【CLグループB総括】最終節まで全チームに突破の可能性が残る大混戦を制したのはマドリー&ボルシアMG
2020.12.14 16:01 Mon
優勝候補に挙がるレアル・マドリーと昨季のヨーロッパリーグ(EL)準優勝のインテルに加え、シャフタールとボルシアMGと強豪が揃ったグループB。当初はマドリーが順当に突破し、残り3枠をインテル中心に争うかに思われたが、最終節まで全チームに突破の可能性が残る稀にみる大混戦となった。
[勝ち点/勝/引/負/得失点]
1.レアル・マドリー[10/3/1/2/2]
2.ボルシアMG[10/2/2/2/7]
3.シャフタール[8/2/2/2/-7]
4.インテル[6/1/3/2/-2]◆クラブ史上初の敗退危機から劇的首位通過~レアル・マドリー~

昨シーズンのラ・リーガ優勝を経て継続路線で今シーズンに臨んだマドリーだが、度重なる負傷者やパフォーマンスの低下によってリーグ戦同様に厳しいグループステージとなった。ホームで戦ったシャフタールとの開幕戦をまさかの2-3の敗戦でスタートすると、第2節のボルシアMG戦でも0-2のスコアで試合終盤を迎えることに。だが、連敗濃厚と思われた試合終盤にFWベンゼマとMFカゼミロの連続ゴールが決まりドローに持ち込んだことが、最終的な首位通過へのターニングポイントとなった。
その後、グループ最大のライバルと目されたインテルとの連戦を3-2、2-0のスコアで連勝し、最下位から2位に浮上。第5節では再びシャフタール相手に守備が崩壊し、0-2の敗戦を喫して3位に転落。それでも、インテルが同節でボルシアMGの首位通過を阻止したことで、自力での突破の可能性が残った。そして、クラブ史上初のグループステージ敗退の可能性もあったボルシアMGとの直接対決ではFWベンゼマの2ゴールやMFモドリッチの躍動など、ようやく本来の力を取り戻して2-0の完勝。最後は世界屈指の名門の底力をみせ、首位通過を果たした。ただ、3年ぶり14度目のビッグイヤー獲得に向けては今冬の補強などドラスティックな変化が必要となるかもしれない。
◆大健闘で1977-78シーズン以来の突破~ボルシアMG~

ブンデスリーガ屈指の古豪として知られるボルシアMGが前身UEFAチャンピオンズカップ時代の1977-78シーズン以来の決勝トーナメント進出を果たした。昨シーズンのブンデスリーガを4位で終えた智将マルコ・ローゼ率いるチームは、経験、実績で勝る格上3チームを相手に堂々たる戦いぶりを見せた。
◆マドリーにダブルも及ばず~シャフタール~

昨シーズンのELベスト4チームの実績に違わず、ウクライナ王者はグループステージを大きく盛り上げる役割を担った。ウクライナ代表の中心選手と、ブラジルコネクションから集まる若き逸材の融合により、ヨーロッパの舞台でも安定した成績を収めるシャフタールは、今大会でマドリーキラーとして強烈なインパクトを残した。敵地での初戦では相手の油断に付け込んだ印象もあったが、ホームでのリターンマッチでは粘り強い守備で相手の攻撃を撥ね返し続けて得意のカウンターから2ゴールを挙げるしたたかな戦いぶりが光った。
ボルシアMG相手の2戦合計0-10の大敗が響き決勝トーナメント進出には届かなかったが、昨季ELで0-5の大敗を喫したインテルを相手に2試合とも0-0のドローに持ち込む確かな成長をみせ、最低限のノルマだった3位でのEL決勝トーナメント行きを決めた。
◆史上初の最下位での敗退~インテル~

コンテ体制2年目で指揮官の望むメルカートを過ごして躍進が期待されたインテルだったが、クラブ史上初のグループステージ最下位での敗退となった。ユベントス、チェルシー時代を含めてヨーロッパのコンペティションを苦手とする指揮官の影響か、格下と目されたボルシアMG、シャフタールとの序盤2試合をいずれもドローで終えると、未勝利対決となったマドリーとの名門対決ではユベントス時代の元チームメイトにいずれも競り負けて痛恨の連敗を喫した。
その後、第5節ではボルシアMGとの死闘を主砲ルカクの2ゴールの活躍で競り勝って待望の今大会初白星。さらに、ライバルの潰し合いによって最終節での逆転突破のチャンスを得たが、勝てば自力で突破を決められたホームでのシャフタール戦でまたしても勝負強さを露呈し、消化不良のゴールレスドローで終戦。敗退後ヒステリックなリアクションを見せたコンテ監督と周囲との関係は悪化の一途を辿っており、セリエAでの今後の戦い次第では袂を分かつ可能性も…。
