ウェールズがウクライナ撃破で64年ぶりの本大会へ! ベイル決勝点演出に守護神ヘネシーが圧巻の好守連発《カタールW杯欧州予選》

2022.06.06 03:09 Mon
Getty Images
カタール・ワールドカップ(W杯)欧州予選プレーオフ決勝、ウェールズ代表vsウクライナ代表が5日に行われ、1-0で勝利したウェールズのカタールW杯出場が決定した。

1958年のスウェーデン大会以来、64年ぶり2度目の本大会出場を目指すウェールズは、今年3月に行われたオーストリア代表との準決勝を2-1で制して決勝進出を決定。カーディフにウクライナを迎え撃った大一番ではベイルとラムジーの重鎮2人に加え、ベン・デイビスやジョー・アレン、ダニエル・ジェームズら主力がスタメンに名を連ねた。

一方、母国が戦禍に晒される中、2006年のドイツ大会以来、2度目のW杯出場を目指すウクライナは、1日に行われたスコットランドとの準決勝を3-1で制し、ファイナルの舞台に駒を進めた。その準決勝から中3日での一戦では全く同じスタメンを採用。ジンチェンコやマリノフスキー、ヤレムチュク、ヤルモレンコといった百戦錬磨の選手がスタートからピッチに立った。
ヨーロッパ最後のW杯への切符を懸けた大一番は雨中の中でスタート。立ち上がりから球際で激しくぶつかり合うアグレッシブな展開となり、互いに早い時間帯からフィニッシュのシーンを作り出す。

以降はボールの主導権を握り、連動したプレスも仕掛けるアウェイチームが優勢に試合を進めると、12分にはザバルニーからのフィードに抜け出したヤレムチュクにボックス内で決定機。だが、枠を捉えたシュートはGKヘネシーの好守に遭う。
前半半ばを迎えると、ウェールズも徐々に押し返していくが、よりゴールに迫ったのはウクライナ。ビルドアップのバタ付きや中盤でのロストが目立つホームチームに対して、鋭い縦への攻めからジンチェンコのミドルシュートやツィガンコフのゴール前への飛び出しからGKヘネシーを脅かす。

しかし、守勢を撥ね返して先にゴールをこじ開けたのはウェールズ。34分、ボックス手前左の好位置で得たFKの場面でキッカーのベイルが低い弾道のブレ球のシュートを狙うと、ゴール前でヘディングでのクリアを試みたヤルモレンコのミスを誘いオウンゴールでの先制点となった。

不運な形からの失点でビハインドを負ったウクライナはすぐさま反撃に転じ、ヤレムチュクやヤルモレンコのポストワークからチャンスを創出。だが、40分のジンチェンコのボックス付近からのミドルシュートはまたしてもGKヘネシーの好守に阻まれ、前半の内に追いつくことはできなかった。

互いに交代なしで臨んだ後半はウェールズが良い入りを見せたが、先に決定機を作ったのはウクライナ。55分、左サイド深くに侵攻したミコレンコからのグラウンダーのクロスにニアで反応したツィガンコフがスライディングシュートで合わせるが、GKヘネシーの足を使った見事なセーブに遭う。

その後はリスクを冒して前に出るウクライナ、堅守速攻で応戦するウェールズという構図の下で一進一退の攻防が続く。そういった中、両ベンチは交代カードを切って流れに変化を加えようと試みる。

すると、一連の交代をキッカケにより試合に動きが出てくる。まずは75分、コナー・ロバーツの右からのクロスをダニエル・ジェームズに代わって投入されたブレナン・ジョンソンがダイレクトボレーで合わせるが、これは左ポストを叩く。さらに、ウェールズは直後にもジョンソンの仕掛けから左サイドでラムジーが上げたクロスをファーで収めたベイルが左足でシュートするが、これはGKブスチャンがビッグセーブ。

一方、より攻撃的なカードを切ったウクライナは84分、ミコレンコからの正確な左クロスをゴール前のドヴビクが打点の高いヘディングで合わすが、ウェールズの守護神が圧巻の左手ワンハンドセーブで阻止する。

試合最終盤にかけては戦禍に晒される母国の人々に勇気を与えるため、魂の戦いを見せるウクライナが最後の力を振り絞ってゴールを目指す。だが、ヤルモレンコのシュートが相手DFのブロックや枠の上に外れるなどゴールが遠い。

