5試合で23人が先発、横浜FMが持つ強みは“ポジション”に捉われない戦い方と“一貫性”/編集部コラム
2022.03.07 06:45 Mon
◆ポジションを気にせず、タスクを遂行するスタイル
そしてさらに大きな要因は、ポジションに捉われないサッカーを行っていることだ。
前述の戦い方のベースに加え、横浜FMの大きな特徴なのが、流動的なポジション取りだ。サイドバックの選手が中に入ってボランチのようにプレーすること、ボランチの選手がサイドに開いてアタッカーの役割を担ったり、サイドバックがウイングのように攻撃に参加したり、トップ下の選手とトップの選手が入れ替わるなど、試合中に目まぐるしく立ち位置が変化する。
両ウイングがサイドを変えることも少なくなく、気がつけば元に戻っていることも。また、ポリバレントな選手が多数揃っていることも大きいと言える。
例えば、DF岩田智輝は昨シーズンから在籍。大分トリニータでは3バックの右か右ウイングバックでプレーすることが多かったが、横浜FMでは右サイドバックや2センターバック、ボランチと3つのポジションでプレーしている。
より顕著なのはDF小池龍太。右サイドバックが主戦場だったが、左サイドバックも務め、人手が足りないとなればボランチでもプレーする。横浜FMのサッカーには欠かせない選手の1人となっている。
もちろん選手個々の能力の差、戦術理解度の差があることではあるが、横浜FMでは試合中はポジションに捉われてサッカーをしておらず、立ち位置は流動的。局面、局面に合わせてそれぞれの選手が立ち位置を変えるため、チームとしての約束事をそれぞれが守るだけで良い。これが“一貫性”が生み出したものであり、誰が出ても変わりないパフォーマンスを出せる秘訣と言えるだろう。
小池はこの点について「新加入選手やポジション関係なく、マリノスのサッカー、アタッキングフットボールを吸収しようというのが大きな違い」とコメント。また「マリノスのサッカーをプレーすることはポジションが関係ないというか、居なければいけない場所を認知しながら、やることは多いようで少ないというか、理解していれば迷うことはないです」と、チームのスタイルを語った。
つまり、原理原則を理解すれば、誰がどこでプレーしても変わらないということ。簡単なことではもちろんないが、しっかりと選手たちが理解していれば、選手が変わっても大きくパフォーマンスが落ちたりはしないということになる。
これはマスカット監督も「全員がプレーを理解して表現できれば、コントロールして上手く試合を進められるというのが見えてきた」と清水エスパルス戦後にコメント。6人のスタメンを入れ替えた清水戦の戦いでも「西村拓真、吉尾海夏がすごく良いプレッシャーをかけて相手からボールを奪ったりなど良いプレーができた」と、横浜FMのサッカーに日が浅い2人も力を発揮したと評価した。
戦い方を大きく変化させず、それでもブラッシュアップを続けて選手たちが高いパフォーマンスを維持し続けることで、クオリティを格段に上げている横浜FM。マスカット監督は「1人1人が緊張感をもってやらなければいけないと感じたはずだ」とコメント。その理由は「色々な選手がどこででもパフォーマンスを発揮する。
そのため、競争が激しくなると感じているはずだ」と、誰がどこで出てもおかしくない状況が作れるということを示唆した。
ポステコグルー監督が築いたスタイルを、マスカット監督が進化させている横浜FM。川崎Fの3連覇を阻止する急先鋒は変幻自在の“トリコロール”かもしれない。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
そしてさらに大きな要因は、ポジションに捉われないサッカーを行っていることだ。
前述の戦い方のベースに加え、横浜FMの大きな特徴なのが、流動的なポジション取りだ。サイドバックの選手が中に入ってボランチのようにプレーすること、ボランチの選手がサイドに開いてアタッカーの役割を担ったり、サイドバックがウイングのように攻撃に参加したり、トップ下の選手とトップの選手が入れ替わるなど、試合中に目まぐるしく立ち位置が変化する。
両ウイングがサイドを変えることも少なくなく、気がつけば元に戻っていることも。また、ポリバレントな選手が多数揃っていることも大きいと言える。
例えば、DF岩田智輝は昨シーズンから在籍。大分トリニータでは3バックの右か右ウイングバックでプレーすることが多かったが、横浜FMでは右サイドバックや2センターバック、ボランチと3つのポジションでプレーしている。
より顕著なのはDF小池龍太。右サイドバックが主戦場だったが、左サイドバックも務め、人手が足りないとなればボランチでもプレーする。横浜FMのサッカーには欠かせない選手の1人となっている。
もちろん選手個々の能力の差、戦術理解度の差があることではあるが、横浜FMでは試合中はポジションに捉われてサッカーをしておらず、立ち位置は流動的。局面、局面に合わせてそれぞれの選手が立ち位置を変えるため、チームとしての約束事をそれぞれが守るだけで良い。これが“一貫性”が生み出したものであり、誰が出ても変わりないパフォーマンスを出せる秘訣と言えるだろう。
小池はこの点について「新加入選手やポジション関係なく、マリノスのサッカー、アタッキングフットボールを吸収しようというのが大きな違い」とコメント。また「マリノスのサッカーをプレーすることはポジションが関係ないというか、居なければいけない場所を認知しながら、やることは多いようで少ないというか、理解していれば迷うことはないです」と、チームのスタイルを語った。
つまり、原理原則を理解すれば、誰がどこでプレーしても変わらないということ。簡単なことではもちろんないが、しっかりと選手たちが理解していれば、選手が変わっても大きくパフォーマンスが落ちたりはしないということになる。
これはマスカット監督も「全員がプレーを理解して表現できれば、コントロールして上手く試合を進められるというのが見えてきた」と清水エスパルス戦後にコメント。6人のスタメンを入れ替えた清水戦の戦いでも「西村拓真、吉尾海夏がすごく良いプレッシャーをかけて相手からボールを奪ったりなど良いプレーができた」と、横浜FMのサッカーに日が浅い2人も力を発揮したと評価した。
戦い方を大きく変化させず、それでもブラッシュアップを続けて選手たちが高いパフォーマンスを維持し続けることで、クオリティを格段に上げている横浜FM。マスカット監督は「1人1人が緊張感をもってやらなければいけないと感じたはずだ」とコメント。その理由は「色々な選手がどこででもパフォーマンスを発揮する。
そのため、競争が激しくなると感じているはずだ」と、誰がどこで出てもおかしくない状況が作れるということを示唆した。
ポステコグルー監督が築いたスタイルを、マスカット監督が進化させている横浜FM。川崎Fの3連覇を阻止する急先鋒は変幻自在の“トリコロール”かもしれない。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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