PR
■グループB順位表■[勝ち点/勝/引/負/得失点]
1.レアル・マドリー[10/3/1/2/2]
2.ボルシアMG[10/2/2/2/7]
3.シャフタール[8/2/2/2/-7]
4.インテル[6/1/3/2/-2]◆クラブ史上初の敗退危機から劇的首位通過~レアル・マドリー~

Getty Images
昨シーズンのラ・リーガ優勝を経て継続路線で今シーズンに臨んだマドリーだが、度重なる負傷者やパフォーマンスの低下によってリーグ戦同様に厳しいグループステージとなった。ホームで戦ったシャフタールとの開幕戦をまさかの2-3の敗戦でスタートすると、第2節のボルシアMG戦でも0-2のスコアで試合終盤を迎えることに。だが、連敗濃厚と思われた試合終盤にFWベンゼマとMFカゼミロの連続ゴールが決まりドローに持ち込んだことが、最終的な首位通過へのターニングポイントとなった。
◆大健闘で1977-78シーズン以来の突破~ボルシアMG~

Getty Images
ブンデスリーガ屈指の古豪として知られるボルシアMGが前身UEFAチャンピオンズカップ時代の1977-78シーズン以来の決勝トーナメント進出を果たした。昨シーズンのブンデスリーガを4位で終えた智将マルコ・ローゼ率いるチームは、経験、実績で勝る格上3チームを相手に堂々たる戦いぶりを見せた。
インテルとの初戦、本命マドリーとの第2節ではいずれも試合終了間際の失点により追いつかれて2戦連続の2-2のドロースタートとなった。しかし、第3節を迎える段階で首位に立っていたシャフタールとのアウェイゲームではFWプレアのハットトリックなど6ゴールを挙げる圧勝で初勝利を挙げると、ホームでのリターンマッチでも4-0の圧勝を収めグループ首位の座を確固たるものとした。その後、残り2節では崖っぷちのインテルとマドリーの底力に屈して連敗でのフィニッシュとなったが、最終節のマドリー戦敗戦直後にはピッチサイドで同時刻開催のインテルvsシャフタールをタブレット端末で観戦した後、他力での突破が成就して喜びを爆発させる印象的な勝ち上がりを見せた。FWテュラムとプレアのフランス人アタッカーコンビにビッグクラブ注目のMFザカリアと好タレントを擁しており、決勝トーナメントでの大暴れを期待したいところだ。
◆マドリーにダブルも及ばず~シャフタール~

Getty Images
昨シーズンのELベスト4チームの実績に違わず、ウクライナ王者はグループステージを大きく盛り上げる役割を担った。ウクライナ代表の中心選手と、ブラジルコネクションから集まる若き逸材の融合により、ヨーロッパの舞台でも安定した成績を収めるシャフタールは、今大会でマドリーキラーとして強烈なインパクトを残した。敵地での初戦では相手の油断に付け込んだ印象もあったが、ホームでのリターンマッチでは粘り強い守備で相手の攻撃を撥ね返し続けて得意のカウンターから2ゴールを挙げるしたたかな戦いぶりが光った。
ボルシアMG相手の2戦合計0-10の大敗が響き決勝トーナメント進出には届かなかったが、昨季ELで0-5の大敗を喫したインテルを相手に2試合とも0-0のドローに持ち込む確かな成長をみせ、最低限のノルマだった3位でのEL決勝トーナメント行きを決めた。
◆史上初の最下位での敗退~インテル~

Getty Images
コンテ体制2年目で指揮官の望むメルカートを過ごして躍進が期待されたインテルだったが、クラブ史上初のグループステージ最下位での敗退となった。ユベントス、チェルシー時代を含めてヨーロッパのコンペティションを苦手とする指揮官の影響か、格下と目されたボルシアMG、シャフタールとの序盤2試合をいずれもドローで終えると、未勝利対決となったマドリーとの名門対決ではユベントス時代の元チームメイトにいずれも競り負けて痛恨の連敗を喫した。