そして、試合はこのままタイムアップを迎え、ウクライナとのエモーショナルな激闘を制したウェールズが64年ぶりの悲願を達成した。

なお、見事に本大会行きを決めたウェールズはイングランド代表、イラン代表、アメリカ代表と同じグループBを戦う。

ウェールズの関連記事

ブリストル・シティに所属する元ウェールズ代表MFアンディ・キング(35)が、今シーズン限りでの現役引退を発表した。 キングはチェルシーユースからレスター・シティの下部組織に移籍。2007年7月にファーストチームに昇格しプロキャリアをスタートさせた。 レスターでプレーを続け、2015-16シーズンには元日本代 2024.05.04 12:25 Sat
ユベントスのポーランド代表GKヴォイチェフ・シュチェスニー(33)がユーロ出場を逃していたら代表を引退していたと明かした。カタール『beIN Sports』のインタビューで答えた。 26日に行われたウェールズ代表とのユーロ2024本大会出場を懸けたプレーオフでPK戦の末に勝ち抜けを決めたポーランド。シュチェスニー 2024.03.28 06:30 Thu
ウェールズ代表のロバート・ページ監督が、辞任の可能性を否定した。イギリス『スカイ・スポーツ』が伝えている。 ウェールズは26日に行われたユーロ2024予選プレーオフ決勝で、ポーランド代表と対戦。勝てば3大会連続で本大会出場となる試合だったが、120分間で決着はつかずPK戦へ。5人目まで全員が成功する拮抗した展開と 2024.03.27 12:10 Wed
トッテナムのウェールズ代表DFベン・デイビスが、イギリスの大衆紙『サン』にツッコんだ。 トッテナム在籍10シーズン目のデイビス。派手さはないが、本職の左サイドバックだけでなく、3バック採用時は3枚左にも対応可能な頼もしい存在だ。 ウェールズ代表の主軸を担ってからも久しく、初キャップから10年という節目の20 2024.03.26 21:55 Tue
ユーロ2024予選プレーオフ準決勝が21日に欧州各地で行われた。 ユーロ2024予選の各グループにて2位以下となったチームの中から、UEFAネーションズリーグ(UNL)2022-23の結果によって選定された12カ国が参加するプレーオフ。 パスAからCまでの3グループに分かれてミニトーナメントを実施し、各パス 2024.03.22 07:20 Fri

ワールドカップの関連記事

埼玉西武ライオンズは16日、日本代表の森保一監督がセレモニアルピッチに登場することを発表した。 森保監督は、6月13日(金)に行われる『日本生命セ・パ交流戦』の中日ドラゴンズ戦に来場。試合前のセレモニアルピッチを担当する。 ベルーナドームで行われるこの試合に登場する森保監督。これまでにもWBCや今シーズンの 2025.05.16 21:10 Fri
バルセロナのブラジル代表FWハフィーニャが、イタリア代表としてプレーしていたキャリアがあったことを明かした。 ポルトガルのヴィトーリア・ギマランイスでプロキャリアをスタートさせたハフィーニャはスポルティングCP、スタッド・レンヌ、リーズ・ユナイテッドでプレー。2022年7月にバルセロナへと完全移籍で加入した。 2025.05.05 23:05 Mon
かつて中国代表を指揮していた李鉄(リー・ティエ)氏の控訴が棄却され、実刑判決を受けることとなった。中国『捜狐(sohu.com)』が伝えた。 現役時代はエバートンやシェフィールド・ユナイテッドなどプレミアリーグでもプレーし、中国代表でもプレーしたリー・ティエ氏は、引退後に指導者となり、広州恒大(広州FC)でコンデ 2025.04.30 13:55 Wed
第1回大会開催から100周年を迎える2030年のワールドカップ(W杯)。64チーム参加という提案がなされている中、反対の意見も強く出ている。 2026年の北中米W杯は史上初となる48チームの参加に拡大となる中、その4年後の2030年は64チーム参加への拡大を南米サッカー連盟(CONMEBOL)が提案している。 2025.04.15 19:55 Tue
インテル・マイアミのハビエル・マスチェラーノ監督は、アルゼンチン代表のFWリオネル・メッシの2026年の北中米ワールドカップ(W杯)出場ついて言及した。『The Athletic』が伝えた。 メッシはアルゼンチン代表としてW杯に4回、コパ・アメリカに5回出場。クラブレベルではバルセロナで数多くのタイトルを獲得した 2025.04.14 20:30 Mon

