驚異的な強さの川崎F。今季のベストゲームは?/六川亨の日本サッカーの歩み
2020.10.20 21:25 Tue
J1リーグ首位の川崎Fは18日の試合で名古屋を3-0と一蹴し、連勝を11に伸ばした。これは単一シーズン(翌年にまたがない)で、90分以内での勝利としてはJ1リーグ最多記録である。
今シーズンの川崎Fは開幕戦で鳥栖と0-0で引き分けたものの、その後は10連勝で首位を独走。第12節で名古屋に0-1と敗れて連勝はストップしたが、8月26日の神戸戦(第24節)で2-2と引き分けた後は再び連勝街道に入り、今月18日の名古屋戦で記録を更新した。
リーグ戦で敗れたのは名古屋戦の1敗だけ。ルヴァン杯でも4試合で16点を奪う破壊力を見せたが、準決勝でFC東京に0-2と敗れた。それでもここまでリーグ戦は21勝2分け1敗、カップ戦は4勝1敗という数字は驚異的だ。
現在、川崎Fが積み重ねた勝点は24試合で65点。過去の最高勝点は74点だから、残り10試合での更新はかなり濃厚と言える。2位C大阪の勝点は48(残り10試合)、3位FC東京は同47(残り8試合)、4位G大阪は45(残り11試合)となっている。2位のC大阪と4位のG大阪が残り試合を全勝したとしても総勝点は78でストップ(これはこれで凄い数字である)するため、川崎Fはあと5勝すれば勝点80に達し、2年ぶり3度目のリーグ制覇が決定する。
自力での最短Vは11月21日の大分戦となるが、他チームの勝敗次第では早まる可能性も高い。その一方で、大分戦の前にはわずかながら逆転Vの可能性を残すFC東京と鹿島、連覇の消滅した昨シーズンの覇者・横浜FM戦が控えている。彼らが意地を見せるのか、それとも川崎Fが連勝記録を伸ばすのか。今シーズン最大の見どころと言っていいだろう。まさか川崎Fが失速し、残り試合で4勝しかあげられないとは考えにくいのだが……。
伏線は7月8日の第3節、味の素スタジアムで行われたリモートマッチ(無観客)第2戦だった。FC東京は川崎Fの多彩な攻撃に翻弄され、前半だけで4失点を喫して完敗した。長谷川監督にとっても屈辱の一戦だった。
転機となったのは9月2日のルヴァン杯準々決勝で名古屋に3-0と勝ったことだ。長谷川監督が就任してカップ戦では初めてベスト4に進出。ただ、この時点で指揮官は多くを語らなかった。
当時のFC東京は、リーグ戦に加え、延期になったもののACLでの勝ち上がりを想定し、前倒しで日程を消化していた(横浜FMと神戸も同様だがルヴァン杯は敗退)。このため8月15日の名古屋戦から10月18日の横浜FC戦まで、中2~3日の連戦が19試合も続いた。
長谷川監督も「連戦でのプレーは3試合が限度」と、選手のローテーションを強いられた。そこで川崎Fとのルヴァン杯準決勝を4試合後に控えた9月27日の鳥栖戦前、いつから川崎F戦を見据えてローテーションを開始するのか質問された。鳥栖は3連敗中で15位ということもあり、多少メンバーを落としても勝てるのではないかという思いが質問した記者にはあっただろう。
それに対して長谷川監督は「どういう使い方をするのか見ていただければわかると思います」とだけ答えた。そして鳥栖戦にはJ1初スタメンとなる左SBバングーナガンデ佳史扶や、経験の浅い品田、内田らを起用したものの0-3で敗退した。
それでも浦和、湘南に連勝して迎えた川崎F戦、指揮官は「去年もホームでは0-3で敗れた。準々決勝に勝ってから、この準決勝に照準を合わせてきた」とリベンジに賭ける思いを吐露した。
そんな長谷川監督が警戒したのが、川崎Fのサイド攻撃だ。「元々、切り替えが速くて球際に強いベースがあったが、それが鬼木監督になってさらに強くなった」と前置きし、「今まで(の攻撃)は中、中で大島と小林のホットラインだったのが、今は学(斉藤)とか三笘を左に張らせ、右に家長がいて、たまに旗手を使う」と現状を分析。
さらに今シーズンは「脇坂とか碧(田中)とかボランチがサイドに張り出して、どのチームも守りづらくなっている」と多彩なバリエーションを警戒した。
FC東京の攻撃陣で期待したい選手としては、前回対戦をケガで欠場した永井の名前をあげたが、永井にしても自身のタスクとして前線からのプレスで「センターバック2人を疲労させることと、ボランチにボールが入るとつながれるので、そうさせないようにしたい」と守備面で貢献することを課した。
まずは川崎Fのストロングポイントを消す。セオリー通りと言えばセオリー通りだが、どのチームも実践しようとして失敗してきた。しかしFC東京は、開始10分まで、まずは中をしっかりと固めつつ、登里のドリブル突破はファウルでストップするなど自陣ゴールへの接近を遮断した。
そして14分、永井のドリブル突破で獲得したFKを、レアンドロは難しい角度ながら直接決めて先制する。永井は守備でも積極的なプレスを実践し、彼の動きに連動したレアンドロがあと一歩でGKのパスをカットしそうになるなど“あわや"というシーンも演出した。
対する川崎Fも家長のキープ力や交代出場の三笘のドリブル突破からチャンスをつかんだものの、決定機は後半24分に大島が左ポスト直撃のシュートを放ったくらい。
今シーズンの川崎Fは、テレビのニュースなどで得点シーンを振り返ると、フリーでシュートを打っている場面が多い。それを見て簡単にゴールを決めていると思われるかもしれないが、川崎Fの凄さはそこに至る過程にある。パスとドリブルを複数の選手で織り交ぜて守備陣を完全に崩しているからこそ最後はフリーの選手が生まれる。
しかしFC東京は、サイドはもちろんバイタルエリアでも数的優位な状況を維持して侵入を阻止し、ゴール前では体を張ったアタックで川崎Fのクロスやシュートをブロックした。
敗れた鬼木監督は「相手の圧力があった。クオリティで勝負しなければいけないところで、しっかりついてきたり、スライドしたりしていたので剥がせなかった」と悔やみつつ、「矛盾はあるけど、サイドを崩しきれなくても大胆にやる。ていねいに崩すところとの使い分けが必要だった」と課題を指摘した。
鬼木監督にすれば、パスであれドリブルにしろ、正直すぎて攻撃に意外性がなかったということだろう。これはこれで贅沢な悩みであると同時に、FC東京が最後までゴールを死守できた理由でもある。
FC東京のリーグ制覇という悲願はほぼ絶望的だ。現実的な目標としてルヴァン杯優勝と、リーグで2位以内に入り天皇杯と来季のACLの出場権獲得、そして来月ドーハで集中開催されるACL制覇ということになる。その前の10月31日、今シーズン3度目となる川崎F戦が控えている。
ルヴァン杯準決勝と同じモチベーションで臨み、川崎Fから18年5月以来5試合ぶりとなるリーグ戦での勝利を奪うことができるか。それとも川崎Fがルヴァン杯の雪辱を果たし、連勝記録を12に更新するか。
川崎Fは18日の試合から約2週間後のナイトゲームになるのに対し、FC東京はその間に横浜M(24日)、柏(28日)と2試合を消化し、なおかつ柏戦から中2日での多摩川クラシコとなる。相手は休養十分とはいえダービーだけに負けたくないし、さりとて柏とはルヴァン杯の決勝も控えているだけに手の内は見せたくないだろう。難しい決断を迫られる長谷川監督の選手起用も見物である。
今シーズンの川崎Fは開幕戦で鳥栖と0-0で引き分けたものの、その後は10連勝で首位を独走。第12節で名古屋に0-1と敗れて連勝はストップしたが、8月26日の神戸戦(第24節)で2-2と引き分けた後は再び連勝街道に入り、今月18日の名古屋戦で記録を更新した。
リーグ戦で敗れたのは名古屋戦の1敗だけ。ルヴァン杯でも4試合で16点を奪う破壊力を見せたが、準決勝でFC東京に0-2と敗れた。それでもここまでリーグ戦は21勝2分け1敗、カップ戦は4勝1敗という数字は驚異的だ。
自力での最短Vは11月21日の大分戦となるが、他チームの勝敗次第では早まる可能性も高い。その一方で、大分戦の前にはわずかながら逆転Vの可能性を残すFC東京と鹿島、連覇の消滅した昨シーズンの覇者・横浜FM戦が控えている。彼らが意地を見せるのか、それとも川崎Fが連勝記録を伸ばすのか。今シーズン最大の見どころと言っていいだろう。まさか川崎Fが失速し、残り試合で4勝しかあげられないとは考えにくいのだが……。
そんな川崎Fに対し、ルヴァン杯の準決勝で2-0の勝利を収めたFC東京は「川崎F対策」の見本のような試合をした。この一戦は、FC東京はもちろん、今シーズンを振り返ってもベストゲームと言われるようになるだろう。そこでこの試合を簡単に振り返ってみたい。
伏線は7月8日の第3節、味の素スタジアムで行われたリモートマッチ(無観客)第2戦だった。FC東京は川崎Fの多彩な攻撃に翻弄され、前半だけで4失点を喫して完敗した。長谷川監督にとっても屈辱の一戦だった。
転機となったのは9月2日のルヴァン杯準々決勝で名古屋に3-0と勝ったことだ。長谷川監督が就任してカップ戦では初めてベスト4に進出。ただ、この時点で指揮官は多くを語らなかった。
