「全クラブのホームスタジアムに半年以内に行く」野々村芳和チェアマンが意気込み「サッカーという作品をどう魅力的にするか」
2022.03.15 19:45 Tue
Jリーグは15日、2022年度第1回社員総会および臨時理事会を開催。野々村芳和氏が第6代チェアマンに就任した。
8年間チェアマンを務めた村井満氏が退任し、新たなスタートを切ることとなったJリーグ。野々村チェアマンの他、理事や監事、特任理事が発表された。
野々村氏は今回の人選について冒頭の挨拶で言及した。
「日本サッカーに育ててもらいました。Jリーグにも30年育ててもらいました。ここから責任を持って良い仕事をしたいと思います」
「僕がサッカー出身ということもありますし、役員選考委員会からもフットボールを基軸にして事業を進めるべきだということで、ここにいる新たなメンバーに仲間になってもらいました」
「ビジネス面でも色々な変化がある中で、世の中の変化に敏感なビジネスマンにもジョインしていただき、進歩も早く変化も大きいので、彼らに力になってもらいたいです」
「どれだけ強くなっても地域とどれだけ密になっていけるか。百年構想の基本中の基本に対して、Jリーグも強くコミットした方が良いのではないかということで、一緒に仕事をしてもらうことにしました」
「サッカーで勝負をしている以上、グローバル、世界に出ていくことは必須なので、フットボール面においても、ビジネスの面においても、グローバルの部分を経験している方に力を貸してほしいということで、こういうメンバーになりました」
元Jリーガー、そして元Jクラブ社長という経験を生かしていきたい野々村氏。改めてチェアマンになった心境について「サッカーに育ててもらった責任をしっかり感じているので、それに恥じないように、良いリーグになるように、週末に笑っている人が多くなるように、リーグとしてもクラブをどうサポートするかに全力を尽くしていきたいです」とコメント。自身の色については「自分でこうしよう、ああしようということはないです」とし、「サッカーに育ててもらった自分をそのまま出せば、良いものが出せるだろうと感じています」と、今まで信じてやってきたことを継続してやっていきたいとした。
Jリーグは1993年の開幕から今年が30年目のシーズンとなる。「今もそうかもしれないですが、アジアではずば抜けて良いよね、楽しいというリーグにして欲しいです」と語り、「J1のトップレベルを上げることとともに、60クラブ近いクラブが地域でより輝くようにしないと、見せかけのリーグ、Jリーグになると思います」と、J1からJ3までの全てのクラブがそれぞれ輝いて欲しいとした。
また、「30年経って、最初はエンターテインメントとして素晴らしい数シーズンを過ごしたけど、その後うまくいかなかった。ただ今は本当に地域に根ざしたクラブが増えてきている」と語り、「トップトップのレベルが上がると共に、地域のクラブがより発展することをこのメンバーでやっていきたいです」と、サッカーの競技面での向上を図りながら、Jリーグの基礎でもある地域密着を推し進めていきたいとした。
サッカー面の向上という点については「ピッチレベルの質だと理解してコメントしますが、選手とか監督だけじゃない要因というのがあります。クラブがどう売り上げを伸ばすかという側面もあります。限られたバジェットでより楽しく強いチームをどう作っていくかは、強化部長やGMをどう育てていくかというのも必要となる」と、さまざまな側面での向上が必要だとした。
その上で「今Jリーグにいる指導者で解決できるのか、そうじゃないのかの議論を活発化させることで、クラブがどうしていくかが大事だと思います」と語り、「外的な規制を変えることで変化が生まれるのであれば、色々なことを挑戦したいと思います」と、様々な側面をしっかりと議論した上で、必要であれば今ある規制を撤廃する可能性もあるとした。
その中で必要なことは「サッカーという作品をどう魅力的にするか」と語る野々村チェアマン。「ピッチ、スタジアム、その周辺の環境、サポーターの雰囲気を含めて作品となり、その魅力をどう上げるかということが大事」とし、「外国人選手ばっかりになって地域との関わりがなくなると、スタジアムの熱狂は得にくくなるだろうという思いもある。どういう作品を作るか。その中でどう規制を変えて行くかということに取り組みたい」と、メリットとデメリットをしっかりと考えて、効果的な改善を行っていきたいとした。
