柏にクラスター発生で日程の大幅調整が必要か?/六川亨の日本サッカー見聞録
2020.11.06 21:50 Fri
「一難去ってまた一難」ではないが、Jリーグが予期せぬ危機に直面している。ルヴァン杯決勝を4日後に控えた11月3日、柏にクラスターが発生した。すでに報道されたように、選手4名、コーチングスタッフ11名の計15名がPCR検査の結果、陽性だったことが判明した。
8月にクラスターの発生した鳥栖は、15日間の活動停止後も、すぐに公式戦を戦うのはコンディション的に難しいとの判断から9日間の練習期間を与えられた。これを柏に当てはめ24日後とすると、11月28~29日の第30節となる(ただし柏は試合なし)。
その後は土曜、土曜、水曜、土曜の日程で4試合が控えているが、問題は活動停止期間中の仙台、大分、鳥栖、鹿島の4試合をどこに組み込むかだ。12月19日(土曜)の最終戦は決まっている。その前の土曜(12日と5日)も試合があり、16日(水曜)も埋まっている。このため空き日は12月2日と9日の水曜となるが、それでも2試合が浮いてしまう計算になる。
仙台(18位)、鳥栖(15位)、大分(12位)の3チームは、例年ならまだ降格ゾーンにいるものの、今シーズンは降格がないため救済される。問題になるのは、柏(9位)と鹿島(5位)にはリーグ優勝の可能性こそないものの、天皇杯とACLの出場権を獲得できる2位以内の可能性があることだ。
この不公平を解消するためには、再開日を1節前倒しして25日の鹿島戦(第29節)からスタートし、予備日の28~29日にも試合を組み込むことだ。これならどのチームも残り試合を消化できる。ただし柏は中2~3日での8連戦というハードな日程を受け入れざるをえない。
とりあえず、リーグ戦の日程はこれで確保できたとしよう。問題はルヴァン杯決勝である。
もしもFC東京がACLのラウンド16(12月6日)か準々決勝(10日)で敗退したら、帰国後2週間ほどの自主隔離期間があったとしても、FC東京と柏が天皇杯に出場しなければという条件付きで12月26日(土曜)か30日(水曜)に開催は可能だ(新国立で開催するかどうかは別にして)。
厳しいのはACLで決勝まで勝ち進んだ場合である。帰国後に2週間の隔離期間を取るとすると、試合ができるのは早くても1月4日以降となる。ルヴァン杯(前ナビスコ杯)は単一スポンサーでのギネス最長記録を更新している大会だ。今シーズンも大会開催にあたり大会方式などのレギュレーション変更を快諾してくれた。このため村井チェアマンも、新シーズンの日程変更も視野に入れていると話すほどルヴァン杯決勝の開催には前向きである。
過去に例のないルヴァン杯決勝中止と延期。しかし、一度前例を作っておけば、次からは柔軟に対応できるメリットもある。個人的には、決勝戦だけは過去の例からも両チームのコレオグラファーなどで盛り上がるルヴァン杯決勝を、元旦の風物詩にしてもいいと思っている。そして天皇杯はアマチュアの最高峰の大会として、年末年始を避けて決勝を行えばJリーグ勢の負担も緩和されるだろう。もちろんACLの出場権はルヴァン杯の勝者に与えられることは言うまでもない。
PR
ネルシーニョ監督と濃厚接触したあるスタッフは39度以上の発熱で入院したそうだ。さらに柏保健所のヒアリングの結果、中止となった仙台戦から柏へ戻る際にバスに同乗していた選手、スタッフに加え、スタジアムに隣接するスタッフルームを使用していたスタッフやクラブハウス、グラウンドでの接触などから選手21名、トップチームのスタッフ8名の計29名が濃厚接触者と判定されたという。これ以上、感染が広がらないことと、感染した選手・スタッフが重症化しないことを願うばかりである。そして気になるのは、延期・中止となったルヴァン杯の決勝だけではない。濃厚接触者の拡大でリーグ戦も消化できるのかどうか先行きは不透明だ。その後は土曜、土曜、水曜、土曜の日程で4試合が控えているが、問題は活動停止期間中の仙台、大分、鳥栖、鹿島の4試合をどこに組み込むかだ。12月19日(土曜)の最終戦は決まっている。その前の土曜(12日と5日)も試合があり、16日(水曜)も埋まっている。このため空き日は12月2日と9日の水曜となるが、それでも2試合が浮いてしまう計算になる。