ウェールズの人気記事ランキング

1

東京五輪でのイギリス代表復活に難色示すコールマン「混合チームなど作る必要はない」

▽リオ五輪が閉幕し、次の東京五輪に向けてイギリス代表チーム復活が囁かれる中、ウェールズ代表を率いるクリス・コールマン監督はこの動きに否定的な意見を述べている。イギリス『スカイ・スポーツ』が報じた。 ▽五輪では各オリンピック委員会単位での出場しか認めていない。一方でイギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つが独自にサッカー協会を持っているため、五輪に出場することはできない。 ▽しかし2012年に行われたロンドン五輪ではイギリス代表として出場を果たしている。リオ五輪に向けても同様にイギリス代表として出場しようとイングランドサッカー協会(FA)は提案していたが、ほかの3協会が反対して破談となった。 ▽しかし、イギリスメディアによると、FAは2020年に行われる東京五輪で再びイギリス代表を復活させたい意向を示しており、今後は残りの協会を説得していくと報じられている。 ▽この報道に、コールマン監督は「なんのために合同チームを作る必要があるのか。そもそも五輪に出場するためには、今よりもさらに多くの試合に出場しなければいけない」とコメント。さらに次のように続けた。 「選手たちはアイデンティティを持っている。そして自分たちが着るユニフォームに誇りを持っている。自分の国のエンブレム、ユニフォームに忠誠を誓った選手のプレーを見たいものだ。だからこそ混合チームなど作る必要はない」 2016.08.25 10:48 Thu
2

ウェールズ代表指揮官ギグス、スコールズを右腕に指名か

▽ウェールズ代表の新指揮官に就任したライアン・ギグス監督が、コーチングスタッフとしてポール・スコールズ氏を招へいする可能性があるようだ。イギリス『デイリー・メール』が報じた。 ▽ウェールズサッカー協会(FAW)は15日、ウェールズ代表新監督としてギグス監督と4年契約を交わしたことを発表した。母国の代表チームを託されたギグス監督は、自身のスタッフとしてスコールズ氏にオファーすることを考慮しているようだ。 ▽ギグス監督とスコールズ氏は、共に現役時代にマンチェスター・ユナイテッド一筋のキャリアを築き、レジェンドとなった。どちらもユース出身の生え抜きで、ギグス監督の方が1歳先輩だ。 ▽また、ギグス監督が選手兼コーチを務めていた2013-14シーズンにはデイビッド・モイーズ監督(現ウェストハム監督)がユナイテッド指揮官を解任されたことを受け、暫定監督とコーチとしてレッド・デビルズを牽引した過去がある。 2018.01.16 12:19 Tue
3

オランダが勝利でワールドカップ本大会へ《国際親善試合》

▽4日に国際親善試合のオランダ代表vsウェールズ代表が行われ、オランダが2-0で勝利した。5月30日のガーナ戦から先発メンバーを1人変更したオランダは、直近の2試合で採用していた[5-3-2]のフォーメーションではなく、[4-4-2]で試合に臨んだ。<br><br>▽試合は立ち上がりからホームのオランダが攻勢をかける。3分、左サイドをドリブルで持ち上がったファン・ペルシがボックス内に切り込みシュートを放つも、ボールはGKヘネシーに好セーブで防がれる。9分にもデ・フライのロングパスで相手DFの裏に抜け出したロッベンが巧みなトラップからシュートを放ったが、ボールはゴール右に外れた。<br><br>▽これに対しウェールズは20分、中盤でボールを奪ったテイラーのスルーパスに抜け出したチャーチが相手GKとDFの間に絶妙なクロスボールを入れるも、マルティンス・インディにスライディングでクリアされる。<br><br>▽ピンチを防いだオランダは25分、ボックス手前でボールを受けたロッベンがスナイデルとのワンツーでボックス内に侵入。上体のフェイントで相手GKを翻弄しシュートに持ち込んだが、ガンターのブロックに阻まれ、枠の上に逸れた。<br><br>▽その後、押し込まれる時間もあったオランダだが32分、スナイデルのパスを受けたファン・ペルシがボックス左の深い位置まで切り込み、角度のない位置からシュート。これはGKヘネシーに足で弾かれるも、こぼれ球がチェスターに当たり、ボックス前のロッベンが右足で押し込んだ。<br><br>▽先制ゴールを奪ったオランダは、41分にもフェーのスルーパスからヤンマートの折り返しをファン・ペルシが合わせる決定機を得たが、ボールはゴールの左に外れた。<br><br>▽リードするオランダは、前半終盤に足の違和感を訴えたファン・ペルシに代え、後半からレンスを投入。<br><br>▽対するウェールズのコールマン監督は、積極的な選手交代で同点ゴールを狙いにいくと70分、途中出場のG・ウィリアムスがドリブルでボックス内に侵入。相手DF3人をかわしシュートまで持ちこむも、シュートはフラールのスライディングに阻まれた。<br><br>▽ラストパスの精度を欠き、ノーチャンスの状態が続いたオランダは76分、中盤でボールをカットしたスナイデルのスルーパスに反応したロッベンが右サイドをドリブルで突破。相手GKとDFの間を通す高速クロスをファーサイドのレンスがゴール中央に流し込み、待望の追加点を奪った。<br><br>▽その後、オランダはデ・ヨングに代えてフンテラールを投入。さらなる追加点を狙ったが、ゴールは生まれず、試合は2-0で終了。ワールドカップ前最後の強化試合を勝利で飾ったオランダは、13日にワールドカップ初戦のスペイン戦を迎える。 2014.06.05 06:15 Thu
4

イギリス人最高給スポーツ選手はベイル!!