当時のFC東京は、リーグ戦に加え、延期になったもののACLでの勝ち上がりを想定し、前倒しで日程を消化していた(横浜FMと神戸も同様だがルヴァン杯は敗退)。このため8月15日の名古屋戦から10月18日の横浜FC戦まで、中2~3日の連戦が19試合も続いた。
長谷川監督も「連戦でのプレーは3試合が限度」と、選手のローテーションを強いられた。そこで川崎Fとのルヴァン杯準決勝を4試合後に控えた9月27日の鳥栖戦前、いつから川崎F戦を見据えてローテーションを開始するのか質問された。鳥栖は3連敗中で15位ということもあり、多少メンバーを落としても勝てるのではないかという思いが質問した記者にはあっただろう。
それに対して長谷川監督は「どういう使い方をするのか見ていただければわかると思います」とだけ答えた。そして鳥栖戦にはJ1初スタメンとなる左SBバングーナガンデ佳史扶や、経験の浅い品田、内田らを起用したものの0-3で敗退した。
それでも浦和、湘南に連勝して迎えた川崎F戦、指揮官は「去年もホームでは0-3で敗れた。準々決勝に勝ってから、この準決勝に照準を合わせてきた」とリベンジに賭ける思いを吐露した。
そんな長谷川監督が警戒したのが、川崎Fのサイド攻撃だ。「元々、切り替えが速くて球際に強いベースがあったが、それが鬼木監督になってさらに強くなった」と前置きし、「今まで(の攻撃)は中、中で大島と小林のホットラインだったのが、今は学(斉藤)とか三笘を左に張らせ、右に家長がいて、たまに旗手を使う」と現状を分析。
さらに今シーズンは「脇坂とか碧(田中)とかボランチがサイドに張り出して、どのチームも守りづらくなっている」と多彩なバリエーションを警戒した。
FC東京の攻撃陣で期待したい選手としては、前回対戦をケガで欠場した永井の名前をあげたが、永井にしても自身のタスクとして前線からのプレスで「センターバック2人を疲労させることと、ボランチにボールが入るとつながれるので、そうさせないようにしたい」と守備面で貢献することを課した。
まずは川崎Fのストロングポイントを消す。セオリー通りと言えばセオリー通りだが、どのチームも実践しようとして失敗してきた。しかしFC東京は、開始10分まで、まずは中をしっかりと固めつつ、登里のドリブル突破はファウルでストップするなど自陣ゴールへの接近を遮断した。
そして14分、永井のドリブル突破で獲得したFKを、レアンドロは難しい角度ながら直接決めて先制する。永井は守備でも積極的なプレスを実践し、彼の動きに連動したレアンドロがあと一歩でGKのパスをカットしそうになるなど“あわや"というシーンも演出した。
対する川崎Fも家長のキープ力や交代出場の三笘のドリブル突破からチャンスをつかんだものの、決定機は後半24分に大島が左ポスト直撃のシュートを放ったくらい。
今シーズンの川崎Fは、テレビのニュースなどで得点シーンを振り返ると、フリーでシュートを打っている場面が多い。それを見て簡単にゴールを決めていると思われるかもしれないが、川崎Fの凄さはそこに至る過程にある。パスとドリブルを複数の選手で織り交ぜて守備陣を完全に崩しているからこそ最後はフリーの選手が生まれる。
しかしFC東京は、サイドはもちろんバイタルエリアでも数的優位な状況を維持して侵入を阻止し、ゴール前では体を張ったアタックで川崎Fのクロスやシュートをブロックした。
敗れた鬼木監督は「相手の圧力があった。クオリティで勝負しなければいけないところで、しっかりついてきたり、スライドしたりしていたので剥がせなかった」と悔やみつつ、「矛盾はあるけど、サイドを崩しきれなくても大胆にやる。ていねいに崩すところとの使い分けが必要だった」と課題を指摘した。
鬼木監督にすれば、パスであれドリブルにしろ、正直すぎて攻撃に意外性がなかったということだろう。これはこれで贅沢な悩みであると同時に、FC東京が最後までゴールを死守できた理由でもある。
FC東京のリーグ制覇という悲願はほぼ絶望的だ。現実的な目標としてルヴァン杯優勝と、リーグで2位以内に入り天皇杯と来季のACLの出場権獲得、そして来月ドーハで集中開催されるACL制覇ということになる。その前の10月31日、今シーズン3度目となる川崎F戦が控えている。
ルヴァン杯準決勝と同じモチベーションで臨み、川崎Fから18年5月以来5試合ぶりとなるリーグ戦での勝利を奪うことができるか。それとも川崎Fがルヴァン杯の雪辱を果たし、連勝記録を12に更新するか。
川崎Fは18日の試合から約2週間後のナイトゲームになるのに対し、FC東京はその間に横浜M(24日)、柏(28日)と2試合を消化し、なおかつ柏戦から中2日での多摩川クラシコとなる。相手は休養十分とはいえダービーだけに負けたくないし、さりとて柏とはルヴァン杯の決勝も控えているだけに手の内は見せたくないだろう。難しい決断を迫られる長谷川監督の選手起用も見物である。
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オフサイドの判定に関わる「インパクト」の奥深さ、川崎Fvs横浜FMでのジャッジにJFAが見解「PKが与えられるべきだった」
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川崎フロンターレがベテランのお茶目な姿を公開している。 明治安田生命J1リーグの3連覇を目指す川崎F。しかし、現在は首位の横浜F・マリノス勝ち点差「4」という状況。残りは3試合となっている。 自分たちが負ければ、相手の優勝が決まる可能性があり、シビアな戦いが3試合続くものの、逆転を信じて勝ち続けるしかない状況だ。 そんな中、川崎FがTikTokでベテランFWのお茶目な姿を公開。それはFW小林悠の姿だった。 試合前に各チームが撮影する集合写真。そこで小林は何度からしくない姿を見せている。 今回投稿されたのは先日の清水エスパルス戦。選手たちの並びを確認していた小林だったが、隣にいた脇坂泰斗が指摘。前列に居たが、実は後列が正位置だったのだ。 慌てて後列に戻った小林だったが、カメラが次の瞬間に捉えたのは、平然と立っている姿。まるで最初からそこに居ましたよ感を出している。 これにはファンも「はや」、「さすがユウさん」と切り替えの早さに注目する一方で、「面白い」、「ポンコツででるやん」、「あっ…また」と、イジるコメントも寄せられている。 というのも、小林が集合写真で失敗するのは今回が初めてでは無い。8月27日に行われた鹿島アントラーズ戦の集合写真では、選手たちがユニフォームの上にTシャツを着て写真撮影。すると、これが終わった直後に小林はピッチに向かってダッシュしてその場から去っていく。 しかし、Tシャツを脱いでユニフォーム姿でも集合写真は撮影されるはず。段取りは説明されており、他の選手たちがその場でTシャツを脱ぐ中、小林は急いで戻って来たのだ。周りの選手たちもこれには大ウケ。しかし、隣の谷口彰悟もコイントスに行こうとその場を離れていたのをクラブは見逃してくれなかった。 ポンコツと言われる小林だが、試合に向けて集中して気合が入っているからかもしれない。ポンコツ行動をしても、ゴールで取り戻せばストライカーとしては十分だろう。 <span class="paragraph-title">【動画】集合写真でお茶目な行動を見せる小林悠</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="tiktok-embed" cite="https://www.tiktok.com/@frontale.official/video/7153174280954514689" data-video-id="7153174280954514689" style="max-width: 605px;min-width: 325px;" > <section> <a target="_blank" title="@frontale.official" href="https://www.tiktok.com/@frontale.official?refer=embed">@frontale.official</a> さすがです… <a title="川崎フロンターレ" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/%E5%B7%9D%E5%B4%8E%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AC?refer=embed">#川崎フロンターレ</a> <a title="川崎フロンターレはサッカークラブです" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/%E5%B7%9D%E5%B4%8E%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%81%AF%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96%E3%81%A7%E3%81%99?refer=embed">#川崎フロンターレはサッカークラブです</a> <a title="frontale" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/frontale?refer=embed">#frontale</a> <a title="jリーグ" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/j%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0?refer=embed">#jリーグ</a> <a title="soccer" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/soccer?refer=embed">#soccer</a> <a title="football" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/football?refer=embed">#football</a> <a title="小林悠" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E6%82%A0?refer=embed">#小林悠</a> <a title="小林悠しか勝たん" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E6%82%A0%E3%81%97%E3%81%8B%E5%8B%9D%E3%81%9F%E3%82%93?refer=embed">#小林悠しか勝たん</a> <a target="_blank" title=" Bridget made this - TikToker " href="https://www.tiktok.com/music/Bridget-made-this-7113347379155176194?refer=embed"> Bridget made this - TikToker</a> </section> </blockquote> <script async src="https://www.tiktok.com/embed.js"></script> <span class="paragraph-title">【動画】選手も困惑…Tシャツ着たまま、1人だけダッシュする小林悠</span> <span data-other-div="movie2"></span> <blockquote class="tiktok-embed" cite="https://www.tiktok.com/@frontale.official/video/7142038118412078337" data-video-id="7142038118412078337" style="max-width: 605px;min-width: 325px;" > <section> <a target="_blank" title="@frontale.official" href="https://www.tiktok.com/@frontale.official?refer=embed">@frontale.official</a> 走る小林悠 <a title="川崎フロンターレはサッカークラブです" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/%E5%B7%9D%E5%B4%8E%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%81%AF%E3%82%B5%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96%E3%81%A7%E3%81%99?refer=embed">#川崎フロンターレはサッカークラブです</a> <a title="frontale" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/frontale?refer=embed">#frontale</a> <a