改めて、様々なクラブの意見を取りまとめていくことが求められるが、「それぞれのクラブと色々なコミュニケーションを取ることだと思います」と、解決策をコメント。「上の方のクラブ、真ん中のクラブでは見えている世界、目指している方向性、困っていることも全く違います」と語り、「1つの最大公約数を見つけようとすることも1つ正解かもしれないですが、日本が大きくなるには別の決断をしなければいけないこともあります」と大きな決断が必要になる可能性もあるとした。
その野々村チェアマンが必ずやることについては、「1つに絞れないところがありますが、決めていること1つは全クラブのホームスタジアムに半年以内に行こうと思っています」とコメント。「スケジュールを見ると5月の8日ぐらいまでに30ちょいは行けるようなので、監督、選手全員とは難しいですが、コミュニケーションをとって挨拶回りをしたいです」とし、「58番目に札幌に行こうと思っています。それは絶対にやりたいです」と、まずは新チェアマンとして全てのクラブのホームを訪れたいとした。
8年間チェアマンを務めた村井満氏が退任し、新たなスタートを切ることとなったJリーグ。野々村チェアマンの他、理事や監事、特任理事が発表された。
野々村氏は今回の人選について冒頭の挨拶で言及した。
「僕がサッカー出身ということもありますし、役員選考委員会からもフットボールを基軸にして事業を進めるべきだということで、ここにいる新たなメンバーに仲間になってもらいました」
「サッカー出身者が多いことは、それだけ日本のサッカーが一定期間の歴史を経て、そういう彼らが日本のサッカーを引っ張っていけるという人材に成長したということ、期待しております」
「ビジネス面でも色々な変化がある中で、世の中の変化に敏感なビジネスマンにもジョインしていただき、進歩も早く変化も大きいので、彼らに力になってもらいたいです」
「どれだけ強くなっても地域とどれだけ密になっていけるか。百年構想の基本中の基本に対して、Jリーグも強くコミットした方が良いのではないかということで、一緒に仕事をしてもらうことにしました」
「サッカーで勝負をしている以上、グローバル、世界に出ていくことは必須なので、フットボール面においても、ビジネスの面においても、グローバルの部分を経験している方に力を貸してほしいということで、こういうメンバーになりました」
元Jリーガー、そして元Jクラブ社長という経験を生かしていきたい野々村氏。改めてチェアマンになった心境について「サッカーに育ててもらった責任をしっかり感じているので、それに恥じないように、良いリーグになるように、週末に笑っている人が多くなるように、リーグとしてもクラブをどうサポートするかに全力を尽くしていきたいです」とコメント。自身の色については「自分でこうしよう、ああしようということはないです」とし、「サッカーに育ててもらった自分をそのまま出せば、良いものが出せるだろうと感じています」と、今まで信じてやってきたことを継続してやっていきたいとした。
Jリーグは1993年の開幕から今年が30年目のシーズンとなる。「今もそうかもしれないですが、アジアではずば抜けて良いよね、楽しいというリーグにして欲しいです」と語り、「J1のトップレベルを上げることとともに、60クラブ近いクラブが地域でより輝くようにしないと、見せかけのリーグ、Jリーグになると思います」と、J1からJ3までの全てのクラブがそれぞれ輝いて欲しいとした。
また、「30年経って、最初はエンターテインメントとして素晴らしい数シーズンを過ごしたけど、その後うまくいかなかった。ただ今は本当に地域に根ざしたクラブが増えてきている」と語り、「トップトップのレベルが上がると共に、地域のクラブがより発展することをこのメンバーでやっていきたいです」と、サッカーの競技面での向上を図りながら、Jリーグの基礎でもある地域密着を推し進めていきたいとした。
サッカー面の向上という点については「ピッチレベルの質だと理解してコメントしますが、選手とか監督だけじゃない要因というのがあります。クラブがどう売り上げを伸ばすかという側面もあります。限られたバジェットでより楽しく強いチームをどう作っていくかは、強化部長やGMをどう育てていくかというのも必要となる」と、さまざまな側面での向上が必要だとした。