▽レアル・マドリーに所属するウェールズ代表MFガレス・ベイルは、イギリス人の中で最高給のスポーツ選手となったようだ。アメリカ『フォーブス』の記事を『Football ESPANA』が伝えている。 ▽2013年9月1日にトッテナムからレアル・マドリーに加入したベイル。当時のイギリスメディアは、1億100万ユーロ(当時のレートで約121億円)もの大金が動いたと報じた。『フォーブス』によると、史上最高額選手となったベイルの年俸は、税込みで3000万ユーロ(約44億5000万円)となった模様。これはイギリス人のスポーツ選手の中で最高給となっているようだ。 ▽なお、同ランキングの2位はF1ドライバーのルイス・ハミルトン、3位はプロゴルファーのローリー・マキロイと続く。4位はマンチェスター・ユナイテッドのイングランド代表FWウェイン・ルーニーで年俸は1900万ユーロ(約28億2000万円)、5位の元イングランド代表MFスティーブン・ジェラードは1600万ユーロ(約23億7500万円)となっている。 ▽『フォーブス』が発表したイギリス人スポーツ選手の給料ランキングトップ5は以下の通り。 ◆イギリス人スポーツ選手の給料ランキング 1.ガレス・ベイル (サッカー選手/3000万ユーロ/約44億5000万円) 2.ルイス・ハミルトン (F1ドライバー/2600万ユーロ/約38億5600万円) 3.ローリー・マキロイ (プロゴルファー/2000万ユーロ/約29億6700万円) 4.ウェイン・ルーニー (サッカー選手/1900万ユーロ/約28億2000万円) 5.スティーブン・ジェラード (サッカー選手/1600万ユーロ/約23億7500万円) 2014.12.05 13:25 Fri
5

「背中を蹴り、裸でへの外に放り出す」女性暴行容疑のギグス監督に新たな疑惑

女性への暴行容疑で起訴されているウェールズ代表のライアン・ギグス監督だが、新たな罪が発覚した。 ギグス監督は、2020年11月ににマンチェスターのウォースリーにある自宅で、ガールフレンドのケイト・グレヴィルさんと、20代の女性に対する暴行の疑いで、地元警察に逮捕されていた。 2017年8月から2020年11月まで、グレヴィルさんの行動を強制的に制御していたと言われている。 そのギグス監督は、今年4月に法廷に出廷。そこでは無罪を主張。24日にもマンチェスター刑事法院に出廷し、来年1月の裁判に向け、改めて「親密な関係または家族関係における支配的および高圧的な行動」、「実際に身体に危害を加える暴行」、「殴打による暴行」に対し、無罪を主張した。 ギグス監督は、グレヴィルさんが他の女性との関係を尋ねてきた際にメッセージを送り続け、交際を取りやめようとした際には何度も電話やメールを送ったとされている。 告発状によると、ギグス監督はロンドンの高級ホテルである「スタッフォード・ホテル」に滞在中、グレヴィルさんに浮気を咎められたとのこと。その際に「グレヴィルさんの背中を蹴り、裸の状態でホテルの部屋から放り出し、その後バッグを投げつけた」とされている。 さらに、2人の性的な関係の詳細をグレヴィルさんの雇用主に暴露すると脅した他、グレヴィルさんが別れた際には「彼女の自宅、職場、ジムに予告なしに現れた」とされている。 2020年11月に両者の関係は終わっているものの、その際に酔っていたギグス監督がグレヴィルさんに頭突きを見舞ったとされており、さらにグレヴィルさんの妹のエマにも暴行を加えたとされている。 現役時代はマンチェスター・ユナイテッドの一員として多くのタイトル獲得に貢献。公式戦932試合に出場し163ゴール250アシストを記録したレジェンドだ。 またウェールズ代表としても64試合に出場し12ゴールを記録。現在はウェールズ代表監督となっているが、今回の件で指揮官の座を降りてはいないものの、チームを指揮せず。ユーロ2020もロバート・ページ氏が指揮を執っていた。 2021.07.24 18:23 Sat

NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly