ニューカッスル、消極補強への批判を受け、補強プランに関する異例の声明を発表
2021.09.04 07:00 Sat
ニューカッスルが今夏の移籍市場におけるクラブの補強プランに関して異例の声明を発表した。
2017-18シーズンにプレミアリーグ復帰後は10位、13位、13位、12位とボトムハーフの上位を維持しているが、アシュリー氏の財布の紐の固さによって近年は停滞感が漂っている。
昨年にはサウジアラビアの政府系ファンドへのクラブ買収の噂が出ていたものの、最終的に破談。これにより、多くのファンからはアシュリー氏に対して、より資金を投下できる売却先に経営権を移譲するか、より積極的な補強を求める声が高まっている。
しかし、ニューカッスルは今夏の移籍市場で主力の流出こそなかったものの、純粋な意味での補強は昨シーズン後半戦にアーセナルからレンタル加入し、大きなインパクトを残したU-21イングランド代表MFジョー・ウィロックを、2500万ポンド(約38億円)で完全移籍に切り替えたのみとなった。
そういった中、ニューカッスルは移籍市場閉幕から3日後に、補強プランに関する異例の声明を発表した。この声明ではまず、クラブ運営に関するクラブのポリシー、新型コロナウイルスの影響による深刻な財政的ダメージに関する説明が行われた。
「ニューカッスル・ユナイテッドは、2021年夏の移籍市場に向けた取り組みについて、サポーターの皆様に最新情報をお伝えします」
「我々は、クラブの財政的な存続を確保するために、持続可能な方法で運営することを長年にわたって約束してきました。これは、『野心的であること』を犠牲にするものではなく、我々が持っているものを使うという基本原則に基づいています」
「毎年、マッチデーおよびマッチデー以外の活動によって得られる現金と、プレーヤーの売却によって得られる移籍金によって、どれだけの金額を使うことができるかが決まります。これは、トップチームのプレーヤーの支出だけでなく、クラブの他のすべての分野にも関係しています。簡単に言えば、資金は1つしかないので、ある分野で使うと他の分野に使える金額が減るということです」
「通常の年であれば、我々の運営モデルは、トップチームに1、2人の質の高いプレーヤーを加え、他の分野にも投資できるだけの十分な資金を生み出します。このアプローチには時間がかかり、慎重な管理と長期的な計画が必要となります」
「この2年間は、新型コロナウイルスがクラブの財務に大きな影響を与えたため、使用可能な現金の額にも影響が出て、厳しい状況が続いています。内部的には、すべての関係者が、我々が運営している予算のパラメーターを以前から認識していました」
続いてクラブは今夏の補強の最優先事項がウィロックの買い取りにあったことを明かしている。
「夏の移籍市場に先立って、2021年1月にレンタル加入して大きな成果を上げたジョー・ウィロックが、クラブの主要なターゲットとして認識されていました」
「このプレーヤーが期限付き移籍で獲得できることが確認された時点で、このオプションを追求することが共同決定されました。すべての関係者は、さらなるチーム統合の影響を認識しており、ジョー・ウィロックの確保が正しい優先順位であるという総合的な見解を持っていました。また、プレーヤーの追加は、資金とチームのスペースの両方の観点から、プレーヤーのトレードに大きく影響されるという共通の認識がありました」
「そして、2021年8月13日、ジョー・ウィロックの移籍が正式に決定し、彼を獲得できたことを大変うれしく思います」
さらに、ニューカッスルは移籍金の支払い方法や近年のクラブが補強に費やした金額など、かなり踏み込んだ内容にも触れている。
「我々は、移籍金の支払いを数年に分けて行うのではなく、前払いで行うことを希望しています。この方法は、クラブの長期的な利益につながるものであり、将来の移籍市場やシーズンでの支出をより確実にコントロールすることができます」
「ポストコロナにおいて、交渉・契約において、我々は例外的に移籍金を分割払いにする必要があることを認めました。我々は、クラブをより強くすると確信しており、監督が明確に契約を望んでいたプレーヤーを確保するために、この夏にそうしました」
「2019年夏以降、クラブは9人のプレーヤーを完全移籍で獲得し、5人のプレーヤーをレンタルで獲得しています。この期間の純支出は1億2000万ポンド(1億6000万ポンドを獲得に費やし、4000万ポンドを売却で受け取りました)です。我々は手持ちの資金を使うという約束を果たしましたし、実際、今夏のビジネスでは主要なターゲットを確保するためにより多くの資金を使いました。そうではないというのは誤解を招く恐れがありますし、クラブから資金が流出したという主張はまったくの事実無根です」
「なお、『スカイ・スポーツ』は今夏、ニューカッスル・ユナイテッドの純支出はプレミアリーグで10番目に多いと報じました。クラブは、明らかな財政難にもかかわらず、優秀なプレーヤーを確保しました」
「昨シーズン、プレミアリーグを12位で終え、直近の9試合のフォームテーブルにおいてトップ6に入ったことで、クラブはすべてのレベルで現在のチームを強く信じています。我々には才能を持った、献身的なプレーヤーたちを擁しており、彼らが十分な能力を持っていることを示しています」
今回、ファンからの度重なる批判を受けて異例の自己弁護に走ったニューカッスルだが、ファンにクラブの考えを理解してもらうためには今シーズンの結果、ピッチ上で見せるパフォーマンスが重要と言えそうだ。
