広げないためにすべきことを提言したと語った。

その中で重要なことは「基本的には、基本的な対策を今一度徹底してほしいという内容で、当たり前のことしか書いていないかもしれません」とコメント。「地域アドバイザーの何人かの先生が、個別にチームを訪問し、状況を見られていて、そこから作成したものとなっています」とし、マスクを外す場面についての注意書きがまずはあるとした。

記述した注意点については「基本的な事項に加え、浴室、シャワールーム、サウナ、洗面所で気をつけてもらいたいということ。更衣室、ロッカールーム、そしてマッサージルーム、食堂、ベンチ裏の喫煙スペースでのマスクを外す上での注意事項を提言しています」と、気をつける場面について書かれているという。

また、選手以外の監督やコーチについても言及。「テレビ等で拝見すると、監督やコーチが不織布マスク以外を選択されている。不織布マスクをもう一度徹底してもらいたいということ」と、ウレタンマスクや布マスクなどをつけていることが多い中で、不織布のマスクを着用するように呼びかけた。

その他にも、一般的なことでは「ノドの違和感、微熱などの軽い症状でも検査を受けてもらいたい」と検査をこまめに受ける事を改めて勧めており、会食もできるだけ避けた方が感染リスクは低くなるとのこと。家庭内でも、「基本的な対策を徹底し、マスク等は調子が悪い方がいるならば、家庭内でもマスクをしようということです」と、体調不良を感じた時には、検査を受けるとともに、より一層基本的な感染対策を徹底する事を呼びかけた。

野々村芳和の関連記事

Jリーグは2日、1日に他界したレアンドロ・ドミンゲス氏の死去を追悼した。 レアンドロ・ドミンゲス氏は、柏レイソル、名古屋グランパス、横浜FCとJリーグの3クラブでプレー。柏時代にはJ1、J2、天皇杯、ヤマザキナビスコカップ(現:YBCルヴァンカップ)と4つのトロフィーを手にし、Jリーグ最優秀選手賞(MVP)も受賞 2025.04.02 17:00 Wed
中国・深圳で開催されているAFC U-20アジアカップに参加している日本は、26日の準決勝でオーストラリアと対戦。後半5分に失点すると、22分にも追加点を許して0-2で敗れ、サウジアラビアとの決勝戦に進出することはできなかった。 日本はすでにベスト4進出で、チリで開催されるU-20W杯の出場権は獲得している。さら 2025.02.27 23:00 Thu
Jリーグは25日、2025年第2回理事会を開催した。 理事会後に会見が行われた中、野々村芳和チェアマンが世間を賑わせているオンラインカジノ問題を語った。 スポーツ界を巡ってのオンラインカジノでは、1月に卓球のオリンピックメダリストでもある丹羽孝希選手が利用していたことが発覚し所属チームから契約解除。2月にはプロ野 2025.02.25 21:45 Tue
Jリーグは25日、2025年第2回理事会を開催した。 理事会後に会見が行われた中、野々村芳和チェアマンがAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)で発生した問題について言及した。 ACLEにはJリーグからヴィッセル神戸、川崎フロンターレ、横浜F・マリノスが出場。3チームともにリーグステージを突破し、ベ 2025.02.25 21:20 Tue
10日、Jリーグが2025Jリーグ開幕イベントを開催。冒頭、野々村芳和チェアマンが、今シーズンのJリーグが目指すサッカーについて語った。 2025シーズンは、現在のスケジュールで行われる最後のシーズンに。2026シーズンは特別大会を行い、後半から2026-27シーズンとしてヨーロッパなどにシーズンを合わせることと 2025.02.10 21:40 Mon