1つの考え方として、コロナ禍の今シーズンはJ2リーグへの降格がないことと、リーグ戦は75%を消化できれば成立するというレギュレーションだ。すでにJ1リーグは10月31日で75%をクリアしている。このため柏と対戦相手2チームは今シーズンを33試合で終了するというプランだ。
仙台(18位)、鳥栖(15位)、大分(12位)の3チームは、例年ならまだ降格ゾーンにいるものの、今シーズンは降格がないため救済される。問題になるのは、柏(9位)と鹿島(5位)にはリーグ優勝の可能性こそないものの、天皇杯とACLの出場権を獲得できる2位以内の可能性があることだ。
この不公平を解消するためには、再開日を1節前倒しして25日の鹿島戦(第29節)からスタートし、予備日の28~29日にも試合を組み込むことだ。これならどのチームも残り試合を消化できる。ただし柏は中2~3日での8連戦というハードな日程を受け入れざるをえない。
とりあえず、リーグ戦の日程はこれで確保できたとしよう。問題はルヴァン杯決勝である。
もしもFC東京がACLのラウンド16(12月6日)か準々決勝(10日)で敗退したら、帰国後2週間ほどの自主隔離期間があったとしても、FC東京と柏が天皇杯に出場しなければという条件付きで12月26日(土曜)か30日(水曜)に開催は可能だ(新国立で開催するかどうかは別にして)。
厳しいのはACLで決勝まで勝ち進んだ場合である。帰国後に2週間の隔離期間を取るとすると、試合ができるのは早くても1月4日以降となる。ルヴァン杯(前ナビスコ杯)は単一スポンサーでのギネス最長記録を更新している大会だ。今シーズンも大会開催にあたり大会方式などのレギュレーション変更を快諾してくれた。このため村井チェアマンも、新シーズンの日程変更も視野に入れていると話すほどルヴァン杯決勝の開催には前向きである。
過去に例のないルヴァン杯決勝中止と延期。しかし、一度前例を作っておけば、次からは柔軟に対応できるメリットもある。個人的には、決勝戦だけは過去の例からも両チームのコレオグラファーなどで盛り上がるルヴァン杯決勝を、元旦の風物詩にしてもいいと思っている。そして天皇杯はアマチュアの最高峰の大会として、年末年始を避けて決勝を行えばJリーグ勢の負担も緩和されるだろう。もちろんACLの出場権はルヴァン杯の勝者に与えられることは言うまでもない。
PR
柏レイソルの関連記事
J1の関連記事
|
柏レイソルの人気記事ランキング
1
元日本代表MF細貝萌が地元・群馬で現役引退! 浦和、柏、群馬の他、ドイツやタイでもプレー…2011年にはアジアカップ制覇
ザスパ群馬は23日、元日本代表MF細貝萌(38)の現役引退を発表した。 群馬県前橋市出身の細貝は、前橋育英高校から2005年に浦和レッズでプロ入り。センターバックやサイドバックでプレーしたのちにボランチでプレーした。 2011年にレバークーゼンへと移籍し、海外でのプレーに挑戦。アウグスブルク、ヘルタ・ベルリン、ブルサシュポル、シュツットガルトでプレーすると、2017年に柏レイソルへと完全移籍しJリーグへ復帰。その後、ブリーラム・ユナイテッド、バンコク・ユナイテッドとタイでプレーすると、2021年にザスパクサツ群馬(現:ザスパ群馬)に加入していた。 浦和時代には、2006年のJ1優勝を経験した他、2005年、2006 年の天皇杯連覇、2007年のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)優勝を経験。J1通算120試合5得点、J2通算36試合に出場。リーグカップで15試合1得点、天皇杯で32試合2得点、ACLで9試合1得点を記録した。 また、ブンデスリーガでも102試合3得点、2.ブンデスリーガで17試合に出場。ヨーロッパリーグでも4試合プレーしている。 日本代表としても世代別のU-16からプレーし、2008年には北京オリンピックにU-23日本代表として出場。2010年にはアルベルト・ザッケローニ監督の下でA代表デビューを果たすと、2011年のアジア杯優勝を経験。ブラジル・ワールドカップに向けた予選でもプレーしたが、本大会出場は叶わなかった。日本代表通算30試合1得点を記録していた。 今シーズンはチームがJ2で苦しむ中、細貝は3試合の途中出場に終わっており、チームも最下位でJ2に降格している。 2024.10.23 09:33 Wed2
G大阪が降格圏の磐田に劇的勝利、前半戦苦しんだ13位湘南や14位京都など6クラブのJ1残留が確定!