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2007年からマイク・アシュリー氏をオーナーに据え、2度のチャンピオンシップ(イングランド2部)降格を味わったものの、プレミアリーグの中堅クラブとしての立場を維持しているニューカッスル。昨年にはサウジアラビアの政府系ファンドへのクラブ買収の噂が出ていたものの、最終的に破談。これにより、多くのファンからはアシュリー氏に対して、より資金を投下できる売却先に経営権を移譲するか、より積極的な補強を求める声が高まっている。
しかし、ニューカッスルは今夏の移籍市場で主力の流出こそなかったものの、純粋な意味での補強は昨シーズン後半戦にアーセナルからレンタル加入し、大きなインパクトを残したU-21イングランド代表MFジョー・ウィロックを、2500万ポンド(約38億円)で完全移籍に切り替えたのみとなった。
そのため、多くのファンからクラブの補強戦略に対する批判が大々的に行われていた。
そういった中、ニューカッスルは移籍市場閉幕から3日後に、補強プランに関する異例の声明を発表した。この声明ではまず、クラブ運営に関するクラブのポリシー、新型コロナウイルスの影響による深刻な財政的ダメージに関する説明が行われた。
「ニューカッスル・ユナイテッドは、2021年夏の移籍市場に向けた取り組みについて、サポーターの皆様に最新情報をお伝えします」
「我々は、クラブの財政的な存続を確保するために、持続可能な方法で運営することを長年にわたって約束してきました。これは、『野心的であること』を犠牲にするものではなく、我々が持っているものを使うという基本原則に基づいています」
「毎年、マッチデーおよびマッチデー以外の活動によって得られる現金と、プレーヤーの売却によって得られる移籍金によって、どれだけの金額を使うことができるかが決まります。これは、トップチームのプレーヤーの支出だけでなく、クラブの他のすべての分野にも関係しています。簡単に言えば、資金は1つしかないので、ある分野で使うと他の分野に使える金額が減るということです」
「通常の年であれば、我々の運営モデルは、トップチームに1、2人の質の高いプレーヤーを加え、他の分野にも投資できるだけの十分な資金を生み出します。このアプローチには時間がかかり、慎重な管理と長期的な計画が必要となります」
「この2年間は、新型コロナウイルスがクラブの財務に大きな影響を与えたため、使用可能な現金の額にも影響が出て、厳しい状況が続いています。内部的には、すべての関係者が、我々が運営している予算のパラメーターを以前から認識していました」
続いてクラブは今夏の補強の最優先事項がウィロックの買い取りにあったことを明かしている。
「夏の移籍市場に先立って、2021年1月にレンタル加入して大きな成果を上げたジョー・ウィロックが、クラブの主要なターゲットとして認識されていました」
「このプレーヤーが期限付き移籍で獲得できることが確認された時点で、このオプションを追求することが共同決定されました。すべての関係者は、さらなるチーム統合の影響を認識しており、ジョー・ウィロックの確保が正しい優先順位であるという総合的な見解を持っていました。また、プレーヤーの追加は、資金とチームのスペースの両方の観点から、プレーヤーのトレードに大きく影響されるという共通の認識がありました」
「そして、2021年8月13日、ジョー・ウィロックの移籍が正式に決定し、彼を獲得できたことを大変うれしく思います」
さらに、ニューカッスルは移籍金の支払い方法や近年のクラブが補強に費やした金額など、かなり踏み込んだ内容にも触れている。
「我々は、移籍金の支払いを数年に分けて行うのではなく、前払いで行うことを希望しています。この方法は、クラブの長期的な利益につながるものであり、将来の移籍市場やシーズンでの支出をより確実にコントロールすることができます」
「ポストコロナにおいて、交渉・契約において、我々は例外的に移籍金を分割払いにする必要があることを認めました。我々は、クラブをより強くすると確信しており、監督が明確に契約を望んでいたプレーヤーを確保するために、この夏にそうしました」
「2019年夏以降、クラブは9人のプレーヤーを完全移籍で獲得し、5人のプレーヤーをレンタルで獲得しています。この期間の純支出は1億2000万ポンド(1億6000万ポンドを獲得に費やし、4000万ポンドを売却で受け取りました)です。我々は手持ちの資金を使うという約束を果たしましたし、実際、今夏のビジネスでは主要なターゲットを確保するためにより多くの資金を使いました。そうではないというのは誤解を招く恐れがありますし、クラブから資金が流出したという主張はまったくの事実無根です」
「なお、『スカイ・スポーツ』は今夏、ニューカッスル・ユナイテッドの純支出はプレミアリーグで10番目に多いと報じました。クラブは、明らかな財政難にもかかわらず、優秀なプレーヤーを確保しました」
「昨シーズン、プレミアリーグを12位で終え、直近の9試合のフォームテーブルにおいてトップ6に入ったことで、クラブはすべてのレベルで現在のチームを強く信じています。我々には才能を持った、献身的なプレーヤーたちを擁しており、彼らが十分な能力を持っていることを示しています」
今回、ファンからの度重なる批判を受けて異例の自己弁護に走ったニューカッスルだが、ファンにクラブの考えを理解してもらうためには今シーズンの結果、ピッチ上で見せるパフォーマンスが重要と言えそうだ。
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