J1の関連記事

「チームが勝てていない状況で自分が出て勝てれば、大きなアピールになると思っていたんで、本当に今日に懸ける思いは強かった」 明治安田J1リーグ第35節でファジアーノ岡山はFC東京と対戦。契約の都合により出場できないMF佐藤龍之介に代わり、左ウイングバックで先発に名を連ねたのはMF加藤聖だった。第33節のアルビレック 2025.10.27 20:00 Mon
アビスパ福岡の秘密兵器がJリーグデビュー戦で初ゴールをあげた。陸上選手であるサニブラウン・アブデル・ハキームの実弟であるFWサニブラウン・ハナンのゴールにファンたちが歓喜した。 #モーメントブースター でシェアして盛り上がれ!​ゴール (91:44)ハナン サニブラウン​​アビスパ福岡 vs サンフレッチェ広島 2025.09.30 16:50 Tue
【明治安田J1リーグ】柏レイソル 0ー0 サンフレッチェ広島(9月23日/三協フロンテア柏スタジアム) サンフレッチェ広島GK大迫敬介の「弾かない」技術が、ファンの中で話題沸騰。相手の攻撃を完全にストップさせる守護神の働きに、名解説者も大絶賛している。 Today's pick up守護神が見せた「 2025.09.25 19:00 Thu
【明治安田J1リーグ】ファジアーノ岡山 0ー0 横浜FC(9月23日/JFE晴れの国スタジアム) ファジアーノ岡山のMF末吉塁が、J1初先発で圧倒的な存在感を放った。試合後にクラブ公式SNSが投稿した「スタッツリーダー」では6部門のうち4部門を獲得。「末吉祭り」と言わんばかりの活躍が、ファンの間で話題になっている 2025.09.24 19:00 Wed
清水エスパルスのGK梅田透吾が、鉄壁要塞と化している。圧倒的なシュートストップ力がファンの間で話題だ。 右手一本でピンチを防ぐサヴィオのシュートのこぼれ球を#テリン が切り返しから狙うも清水GK #梅田透吾 がわずかに弾き出す!明治安田J1リーグ第31節 清水×浦和#DAZN LIVE配信中 #Jみようぜ #Jリ 2025.09.23 22:11 Tue

野々村芳和の人気記事ランキング

1

「楽しさを伝えるのが僕の使命」…小野伸二氏がサッカー教室で全国行脚へ! 自身もセルジオ越後氏に感動した過去

Jリーグは28日、『Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアー for a Sustainable Future supported by 明治安田』の記者会見を催した。 このプロジェクトでは昨季限りで現役を退いたJリーグ特任理事の小野伸二氏をメイン講師とし、小学生対象のサッカー教室にプラスして、気候変動問題の理解を深めるサステナトークを全国各地で開催。各地域のJリーグクラブからも協力を受けながら、1年を通して全国のスタジアムなどを巡る。 今季は全20回が開催され、第1回は4月28日に味の素スタジアムを舞台に。Jリーグチェアマンの野々村芳和氏は自身が北海道コンサドーレ札幌の社長を務めた当時から知る小野氏を抜てきしての試みに際して、舞台裏と期待を語った。 「小野伸二さんとは『引退してからどうしようか』という話をしてきていて、『小野伸二だからできることっていうのがある』と思っている。サッカーの技術を小さな子供たちに一発で見せるのが最も大切だし、周りで見ている大人、親子さんにとっても『オーッ』っていうのがことができる人って限られる。その魅せていくってのを大事にしたいという話の流れがあった」 「あとは昔、セルジオ越後さんが全国を周ってサッカーの普及をしてくれた。僕らサッカーで育った人間にとって大きなことで、現代版のセルジオ越後さんとして、僕らも全国で活動していこうというふうに思ったのがきっかけ。じゃあ、小野伸二さんに何をしてもらうかっていう1つ目は一番大事なプレーを見せて、サッカーの楽しさをより多くの人に伝えていくこと」 「もう1つはJリーグのクラブが60クラブもあって、全国のどこにでもほぼあるなかで、それぞれの地域のクラブを盛り上げていく活動を小野伸二さんにも行ってもらいたい。いろんなメディアの人とコミュニケーションをとって露出度を高めていくことで、その地域のクラブを盛り上げつつ、サッカーの普及をしていってもらいたいと思っている」 「3つ目は特に現代版として変わるところで、サステナブルってJリーグにとっても、サッカーにとってもすごく大事だというのをより多くの人に伝えていくということ。この3つの役割を小野伸二さんにお願いしたいと思い、今日に至った。年間20カ所ぐらいを目安に開催していき、Jリーグが60クラブなのを考えると、全国制覇に2、3年のイメージを思って活動する」 大役を託された小野氏は自身も少年時代にセルジオ越後氏のサッカー教室を手伝った過去を明らかに。当時はセルジオ氏を認識しておらず、「この人すごくうまいけど、誰なんだろう?」という疑問があったが、「一緒にやらせてもらって、こんなにサッカーが楽しく、上手くて、笑顔にしてくれた思い出がずっと残っている」といい、この企画に対する思いを続けた。 「自分が引退して何をしたいかと思ったとき、子供たちにそういう環境を作ってあげたり、『サッカーって楽しいんだな』っていうのを伝えたいっていうのがあって、そこで野々村さんに直接お願いし、こういう形になった。子供たちのことは本当に好きだし、これからの子供たちがもっともっと僕らを勇気づけ、元気づけ、ワクワクさせてくれるように育ってくれたらという思いでやっていきたい」 この会見のトークセッションでは「サッカーを教えるんじゃなくて、楽しさを伝えるのが僕の使命」と改めてこのプロジェクトでの伝道師的なイメージを語ったファンタジスタ。サッカーの裾野を広げるべく、現役時代もファンを魅了したその技術を生かす。 <span class="paragraph-title">【プロジェクト】小野伸二氏がサッカー教室で全国巡る! 詳細をチェック</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアー<br>for a Sustainable Future supported by 明治安田<br><br>Jリーグ特任理事の小野伸二さんをメイン講師に迎え、小学生の子どもたちを対象とした「サッカー教室」と「サステナトーク」を全国各地で行います!<br><br>詳細はこちら<a href="https://t.co/RYRtIT0eaQ">https://t.co/RYRtIT0eaQ</a></p>&mdash; Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) <a href="https://twitter.com/J_League/status/1773200707207983318?ref_src=twsrc%5Etfw">March 28, 2024</a></blockquote> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> 2024.03.28 17:05 Thu
2