title="jリーグ" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/j%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0?refer=embed">#Jリーグ</a> <a title="soccer" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/soccer?refer=embed">#soccer</a> <a title="football" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/football?refer=embed">#football</a> <a title="小林悠" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E6%82%A0?refer=embed">#小林悠</a> <a title="小林悠しか勝たん" target="_blank" href="https://www.tiktok.com/tag/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E6%82%A0%E3%81%97%E3%81%8B%E5%8B%9D%E3%81%9F%E3%82%93?refer=embed">#小林悠しか勝たん</a> <a target="_blank" title=" Runner - Bakufu-Slump" href="https://www.tiktok.com/music/Runner-6939974028543952897?refer=embed"> Runner - Bakufu-Slump</a> </section> </blockquote> <script async src="https://www.tiktok.com/embed.js"></script> 2022.10.12 18:35 Wed4
Jリーグが理念強化配分金とファン指標配分金の支給額を発表! 「DAZN」ベースのファン指標分配金の1位は浦和、最下位はYSCCに…連覇神戸は5.5億円
Jリーグは25日、2025年度理念強化配分金の支給対象候補クラブ、2024年度ファン指標配分金支給対象クラブを発表した。 理念強化配分金は、2023年の明治安田生命J1リーグで1位から10位に対して送られるもの。20チーム制に変更となったために1チーム増えることとなった。また、2024シーズン年間ファン指標順位(DAZN視聴者数等1~10位)に基づいても支給される。 競技面では連覇を達成したヴィッセル神戸から10位のセレッソ大阪までに支給され、神戸は2025年、2024年にそれぞれ2億5000万円ずつを手にする。なお、2023年も優勝したため、その分の2億5000万も今回支給される。また、2位のサンフレッチェ広島には2年間で1億8000万円ずつ、3位のFC町田ゼルビアは、1億5000万円(2025年)と7000万円(2026年)を手にする。なお、2023年2位の横浜F・マリノスには1億8000万円、3位の広島には7000万円がしキュされる。 また、ファン指標順位は1位は2024年も浦和レッズとなり1億7000万円。2位が鹿島アントラーズで1億2000万円、3位が横浜FMで7000万円と続き、10位は名古屋グランパスで1000万円となった。なお、競技順位で10位以内に入っていないクラブでは、1位の浦和、10位の名古屋に加え、8位に北海道コンサドーレ札幌が入り2000万円となった。 さらに、「ファン指標配分金」として、13億6000万円をJリーグの全60クラブに分配。これは、2024シーズンのDAZN視聴者数やDAZNシーズンパス販売実績等で配分され、1位が浦和で8921万5930円。2位が横浜FMで7945万2984円、3位が川崎フロンターレで6648万1993円となっている。なお、最下位はY.S.C.C.横浜となり182万4625円が分配される。 <h3>◆理念強化配分金(競技)/総額11億2000万円</h3> 1位:ヴィッセル神戸 1年目ー2億5000万円、2年目ー2億5000万円 2位:サンフレッチェ広島 1年目ー1億8000万円、2年目ー1億8000万円 3位:FC町田ゼルビア 1年目ー1億5000万円、2年目ー7000万円 4位:ガンバ大阪 1年目ー1億5000万円、2年目ーなし 5位:鹿島アントラーズ 1年目ー1億2000万円、2年目ーなし 6位:東京ヴェルディ 1年目ー9000万円、2年目ーなし 7位:FC東京 1年目ー6000万円、2年目ーなし 8位:川崎フロンターレ 1年目ー5000万円、2年目ーなし 9位:横浜F・マリノス 1年目ー4000万円、2年目ーなし 10位:セレッソ大阪 1年目ー3000万円、2年目ーなし <h3>◆理念強化配分金(人気)</h3> 1位:浦和レッズ/1億7000万円 2位:鹿島アントラーズ/1億2000万円 3位:横浜F・マリノス/7000万円 4位:ヴィッセル神戸/5000万円 5位:川崎フロンターレ/4000万円 6位:サンフレッチェ広島/3000万円 7位:ガンバ大阪/2000万円 8位:北海道コンサドーレ札幌/2000万円 9位:FC町田ゼルビア/1000万円 10位:名古屋グランパス/1000万円 <h3>◆ファン指標配分金</h3>(昨年との金額比較) 1位:浦和レッズ/8921万5930円(↑) 2位:横浜F・マリノス/7945万2984円(↑) 3位:川崎フロンターレ/6648万1993円(↓) 4位:鹿島アントラーズ/6598万4095円(↓) 5位:ヴィッセル神戸/6491万8131円(↑) 6位:ガンバ大阪/5864万8883円(↑) 7位:名古屋グランパス/5851万4812円(↓) 8位:北海道コンサドーレ札幌/5315万3249円(↑) 9位:FC東京/4924万9886円(↑) 10位:サンフレッチェ広島/4572万5356円(↑) 11位:FC町田ゼルビア/4558万3908円(↑) 12位:アルビレックス新潟/4466万3143円(↓) 13位:ジュビロ磐田/4426万2918円(↑) 14位:セレッソ大阪/3988万8434円(↓) 15位:サガン鳥栖/3834万3648円(↑) 16位:柏レイソル/3695万3904円(↓) 17位:湘南ベルマーレ/3554万5920円(↓) 18位:東京ヴェルディ/3459万9966円(↑) 19位:京都サンガF.C./3438万1632円(↑) 20位:清水エスパルス/3362万962円(↓) 21位:アビスパ福岡/3259万3587円(↓) 22位:ベガルタ仙台/2298万6246円(↑) 23位:V・ファーレン長崎/1758万2571円(↑) 24位:大分トリニータ/1716万3388円(↑) 25位:ファジアーノ岡山/1704万1315円(↑) 26位:横浜FC/1664万9981円(↓) 27位:ジェフユナイテッド千葉/1608万1426円(↓) 28位:モンテディオ山形/1442万3396円(↓) 29位:ヴァンフォーレ甲府/1362万8966円(↓) 30位:松本山雅FC/1324万9873円(↑) 31位:ロアッソ熊本/1008万4227円(↓) 32位:栃木SC/983万8888円(↓) 33位:徳島ヴォルティス/934万7583円(↓) 34位:RB大宮アルディージャ/925万5971円(↓) 35位:ザスパ群馬/888万8344円(↓) 36位:レノファ山口FC/886万2864円(↓) 37位:いわきFC/878万641円(↓) 38位:鹿児島ユナイテッドFC/825万2572円(↑) 39位:愛媛FC/768万2897円(↑) 40位:水戸ホーリーホック/718万9579円(↓) 41位:藤枝MYFC/708万1435円(↓) 42位:ツエーゲン金沢/622万6288円(↓) 43位:ブラウブリッツ秋田/619万6520円(↓) 44位:カターレ富山/481万4398円(↑) 45位:ギラヴァンツ北九州/459万264円(↓) 46位:FC岐阜/396万9504円(↓) 47位:SC相模原/341万1253円(↓) 48位:FC今治/327万7554円(↓) 49位:AC長野パルセイロ/317万8338円(↓) 50位:カマタマーレ讃岐/313万7389円(↓) 51位:FC琉球/309万4569円(↓) 52位:福島ユナイテッドFC/288万7440円(↑) 53位:ガイナーレ鳥取/282万3403円(↓) 54位:ヴァンラーレ八戸/265万6822円(↓) 55位:いわてグルージャ盛岡/261万6733円(↓) 56位:アスルクラロ沼津/251万5766円(↓) 57位:テゲバジャーロ宮崎/237万4594円(↑) 58位:FC大阪/226万1536円(↑) 59位:奈良クラブ/223万1534円(↓) 60位:Y.S.C.C.横浜/182万4625円(↓) 2025.02.25 17:40 Tue5