その上で「今Jリーグにいる指導者で解決できるのか、そうじゃないのかの議論を活発化させることで、クラブがどうしていくかが大事だと思います」と語り、「外的な規制を変えることで変化が生まれるのであれば、色々なことを挑戦したいと思います」と、様々な側面をしっかりと議論した上で、必要であれば今ある規制を撤廃する可能性もあるとした。
その中で必要なことは「サッカーという作品をどう魅力的にするか」と語る野々村チェアマン。「ピッチ、スタジアム、その周辺の環境、サポーターの雰囲気を含めて作品となり、その魅力をどう上げるかということが大事」とし、「外国人選手ばっかりになって地域との関わりがなくなると、スタジアムの熱狂は得にくくなるだろうという思いもある。どういう作品を作るか。その中でどう規制を変えて行くかということに取り組みたい」と、メリットとデメリットをしっかりと考えて、効果的な改善を行っていきたいとした。
改めて、様々なクラブの意見を取りまとめていくことが求められるが、「それぞれのクラブと色々なコミュニケーションを取ることだと思います」と、解決策をコメント。「上の方のクラブ、真ん中のクラブでは見えている世界、目指している方向性、困っていることも全く違います」と語り、「1つの最大公約数を見つけようとすることも1つ正解かもしれないですが、日本が大きくなるには別の決断をしなければいけないこともあります」と大きな決断が必要になる可能性もあるとした。
その野々村チェアマンが必ずやることについては、「1つに絞れないところがありますが、決めていること1つは全クラブのホームスタジアムに半年以内に行こうと思っています」とコメント。「スケジュールを見ると5月の8日ぐらいまでに30ちょいは行けるようなので、監督、選手全員とは難しいですが、コミュニケーションをとって挨拶回りをしたいです」とし、「58番目に札幌に行こうと思っています。それは絶対にやりたいです」と、まずは新チェアマンとして全てのクラブのホームを訪れたいとした。
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「サポーターの熱量は相当勝ち負けに影響する」声出し応援の段階的導入、野々村チェアマンの想い「去年の段階で申し出ていた」
Jリーグは17日、公式試合における声出し応援の段階的導入を発表した。 2020年に新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが起こり、一時はリーグが中断。その後、リモートマッチ(無観客試合)となり、徐々に観客が戻ることとなった。 当初はスタジアムサイズに関わらず、5000人か収容人数の50%未満という制限があり、徐々に観客動員数の条件が緩和。しかし、コロナ禍になってから、声出しの応援は認められていなかった。 徐々にウィズコロナの時代に入っていく中、世界のスタジアムでは声出しが行われ、JリーグクラブもAFCチャンピオンズリーグ(ACL)では声出しが認められるなどしており、国内でも声出し応援の解禁について議論がなされてきた。 野々村芳和チェアマンは今回の声出し応援の段階的導入について、あくまでも日本政府の方針の中でどう行うかを考えてきたとし、海外でやれているからということでは決められなかったとした。 「日本でどういう方針でコロナ対策が行われているか。ここまでもJリーグは政府の対処方針に基づいて、どうやったらサッカーが続けられるか、お客さんを入れられるか。サポーター含めて皆さんに協力をいただいた」 「海外のリーグ、クラブが声を出していいと言っているわけではない。国がどういう考えなのかというところで、どう生き残っていけるのかを考えた」 一方で、応援というものが文化として日本では根付いていないという指摘には「応援が文化になっていないというのは僕も思っています。本来の姿に早く戻さないといけないと、より多くの皆さんに思ってもらわなければいけません」とコメント。「ただ、日本国内ではそこまでの思いではないです。100年に1回の状況ではありますが、応援の大切さは再認識しています」と語り、まだまだ応援の重要性が文化的に根付いていないとした。 