「何度観ても泣く」「胸熱だわ」J1昇格&J2優勝の新潟、ホームでのシャーレアップが「最高の場面」と話題に

J1昇格とJ2優勝を決めたアルビレックス新潟が、本拠地で改めて歓喜に沸いた。 新潟は8日にホームでの明治安田生命J2リーグ第40節ベガルタ仙台戦を制し、6年ぶりとなるJ1復帰を決めた。 勝てば優勝が決まる翌節15日の東京ヴェルディ戦こそ惜敗したものの、16日に2位・横浜FCの敗戦を受けて優勝が決定。前回昇格時の2003年以来となるJ2優勝が決まった。 凱旋となった23日の最終節、デンカビッグスワンスタジアムでのFC町田ゼルビア戦はブレイクを果たしたMF三戸舜介の2ゴールで2-1と勝利。ホームでは無類の勝負強さを発揮した今季を象徴するように、ラストマッチを白星で締め括り、J2通算200勝も達成した。 試合後にはセレモニーが行われ、野々村芳和JリーグチェアマンからキャプテンのDF堀米悠斗へシャーレが手渡された。シャーレアップを見届けたファンは「やっと実感した」、「何度観ても泣く」、「胸熱だわ」、「アイシテルニイガタ」、「最高の場面」など、歓喜に沸いた。 また、「元コンサドーレ札幌社長からゴメスへのシャーレで涙腺は崩壊しました」、「頑張ったなってゴメスに声かけてるの感慨深いね」など、札幌時代に縁のある2人のやり取りが琴線に触れたとの声も寄せられている。 2017シーズン以来となる来季のJ1ではどのような戦いを披露するか楽しみだ。 <span class="paragraph-title">【動画】J2優勝を成し遂げた新潟、歓喜のシャーレアップの様子</span> <span data-other-div="movie"></span> <iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/swplbh6qLNY?start=333" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe> 2022.10.24 18:15 Mon
3