その後、第5節ではボルシアMGとの死闘を主砲ルカクの2ゴールの活躍で競り勝って待望の今大会初白星。さらに、ライバルの潰し合いによって最終節での逆転突破のチャンスを得たが、勝てば自力で突破を決められたホームでのシャフタール戦でまたしても勝負強さを露呈し、消化不良のゴールレスドローで終戦。敗退後ヒステリックなリアクションを見せたコンテ監督と周囲との関係は悪化の一途を辿っており、セリエAでの今後の戦い次第では袂を分かつ可能性も…。
PR
レアル・マドリーの関連記事
UEFAチャンピオンズリーグの関連記事
|
レアル・マドリーの人気記事ランキング
1
「あんな回転のかけ方をするとは」直接FK2発を叩き込まれたクルトワ、反省を口にするも2本目を称賛「これ以上の完璧なキックはできなかったと思う」
レアル・マドリーのベルギー代表GKティボー・クルトワが、完璧に決められた2つのFKを振り返った。クラブ公式サイトが伝えた。 8日、チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグでマドリーはアーセナルとアウェイで対戦した。 2005-06シーズン以来の顔合わせとなった両者。当時はラウンド16で対戦しマドリーは敗れており、約20年ぶりにリベンジの機会を手にした。 試合は前半はマドリーがカウンターでゴールに迫るもGKダビド・ラヤのセーブもありゴールを奪えず。ホームのアーセナルもゴールに迫っていくが、GKクルトワが好セーブで凌いでいた。 ゴールレスのまま後半を迎えた中、アーセナルのデクラン・ライスが火を吹くことに。ボックス手前でFKを得ると2度続けて直接完璧なコースに蹴り込み2ゴール。さらにミケル・メリーノにもゴールを許し3-0で敗戦に終わった。 敵地での1stレグで敗れたマドリー。ゴールを守っていたクルトワはアーセナルの強さを認めながらも、2ndレグにしっかりと臨んでいくと意気込んだ。 「アーセナルはホームで強いチームだ。ライン間でのプレーが上手く、多くのチャンスを作り出してきた。前半は持ちこたえ、カウンターアタックで何度もチャンスを作った。しかし後半は、サッカーのやり方を忘れてしまい、相手をフリーにさせ、ボールを落ち着いて扱えなかった。フリーキックから2つの素晴らしいゴールを許し、3点目以降は良い対応ができなかった」 「0-3の敗北は辛いが、ホームでは強いチームだ。ファンのみんなはチームを信じてくれるはずだ。この結果を覆すために全力を尽くす。可能性はあるが、努力を重ね、ミスを正さなければならない」 また、完璧なコースに決められた2本のFKについても言及。ライスの実力を知っていたとし、危険な位置でのFKを相手に与えないことが大事だとした。 「アーセナルはマンチェスター・シティに勝利し、ホームでリバプールにも得点を挙げた。彼らは攻撃力の高いチームだ」 「最初の失点は、良い壁を築けたと思った。いつもはシュートを止めるために1人多く配置するけど、相手はシュートが強かった。責任を取って、壁に追加で1人配置する」 「彼がFKのキッカーとして非常に優れていることは知っていたけど、あんな回転のかけ方をするとは思わなかった」 「2点目のゴールも、これ以上の完璧なキックはできなかったと思う。危険のないところでの不必要なファウルだった。相手チームのキッカーが優れていると分かっているなら、ああいったファウルは犯すべきではない。第2戦に向けて、引き続き研究していく」 <span class="paragraph-title">【動画】ライスが衝撃のFK2発、アーセナルがレアルに快勝</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="yHf6xP4ihKM";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2025.04.09 12:10 Wed2
ラニエリ後任探すローマ、トッティはモウリーニョと並ぶ稀代の名将を推す