その点は、Jリーグが価値を示さなければいけないとし、「海外の人たちが応援する姿も壮観で素晴らしいですが、Jリーグの応援スタイルは世界のサッカーの中でも素晴らしいものだと思うので、もっと日本の皆さんに伝えていかなければいけないと思います」とし、「リーグとしての、サッカーの価値観をまだまだ示せていないという思いはあります」と、まだまだやれることがあるとした。 また「それでも日本のコロナの政策の中でいかに前に進めていくかをやってきてはいるので、僕はもっと早くから準備していれば良いんじゃない?と思っていましたが、チェアマンになって2カ月でここまで進められたというのはありますが、もっとサッカーの威力、価値を伝えなければいけないと思います」と、改めてその魅力を伝えていく必要性があることも感じさせられたという。 今回、日本国内のスポーツでは、Jリーグが一番最初に声出し応援に向けて動き出していた。その理由について野々村チェアマンは「僕の思いみたいなところが大きいのかなと思っています。去年の段階でそういう準備を進めて欲しいなというのは、クラブの社長をやりながらJリーグに伝えていました」とコメント。「ただ、国内の方針を含めて、なかなかそういう話にはならなかったです」と、国内の感染状況などを考えても動かなかったとした。 ただ「3月にチェアマンになったことで、ここはいち早く取り戻す準備をしないとダメだなと僕の中では相当強かったです」と、最初に手をつけたいと考えていたとし、「リーグの中でもそうした方が良いよねという方もたくさんいましたが、なかなか進まないという現状もありました」と、一気に動かそうと考えて、今回決定に至ったとした。 また、声援というものがサッカーというスポーツにおいて重要であるという認識もあったからだと言い、「サッカーを作品と考えたときに、お客さまが来た時の熱量はピッチの上と同じぐらい大事な要素です。その作品が見たいから新しいファンが来てくれるのも事実としてあるのがサッカー。それを先に戻さなければいけなかったです」とコメント。「チームは昇降格、優勝を目指して戦う中で、ホームゲームのサポーターの熱量は相当勝ち負けに影響するのは実感していて、サポーターの方も実感していると思います。本来のサッカーではないと思っていたりします」と、声援による後押しがないことが歯痒かったと語った。 一方で、コロナが終息に向かわず、不安に思うファン・サポーターも多いのも事実。野々村チェアマンは「国内の空気感において、怖いと思っている方が一定数いると認識しています。なので、今回のように段階的にやることで安心安全を保ちたいと思いました」と、一気に緩和しない理由は、声出し反対派の人を考慮してのものだとした。 また「国としてのウィズコロナが醸成されていくと思うので、それが醸成されてから応援スタイルを戻すというよりは、醸成を促すのもスポーツだと思うので、それをサッカーができればということ」とし、「怖いと思われている方に安心できますよということをサッカーを通じてやる、前に進んでいくように日本の社会が進むということをサッカーができればと思っています」と、コロナと共に生きて行くことへの一歩にしたいと語った。 声出し応援が徐々に認められる一方で、観客動員は収容人数の50%に制限されることに。クラブによっては、満員でいれて収益を得たいという考えも出てくることとなる。 その点のジレンマについても「だからこそ、去年の時点でどちらかを選べるような持っていき方をして欲しいと僕としてはリーグに伝えていました」と、クラブの社長の立場としてリーグに申し出ていたとし、「経営をしていかなければいけないので、収入というところは避けて通れないと思いますが、一方で本来のものをどう取り戻すかは中長期的に重要だろうということもあります」と、クラブ側もジレンマを抱えることになるだろうとした。 ただ、「現状のルールの中で選択できる、クラブの経営も選択できる条件をいかに揃えてあげることが重要だと思ったので、クラブの経営者は悩むところだと思いますが、1つ前に進めるものを政府と話ができて進められたことは良かったと思います」と、個々のクラブに合わせて、理解を得ながら進めていきたいと考えているとした。 2022.05.17 20:40 Tue5