プロABC契約の撤廃を歓迎/六川亨の日本サッカー見聞録

今週はうれしいニュースと残念なニュースが交錯した。 まず、うれしいニュースは24日のJリーグ理事会でプロ選手の「ABC契約」が26年2月から撤廃されることだ。正直、時代に即しているとは言い難い契約がずいぶん長く踏襲されてきた。それがやっと撤廃されることが決まった。 この「プロ選手のABC契約」、導入されたのは1999年のことだった。高卒、大卒にかかわらず、日本人選手はまずプロC契約からスタートする。その際の年俸は460万円で(新卒サラリーマンの月給38万円は当時の物価からすればそれなりの高給だったが、プロとして誇れる数字ではないだろう)、出場試合数に応じてB契約、A契約と更新することができた。 この「プロABC契約」を導入したのは川淵三郎チェアマンだった。当時のJリーグには年俸の上限がなく、それこそJリーグ開幕前は選手の引き抜きを防ぐため、ラモス瑠偉や三浦知良、都並敏史、柱谷哲二、北澤豪、武田修宏ら元&現代表を擁するヴェルディ川崎(現東京V)などは“億”という年俸を選手に用意したと言われている。 当然、高卒や大卒の有望選手にも高額のオファーが提示されるようになる。いきなりヨーロッパのクラブに行っても契約できる時代ではない。まずは「Jリーグでプロになる」のがサッカー選手にとって“憧れ”の時代であり、高額な年俸はきわめて魅力的だった。 ただ、そうした栄華も長くは続かない。95年を境にJリーグブームは下り坂を迎え、日本経済のバブルも弾けた。そして97年、Jリーグバブルの頃は「会社の利益が税金で取られるくらいなら選手に還元する」という方針だった清水が経営難に陥り、運営母体だったテレビ静岡が経営から撤退。その後、関係者の努力により地元企業の新スポンサーが短期の約束だったが今日まで支援を続け、いま現在も清水をサポートしている。 清水に限らず、佐藤工業(フリューゲルスのスポンサー)やフジタ工業(ベルマーレ平塚のスポンサー)などゼネコンは業績不振に直面し、V川崎やジェフ市原(現ジェフ千葉)も観客動員に苦しんだ。そして98年10月、横浜フリューゲルスがJリーグから消滅し、窮余の策として横浜マリノスと合併することが電撃的に決まった。さらに11月にはJリーグの隆盛の一翼に担ってきたV川崎から、親会社である読売新聞とグループ企業が撤退することが正式に決まった。日本が初めてW杯に出場したにもかかわらず、だ。 翌99年、危機に直面したJリーグは「身の丈にあった経営」(川淵チェアマン)を提唱していたが、さらに選手の初年度の年俸に「ABC契約」という制限を加えたのに加え、1チームのプロ保有選手を25人に絞り、各クラブには経営状況を開示・報告するよう求めた。これは現在も受け継がれていて、クラブの健全経営の礎ともなっている。 ただし「ABC契約」は施行から四半世紀が過ぎている。その間に多くの選手が海外へ流出し、高卒や大卒で直接海外のリーグへチャレンジする選手も増えてきた。もはや“形骸化”したルールと言っていいだろう。撤廃は自然の流れであり、JFAでの選手登録は「プロ」か「アマチュア」の2種類、プロ選手の最低基本年俸は1200万円、新天地での生活のための支度金(引っ越しなどの費用)は500万円(独身、妻帯者を問わず)で一律化された。 やっと「時代が追いついてきたな」というのが正直な感想でもある。これには長年に渡る日本プロサッカー選手会(JPFA)の働きかけも大きかったのだろう。ただ、導入が26年からというのが気になるところ。会見で野々村芳和チェアマンは「J60クラブのヒアリングは終わっている」としてJ3クラブにとっても負担にならない金額であることを強調していた。たぶんJFLや大学・高校などJFAとの調整もあるのだろう。こちらは一日も早い導入を実現してほしいと願わずにはいられない。 そして残念なニュースは、WEリーグの新理事から女性理事が大幅に減少したことだ。こちらについては機会を改めて私見を述べたいと思っている。 2024.09.27 22:00 Fri
4