ローマのレジェンドであるフランチェスコ・トッティ氏が、古巣の新指揮官候補と目されるレアル・マドリーのカルロ・アンチェロッティ監督を推している。 今シーズンはダニエレ・デ・ロッシ、イバン・ユリッチと2人の指揮官をすでに解任するなど厳しいシーズンとなったローマ。それでも、現在はクラウディオ・ラニエリ監督の下ではチャンピオンズリーグ(CL)出場圏内の4位と4ポイント差の7位まで盛り返している。 ただ、ラニエリ監督は来シーズンの続投を否定しており、クラブアドバイザーとして新指揮官の選考にも深く関与している。 理想的な候補として当初から報じられているのは、現役時代にジャッロロッシでカピターノを務め、スクデット獲得に貢献した現マドリー指揮官。 マドリーとの現行契約は2026年までとなっており、招へいは現実的ではないとの見方が強いが、ここにきてラ・リーガ、CLでの苦戦によって今季限りでの解任の可能性も取り沙汰されており、わずかながらチャンスも出てきた状況だ。 そんななか、クラブレジェンドのトッティ氏はイタリア『La Repubblica』でラニエリ監督の後任人事について意見を述べ、アンチェロッティ監督を歓迎している。 「アンチェロッティとモウリーニョは世界最高の指揮官だ。どちらが好みか? モウリーニョはすでに試した。もしアンチェロッティが検討しているなら、歓迎するだろうね」 なお、アンチェロッティ監督以外ではアタランタのジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督などイタリア人指揮官を中心の複数の候補の名前が挙がるなか、渦中のラニエリ監督はイタリア『Il Messaggero』で「新監督の決定は間近だ」と具体的な名前は挙げていないものの、交渉が進んでいることを明かしている。 2025.04.10 07:30 Thu3
マドリー相手にキャリア初の直接FK弾を立て続けに2本、ライスは「数年後に今夜のプレーが本当に特別だったと実感するだろう」と夢見心地
アーセナルのイングランド代表MFデクラン・ライスが8日にホームで行われ、3-0で快勝したチャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグのレアル・マドリー戦を振り返った。 ライスは優勢で迎えた後半、58分にボックス手前右から壁の右側を巻く見事な直接FKで先制弾をマーク。自身キャリア初の直接FK弾を決めると、70分に今度はボックス手前左から意表を突いてゴール右上に突き刺す鋭いシュートを叩き込んだ。 世界最高のGKであるティボー・クルトワから圧巻の直接FK弾を2本決めたライスは夢見心地に試合後コメントした。 「練習では何度も壁にぶつけたり、バーを越えたりしていた。最初は壁を越すつもりだったけど、壁とGKの位置を見てあのシュートを狙ったんだ。2本目は自信があった。興奮している。幸せでとても嬉しい。でも数年後に今夜のプレーが本当に特別だったと実感するだろう」 ライスの活躍でベスト4進出に大きく近づいたアーセナルは16日にアウェイで2ndレグを戦う。 <span class="paragraph-title">【動画】ライスが衝撃のFK2発、アーセナルがレアルに快勝</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="yHf6xP4ihKM";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2025.04.09 09:15 Wed4
ライスが圧巻の直接FK2発! アーセナルが王者マドリーに3-0先勝でベスト4進出に王手【CL】
チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグ、アーセナルvsレアル・マドリーが8日にアーセナル・スタジアムで行われ、ホームのアーセナルが3-0で先勝した。 ラウンド16でPSVを圧勝で退けて8強入りを決めたアーセナル。ただ、プレミアリーグでは首位のリバプールに大きく水をあけられての2位と、今季獲得可能な唯一のタイトルとして悲願のビッグイヤーを目指す。アルテタ監督は1-1のドローに終わった直近のエバートン戦から先発5人を変更。ティンバー、サカ、トーマス、マルティネッリと主力が復帰し、ガブリエウの代役にはキヴィオルが起用された。 一方、前大会王者マドリーは前ラウンドでアトレティコとのマドリード・ダービーをPK戦の末に制し、ベスト8へ到達。ただ、ラ・リーガでは直近のバレンシア戦で痛恨の1-2の敗戦を喫し、優勝争いから一歩後退。その敗戦からバウンスバックを図った今回のアウェイゲームでは先発5人を変更。負傷明けの守護神クルトワ、ロドリゴとカマヴィンガ、アセンシオが復帰。両サイドバックにはバルベルデ、アラバが起用された。 開始直後にムバッペがファーストシュートを記録したが、以降はホームのアーセナルが相手のカウンターの脅威を感じながらも勇敢に前から圧力をかけて主導権を握る。 そして、ショートカウンターやセットプレー流れからトーマスが積極的に足を振っていく。ただ、マドリーの集中した守備を前に早い時間帯の先制点とはならず。 以降は右サイドのサカとウーデゴールのコンビネーションを軸にグラウンダーのクロスから際どいシーンを演出するアーセナル。これに対してマドリーは相手のビルドアップのミスを突きながら、要所で高速カウンターを発動。一進一退の攻防が続いていく。 31分にはベリンガムのスルーパスで背後を取ったムバッペがボックス左に持ち込んで右足シュートを放ってGKラヤに好守を強いる。 一方、44分にはマドリーを押し込んだアーセナルが波状攻撃。ティンバーの右クロスをゴール前のライスが頭で合わせるが、枠の左に向かったシュートはGKクルトワがビッグセーブ。さらに、こぼれに詰めたマルティネッリが左足シュートを放つが、これもクルトワにはじき出された。 全体的にはアーセナルペースも0-0で折り返した後半も試合展開自体に大きな変化はなし。51分には再びベリンガムとの連携でボックス左に抜け出したムバッペが左足シュートを放つが、これはサイドネットを叩いた。 後半は決定機まで持ち込めずにいたアーセナルだったが、圧巻の個人技でゴールをこじ開ける。58分、ボックス手前中央右の好位置で得たFKの場面でキッカーのライスが4枚の壁の外側を巻く右足シュートを狙うと、右ポストの外側から曲がってきた鋭いボールがゴール右隅に突き刺さった。 ライスの圧巻の直接FKによってホームチームが先制に成功すると、ここからマドリーがより前に出てきたことで試合はオープンな展開に。 67分には再びアーセナルにビッグチャンス。ボックス左で強引に仕掛けたルイス=スケリーからボールを引き取ったマルティネッリがゴール左でシュート。これはGKクルトワの好守に阻まれるも、ゴール前でこぼれに反応したメリーノが連続シュート。だが、1本目はDFアラバのゴールカバー、2本目はクルトワのビッグセーブに阻まれた。 その後の右CK流れのライスの決定機もゴールカバーに阻まれたが、再びガナーズの背番号41の右足が火を噴く。70分、サカの仕掛けで得たボックス手前中央左のFKの場面でキッカーのライスが壁のオープンサイドを狙って右足振り抜くと、これがゴール右上隅の完璧なコースに突き刺さった。なお、ノックアウトラウンドでの1試合2本の直接FKでのゴールはCL史上初の記録となった。 ライスの直接FK2発でリードを広げて完全に勢いづいたアルテタのチーム。さらに、75分も決定的な3点目が生まれる。左のハーフスペースをドリブルで持ち上がったライスがルイス=スケリーに繋ぐと、正確なグラウンダーの折り返しを最後はボックス中央のメリーノがうまく面を作った左足ダイレクトシュートでゴール左下隅に流し込んだ。 これで3点差となったことで、アーセナルは大事を取ってサカ、ライスを下げてトロサール、ティアニーを投入。前線と中盤の配置換えを行いながら逃げ切り態勢に入る。これに対して、後半に入って攻守にうまくいかないマドリーはモドリッチ、アラバ、ロドリゴを下げてルーカス・バスケス、フラン・ガルシア、ブラヒム・ディアスを続けて投入。両サイドバックをより攻撃的に変えた。 マドリーとしては2ndレグに望みを繋げるべく1点でも返したいところだったが、アーセナルの集中した守備を前に完全に攻撃が沈黙。さらに、試合終了間際にはカマヴィンガが2枚目のイエローカードをもらって退場となり、試合はこのままのスコアでタイムアップとなった。 この結果、ホームで3-0の快勝を収めたアーセナルがベスト4進出へ大きなアドバンテージを得た。一方、敵地で惨敗のマドリーは16日にサンティアゴ・ベルナベウで行われる2ndレグで奇跡のレモンターダを目指すことになる。 アーセナル 3-0 レアル・マドリー 【アーセナル】 デクラン・ライス(後13、後25) ミケル・メリーノ(後30) 2025.04.09 06:00 Wed5