9日、明治安田J1リーグ第36節の8試合が行われた。 首位のヴィッセル神戸、2位のサンフレッチェ広島は10日に試合が控える中、3位のFC町田ゼルビアは今まで勝ったことがない国立競技場でFC東京との“新東京ダービー”を戦い、3-0で快勝。国立で初めて勝利したとともに、逆転優勝への望みを繋いだ。 熾烈な優勝争いとは真逆の残留争いも今シーズンは白熱。残留ラインの17位・柏レイソルと16位・アルビレックス新潟の直接対決は柏が勝利目前でまたしても失点。新潟はルヴァンカップ決勝同様に粘りを見せ、1-1のドローに終わった。 そんな中、降格圏の18位に位置するジュビロ磐田(勝ち点35)と5位のガンバ大阪(勝ち点60)の対戦は激闘に。試合は23分に磐田が渡邉りょうのゴールデ先制するも27分に半田陸のゴールでG大阪が同点に。前半アディショナルタイム9分には山下諒也がゴールを決めて逆転に成功する。 さらに62分には宇佐美貴史がネットを揺らして追加点。しかし、残留するためには負けられない磐田は87分に上原力也、そして91分に鈴木海音がゴールを奪い、土壇場で同点に追いつく。 残留に向けて貴重な勝ち点1を手にできるかと思われたが、G大阪は93分にパスを繋いで崩すと最後は坂本一彩が落ち着いて決めて勝ち越しに成功。G大阪が粘りを見せて勝利を収めた。 これにより、降格圏の18位・磐田は勝ち点35のまま。消化が1試合少ないものの、3試合で最大勝ち点「9」しか積み上げられないため、「44」までに。これにより、残留が確定していなかった多くのチームの残留が確定した。 磐田の敗戦により、勝ち点47の9位・名古屋グランパス、10位・アビスパ福岡、勝ち点46に伸ばした11位・横浜F・マリノス、勝ち点45の12位・川崎フロンターレ、13位・湘南ベルマーレ、14位・京都サンガF.C.までが残留決定となった。 15位の浦和レッズは10日に広島と対戦し、勝利すれば残留が確定する。 <h3>◆明治安田J1リーグ順位表(11/9時点)</h3> 1位:ヴィッセル神戸|勝ち点67/35試合/20 2位:サンフレッチェ広島|勝ち点65/35試合/30 ーーーーーACLE出場 3位:FC町田ゼルビア|勝ち点63/36試合/19 4位:ガンバ大阪|勝ち点60/36試合/10 5位:鹿島アントラーズ|勝ち点58/35試合/13 6位:東京ヴェルディ|勝ち点54/35試合/1 7位:セレッソ大阪|勝ち点52/36試合/-1 8位:FC東京|勝ち点51/36試合/5 9位:名古屋グランパス|勝ち点47/36試合/-2 10位:アビスパ福岡|勝ち点47/36試合/-4 11位:横浜F・マリノス|勝ち点46/35試合/-2 12位:川崎フロンターレ|勝ち点45/35試合/8 13位:湘南ベルマーレ|勝ち点45/36試合/-3 14位:京都サンガF.C.|勝ち点45/35試合/-12 ーーーーー残留決定 15位:浦和レッズ|勝ち点43/34試合/2 16位:アルビレックス新潟|勝ち点41/36試合/-14 17位:柏レイソル|勝ち点40/36試合/-10 ーーーーー残留ライン 18位:ジュビロ磐田|勝ち点35/35試合/-15 19位:北海道コンサドーレ札幌|勝ち点34/36試合/-20 20位:サガン鳥栖|勝ち点29/36試合/-26 ※降格決定 2024.11.09 17:59 Sat3
重傷説の谷口彰悟はやはり辞退に 日本代表が前月に続いて柏DF関根大輝を追加招集
日本代表は9日、日本サッカー協会(JFA)を通じて選手変更を発表した。 今月も北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選に臨む日本。7日にメンバーが発表され、インドネシア代表&中国代表とのアウェイ連戦に向け、いよいよ活動が始まる。 だが、シント=トロイデンDF谷口彰悟が合流前最後の試合で負傷交代のアクシデント。指揮官は初期の診断として「アキレス腱断裂」を示唆し、今季絶望の可能性が浮かぶ。 そのため、代表辞退の可能性も取り沙汰されるなか、やはり負傷不参加に。日本は代わって、柏レイソルDF関根大輝を追加招集した。関根は前月に続く追加招集となる。 谷口はここまでの北中米W杯アジア最終予選で全4試合に先発。痛手となる。 2024.11.09 19:17 Sat4
「オフサイドの可能性があった」柏戦での川崎F・脇坂泰斗のゴールシーンに審判委員会が見解「GKへのチャレンジにフォーカスが」「オフサイドのチェックをしなかった」
11日、日本サッカー協会(JFA)は第6回のレフェリーブリーフィングを実施した。 中断期間などを挟み、久々の開催となった今回のブリーフィング。第23節〜第29節の試合から、いくつかのジャッジをピックアップして判定に関しての説明がなされた。 その中の1つの事象は、明治安田J1リーグ第24節の柏レイソルvs川崎フロンターレの一戦。79分に決まったゴールのシーンだ。 このシーンは、ボックス内右からの瀬古樹のグラウンダーのパスをマルシーニョがダイレクトシュート。力のないシュートはGK松本健太の正面に飛ぶ。松本がしっかりとボールを収めたかと思われたが、これをファンブル。すると、猛然と飛び込んだ瀬川祐輔がシュートもGK松本がブロック。しかし、こぼれ球を拾った脇坂泰斗が蹴り込み、川崎Fが2-3と勝ち越しに成功。そのまま勝利を収めていた。 ゴール後、GK松本が痛んでいたこともあり、瀬川のファウルが疑われたが、映像を見返してもボールを蹴りに行っておりファウルはなし。ゴールが認められてもおかしくはなかったが、大きな見落としがあった。 ファウルかどうかに焦点が集まっていたが、実際にはその後、GKが弾いたボールに脇坂が触れた瞬間にオフサイドの可能性があった。しかし、VARを含めて誰もチェックせず。ファウルがなかったということで、得点が認められて終わっていた。 ブリーフィングに出席した佐藤隆治JFAレフェリーマネジャーはこの件について言及している。 「最初にファウルじゃないかどうかというところに目が入った。ボールに触れているかどうか、チャレンジ自体がどうだったかという確認をして、現場が得点を認めた。これは得点を認めたのでファウルはないで終わってしまった」 「ただ、オフサイドの可能性があった。ファウルはないが、GKが弾いたボールを拾った際にオフサイドだった可能性がある」 しっかりとチェックをしていればオフサイドだった可能性は非常に高く、ボールよりも脇坂が前にいた可能性が高い。 今回の件が発生した理由について佐藤氏は「GKへのチャレンジにフォーカスが行っていた。レフェリーもVARもチェックすることに集中していたが、オフサイドのチェックをしなかった」とコメント。審判団のミスを認め、「チームとは話しをしました」と、判定を変えることはできず、結果的にこのゴールで敗戦となってしまったが、説明責任を果たしたという。 佐藤氏は「残り数試合となった中で、1つの判定が大きな差になる。正しいポジションにいても見られないこともある。どこにフォーカスするかが大事」とコメント。目立った事象に目を奪われてしまい、実際にそこで起こっているチェックすべき事象を見逃しては行けないとした。 ここから先、優勝争い、残留争いとシビアな戦いが増えてくる。単純なミスをいかに減らせるか、審判団も今まで以上に気を引き締めてジャッジに取り組んでくれるはずだ。 <span class="paragraph-title">【動画】混戦の中で決まったゴール!ポイントはファウルではなくオフサイドだった…</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="6p0O_qIueH0";var video_start = 434;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.09.11 23:15 Wed5