Jリーグアウォーズ、「ベストイレブン」選出方法が変更に…DF、MF、FW、左右のサイド5名が得票上位で決定に

Jリーグは5日、2024シーズンのJリーグ表彰について発表。ベストイレブンの決定方法などが変更となった。 12月10日(火)に横浜アリーナで「2024Jリーグアウォーズ」が開催される。 Jリーグアウォーズでは最優秀選手賞やベストイレブン、最優秀ゴール賞などが発表されることとなり、毎年大きな注目を集めている。 2023シーズンからは変更点があり、選考委員会のメンバーが変更に。野々村芳和チェアマンとJ1の20クラブの実行委員か、実行委員に指名されたクラブの人の21名で構成される。 また、J1の20クラブの監督および選手と選考委員が投票。選手は、明治安田J1リーグ第36節終了時点で19試合以上に出場した選手が資格を持つこととなる。 ベストイレブンの選考方法はこれまでと変更が行われ、監督と選手の投票結果から、得票上位者よりDF、MF、FW、右サイド、左サイドを1名ずつ選出。GKを含む残りの6名に関しては、選考委員会が決定する。なお、外国籍選手は5名以内となる。 なお、J1で19試合以上出場した選手がベストイレブンの資格を持っており、賞金100万円とトロフィーを手にする。 また、最優秀選手賞は「ベストイレブン」の投票結果を参考に選考委員会によって決定する。 なお、J2、J3の表彰に関しても、「ベストイレブン」は同じ形式で選考される。 2024.11.05 20:35 Tue
5

ACLEの不可解な決定/六川亨の日本サッカー見聞録

中国・深圳で開催されているAFC U-20アジアカップに参加している日本は、26日の準決勝でオーストラリアと対戦。後半5分に失点すると、22分にも追加点を許して0-2で敗れ、サウジアラビアとの決勝戦に進出することはできなかった。 日本はすでにベスト4進出で、チリで開催されるU-20W杯の出場権は獲得している。さらに14日の初戦・タイ戦から中2日での5戦目だ。船越優蔵監督が累積警告で出場停止の小倉幸成だけでなく、準々決勝のイラン戦からスタメンを8人代えたのも理解できる。サウジとの決勝戦を見据えての決断だろう。 しかし、これまでの連動性のある攻撃は陰を潜め、決定機は交代出場した大関友翔のクロスバー直撃のミドルシュート1回だけ。オーストラリアの堅守を最期まで崩せず、アジア制覇の目標を果たすことはできなかった。 ただ、W杯の出場権獲得という初期の目標は達成しただけに、リベンジのチャンスはまだある。選手には、Jリーグで出場機会を増やして経験を積み、W杯でさらなる飛躍を遂げてもらいたい。 さて26日のJ1リーグでは、湘南が浦和を2-1で下し、クラブ初となる開幕3連勝を飾った。開幕から鹿島、C大阪、浦和と難敵を倒しての3連勝である。かつて“ベルマーレ平塚”時代、Jリーグに昇格すると天皇杯を制したり、アジアのクラブ王者に輝いたりした当時は「湘南の暴れん坊」と呼ばれたものだ。今回の快進撃に、当時を思い起こしているオールドファンも多いかもしれない。 そしてJリーグは25日に理事会後の会見を開き、野々村芳和チェアマンはACLEで山東泰山が棄権したことにより、2位の神戸が5位に転落したことで「リーグとしてクラブ、関係者に連絡を取った」こと、JFAを通じてAFCに疑問点を伝えたことなどを明らかにした。 問題となったのは、ノックアウトステージ進出の可能性があった山東泰山が大会をキャンセルしたことでリーグステージ最終戦が中止。山東泰山はACLEからの撤退も表明したため、これまでの山東泰山との対戦結果は無効となり、神戸と川崎Fは勝点3の減点となった。 その結果、横浜FMの1位、川崎Fの2位に変動はなかったものの、神戸は3位から5位に転落。ノックアウトステージでは4位の光州と3月5日にホームで対戦することになった。野々村チェアマンは「ルールとしてありえないが、3月には次の試合があり準備をしないといけない。このルール設計をもう一度考えて欲しい」と再考を促した。 そして「(棄権したら)ヨーロッパでは3-0の結果になる。チームの勝利給、選手の記録、ランキングのポイントが残るよう」に2月23日、AFCに意見書を提出した。 日本としては当然の措置だろう。ヨーロッパを真似て大会方式を変更したAFCだが、今回の決定にどんな政治的な配慮が働いたのかは不明だ。総当たりのリーグ戦ではないため、勝点を減点されたチームとされないチームで不公平感が出るのも当然である。AFCは次のシーズンに向けたルール改正の会議を今週中か3月前半には開催するという。以前コラムでも指摘した、新シーズンのACLEとACL2の出場資格についてもしっかり議論して、疑問点を改善して欲しい。 2025.02.27 23:00 Thu

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly